表彰工事概要(令和元年度準用河川米子川護岸連杭改修工事)

更新日:2023年02月01日

表彰工事の概要

表彰業務概要
部門名 一般土木工事(中規模)
工事名 令和元年度準用河川米子川護岸連杭改修工事
工期 令和元年12月3日から令和2年3月30日まで
工事場所 南田町
表彰事業者名 カナツ技建工業株式会社
代表者名 代表取締役金津任紀氏
表彰技術者名 主任技術者松尾鉄平氏
工事概要
  • 施工延長L=34.9メートル
  • 鋼管工L=2.0メートルN=315本
  • 杉丸太L=0.8メートルN=315本
  • 鋼管工L=5.0メートルN=17本
表彰理由 本工事は、波による護岸浸食の防止のため実施したもので、当個所は住宅地に近接し、堀川遊覧船の航路となっていましたが、適切な施工管理で事故等なく完了が図られました。また、現場付近で発生した油漏れ事故の対応に積極的に協力し、地域貢献に努めました。出来形、品質管理も良好で、全体として優良な工事でした。

現場レポート(表彰工事紹介・技術者インタビュー)

住宅沿いにある堀川遊覧船の運航ルートの米子川の写真

米子川は、松江市の中心部にある米子町周辺を南北に流れ、通称「堀川」を構成する河川の一つである。堀川はその名の通り、松江城の堀として開削された人工河川で、古くから城下町のシンボルとして多くの人々に親しまれ、利用されてきた。さらに現在では、堀川遊覧船の運航ルートとして、全国から訪れる観光客を乗せた船が毎日航行している。

米子川の護岸は頑丈なコンクリートによってできているが、水の力を完全に防げるわけではない。一般的にコンクリートの護岸の場合、波の浸食などにより、時間の経過とともに後背部(護岸に守られている後ろ側の土地)の土砂が、護岸の底部や目地から河川に流出する「吸出し」という現象が起きる可能性がある。そして最悪の場合、護岸の崩壊や後背部の陥没につながるリスクもある。米子川では護岸浸食を防止するため、コンクリート護岸の前部へせり出すように、杭を打設する事業が平成26年度から続けられている。本工事は、北堀川との合流地点に近い延長34.9メートルの部分を施工するものである。耐久性を考慮して鋼管杭を採用しているが、堀川の景観と調和するよう、上部は木杭となっているのが特徴的だ。護岸に沿ってすき間なく打設された杭は、315本にのぼる。

コンクリート護岸の前部へせり出すように打設された木杭の写真

カナツ技建工業株式会社の主任技術者(当時)松尾鉄平氏は、受賞の感想をこう話す。「このたびは、大変素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。驚きと喜びと感謝の気持ちでいっぱいです。受賞の話を聞いたとき、いつもバックアップしてくださる会社の皆様のおかげだと思いました。また、近隣地域の皆様のご協力もあり、無事に工事を完工することができました。この場をお借りして、お礼を申し上げたいと思います。皆様本当にありがとうございました。」

本工事の工事場所では、工事中も堀川遊覧船の運航が続けられたため、安全面や景観面で大きく配慮がなされた。「米子川は松江市の景観計画の中で、景観重要公共施設として位置づけられており、また堀川遊覧のコースにもなっています。米子川は河川幅が狭いので、施工中は関係各所との連絡調整及び仮設配置計画を綿密に行い、堀川遊覧の運行を阻害しないようにしました。また、配置してある仮設資機材が景観を損ねるため、風景に溶け込ませるように仮設備を設置し、景観に配慮しました。」と松尾氏は語る。

代表取締役の金津氏と主任技術者の松尾氏が表彰状を手にして並んでいる写真

カナツ技建工業株式会社
(写真左)代表取締役 金津氏
(写真右)主任技術者 松尾氏

仕事における今後の目標を聞くと「会社員としてだけではなく、土木技術者として松江市の社会基盤発展に貢献し、住みよい街をつくっていくことが目標です。」との答えが返ってきた。また、建設業のやりがいについては、「社会基盤を整備する仕事であり、地域や人々の暮らしの手助けができることです。また、個人として、工事が無事に終わり、自分が手掛けたものを目にするたびに、誇らしいような、何とも言えない気持ちになることだと思います。」と語った。

これから建設業界を目指す人に対しては、「建設業は3K労働(きつい、危険、汚い)というイメージが強いと思いますが、近年ではICT技術の導入や管理資料を作成するソフトウェアの発展により業務の効率化が進んでおり、新3K(給与がいい、休暇が取れる、希望が持てる)という方向へ変わり始めています。また、ICT技術の導入により、以前よりさらにIT分野の知識が必要になってきています。今後建設業界を目指す人はIT分野の勉強をしておくといいと思います。」とメッセージを寄せてもらった。

最後に、松尾氏が所属するカナツ技建工業株式会社のいいところについて紹介してもらった。「『よいことはどんどん取り入れて改善していこう』という社風なので、よいところはどんどん伸ばすことができ、悪いことはすぐに改善できる体制にあります。」

土木技術が、城下町の暮らしと美しい景観を守っている。

(注意)事業者PR資料は次のリンクをご覧ください。

(注意)本記事の内容は取材当時のものです。

この記事に関するお問い合わせ先

財政部 契約検査課
【工事担当】電話:0852-55-5403
​​​​​​​【物品担当】電話:0852-55-5404
ファックス:0852-55-5570
お問い合わせフォーム