美保関のまちなみ保存の取り組みについて

更新日:2024年03月27日

美保関町美保関地区のまちなみ保存について

美保関地区は、北前船の寄港地として、また、美保神社の門前町として繁栄した町割りや町並みが残っています。また、青柴垣神事や諸手船神事など、国譲り神話にちなんだ伝統神事や生活文化が今も伝えられています。

しかし、昨今、人口減少や空き家の増加などにより、歴史あるまちなみが失われつつあります。また、伝統神事の担い手不足によって、これまで継承されてきた伝統神事が維持できなくなってきています。

松江市はこれまで、美保関地区で弁天波止場常夜灯の復元や灯台ビュッフェの改修、歴史的建造物の調査・登録・改修など、まちなみ保存の取り組みを実施してきました。

今後も、まちなみ景観の保全や安全で住みよい環境づくりを目的とした歴史まちづくりに取り組みたいと考えています。

具体的には、「重要伝統的建造物群保存地区制度(通称:重伝建)」(周囲の環境と一体をなして歴史的なまちなみを形成している伝統的な建造物群で価値の高いものを文化財として国が選定する制度)の導入を検討します。

この制度は、個人所有の建造物の保全はもちろんのこと、地区全体にかかわる環境保全や住環境の改善、防災施設整備、拠点施設の整備などのまちづくりに取り組めるものであり、地区の伝統の継承や人口減対策に有効であると考えます。次の世代への基礎づくりとなるよう、30年後を見据えたまちづくりに向けて、住民と一緒に取り組んでいきます。

美保関の位置図
青石畳と青柴垣神事

「伝統的建造物群保存地区」「重要伝統的建造物群保存地区」とは

伝統的建造物(民家や神社などの歴史的な建造物)の集まりと、石積みや樹木などの周辺環境を歴史的、景観的なまとまりとして、市が将来にわたり保存すると定める地区を「伝統的建造物群保存地区(通称: 伝建)」といい、地区の歴史的価値を保存・整備する制度です。

さらに、市から国へ申し出を行い、わが国にとって特に価値が高いと判断されれば、「重要伝統的建造物群保存地区(通称:重伝建)」として国から選定され、国の支援も受けることができます。

伝建地区のメリット・デメリット

メリット

・伝統的建造物の修理に市の補助があります。

・伝統的建造物以外の建物等の修景(新築・増築・改築等)に市の補助があります。

・保存地区内の伝統的建造物および土地について相続税の軽減があります。

・保存地区内の伝統的建造物の固定資産税(家屋)は非課税となります。

・市が防災計画を策定し、保存地区内の防災施設を整備します。

デメリット

・建造物の新築、増改築、修繕、宅地の造成などの行為は市の許可が必要となります。

・基準に合わせた工事が必要となります。(外観は、美保関の伝統的な建築に合わせる必要があります。)

今後のスケジュール

伝建選定スケジュール

美保関伝建だより

この記事に関するお問い合わせ先

文化スポーツ部 文化財課
電話:0852-55-5956(歴史まちづくり係)、0852-55-5523(文化財係)
ファックス:0852-55-5658
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