安全を守るためのしくみ
原子力発電所では、運転員のミスや機器の故障があった場合でも、自動的に制御され事故につながらないような配慮がなされています。
- 原子炉の緊急停止(スクラム)
原子炉内の異常や主要な機器の故障などが発生すると、自動的に多数の制御棒が炉心内に入り原子炉が停止します。 - フェイル・セーフ・システム
システムの一部に故障が生じた場合でも、常に安全状態に向かうという考え方に基づき設計されたシステムのことです。例えば、沸騰水型原子炉で制御棒を動かす電源が何らかの理由で切れても、水圧を利用したシステムが自動的に作動し、原子炉を停止します。 - インターロック・システム
運転員が誤って制御棒を引き抜こうとしても、制御棒の引き抜きができないようになっており、誤った操作による故障・トラブルを防止します。 - 機器の点検
原子力発電所では、機器の製造や据え付けの状態などを確認するため、建設の途中で多くの試験や検査が行われています。また、運転開始後も日常的に点検が行われるとともに、法律に基づき約1年に1回原子炉を止めて綿密かつ膨大な点検が行われています。 - 自然災害の対策
原子力発電所は、地震、台風、高潮、津波などの自然災害対策が十分なされています。例えば地震に対しては、原子炉建屋などは強固な岩盤に支持させ、構造物自体も、極めて頑丈な構造にしています。
発電所の設計にあたっては、過去の地震の発生状況や地震の原因といわれる活断層の存在などを文献や現地調査等によって詳細に調査するとともに、一般建築物の耐震設計に用いられる地震力の3倍の地震力を考慮して、発電所の建屋、構造物、機器配管類など、重要度に応じて十分余裕のある耐震設計がなされています。 - 異常を早く発見できる設計
運転中に蒸気発生器の伝熱管にピンホール(針であけたような小さな穴)が発生したり、配管から漏洩が生じた場合、これらの異常が小規模なうちに検出できるように、各種の自動監視装置が設けられています。
そしてこのような場合は、それぞれ原子炉停止などの必要な措置が講じられています。 - 原子炉を緊急に停止できる設計
原子炉内の圧力が急速に高まるなど緊急を要する異常を検知し、原子炉を停止する必要がある場合には、多数の制御棒を一度に入れて原子炉を自動的に停止できるように、検出装置や原子炉緊急停止装置が設置されています。 - 非常用炉心冷却装置の設置
一次冷却系主配管が瞬間的に破断することによる一次冷却水そう失事故等を想定し、原子炉および格納容器内に洩れた水蒸気を冷却する非常炉心冷却装置(ECCS)や原子炉格納容器が設けられています。


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更新日:2023年02月01日