松江城山稲荷神社式年神幸祭ホーランエンヤ

「ホーランエンヤ」は、松江市で行われる松江城山稲荷神社の式年神幸祭の通称で、日本最大級の船神事です。一時は12年毎に行われていましたが、現在は式年祭として元の10年目毎に行われる形に戻されました。

祭りの期間は9日間。城山稲荷神社から御神輿を船団でお運びする「渡(と)御(ぎょ)祭(さい)」と阿太加夜神社本殿にお迎えし、7日間の大祈祷が行われるその中日に櫂(かい)伝(でん)馬(ま)踊(おど)りが奉納される「中(ちゅう)日(にち)祭(さい)」、再び船団によって城山稲荷神社へと御神霊をお送りする「還(かん)御(ぎょ)祭(さい)」の3つの祭礼が期間中行われます。

特に渡御祭と還御祭は、五大地と呼ばれる地域の人々が一同に集まり、色とりどりに装飾された各地区の櫂伝馬船が大船行列を作る壮大な姿が楽しめます。船の数は御神霊を運ぶ神輿船をはじめ100隻以上にも上り、絢爛豪華に飾り付けられた櫂伝馬船の上では、音頭取の威勢のいい声に合わせて整然と揃う櫂捌きや舳先で大見得を切る歌舞伎風の剣(けん)櫂(がい)、艫(とも)で女装姿で身をくねらす采振りの美しく華やかな姿が人々を魅了します。櫂伝馬船の上で披露される櫂伝馬踊りは松江市の無形民俗文化財に指定されています。