事故トラブル状況

更新日:2023年02月01日

異常時における連絡(安全協定第10条)に該当するもの

平成21年以降

異常時における連絡(安全協定第10条)に該当するもの(平成21年以降)
発生年月日 プラント名 トラブル内容 INES評価結果
平成28年12月8日 2号機 中央制御室空調換気系ダクトの点検(点検のための保温材取り外し)を行っていたところ、当該ダクトに腐食孔(横約100センチ、縦約30センチ)があることを確認。 評価尺度1
平成27年6月6日 その他 防波壁東扉付近に駐車中の散水車に搭載している給排水ポンプ付近から発煙。原因は雨水等の侵入による内部回路のショート(短絡)と推定。 なし
平成22年6月14日 3号機 工事現場屋外の金属製のゴミ収集箱からの発煙。原因は収集箱内の塗料等が付着したウェスの自然発火によるものと推定。 なし
平成22年3月31日 1号機 1,2号機の点検計画表と点検実績の不整合が確認され、点検の未実施件数が多数にのぼっていることから、これらの点検を行うため、原子炉を手動停止。 なし
平成21年6月25日 3号機 建設工事エリアにおいて、作業員が溶剤を運搬中、容器を転倒させたため、溶剤の一部が溶接作業エリアに滴下し、一瞬、炎と煙が発生。 なし
平成21年3月26日 1号機 定期試験時、制御棒緊急挿入用電磁弁の電源端子接触不良のため、制御棒1本が全挿入。 評価尺度0−
平成21年2月17日 3号機 建設工事エリアにおいて、溶接作業を行っていたところ、火花が機器の保護シートに引火。 なし

(注意)表中の評価尺度は平成年8月1日以降に発生した故障・トラブル等に対して実施の国際原子力事象評価尺度(INES)による原子力発電事故・故障等評価委員の評価結果。

(注意)「なし」は法律に基づく報告ではないため、INESによる評価は行われていない

平成11年から平成20年

異常時における連絡(安全協定第10条)に該当するもの(平成11年から平成20年)
発生年月日 プラント名 トラブル内容 INES評価結果
平成20年8月3日 1号機 定期試験のため高圧注水ポンプを起動したところ、高圧注水系駆動用タービンが自動停止。 評価尺度0+
平成20年7月12日 1号機 原子炉隔離時冷却系において、蒸気管破断の信号が発生。現場確認を行い、蒸気管破断の無いことを確認したが、当該系統が起動できない状態であったため、運転上の制限を満足しないと判断。 なし
平成20年7月11日 1号機 運転中に実施する定期試験中、高圧注水ポンプを起動したところ、高圧注水系駆動用タービンが自動停止(その後、高圧注水ポンプを再起動したところ、正常に運転できることを確認)。 なし
平成19年11月21日 1号機 定期検査に先立った燃料取替装置の点検を実施するために燃料取替装置を移動したところ、燃料つかみ部が燃料プールの手すりに接触して変形。 (評価対象外)
平成18年11月9日 1号機 定期検査中に復水フィルタ出口ヘッダー配管と復水フィルタ出口配管との接合部にエロージョン・コロージョンにより技術基準における必要な厚さを下回っている部位を確認。 評価尺度0−
平成18年10月13日 1号機 定期検査中に復水貯蔵タンク側面のタンク水位計配管取り付け部に腐食により技術基準における必要な厚さを下回っている部位を確認。 評価尺度0−
平成17年7月6日 1号機 調整運転中、ドライウエル真空破壊弁のうち1弁の全閉ランプの消灯を確認し、原子炉手動停止。 評価尺度0−
平成17年6月18日 2号機 定格出力運転中、原子炉再循環ポンプBのメカニカルシール機能低下に関するパラメータの変化を確認したため、監視をしていたが、回復傾向が認められないことから、当該メカニカルシール取替のため発電を停止した。 なし
平成17年4月2日 2号機 出力上昇中、制御棒パターン調整のため出力降下を行ったところ、主蒸気逃がし安全弁の排気管温度が上昇(約110度で安定)。このため、当該安全弁の調整作業を行うこととし、発電機出力を64万kWから47万kWまで降下。 なし
平成17年3月25日 2号機 定格出力運転中、原子炉再循環ポンプメカニカルシール機能低下に関するパラメータの変化を確認した。このため、メカニカルシールを取り替えることとし、原子炉を手動停止。 なし
平成16年8月9日 2号機 廃棄物処理建屋3階ランドリー室の火災警報機が作動し、自衛消防隊による消火活動を行い、消防署により鎮火が確認された。 なし
平成16年3月17日 2号機 原子炉格納容器内ドライウエル冷却機凝縮水量及び床ドレン量増加に伴う原子炉手動停止。 評価尺度0+
平成16年1月28日 2号機 原子炉給水ポンプB号駆動用タービンの蒸気加減弁を制御する装置が要求信号に追従していなかったことから、予備機に切り替え。 なし
平成15年12月2日 1号機 原子炉建屋5階で原子炉格納容器上蓋取り付け作業に従事していた作業員1名にわずかな放射性物質の内部摂取が発生。 なし
平成13年4月18日 2号機 定格運転中、タービン建物3階に仮設した作業用ハウス内で、島根1号機シュラウド取替工事で使用した機材の切断中に、ハウスの換気用に設置した局所排風器から発煙を発見し、直ちに消火。 なし
平成12年6月14日 その他 サイトバンカ建物焼却設備投入機温度高警報が発生し、消防署に通報。調査の結果、建物内の火災ではなく、焼却設備投入機内での一時的な発煙。 なし

