市長定例記者会見(令和3年11月5日)

更新日:2023年02月01日

令和3年11月5日(金曜日)
(上定市長)今日は、内容が盛りだくさんのため、できるだけ分かりやすく手短にご説明をするように心がけますので、よろしくお願いします。
 最初に、松江市宍道町の宍道総合公園古墳の森での社会実験についてです。これはサバイバルゲーム、略してサバゲーと言われますが、そのフィールドとしての活用についての社会実験です。サバイバルゲームというのは、日本全国で35万人の愛好者がいると言われており、市場規模が100億円を超え、さらに成長が見込まれる市場と言われています。島根県下には5か所のフィールドがありますが、松江にはございません。このアイデアについては、まちづくりアイデアプレゼン大会というのを松江市、「瑞風」とまちづくりの会、宍道まちづくり協議会の共催で、若者にとって魅力的なまちを実現するためのアイデアを募集しました。その中にあったアイデアについて今回、社会実験を行うものです。実験の期間は今月28日から令和6年の3月までを考えています。この古墳の森という都市公園をフィールド化することによって、多くの方に来ていただく拠点が生まれるのではないかと考えています。特にこの宍道町は、山陰道からもまた出雲空港からも比較的近い場所にあるということで、サバゲーのフィールドとしての潜在性があるのではないかと期待しているところです。この、サバイバルゲームは、国際的に統一されたルールが確立していないらしく、いち早くこういったフィールドを整備し市が支援することで、グローバルスタンダードのようなルールをつくるに当たっての一翼を担えるような形で進めていくことができればと考えているところです。
 2つ目が、「丘のクラフト展」の開催についてです。11月20日・21日の2日間、大庭町の出雲かんべの里工芸館で開催します。これまでも年に1回開催しており、今年で8回目になります。山陰に拠点を置く工芸作家の方、16人、16工房に参加いただきます。かんべの里は今年の4月にリニューアルをし、セレクトショップ「いろは舎」を7月にオープンし、展示即売も行っています。クラフト展では工芸作家の方が実際にこの場にいらっしゃり、物づくりにかける思いなども聞ける機会にもなります。昨年度、一昨年度とずっと開催しておりまして、コロナ前には3日間で3,000名弱の方にご来場いただき好評を博しているイベントになります。皆さんにも楽しんでいただけると思いますので、ぜひお出かけください。
 次は、カラコロ工房の利活用に向けた意見募集になります。カラコロ工房は、中心市街地にございますが、昭和13年に日本銀行の松江支店として建てられたものを改築、増築する形で平成12年に匠の館という名前で開館をしております。平成27年には国の登録有形文化財にも指定されていますが、建設されてからはもう80年以上が経過しており、老朽化に対応する改修工事が必要となりました。来年度、令和4年度から実施設計に入り、令和5年度は改修工事のために閉館し、令和6年度にリニューアルオープンという予定です。今後さらにこのカラコロ工房の魅力化を図るために、アイデアを募集します。サウンディング型市場調査という手法で行います。実際に工事に着手する前に、利活用方策を例えば指定管理などをお願いする前の段階で、皆さんがどう利用したいかを、事業者あるいは市民の皆さんも含めてお聞かせいただき、そこから具体的なアイデアの形にします。その後、実際に入札するというプロセスを経ていきたいと考えています。今後、そういったご意見をいただいた上で、あり方検討委員会を立ち上げまして、活用方策について検討してまいります。具体的には、民間事業者の皆様から自由なアイデアを募集しまして、検討する際の参考とさせていただきます。カラコロ工房は歴史的建造物ですので、その独特の空間、ユニークさ、特性を生かした活用方策だとか、中心市街地のにぎわいの拠点・起点となるような活用方法のアイデアを募集したいと考えています。来場者が親しみを感じ、憩いの場になるような活用方法ということで、松江ならではの衣食住、生活にまつわる商品の販売であるとか、ナイトタイムエコノミーに対応できる施設であったり、また、松江の歴史・伝統文化に触れる、体験する、散策するという切り口などの例があるかと思います。色々なご意見をいただき検討を進めてまいりたいと考えております。スケジュールとしては、どのような内容を提案すればいいかといった質問をいただく期間が11月19日まで、質問への回答が26日まで、参加申し込み期限が11月30日まで、実際に提案書をいただくのが12月3日、そしてその提案へのヒアリングを行う予定です。その結果についても公表し、来年度の実施設計につなげていきたいと考えています。
