市長定例記者会見(令和3年9月1日)
令和3年9月1日(水曜日)
(毎日新聞)まず、市長からお願いいたします。
(上定市長)はい、よろしくお願いします。本日は、ちょうど1週間後の、9月8日から始まります松江市議会の9月定例会に諮らせていただく予定の令和3年9月の補正予算、それと令和2年度の一般会計の決算につきまして、説明させていただきます。
まず、これが9月補正予算内容の概要をまとめたものになります。合計金額が、14億7,539万円の補正予算となります。このうち一番大きなものは、7月の大雨災害の復旧の対応の費用として12億4,654万円を計上しております。次に大きいものが「どだいづくり」とありますが、道路の整備、長寿命化などの費用として4億2,405万円計上しております。ついで、新型コロナウイルス感染症対策ということで、合計金額は9,066万円となります。これらと併せまして、その他というのがございますが、これは、もともと予算として計上していましたが、国からの補助が出たことから不用になったもの、これらが合計3億1,135万円となっております。このマイナス分を差し引いて、合わせて14億7,539万というのが今回の補正予算の額になります。これらを賄うものとして、国からの国庫支出金6億3,177億円、そして県からの支出金が2億7,323万円、そして市で出している債券というのが2億7,320万円、その他繰越金等ありますが、例えば市が持っている市有の財産の売却に伴う収入、そういったものがこの収入には入ってくるということになります。(別紙資料2ページ)
新型コロナウイルス関連から順にくわしくご説明します。まずは、誘客対策ということで、新型コロナウイルス感染症の影響により観光需要が非常に減退しております。その中で、宿泊・観光施設への誘客を促進するということで、3つの政策を掲げています。1つ目が、即効性のある宿泊割引キャンペーンとして、ネット系の旅行会社などを利用して宿泊の予約をされる方に対して割引を行う、そのための費用4,800万円を計上し、12月から実施する予定としております。2つ目が、宿泊・観光施設への誘客の促進ということで、松江市内の旅館組合が実施する独自の誘客企画やプロモーション事業に対して助成するというものでして、これも12月から実施するという予定にしております。最後に、誘客対策プロモーションということで、「#松江エール旅」というSNSを活用した情報発信事業で、松江の風景や食べ物、お土産などの写真を上げていただいていますが、これを利用したプロモーションを実施します。また、10年前の2011年に松江開府400年を記念して結成された松江のPR隊であります「まつえ若武者隊」が、10周年を迎えるということで、プロモーション活動を行います。その費用として105万円を計上し、10月から実施する予定としております。(別紙資料3ページ)
同じく新型コロナウイルス感染症対策で、貸切りバス等の運行支援を通じた市民の皆さまの移動の支援を行います。これは島根県と連携して既に実施している事業です。市民の皆さまが貸切りバスを利用して県内で移動される場合、その料金を助成するというもので、市内にある民間貸切りバス事業者等を利用する際に、貸切りバスの借り上げ料を補助するということで、680万円計上しております。これについては、10月末までの予定でしたが、対象期間の延長ということで、期限を12月末までとしております。もう一つが、市民生活に必要な公共交通の支援ということで、一畑電車が、新型コロナウイルスの影響で利用者が減少しているという状況にあり、沿線自治体で構成する協議会を通じた支援ということで883万円計上しております。(別紙資料4ページ)
次が、災害復旧に係る費用ということになります。まず、災害復旧の中でも公共土木施設災害復旧費、これが7億5,981万円となっております。これは、主に道路と河川に係るものです。道路は237か所、河川は66か所の復旧に充てる費用ということになります。次に林地の崩壊防止事業に2億8,700万円、42か所について事業費を計上しております。そのほか、農林水産施設、農道・林道・港湾・漁港などの復旧費用に1億1,010万円、西川津西尾線ののり面の対策事業費として5,000万円、その他の公共施設災害復旧費として、鹿島の総合体育館、忌部幼稚園など公共施設の近くにあるのり面の復旧費用として3,963万円を計上しております。それとは別に、災害の関連経費として、災害ごみの処分費用、指定避難所(乃木公民館)の改修費ということで710万円計上しております。(別紙資料5ページ)
次に、災害対応以外の市道整備等の事業ということで、4億2,406万円となっております。内訳につきましては、道路のメンテナンス費用、市道の整備費用、災害に強い道路の整備費用ということになります。これは、国へ補助金の交付の申請をしておりまて、その申請に対する交付決定がありましたので、その費用を、補助金が決定したということで計上したものになります。申請しておりました金額のほぼ満額に近い形で予算がついた形になっております。(別紙資料6ページ)