(注意)表中の評価尺度は平成4年8月1日以降に発生した故障・トラブル等に対して実施の国際原子力事象評価尺度(INES)による原子力発電事故・故障等評価委員の評価結果。

(注意)「なし」は法律に基づく報告ではないため、INESによる評価は行われていない

平成元年から平成10年

異常時における連絡(安全協定第10条)に該当するもの(平成元年から平成10年)
発生年月日 プラント名 トラブル内容 INES評価結果
平成7年1月30日 2号機 定格出力運転中、「スクラム排出容器水位異常高」の発信により、原子炉自動停止。 評価尺度1
平成5年2月4日 1号機 定格運転中、原子炉格納容器の格納容器冷却機ドレン量に増加が認められたため、原子炉手動停止。 評価尺度0−
平成5年1月18日 2号機 定格出力運転中、原子炉再循環ポンプAの軸封部(メカニカルシール)に機能低下が認められた。このため、当該軸封部を取り替えることとし、原子炉を手動停止。 評価尺度0−
平成4年2月20日 1号機 定格出力運転中、「中性子束異常高」の誤信号により原子炉自動停止。調査の結果、落雷の影響により中性子束を計測する電気回路に誤信号が発生したものと判明。 なし
平成2年12月4日 2号機 12月1日、原子炉起動し、発電再開の準備を行っていたところ、設定値より低い主蒸気圧力において原子炉冷却モードスイッチを「起動」から「運転」に切り替えたため、主蒸気隔離弁閉の信号により原子炉が自動停止。 なし
平成2年11月19日 2号機 定格中出力運転中、原子炉再循環ポンプBの電動機潤滑油位が低下したため原子炉手動停止。 なし
平成元年9月6日 1号機 定格出力運転中、原子炉再循環ポンプBの振動大の警報が発生したため、原子炉手動停止。原因は、振動検出器の動作部に異物が付着し、検出感度が変化して誤作動したため。 なし
平成元年4月10日 2号機 定格出力運転中、原子炉再循環ポンプAの回転数が低下したため、原子炉手動停止。原因は、原子炉再循環流量制御系の1つのリレーに接触不良が生じたことによる。 なし

(注意)表中の評価尺度は平成4年8月1日以降に発生した故障・トラブル等に対して実施の国際原子力事象評価尺度(INES)による原子力発電事故・故障等評価委員の評価結果。

(注意)「なし」は法律に基づく報告ではないため、INESによる評価は行われていない

昭和63年以前

異常時における連絡(安全協定第10条)に該当するもの(昭和63年以前)
発生年月日 プラント名 トラブル内容
昭和63年11月13日 1号機 調整運転における出力上昇中、タービン軸振動の増加傾向が認められたため、タービン発電機を手動停止。
昭和63年7月11日 2号機 試運転時における出力上昇中、保護継電器の動作により発電機、タービンが停止。
昭和62年8月12日 1号機 定格出力運転中、送電線への落雷により、タービン自動停止。引き続き、原子炉自動停止。
昭和60年9月12日 1号機 定格出力運転中、落雷により、タービン自動停止。引き続き、原子炉自動停止。
昭和56年12月7日 1号機 中間停止中、制御棒駆動水圧系引抜配管に損傷を発見。
昭和56年6月16日 1号機 調整運転中、原子炉冷却材浄化系A-再生熱交換機保温材からの水漏れを発見、調査のため原子炉を手動停止。
昭和54年7月28日 1号機 調整試験時、制御棒駆動水圧系常駆動電磁弁不調による制御棒1本全挿入。
昭和52年3月1日 1号機 定期検査中、制御棒駆動水戻りノズル部のひびを発見。
昭和51年8月27日 1号機 蒸気タービン主蒸気止め弁閉止テスト中、主蒸気止め弁のテスト用電磁弁が誤作動したため原子炉自動停止。