 次は松江市の文化に関するアンケート、松江の文化力を生かしたまちづくりを進めていくに当たって、市民の皆さまのご意見をいただきたいというお願いになります。令和3年3月に「松江の文化力を生かしたまちづくり条例」を制定し「松江市伝統文化芸術振興計画」を策定しております。松江は非常に文化力の高いところだと実感しておりますが、それをまだ生かし切れていないところがあると思います。振興計画の中で、松江が目指すべきまちの姿として、誰もが松江の伝統文化芸術を誇りに思い、心豊かになるということを目指してまいりたいと考えております。そのために、この振興計画を具体化した内容の実施計画を策定していく予定です。それをつくるに当たって市民の皆様からのご意見、アイデアを募集するものです。例えば、松江の一大文化であるお茶をやってみたいけど、月謝が高そうでなかなか始められなくて困っているなどでも構いません。また、廃校になった小学校などをアトリエとして活用するようなアイデア、松江をアマチュアバンドの聖地にしたいというようなアイデア、そういったものをお寄せいただいて、一緒につくっていくことができればと考えています。募集期間は11月30日まで、応募方法は、インターネット、電子メール、ファックス、郵送、いずれの方法でも構いませんので、アンケートにご協力をお願いします。

 次が、新型コロナウイルス感染症対策の松江流生活様式「ま・つ・え・じ・よ・う」についてです。皆さんもお聞き覚えがあるかもしれませんが、令和2年の5月に国が公表した新しい生活様式を参考にして、コロナと向き合っていく際に心がけていくものとして第一弾を発表しました。この7月から9月にかけ第五波と言われたコロナ感染の大きな波が襲来しましたが、その感染の経緯を踏まえ改めて、今後皆さんに心がけていただくべき、コロナと共存していくための生活様式というのをまとめ直しました。第一弾と同じく「ま・つ・え・じ・よ・う」という頭文字で始まります。「またれよ!マスク手洗い忘れずに」「つい、ちこう寄っておらぬか?」「えんりょするでないぞ、相談は」「じかんじゃじかん換気の時間じゃ」「よもや、ワクチン打って安心しておるまいな」「うぃずコロナ5つの場面を心得よ」と松江の安泰を守る武者の言葉で表現しています。この新しい「ま・つ・え・じ・よ・う」をチラシ、ポスターで作成しまして、関係機関に配付するとともに、市報、市のホームページ、SNS等でも発信をさせていただきます。ちなみに、このアイデアは、健康部健康推進課の若手職員が考えております。市民の皆さまにはぜひ「ま・つ・え・じ・よ・う」という標語の下で新しい生活様式に適応していただき、コロナの感染のリスクをできるだけ減らしながら、通常の穏やかな生活を取り戻していくためにご協力いただきたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
(TSK)カラコロ工房の利活用についてですが、現時点で市長が捉えていらっしゃる問題点・課題はございますか。
(上定市長)これまであまりテナントの入替えのようなことはしてきておりません。ですので、飲食・物販施設などありますが、特に明確にコンセプトを定めたわけではなくやってきたというところがあります。それはそれで市民の皆さまの憩いの場として受け入れていただいていると思います。今後、中心市街地のエリアビジョンというものも策定していく中で、非常に貴重な建物ですので、基本的にはそれを残すことを前提として、どう拠点性を高めていくのがいいのかという、役割分担も含めて考えていく時期だと考えています。非常にユニークな施設の特性を生かし、松江の中心市街地において核となる役割が果たせるような、これは観光の意味でもそうですし、にぎわいの拠点、市民の皆さまの憩いの場というところも含めて、アイデアをいただき、それをうまく組み立てていきたと考えています。
(TSK)大規模老朽改修工事ということで、残すことを前提ということですが、外観については一新するようなお考えはありますか。
