松江市美保関伝統的建造物群保存地区

更新日:2026年09月02日

伝統的建造物群保存地区とは

伝統的建造物群保存地区とは、文化財保護法に基づき、伝統的な町並みを維持・継承している地区を市町村が定め、建造物だけでなく周囲の環境と一体で保存・整備していく制度です。

美保関伝建地区の概要

美保関の町並みの特徴

美保関は、漁業を中心とした集落であると同時に、船乗りが滞在した港町として、また門前町としての性格も持ち合わせた町です。伝統的建造物は、その性格を反映して、住宅や、かつての船宿あるいはそれを踏襲した町家建築、大型の旅館建築といった建物が混在しています。特に船宿から派生し、明治時代に発展したとみられる1階下屋上に縁を造り座敷を設ける形式は一般の住宅にも影響を与え、建物の平面形式・構造・表構の特徴として表れています。時代ごとに2階壁面の前後位置が変化していくものの、1階下屋もしくは小庇の軒高はほぼ統一されており、町並み全体において統一感がみられます。

美保関は、江戸時代から昭和30年代までに建築された、特徴ある伝統的建造物も多く残っています。また、歴史的な町並みに加え、地域住民によって守り継がれてきた祭礼行事も融合し、港町・門前町としての歴史的風致をよく残しています。

松江市美保関伝統的建造物群保存地区の概要
保存地区の名称 松江市美保関伝統的建造物群保存地区
決定年月日 令和7年12月23日
所在地及び面積 松江市美保関町美保関の一部(下図) 約5.9ヘクタール

 

保存地区の位置図、範囲図

松江市美保関伝統的建造物群保存地区の位置図

松江市美保関伝統的建造物群保存地区範囲図

伝統的建造物の特徴-建築物―

保存地区は、西から泊小路、中浦小路、月名小路、美保小路の集落から成り、美保神社の参道脇から本通りと呼ばれる幅の狭い中心街路と、これに直交する谷筋に面して町家や旅館建築が並んでいます。地区内には神社がひとつとお寺が3つあります。

北前船の風待ちの寄港地、そして美保神社の門前町として繁栄してきたことを物語る「伝統的建造物」も多く残っています。伝統的建造物の町家の主屋は、切妻造平入でいぶし瓦の桟瓦葺を基本としており、つし二階、または二階建て(写真1)で、一階の平面は通り土間に沿って部屋を並べる一列型が大半を占めています(写真2)。一室目に神棚を設けてえびす神を祀るのが特徴で、美保神社の祭礼の影響を示しています。屋根の軒下の出桁を支える腕木は雲形に作られ、町並みに彩を加えています(写真3)。また、旅館建築はいずれも意匠を凝らした和風建築で、垂木を吹寄せとしたり、一階の軒に唐破風の小庇を設けるなど数寄屋風の意匠となっています(写真4)。

 

伝統的建造物-建築物-の特徴

写真1(切妻造・平入・桟瓦葺の屋根)

切妻造・平入・桟瓦葺の屋根の並ぶ本通り

写真2(一階通り土間と居室部)

通り土間と居室部

写真3(装飾のある腕木)

腕木

 

写真4(大型の旅館建築・数寄屋風の意匠)

数寄屋風の意匠の大型旅館

 

 

伝統的建造物の特徴-工作

伝統的建造物-工作物-一覧

燈籠(弁天波止場常夜燈)

天保13年(1842)に建てられ、その後、明治3年(1870)、平成23年(2011)に再建されました。海運で栄えた美保関のシンボルです。

弁天波止場常夜燈

石碑(道標)

道路整備が行われて半分埋没していますが、「右鳥井前…」の文字があり、本通りから美保神社までのかつての道標です。

石碑(道標)

美保関おかげの井戸

美保神社参道にある井戸は「おかげの井戸」と呼ばれ、干ばつ時に宮司が雨乞いをしたところお告げがあり、その場を掘削すると水が湧いたと伝えられています。以後、地域の共同井戸として大切に利用され、信仰の対象ともなっています。

美保関おかげの井戸

石敷舗装(青石畳通り)

江戸時代末期ごろに作られたと伝わっています。雨に濡れると鮮やかな青緑色に発色することから、「青石畳通り」と呼ばれています。

青石畳通り

石垣

海岸線の道路ができるまでは建物の際まで海が迫っていました。かつての海岸線を示す石垣が残っています。切石積や乱石積といった伝統的な石垣も残っています。

石垣

係留柱

船を係留するための石造の係留柱。天保8年(1837)に設置された38本のうちの1本。海岸線に県道が敷設されるまで、建物の際まで海が迫っていたことを示す遺構です。

係留柱

石室

中浦小路にある定秀家の山手に石室があります。定秀家は古くから廻船問屋として栄えた家です。北前船で運ばれてきた物資をこの石室で貯蔵していたと伝わっています。

石室

 

関係する条例、計画

松江市美保関伝建地区の手引き

松江市美保関伝統的建造物群保存地区の手引き(表紙)

松江市美保関伝統的建造物群保存地区マップ

松江市美保関伝統的建造物群保存地区マップ(表)

松江市美保関伝統的建造物群保存地区マップ(中)

この記事に関するお問い合わせ先

文化スポーツ部 文化財課
電話:0852-55-5956(歴史まちづくり係)、0852-55-5523(文化財係)
ファックス:0852-55-5658
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