美保神社神事保存会

更新日:2024年01月12日

記紀によると天孫降臨に先立ち、使いの神が出雲国に下り、大国主神(おおくにぬしのかみ)に「この国を天つ神に献上せよ」と伝えた時、大国主神の子の事代主神(ことしろぬしのかみ)は、たまたま美保碕で魚釣りをされていました。父神から国譲りについて尋ねられた事代主神は「(かしこ)し、この国は天つ神の神子に奉り給え」と答え、乗っていた舟を傾け、海中に青柴垣(あおふしがき)神籬(ひもろぎ))を作り、天の逆手(あめのむかいで)()っておこもりになったと伝えられています。

12月3日に行われる「諸手船神事」は、古くは「八百穂祭(いやほのまつり)」と言われた古伝祭で、この国譲り神話を再現したものです。

(もみ)の木を()り貫いた二(そう)の古代舟にそれぞれ9人の氏子が乗り込み、美保関港湾内を勇壮に漕ぎ競い合います。この国の成り立ちにかかわる使い神(頭人)と事代主神(宮司)の駆け合いの後の相柏手(あいかしわで)が見どころです。4月7日に行われる「青柴垣神事」は、古くは旧暦の3月3日に行われていて、春の到来を告げるお祭りで3月31日から始まります。両当屋は、祭礼前日から同神社の隠殿(かくれでん)にこもって物忌潔斎に入り断食、神がかった状態で当屋行事にのぞみます。この当屋夫婦を青柴垣で飾った2隻の船に乗せ、港内を1周します。その後、美保神社拝殿に昇殿し奉幣しますが、コトシロヌシが神として再生した姿を表わすといわれています。つまり、春になって新しく芽(節)吹くことを象徴する神事です。当屋達の乗る船は、2間四方の囲いを設け、四隅の柱に榊をたてます。もとは囲い自体が榊であったそうです。

諸手船神事

諸手船神事

青柴垣神事

青柴垣神事

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