(上定市長)今のものをそのまま生かすというのが基本的な考え方としてありますので、外観に大きく手を入れてということではなく、むしろ利活用という観点で捉えています。
(TSK)これは就任当初からおっしゃっている、職人商店街の構想にも関わる部分ですか。
(上定市長)おっしゃるとおりで、松江の中心市街地の中に伝統工芸を取り扱っていらっしゃる店舗もたくさんございます。先ほどの丘のクラフト展を開催する出雲かんべの里は少し松江の中心市街地からは離れたところですが、まさに伝統工芸も含めてクラフト作家さんが集まっている場ということで、そういったところをつなげていくことが必要だと思っています。かんべの里、そして商店街、北のほうに抜けていくとこのカラコロ工房が現れるので、それをどうつなげていくといいかというのは構想の中にあります。例えば伝統工芸に触れる機会をカラコロ工房でも醸し出せるようなアイデアもいただけると非常にありがたいです。
(TSK)周辺の駐車場の整備というのが課題だと思います。徒歩で訪れる方が多いエリアだと感じますが、車で来られる方に対してのアプローチをどうするべきだとお考えですか。
(上定市長)カラコロ工房に限らず、エリアビジョン全体の中で考えていく必要があると捉えています。1つだけ問題点を申し上げますと、大手前駐車場が松江城に近接してあり、非常に便利で、車を駐車するとすぐに松江城を訪ねることができます。ただ、逆に言うと、歩いて楽しむ回遊性が近くに駐車場があることによって、色々な可能性を閉ざしている面があるのではという考えも持っています。例えば出雲大社の前に神門(しんもん)通りという商店街があります。出雲大社は駐車場が若干離れたところにあり、出雲大社に向かう左右に商店街があり、そこがにぎわう要因となっているところがあると思います。確かに駐車場は主要な施設の近くにあったほうが便利ですが、それだけでいいのか。実際歩いて楽しむ、そういった魅力が松江にはたくさんあるので、それを生かすための交通手段や動線を考えていくべきと考えています。
(読売新聞)カラコロ工房についてですが、老朽化が進んでいて令和5年度から改修工事を予定しているということはすでに公表されていますか。
(上定市長)本日の公表になります。
(読売新聞)本日、カラコロ工房の老朽化に向けた改修工事に乗り出すということを発表されたということでよろしいですか。
(上定市長)一部テナントの皆さんにはヒアリングを始めているところはありますが、公式に発表するのは今回が初めてということになります。
(読売新聞)サバゲーについてですが、社会実験ということですが、実際にここでゲームが楽しめるようになるということですか。
(上定市長)そのとおりです。全体で2ヘクタールぐらいありますので、その一部をまずフィールドとして整備していきます。それほど大きな工事を伴うものではないですが、部屋のようなものや、盾になるようなものなどを造り、実際に使っていただきながら改善していく予定です。
(読売新聞)実験運営者が「瑞風とまちづくりの会」となっていますが、市が事業を委託しているということですか。
(上定市長)この公園は、松江市の持ち物ですので、そこを無償貸与して使っていただきます。予算を多額にかけるのではなく、まずやってみて、その潜在性を確かめていきたいと考えています。全国ではサバゲー愛好者は結構多くて、VRのソフトもあるとのことです。ちょっと別の話になりますが、松江城の登閣のVRというのを体験しましたが、そういうVRで体験した方が実際に来ていただくとか、よく言われるオンライン・ツー・オフライン、といった取組にもつなげていける余地があると思います。このゲームは基本的に言葉が要らないので、海外だから日本だからといって大きな違いがあるものでもないので、楽しみ方の中で松江の国際化につなげていくなど、色々な発想ができるのではないかと思い、そういったことも含めて広く社会実験をしていきたいと考えています。
(読売新聞)この宍道総合公園古墳の森ですが、これまではどのように活用されていたのか、もしくはあまり人が来ていなかったのか、その辺をお伺いします。