運転上の制限を満足しない場合の連絡(安全協定第9条)に該当するもの

運転上の制限を満足しない場合の連絡(安全協定第9条)に該当するもの
発生年月日 プラント名 トラブル内容
平成14年5月24日 2号機 定格出力運転中、非常用ディーゼル発電機手動起動試験において、ディーゼル発電機を待機除外にしたところ、ディーゼルトリップ及び過速度の警報が発報したため、運転上の制限を満足しないと判断。
平成15年6月26日 1号機 非常用ディーゼル発電機停止用電磁弁本体付近及び同弁の排気側から空気漏れを確認したため、運転上の制限を満足しないと判断。
平成18年2月28日 2号機 原子炉の冷却操作を実施中、非常用炉心冷却系起動用原子炉水位計の異常を示す警報が発生したため、運転上の制限を満足しないと判断。
平成20年4月17日 1号機 定期検査中、原子炉を起動したところ、格納容器放射線高の警報が発生したので、原子炉格納容器線量当量率計を確認したところ、指示値が安定していなかったため、運転上の制限を満足していないと判断。
平成20年4月18日 1号機 定期検査中、起動試験を行っていたところ、格納容器放射線高の警報が発生した。関連する運転データを確認した結果、原子炉格納容器線量当量率計の動作不良と判断し、運転上の制限を満足しないと判断。
平成20年9月7日 2号機 定期検査のため、原子炉を停止し、原子炉冷却操作中(高温停止状態)に、主蒸気管モニタの警報が発生したため、運転上の制限を満足していないと判断。
平成24年1月27日 2号機 定期検査中、原子炉冷却操作を行っていたところ、原子炉内の中性子源領域計装の検出器4チャンネルのうち3チャンネルが動作不能となったため、運転上の制限を満足しないと判断。

国際原子力事象評価尺度(INES)について

国際原子力事象評価尺度(INES:InternationalNuclearEventScale)の導入

国際原子力事象評価尺度(INES)とは、原子力発電所等で発生した事故等の影響について、客観的に判断出来る、国際的に統一された評価の基準のことです。
INESは、安全上重要ではないレベル0から、東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所事故(2011年)、チェルノブイリ事故(1986年)に相当する重大な事故レベル7までの8段階に分けています。原子力発電所の事故の評価には、国際原子力評価尺度(INES)を用い、レベル0からレベルまでの8段階での評価を行っています。
INESは、3種類の基準(基準1:所外への影響、基準2:所内への影響、基準3:深層防護の劣化)により構成され、各基準ごとにレベルを評価し、これら3種類のレベルのうち最高のものを評価結果としています。

基準1:所外への影響とは

原子力発電所敷地外への放射性物質の放出の観点からの基準...敷地外への放射性物質の放出量や、それに伴う一般公衆の被ばくの影響など

基準2:所内への影響とは

原子力発電所敷地内への影響の観点からの基準...原子炉の炉心損傷の程度や、発電所内の汚染量、従業員の被ばくの影響など。

基準3:深層防護の劣化とは

原子力発電所の安全を確保する機能の劣化の観点からの基準...非常用炉心冷却系のような発電所の安全を確保するための多重、多様な安全システムの安全追及手段の劣化の観点からの基準。
日本では平成4年8月1日よりINESの運用が開始されています。
事故等が発生すれば速やかに原子力規制委員会から暫定評価が発表され、原因究明・再発防止対策が確定した後、原子力規制委員会が正式評価を行い、その結果が発表されます。

国際原子力事象評価制度(INES)
- レベル 基準1:所外への影響 基準2:所内への影響 基準3:深層防護の劣化 参考事例(INESの公式評価でないものが含まれている)
事故 7(深刻な事故) 放射性物質の重大な外部放出
(ヨウ素131等価で数万テラベクレル相当以上の放射性物質の外部放出)
なし なし
  • 旧ソ連チェルノブイリ事故(1986年)
  • 東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所事故(2011年)
事故 6(大事故) 放射性物質のかなりの外部放出
(ヨウ素131等価で数千から数万テラベクレル相当以上の放射性物質の外部放出)
なし なし なし
事故 5(所外へのリスクを伴う事故) 放射性物質の限られた外部放出
(ヨウ素131等価で数百から数千テラベクレル相当以上の放射性物質の外部放出)
原子炉の炉心の重大な損傷 なし
  • アメリカスリーマイルアイランド事故(1979年)
事故 4(所外への大きなリスクを伴わない事故) 放射性物質の少量の外部放出
(公衆の個人の数ミリシーベルト程度の被ばく)
原子炉の炉心のかなりの損傷/従業員の致死量被ばく なし
  • JCO臨界事故(1999年)
異常な事象 3(重大な異常事態) 放射性物質の極めて少量の外部放出
(公衆の個人の十分の数ミリシーベルト程度の被ばく)
所内の重大な放射性物質による汚染/急性の放射線障害を生じる従業員の被ばく 深層防護の喪失 なし
異常な事象 2(異常事態) なし 所内のかなりの放射性物質による汚染/法定の年間線量限度を超える従業員の被ばく 深層防護のかなりの劣化
  • 美浜発電所2号機蒸気発生器伝熱管損傷(1991年)
異常な事象 1(逸脱) 安全上重要ではない事象 安全上重要ではない事象 運転制限範囲からの逸脱
  • もんじゅナトリウム漏えい(1995年)
尺度以下 0(尺度以下) 安全上重要ではない事象 安全上重要ではない事象 0+(安全に影響を与える事象) なし
評価対象外 なし 安全に関係しない事象 安全に関係しない事象 0-(安全に影響を与えない事象) なし

この記事に関するお問い合わせ先

防災部 原子力安全対策課
電話:0852-55-5616
ファックス:0852-55-5617
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