最後になりますが、「ひとづくり」ということで「地域の将来を担う子どもたちの育成」のための費用として1,128万円、これは、「小惑星探査機のはやぶさ」というのがありますが、このはやぶさ2号の帰還カプセル等の実物を展示して、子供たちの科学や宇宙に対する興味や好奇心を喚起するというイベントの開催を考えております。新型コロナウイルス感染症の状況次第ではありますが、令和4年の2月18日から22日まで、松江テルサにおいて、入場料無料で、帰還カプセル、はやぶさ2の実寸大の模型などを展示するとともに、プラネタリウム等の企画も考えたいと思っております。平成23年の9月にも同じようなイベントを開催し、1万3,000人以上の方に来ていただいて、非常に好評でございましたので、今回も同様の展示事業を実施できればと思っております。さらに、「しごとづくり」ということで、「就農者育成モデルの構築」のための費用として711万円計上しております。これは、生産者の初期投資の軽減を図り、農業者、就農者の確保・育成につなげるために、農業用のリースハウスの整備経費の一部を支援するというものになります。具体的には、中海干拓地内の農地にブドウ、これはシャインマスカットですが、これを栽培するためのハウスのリースを行うための費用ということになります。以上が今回の補正予算(第6号)の内容でございます。(別紙資料7ページ)
引き続きまして、令和2年度の決算についての概略をご説明いたします。歳入決算額、収入のトータル、支出のトータルですが、いずれも一千二百数十億という水準になっております。これは、一番上にも書いておりますが、過去最大の決算額ということになりました。こちらのほうに歳出決算額の推移を書いております。大体毎年1,000億前後で推移しているという形になっておりますが、令和元年度、1,000億を超えまして、この令和2年度は、さらにここから248億程度増えたという形で1,252億円ということになっております。これは、新型コロナウイルス感染症対策によって収入のほうも支出のほうも増えたという、その結果であります。新型コロナウイルス感染症対策に係る費用について、いわゆる財政調整基金、これが災害など、やむを得ない場合に備えて積み立てている基金ですが、これを取り崩しております。こういったこともあり松江市の財政は健全なのかといったところにご関心がおありだと思います。一番右下のところに、実質公債費比率、将来負担比率についての数字を記載しております。この水準は改善しておりますので、市民の皆さまにも、財政面を心配していただく必要はないということをお伝えいたします。実質公債費比率といいますのは、一般財源の収入に対して1年間に支払った借入金の返済額、今の状況でそういった余裕があるのかということになります。数値が低いときは財政の弾力性が低いということになり、基準となる、早期健全化を国から求められるラインが25%です。そして、財政再生団体に指定されるのが35%です。松江市の水準というのが11.2%ですので、そのラインにはまだ随分遠いところにあるということですし、また、その比率も改善していることが見てとれます。将来負担比率は、将来のことでして、収入に対して将来、市が負担する金額の割合ということになります。これが高ければ、将来の財政を圧迫することになり、基準として、市町村は350%を超えたときには警戒ライン、イエローカードということになります。これが今76.8%ということですので、財政面の懸念は現状ないものとご理解いただければと思います。私からの予算・決算についての説明は以上となります。(別紙資料8ページ)
(NHK)観光需要の喚起というところでお伺いしますが、実施時期が12月からということで、これは現状のコロナの感染状況などを勘案して、決められたのでしょうか。
(上定市長)おっしゃるとおりでして、現在コロナの感染状況が、需要を喚起したり、県外からのお客さんの受け入れが難しい状況にありますので、感染者数が落ち着くのを見計らってと思っておりまして、実施時期については、弾力的に考えていきたいと思っています。
(NHK)状況によっては早まったり遅くなったりということですか。
(上定市長)そうですね、今すぐに状況が好転するかどうかが、見込めていませんが、状況に応じて、対応したいと思っております。
(NHK)いわゆる経済対策と感染対策の両立、かなり難しいところではあると思いますが、どういったことを意識してこの予算編成をされていますでしょうか。
(上定市長)今回、補正予算ということになりますので、足元で必要なものを確保させていただくということでして、なかなか中期、長期にわたってどのようになるかが判断しづらい状況にありますので、その時々に応じた形で、あとは弾力的に、また議会との相談事項になりますが、限られた資金を効率的に運用していくほかないと思っております。経済対策の面と感染の予防の面とのバランスを取りながらということを当面は考えていかざるを得ないと思っています。
(読売新聞)6月補正が、市長が就任後、初めての補正予算ということで、肉づけ予算という位置づけだったと思いますが、今回のこの9月補正に関しては、新規事業ははやぶさの1件のみで、特に目新しいものはなかったように思いますが、今回の9月補正を総括して、どのようなことを意識されて予算を組まれたのかということを、市長のお言葉でお伺いしたいです。