(上定市長)ここは開園から30年ぐらいが経過しておりまして、近くにふるさと森林公園もあり、そちらはバーベキューができたり宿泊施設があったりして人気を博していますが、この古墳の森のほうは利用者も非常に少なくなっている状態で、活用方策についても困っていたところです。そのような中で、まちづくりのアイデア募集に出てきたものになります。ふるさと森林公園にキャンプにいらした方がサバゲーを楽しむ、あるいはサバゲーにいらっしゃった方がふるさと森林公園に泊まっていただくというのもあると思いますし、そこで決起集会的にキャンプファイヤーなどをすることもあり得るかと思います。十分に公園自体が利用できていなかったという現状がありますので、それを打破する一つの策として、こういった利活用について検討を進めているところです。
(読売新聞)市民のアイデアが基になっているということですが、その募集はいつぐらいにされ、実際の担当課はどちらになりますか。
(上定市長)「まちづくりアイデアプレゼン大会」というのを松江市と瑞風とまちづくりの会、宍道まちづくり協議会の主催で昨年の11月28日に行っています。社会実験の事業は都市整備部公園緑地課が所管しております。
(読売新聞)利用については有料になりますか。
(上定市長)それについては今検討しているところですので、決まり次第またアナウンスをさせていただきます。
(読売新聞)実験期間が2年半で、長めに取ってある印象を受けましたが、どういうお考えがあってのことですか。
(上定市長)色々なアイデアがうまくまとまるようでしたら、短くするということもあると思いますが、今考えているのは、3年度にまず社会実験を開始し、4年度と5年度、2か年かけてその効果と課題の検証を行います。さらに、どのようなニーズがあって、それを踏まえてどう工夫できるのかという循環をつくっていきたいと思い、2年ほどかける予定としております。6年度以降に実際に、例えば公募して民間の事業者に来てもらうとか、そういった手法も整えた上で、実際のサバゲーフィールドとしての本格オープンにつなげていくというのが今のところのスケジュールになります。
(読売新聞)県内の方はもちろん、県外からも誘客が見込める設備にということだと思いますが、このサバゲーの社会実験について、かける期待やお考えについてお願いします。
(上定市長)宍道にある自然の資源と都市公園を活用して、色々な方に楽しんでいただけるチャンスをつくることができるのではと考えています。全国から、海外から来ていただくことでサバゲーの聖地となるような、そういったところまで昇華していくことができると非常にありがたいと思っています。実際に全国から、あるいは海外から来ていただいた方がサバゲーを起点としてどのように松江での時間を過ごしていただくのがいいかということを、全庁的に考えていきたいと考えています。
(上定市長)続きまして、福島第一原子力発電所などを視察について報告します。10月21日に福島第一原子力発電所の視察を行いました。目的としては、福島第一原発の事故からちょうど10年たち、事故及び現状の把握、そして避難指示区域内の現状の視察ということです。主な視察箇所については、廃炉資料館において、事故の概要や教訓、廃炉事業の現状を、福島第一原発では、発電所内の現状を視察しました。そのほか、JRの双葉駅の周辺、東日本大震災・原子力災害の伝承館といったところもお訪ねしました。JRの双葉駅周辺は令和2年の3月にJRの運行が再開し、駅も新しくなり現在立入り規制の緩和区域となっており、夜間の宿泊はできませんが、自由に出入りすることはできるエリアとなっています。駅舎近くには公営住宅の建設が進んでおり、来年には入居が開始され、それに伴って立入り緩和区域がさらに拡大されて、夜も過ごせるようになる見通しということです。そういった原発事故後の地域の再興というのが進められているということを確認しました。福島県の東日本大震災・原子力災害伝承館は福島県の職員の方にご案内いただきましたが、令和2年の9月に開館し、地震と津波、そしてまた原発事故についての資料、あるいは証言などがパネル展示してありまして、そういった展示を拝見するとともにスタッフの方から丁寧にご説明をいただきました。廃炉資料館は平成30年の11月に開館の東京電力の施設になります。事故対応の経過や1号機から4号機で起きた事象、水素爆発などの事故の内容、その事故の対応に当たった所員の方の話、そういったものが展示してあり、事故を風化させずに後世にも語り継いで教訓としていくということでしたので、それを実感、確認することができました。福島第一原発では、水素爆発によって鉄骨がむき出しとなったままの1号機の原子力建屋、これが幾つか並んでおり、廃炉作業をしているところで、放射能の線量というのが一定の基準を超えないようにガイガーカウンターというのをつけて立ち入り、時間を限っての視察でした。