原子力災害への備え

更新日:2023年02月01日

原子力災害は特殊な災害

原子力災害は、環境に異常な水準の放射性物質や放射線が放出される事態です。

地震・風水害・火災などとは違い、五感に感じることができず、身体への影響の程度や、どのように行動すればよいのかを自ら判断できません。

原子力災害に対処するためには、放射線に関する知識や放射線測定器などが必要なため、各自で勝手に行動せず、県や市の指示に従って行動することが大切です。

外部被ばくと内部被ばく

放射性物質からの放射線による被ばくは、体の外部から受ける場合(外部被ばく)と、人が呼吸によって空気中の放射性物質を吸い込んだり、放射性物質を含んだ飲食物を取り込むことによって、体の内部から受ける場合(内部被ばく)があります。

外部被ばくと内部被ばくの説明図

原子力防災対策

災害時の注意点

 原子力災害に備え、国、県、市では原子力防災計画に基づき、防災対策を定めています。

 万が一、原子力発電所で事故が発生し、放射性物質の漏れによる影響が発電所周辺におよんだり、およぶおそれが生じた場合、国、県や市町では災害対策本部を設置し、みなさんがどう行動すればよいか、必要な情報を迅速に報告します。

災害の情報は、テレビ、ラジオ、防災行政無線、有線放送、広報車などを通じてお知らせします。災害時には次の点に注意しましょう。

  1. 広報車、防災行政無線などの情報に注意する。
  2. テレビ、ラジオのスイッチを入れ、正確な情報をつかむ。
  3. 緊急を要する電話以外はご遠慮下さい。
  4. お隣さんとの情報確認。
  5. 災害対策本部の情報を信じデマにまどわされない
情報連絡についての説明図

屋内退避・避難

放射線防護の3原則

放射線防護の基本は「遮へい」、「距離」、「時間」です。

  • 放射線を出す物質との間に遮へいできるものを置くこと
  • 放射線を出す物質との距離をとること
  • 放射線を出す物質に近づいている時間を短くすること

これらの対応をすることで放射線を受ける量を減らすことができます。

放射線防護の基本(遮蔽、距離、時間)の説明図
放射線の種類と透過力

放射線にはα線(アルファ線)、β線(ベータ線)、γ線(ガンマ線)などの種類があります。

放射線には主に5つの種類があり、以下の素材で弱めることができます。

  • α線(アルファ線)をとめる(紙)
  • β線(ベータ線)をとめる(アルミニウム等の薄い金属板)
  • γ線(ガンマ線)、X線をとめる(鉛や鉄の厚い板)
  • 中性子線をとめる(水やコンクリートなどの「水素」を含む物質)
放射線の種類と透過力の説明図
避難の指示、伝達、措置

原子力発電所で発生した重大事故の状況や、異常な水準で放出された放射性物質の拡散状況などに応じて、放射線の影響から住民の皆さんをまもるため、国・県・市から屋内退避や広域避難の指示が出ます。

広域避難は最終的な防護措置を考えており、住民の安全を確保しつつ住民が無用な被ばくを受けないという目的を達成する観点からも、屋内退避や飲食物(屋外で採れる農産物など)の摂取制限など様々な防護措置を実施します。

住宅などでの屋内退避

自宅などの屋内に退避しただけでも、放射線を受ける量を減らすことができます。
コンクリートの建物は木造の建物より遮へい効果が大きく、また気密性も高いので、放射線を受ける量を相当減らすことができます。木造の建物よりコンクリート建物への退避が望ましいです。

一時移転、広域避難

PAZにおいては、全面緊急事態において、広域避難の指示が出されることになります。
UPZにおいては、放射性物質の放出状況を踏まえ、防護措置を実施すべき区域が設定されます。(原子力発電所の状況やPAZの避難状況を踏まえて段階的避難を行う場合もある。)

  • 1時間あたり20マイクロシーベルトを超過する状況になると、一週間程度内の一時移転の指示が出されることになります。
  • 1時間あたり500マイクロシーベルトを超過する状況になると、広域避難の指示が出されることになります。
事故の状況に応じた防護措置についての表
屋内退避の指示がでたら

屋内退避の指示がでたら、自宅や職場、最寄りの公共施設の中などに入りましょう。そして、次の指示が出るまで屋内で待つようにしてください。

  • 放射性物質の侵入を防ぐ
    室内に外気を取り込まないようにするため、ドアや窓を閉め、換気扇、換気機能付きのエアコンなどを止める。
  • 体についた放射性物質を洗い流す
    外から帰ってきた人は、着替えて顔や手を洗う。着替えた衣服はビニール袋に保管し、他の衣類と区別しておく。
  • 放射性物質による汚染を防ぐ
    室内に入った放射性物質の付着を防ぐため、食品にラップやフタをする。
  • 正確な情報をつかむ
    広報車、ラジオ、テレビなどで正確な情報を入手する。
屋内退避の指示が出たらの説明図
一時移転、避難の指示がでたら

広域避難の指示が出たら、地区ごとに松江市外の自治体に避難することになります。国、島根県、松江市からの情報をよく確認して冷静に行動しましょう。

基本ルール

自家用車避難を行う方

自宅から、できるだけ乗り合わせのうえ、避難経路を通り、地区ごとに定められた避難先に避難します。避難先の目的地となる避難経由所が開設されていますので、ここで避難所への誘導を受けます。

バス避難(集団避難)を行う方

地区ごとに定められた一時集結所へ移動し、行政が用意したバス等で避難します。

避難の際の留意事項

戸締りなど

電気のコンセントを抜き、ガスの元栓を閉め、戸締りを忘れずに。

近隣での助け合い

隣近所にも声をかけ、病気や高齢者の方を助けるなど、お互いに協力しましょう。

自家用車避難

放射性物質が拡散している地域を通る際には、窓を閉め、エアコンを内気循環にして外気ができるだけ入らないようにします。

ペット

ペットは長期の避難を想定して連れて行きます。バス避難の場合はケージに入れるなど搬送時に配慮し、避難先での居住スペースは避難先自治体の指示を受けてください。(えさなどの世話は自身で行います。)

自主的な避難所運営

避難所は、避難者に安心と安全を提供するとともに、避難者が互いに励まし、助け合いながら生活再建を始めるための拠点ともなります。避難者のニーズに応じ、生活環境を向上させるため、できるだけ早期に、避難者による自立的な避難所運営を行う体制を整えます。(支所、地区ごとの災害対策本部や市の職員などと協力し、避難所ごとに「避難所運営委員会」を設置します。)

広域避難の指示が出たらの説明図
避難の際の留意事項の説明図

この記事に関するお問い合わせ先

防災部 原子力安全対策課
電話:0852-55-5616
ファックス:0852-55-5617
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