(上定市長)やはり7月以降、災害が多く発生しました。7月に2回、8月には台風が来てという状況の中で、その災害復旧というのに一番主軸を置いて編成した予算ということになります。ご案内のとおり、これ以外に5億8,800万円の補正予算の専決処分をしておりまして、その報告も今回の議会で行いますが、その5億8,800万と合わせて、今回、12億5,000万円ほど、合わせて約18億円の災害復旧の費用を編成しております。現在も、市道・林道で復旧できていないところの早期の復旧、通常の生活が取り戻せるようにということを一番意識して編成したつもりです。また、新型コロナウイルス感染症もなかなか終息の兆しが見えない中で、今何が必要なのかを、市の内部で膝詰めに議論をしまして、今回は観光事業についてスポットライトを当てるべきという判断をしました。
(読売新聞)専決処分したものとのすみ分けというのはどのようにされていますか。
(上定市長)災害復旧ですので、緊要度の高い、すぐに復旧しなければ生活に支障が生ずるものを前回計上しました。例としては、公民館の復旧事業などは、屋上の防水工事などの備えの部分でしたので、今回計上し、緊急性の高いものについては、既に専決で執行しているという認識を持っております。
(NKT)大雨に関する予算ですが、期間が7月の大雨に限られていますが、8月の台風や、その後の長雨、また9月も台風が来ると思われますが、その点についていかがでしょうか。
(上定市長)8月の豪雨で必要となる予算については、あらかじめ当初予算で計上していたものから使うことにしておりまして、今回は、特に7月の6日から12日までにかけての大雨というのが非常に被害が大きかったので、それを別途手当てさせていただいています。
そういった、既に組んでいる予算の中で融通できる場合には補正予算を組む必要もないということでして、例えば、今後、9月にまた台風が来て被害が生ずるようなことになれば、専決処分だとか、補正予算を組むなどを検討せざるを得ないと思っています。
(TSK)観光回復キャンペーンですが、新規のものと拡充されたものがあると思いますが、新規のものについてもう少し詳しく説明ください。
(上定市長)こちらのネット系の旅行会社を使った販売プロモーションというのは、実は既に予算を確保していますが、残念ながらコロナの感染状況から現在は見合わせております。現在は、実際に代理店の窓口に赴かれて、そこで予約を入れられるというよりは、ネット系の旅行会社で予約を取られる方が非常に増えています。ですので、そこでの訴求ができないと、旅行先としての関心が持ってもらえないところがあり、その辺の分析に基づきまして、ネット系の、特に強いところにお願いをするような形で今後、宿泊商品を提供し、一部料金について割引をするということをやってまいりたいと思っております。
(毎日新聞)ほか、いかがでしょうか。そうしましたら、市長のほうからもう1点、ご説明をお願いします。
(上定市長)ありがとうございます。2つ目の話題でございます。2021松江GENKI花火について、残念ながら中止のお知らせということになります。
「2021松江GENKI花火」につきましては、8月21日から6回にわたって開催するということで調整を進めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大が止まらない状況を受けまして、8月に予定していた4回分を延期とし、9月の4日・5日については、開催する方向で検討しておりました。
しかしながら、感染状況に改善の兆しが見えないことから、松江水郷祭推進会議の会長とも協議のうえ、今回この「松江GENKI花火」の開催については、中止ということを決めさせていただきました。
改めて現在の感染状況について少し触れますと、全国において感染が急激に拡大し、出口がなかなか見えない状況にあります。島根県においても8月に入ってから、感染が急拡大し、8月30日に県から、9月末を期限として、一段階踏み込んだ感染防止対策の実施がうたわれております。
松江市でも、特に8月は感染者数が増えており、1ヵ月で昨年度1年間の感染者数を上回っている状況にあります。未だ感染のピークが見えないこの状況が長引けば、医療体制がひっ迫することが想定されます。
花火は、人を動かす力、癒す力があると私自身も強く思っています。感染された方やそのご家族、医療従事者の方にこの花火のメッセージをうけとっていただき、癒しになれば、また新型コロナウイルスと戦う我々市民すべてが「GENKI」づけられる「松江GENKI花火」になればと調整を進めてきました。しかしながら、今の現状では、感染の拡大を抑え、一日も早く通常のおだやかな状況に戻していくことが先決と考え、苦渋の決断ではありますが、この「2021松江GENKI花火」については中止ということで判断いたしました。
人の流れを減らすことで、感染の拡大防止に1つの効果がうまれればという思いから、今回中止とさせていただきますが、私たち一人ひとりが立ち止まって活動や行動について考えるべき時だと思っています。感染が「他人事」になりがちですが、明日は自分が感染するかもしれない「自分事」として捉える必要があります。感染防止意識を高めて、自分でできる予防対策を常に心がけるしか手段がない状況です。