現在は、廃炉作業をする中で、この燃料プールから燃料の取り出しなどを行っていまして、そういった現場の確認ができました。この視察によって得られた考察を3点にまとめています。1つ目が、自然災害への備えの不足があったこと。それがこの事故の原因であった思います。地震によって一度電源切れますが、非常用電源で一度復活し、その後に津波が来ます。津波が来ることによって電源を全部失い、原子炉を冷却する機能がなくなったということで、複合的な自然災害に対する備えの不足、また、発電の設備も海抜の低いところにあったという構造的な問題といったところも備えの不足であると感じたところです。2つ目が、重大事故への備えの不足です。冷却機能を失い水素爆発が起こるところまで想定はできた話ですが、それに対する備えが不足していたという点も上げられるかと思います。3つ目が、地域からの信頼と対話ということで、東京電力の方からも自分たちは信頼を失っているというお話をお聞きしました。その中で、廃炉作業を着実に一つ一つ進めること、その姿を見ていただくこと、そして復興支援を通じて住民の皆さんと対話をしていくことでしか信頼を取り戻していけないと、その積み重ねが重要であるというお話もいただいたところです。今回の視察で得られた考察、教訓をもって、今後の島根原発2号機の再稼働に当たる判断する際に、生かしていきたいと考えています。

 最後に、本日11月5日付で補正予算を専決処分という形で執行するものについてご説明します。今回、新型コロナウイルス感染症対策として、合計1億4,400万円の予算を組んでおります。1つ目が、交通系ICカードの普及促進事業費として600万円計上しています。ICカードのICOCAについて、この4月から松江市の交通局、それから一畑バスでも利用できるようになりました。そして、この10月からこのICOCAを定期券として利用可能となりましたが、まだ普及率が非常に低く、この普及を促進してくいことが重要であると考えています。ICカードですので非接触でお金を払うことができコロナ感染のリスクの低減に資するということ、財布から取り出さずカードリーダーにかざすだけで清算できますので、利用者の利便性が高いこと、交通事業者側としては乗車情報が数値化できるので、そのデータを利用しサービスの向上が図れること、こういった点からこのICカードの普及を図っていきたいと考えております。今年の10月1日以降、来年の2月28日までにこのICOCAのバス定期券を新規に購入していただいた方に1,000円分をチャージするといったことを行います。既に購入されている方もこの1,000円分のチャージというのを受けることができます。今は紙の定期券を持っていらっしゃる方もぜひこのICOCAの定期に替えていただきたいと考えているところです。
 もう一つが、プレミアム付飲食券の発行ということになります。これまでも何度か発行しており、8月16日・10月1日そして11月16日からも予定しています。それぞれ1万組ずつの合計3万組ですが、非常に評判がよく8月は1人10組まで購入可能としていたこともありまして、すぐに完売をしてしまいました。10月は1人2組までと少し制限をしましたが、即日に完売したというところもありました。4,000円で6,000円分のチケットが利用できますので、その2,000円分のプレミアムを市民のかたに享受していただくということもありますが、やはり今、飲食店の方が新型コロナウイルス感染症の影響で非常に厳しい事業環境の下で営業をしていらっしゃるという状況をうまく乗り越えていくに当たって、市内の消費の喚起をしていくことが重要と判断しているところです。今回の特徴としては、今までのチケットに加えて夜チケットというのを発売させていただきます。これは4時以降のみ使用可能というものでして、購入対象年齢も18歳以上としており、4,000円で買っていただいて6,500円分使えます。10月6日以降は松江市内での感染は確認されていませんが、夜間営業をしている店舗についてはなかなか客足が戻ってきていない現況を踏まえて、夜間の営業している店舗のみで使えるチケットというのを発売します。発売は12月中旬を予定しており、11月16日の発売分についても、申込みをいただいて、抽せんで当選者を決め、お渡しするという形にしたいと思っています。前回同様、それぞれ1人2組までの購入できるという形で考えているところです。発売日など決まりましたら改めてお知らせします。私からの説明は以上となります。
