大手前通りに残る江戸時代の石積
「見えるところは美しく」見栄の文化
大手前通りの拡幅工事に伴う埋蔵文化財調査では、江戸時代の石組水路(下左写真)が残っていることが分かりました。石組水路の石積は、道から見える部分は丁寧に仕上げられていますが、見え難い溝の中や道側の部分については、雑然と積まれていました。「武士は食わねど高楊枝(たかようじ)」ではありませんが、見栄っ張りな一面を垣間見ることができます。
石組水路の下を掘り下げると、地表面下約1.1メートルの深さから素掘りの大溝(おおみぞ)(下右写真)が見つかりました。これは、城下町造成当初に排水と区割を兼ねて掘られたもので、石組水路と同じく道路に沿って存在しています。これらのことから、大手前通りは松江の城下町がつくられた江戸時代の初めに整備され、現代に至るまでその幅員は変わることなく利用され続けていたことが分かりました。松江城下町を造った堀尾氏は勇猛な武将であるとともに、優秀な都市計画家だったようです。

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更新日:2023年02月01日