松江市民一丸となって、新型コロナウイルス感染症に打ち克ってまいりたいと思っておりますので、皆様の感染予防に対するご協力とご理解のほどを何とぞよろしくお願いいたします。私からは以上でございます。(別紙資料2)
(毎日新聞)まず、8月の時点で21日、22日、それから28日、29日分の4回を延期するという発表がありました。21日の中止、延期が発表された時点で、市内、県内問わず感染状況はもう非常に芳しくないものが続いていたかと思います。この時点で全ての日程を中止にするという選択肢もあったかと思います。もしくは今回の6回分を秋以降に延期というご判断の可能性もあったかと思います。全てを中止にした理由をご説明いただいてもよろしいでしょうか。
(上定市長)前回、4回分を延期した時点では、その感染拡大の状況が今後好転するという、兆しがあったわけではありませんが、一縷の望みにかけていたというところはあります。ただ、実際に、状況を見ますと、松江市内においても感染者が減っておりません。その中で、できる限りもともとの趣旨であります、この「GENKI花火」を打ち上げることによって、皆さまに対してエールを送るということで実行したいと思って準備は進めてきたわけです。ですが、目下の状況に鑑みますと、花火を上げること自体で感染が広がるものではないですが、たくさんの方に来ていただくとすれば、色々な可能性を考えたときに、どうしても人が集まるということが感染の拡大につながることが想定されます。予防策を取ることによって感染者を増やさない、でも花火は上げるということも考えましたが、それがなかなか今の状況では難しくなったという判断をしたのが今の時点ということになります。前回は延期という判断をし、4日、5日に実施した上で、認可の問題などで例えばすぐに11日、12日でまた開催するのは無理でしたが、それでも例えば9月の末にもう一回できないかということも含めて検討していましたので、全体を中止ということにはせず、延期ということにしました。ただ、今回は、一旦リセットして、皆さまに、この「GENKI花火」が中止になったことも含めて、感染予防についての注意喚起をあらためてさせていただきたいというのが、今日、私がここで発表している一番の動機です。市としても難しい判断の中で苦渋の選択をしなくてはいけない感染状況だということを、皆さまにも共有させていただいた上で、自分の行動、自らの行動を心がけていただきたいと思っております。
(毎日新聞)「GENKI花火」はそもそも水郷祭の代替の大会という位置づけだったかと思います。水郷祭そのものも、去年も中止になっていて、2年連続の中止ということに見えなくもないかもしれません。その辺りについてはどうお考えでしょうか。
(上定市長)その時々に応じて判断をしていかざるを得ないと思います。水郷祭もたくさんの方に来ていただいて、松江市民の方に限らず、観光客の方にとっても楽しみなイベントであることは間違いないと思います。我々にしても当然楽しみなイベントの一つですし、今回はそれの代替ということで、「GENKI花火」もたくさんの方に楽しみにしていただいていたと思います。ですので、私自身も非常に残念ですし、2年連続でまだコロナに打ちかてていないという状況については、市としても真摯に受け止めながら、そのための対策、今、市ができることは、皆さまに対する感染予防の注意喚起と、順調に進んでおりますがワクチン接種の円滑な実施となります。そのできることをしっかり進めていくということになりますが、来年はどうにか開催する方向で、もちろんコロナが終息していく方向でできるだけ努力していきたいと考えていますし、逆に言いますと、今回、こうした状況にあることを皆さまに受け止めていただいて、繰り返しになりますが、今はご自身の行動について考え直す時期ということで割り切っていただいて、特に、例えば県外への移動の必要性が本当にあるのか、あるいはたくさんの方で集まって会食する必要はあるのかということを一々立ち止まって考えていただきたいと思っております。
(読売新聞)手続的な部分の質問ですが、「GENKI花火」の中止を決定されたのは、何か役員の皆さんで集まって会議をされたのか、それとも書面でのやり取りだったのか、その辺はいかがですか。
(上定市長)実際集まってお話ができれば一番よかったですが、感染防止の観点もあり、必要な関係者で集まらずに、通信手段を使いながら話をして本日決定しました。
(読売新聞)何という会議でしょうか。
(上定市長)松江水郷祭推進会議というもので、商工会議所が主体的で動いていますので、商工会議所と調整しながら決定しております。
(読売新聞)確認ですが、この推進会議の中での上定市長のお立場は何ですか。
(上定市長)名誉会長という立場になります。
(毎日新聞)ほか、いかがでしょうか。ないようでしたら、これで終了させていただきます。ありがとうございました。
(上定市長)ありがとうございました。
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更新日:2023年02月01日