(TSK)原発の視察について、自然災害、重大事故への備えの不足や地域からの信頼と対話というところを考察として上げられていましたが、今の島根原発に照らし合わせ、中電側がしている安全対策というところを見ると、この辺りの課題というのは解消できていると思われますか。
(上定市長)2号機の審査を通ったということで、今判断が求められている状況にありますが、その新規制基準が福島の事故を踏まえて改められたものということで、では原因となった福島原発の事故はどういったものだったのかということを確認いたしました。かなり厳しい基準ということは、東京電力からの聞き取りも含めて確認できたと思います。一方で、その基準にのっとったものができていたとしても、それをどう安全に運用していくのかということが重要になってきますので、事業者に対する我々市民の信頼があるかどうかはとても重要な問題だと思います。東京電力も地域からの信頼が一番だということについては再三にわたって話をしていただきまして、中国電力の場合には、度重なる不祥事が起こっている中で、市民の安心・信頼がどの程度醸成できるのかといったところは見極めていく必要があると考えています。
(TSK)原発に関しての住民説明会が行われ、住民の中には、大丈夫なのかとか、避難計画も実効性がどの程度あるのかとなどの不安が尽きないような反応も見られます。住民が納得して再稼働となるためには何が必要なのか、市長としてのお考えをお聞かせください。
(上定市長)説明会を開催している途中ですので、まずは市民の皆さんにしっかり説明を聞いていただきたいです。動画での配信を県も市のほうでもやっていますので、それを見ていただき、ご質問もできるようになっていますので、市民の皆さんからの意見・質問をまずお伺いする必要があると考えています。今の段階で言えることは、市民の皆さんとの対話、市民の皆さんの意見を聞くことによってベストな判断をしていくということだと考えています。
(TSK)実際に原発を見られた後、原発の必要性に関して心境の変化はありましたか。
(上定市長)原発は見ていませんでしたが、被災地は何度か訪れていまして、今回さらに復興の状況などについても確認できたのは、今までの認識をアップデートするという意味は非常に大きかったと思っています。今回の視察によって、エネルギーの安定供給や必要性というとことに直接結びつくものではありませんが、安全性のところで、福島原発のような事故を二度と繰り返してはならないという思いを、現地を訪れ、原子力建屋を見ることによって強く実感しました。こういった事故を二度と繰り返さないように、これは人類全体としてですが、教訓としてきちんと胸に刻み込んでおかなければならないと強く感じました。
(NKT)プレミアム飲食券ですが、「松江GENKI夜市プレミアムチケット」という名前で変わりないですか。
(上定市長)その名前で大丈夫です。
(NKT)去年から合わせて、第何弾になりますか。
(上定市長)第七弾ということになります。
(NKT)利用できる飲食店の店舗数は。
(上定市長)店舗数はこれからになります。
(NKT)抽せんで申込みというのは、商工会議所に申し込んで、後日連絡があるという感じですか。
(上定市長)その通りです。
(NKT)人気だからということですか。
(上定市長)公平性という観点からそのようにしました。
(NKT)改めてその狙いを教えてください。
(上定市長)新型コロナウイルスの感染者数自体は減っていますし、10月6日以降、松江市では感染が発生していない状況にあります。しかしながら、特に飲食店に客足が戻ってきているということは感じられない状況です。今後、特に新型コロナの影響を強く受けている飲食店を市民の皆さんにもたくさん利用していただいて、需要を喚起するための施策の一つとして、今回、プレミアム飲食券の発行を行いたいと考えているところです。
(読売新聞)飲食券に関してですが、発行組数4万4,000組の内訳というのはどうなりますか

(上定市長)昼夜共通チケットが2万、夜チケットが2万4,000です。夜間営業をしている店舗が厳しいという状況にあるので、そちらの需要喚起というところを少し強く出したいというところです。
