教育・保育施設等における重大事故の再発防止について
令和2年2月3日、市内保育所型認定こども園において、当時4歳4か月の男児が節分行事中に意識不明の状態になり、救急搬送された医療機関で当日死亡が確認されるという事故が発生しました。
この事故について、「松江市教育・保育施設等における重大事故の再発防止のための事故検証部会」において検証を行い、このたび、事故の検証報告とともに再発防止策の13の提言を受けました。
本件のような事故が二度と起きないよう、市は本報告書に基づいた具体的な取り組みを講じてまいります。
「松江市教育・保育施設等における重大事故の再発防止のための事故検証部会」報告書 (PDFファイル: 8.4MB)
「松江市教育・保育施設等における重大事故の再発防止のための事故検証部会」報告書(概要版) (PDFファイル: 323.7KB)
幼児教育・保育施設における「飲食を伴う教育・保育活動」に関する提言
教育・保育施設に対する提言
- 提言1_「食を伴う保育」には子どもの命に直結するリスクが潜んでいるという共通認識の下で行うこと
各教育・保育施設で行われている「食を伴う保育」全てについて、子どもの命に直結するようなリスクが潜んでいないかどうかという観点から直ちに見直し・点検を行っていただきたい。 - 提言2_リスクの高い食材や喫食方法についての知識を職員全員が共有すること
各教育・保育施設では国等が発出する資料を参考に、リスクの高い食材・食品や喫食方法についての知識を職員みんなで共有するとともに、そのような食材・食品を安全への十分な検討を欠いたまま用いていないかどうか、行事等の活動の中で危険を伴う喫食方法になっていないかどうかなどについて、この際あらためて検討を行っていただきたい。 - 提言3_事前に保育目標を明確にした保育計画を立て、複数の目でチェックし、全員が共有すること
「食を伴う保育」においては、「保育目標やねらい」「活動内容」「展開」「保育者の支援(役割)」「配慮の必要な子ども」といった事項についてはできるだけ記載することが望ましい。そして出来るだけ全職員が当該活動の目的や実施内容・方法を事前に共有するよう努めることが重要である。 - 提言4_飲食は、遊びや保育活動の後、一定の時間を置き、落ち着いた雰囲気の中で行うこと
喫食は活動の後に行うよう計画することが望ましい。 - 提言5_子どもの安全に意識を集中して見守る役割の職員を配置すること
子どもの安全に常に目を光らせ、少しの異常でもいち早く発見し、対応する役割の職員を配置しておくことが望まれる。 - 提言6_活動終了後に参加職員全員で振り返りを行い、ヒヤリハットを次の活動に活かすこと
活動終了後に、できるだけ多くの職員でヒヤリハットの事案がなかったかどうかについて振り返りを行い、次に活かしていくことが重要である。また、他施設との交流などの場合、外部の視点からのヒヤリハットの指摘を積極的に求めることが非常に重要である。 - 提言7_安心・安全な保育への意識を向上させ、保護者や地域とも意識や情報の共有を図ること
保育者と保護者が同じ思いで子どもの安全で健やかな成長をめざして協調し合えるよう、日頃から保護者とのコミュニケーションや情報共有を密にするよう努めてほしい。 - 提言8_子どもの命を守ることのできる救急・救命等の知識・技能を身につけること
安全性に関わる知識や情報は、科学の進歩に伴って年々更新されており、最新の正しい知識・情報を得ることは必要かつ重要なことである。知識や情報の伝達とともに、技能実習を(実技)を取り入れた研修を行うことが重要である。 - 提言9_「飲食を伴う教育・保育活動に係るチェックシート」を活用すること
本報告書に提言1から8を網羅したチェックシートを掲載した(46ページ)。事前にこのチェックシートを活用し、安全について十分な配慮がされた活動となるよう努めていただきたい。
松江市への提言
- 提言10_子どもの命や安全にかかわる通達等の周知の在り方を工夫・改善すること
- 提言11_子どもの命や安全に関わる教育・保育施設職員の意識・知識・技能の向上を図る研修を定期的に実施すること
- 提言12_事故発生時の情報発信・共有について、状況に応じた対応を心掛けること
- 提言13_事故発生時及びそれ以降の当該施設等との連携・協力について見直し改善を図ること
報告書の提言に基づく市の取り組み
今後、このような事故が二度と起きないよう、市としても徹底した再発防止策を講じてまいります。
- 報告書について各教育・保育施設に向けた通知と説明会を実施し、内容の周知を図る。
- 各教育・保育施設に市職員が訪問して行う保育の指導や監査などの場で、提言内容に関する指導・助言を行い、内容の浸透を図る。
- 管理監督職に向けた研修の実施、安全管理に関する研修を充実させ、保育者の危機管理意識の向上を図る。
- 安全管理に関する取り組みを計画的かつ継続的に実施するため、安全管理指導計画を作成する。
上記以外にも事故発生からこれまでの間で下記の取り組みを行ってきました。(詳細は報告書47,48ページ参照)
- 節分行事に関するアンケートの実施(令和元年度及び令和2年度)
- 公立保育所、幼稚園、幼保園において節分行事を実施する際に「炒り大豆及び乾いた豆」は使用しないことを決定し、私立保育所、幼稚園、こども園等に対し注意喚起に併せて情報提供
- 安全な保育を行うための市内保育所等に対する研修会の実施
- 給食等での食材の取り扱いの変更
この記事に関するお問い合わせ先
こども子育て部 こども政策課
電話:0852-55-5666 (こども政策係)
電話:0852-55-5032(安心子育て係)
ファックス:0852-55-5562
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更新日:2024年05月27日