(読売新聞)今回ICOCAの普及促進とこの飲食券の発行が専決処分で計上されておりますが、その理由を教えてください。
(上定市長)新型コロナウイルス感染対応ということが一番です。感染者数は減少していますが、感染予防対策は継続していく必要があります。そして、地域経済の再興というところは、まだ弾みがついていないところがあります。これまでも経済対策は打ってきておりますが、感染者が減ってきているこの時期において、適時的確に政策を打っていく必要があるという認識です。ICカードのほうは、できるだけ早くICカード自体の普及も促したいという狙いがあり、次の11月議会の議決を経てという事になりますと、事業の実施が1月以降になり効果が発揮しにくいと判断し、専決処分としました。
(山陰中央新報)原発の住民説明会ですが、今までの市民の方から出た意見の中で、特に印象的な意見はございますか。
(上定市長)非常に幅広く皆さまが関心を持っていただいて、お尋ねをいただいているという印象を非常に強く持っています。エネルギーの必要性、安全性、避難計画、避難対策について、それぞれ関係する省庁から来ていただいており、活発にご質問もいただいて、出席された皆さんが高い関心を持っていただいているということが分かります。どの質問が重要ということではなくて、バランスを見ながら、全方位的に考えていかなければならないということを強く印象として持っています。
(共同通信)福島原発を視察されたり、双葉町にも行かれて、まだ夜は泊まれないような町を見て、もしかしたら松江とか島根県がそうなってしまうのではということを考えたりはされましたか。
(上定市長)こういった事故が繰り返されることがあってはならないという実感は非常に強く持っています。以前からもちろんそう感じていましたが、10年たつのにまだ立入りの規制がかかっている実際の状況を見て、松江だけという事ではなく、二度とあってはならないと強く実感しているところです。
(朝日新聞)福島を視察されて、様々な考えをお持ちだと思いますが、原発について再生エネルギーで賄えるまではというお考えへの影響はなかったですか。
(上定市長)今回確認したところは、例えば資源エネルギー庁に話を聞いたわけではなく、福島の被災された現場や事故の要因について確認をしたものです。最終的には市民の皆さんの意見を聞きながら判断していく必要があり、原発を見てひたすら感じたのは、この事故を二度と繰り返すことがあってはならないということに尽きますので、その点において前と認識が変わったわけではありません。やはり自分でその地を踏み、事故の影響について確認できたことは、私にとって大きな収穫だったと考えています。
(TSK)インフルエンザのワクチンを打ちに来た方にコロナワクチンの3回目を誤接種してしまったということが、先日ありました。改めて受け止めと、再発防止策についてのお考えを聞かせてください。
(上定市長)これからインフルエンザの予防接種の時期も迎えますが、もちろんこういった誤接種があってはなりません。そのための再発防止対策ということで、医療機関に対する周知というのは既に行っております。コロナワクチンの接種とインフルエンザワクチンの接種というのをきちんと目で分かる形で仕分け、誤接種がないように各医療機関でも努めていただく必要がありますし、こういった事象が生じたことを受けて、市としては注意喚起を図っていくということに尽きると考えています。
(読売新聞)先日の衆議院選挙で、島根1区では原発推進派の自民党の前職が当選されました。このことに関して、市長の受け止めをお伺いしたいと思います。
(上定市長)今回の選挙の争点が原発に絞られていたということではないと思います。特に新型コロナ感染症対策というのが一番大きな市民の関心事であったと思いますし、選挙結果が、原発の再稼働に係る判断に直結するといった印象は持っていません。全体的に見ると、与野党問わず、世代交代が非常に進んだ選挙だったと思っています。若い方の意見がより届きやすい国政になることを期待したいと思いますし、コロナ対応等を含めて、市としてできることは限られているので、県あるいは国と連携を図っていくことが必要で、その際に地元選出の国会議員の先生方にもお力添えをいただいて、市政を進めてまいりたいと考えております。

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