市長退任記者会見(令和3年4月23日)

更新日:2023年02月01日

(松浦市長)本日23日をもちまして、松江市長を退任ということになりました。約21年間という長い間でございましたが、この間本当に市民の皆さま方の色々な形での御支援があったからこそ、こうして無事今日を迎えることができたと思っております。改めまして、本当に皆さま方に感謝を申し上げたいと思っております。
(山陰中央新報)21年間お疲れさまでした。引退を表明されたときも伺いましたが改めてこの任期中を振り返って印象的な出来事などを教えてください。
(松浦市長)一つは市町村合併を成し遂げることができたことが非常に大きかったと思います。この合併というのはある意味、松江の体制の強化という側面がございます。その後、東出雲町とも合併をいたしまして、中核市になることができました。また合併によって中海・宍道湖が5つの市で囲まれることになり、5つの市で広域の市長会というものを作り一緒になって頑張るという体制も築くことができました。
それから、もう一つは、松江城が国宝に指定されたことです。市民の皆さま方の60年以上の間の悲願でしたので、これが実現できたことは本当にうれしい出来事でした。松江城の国宝化などの、文化財・歴史の分野は、私自身非常に好きな分野でしたので、知らず知らずにそうしたものに力を注いでいたのかなという感じがします。松江歴史館を建設したり、最後は「松江の文化力を生かしたまちづくり条例」を制定したりと、今振り返ると松江の松江らしさを歴史や文化の中で形づくっていけたのではないかと思っています。
(山陰中央新報)一方で任期中にやり残したこと、課題だと思うこと、また後任の市長への期待などあればお願いいたします。
(松浦市長)やり残したことを上げれば切りがありませんが、本会議でも申し上げましたが、一つは松江市の中心部の再開発という問題です。商店街なども大変疲弊をしていますし、大橋川の改修もございます。これを推し進めていきたかったわけですが、まだまだ実現には至りませんでした。
あとはガス局の民営化という問題です。市長になって以来ずっと取り組んで参りました。エネルギーというものが多様化してきており、また様々な分野の参入もあり、これを公営の形で維持をしていくということは難しいのではという思いがありましたが、最終的には議会のご理解を得るところまではいきませんでした。
もう一つは宿泊税についてです。宿泊税を打ち出してから2年近くになりますが、新型コロナウィルスの問題などもあり、現在は少し頓挫しております。松江は観光のまちですので宿泊税というもので観光の質をさらに上げていくことが、選ばれるまちになっていく一番の近道ではないかと思っております。
(読売新聞)先ほど印象深かったことの中で合併を上げられてましたが、それは2005年と2011年の東出雲町との合併、両方ともということですか。
(松浦市長)そうですね、もともと1市8町村、東出雲も含めてやるということでしたが、途中で東出雲が抜けられたという経緯もありましたので、東出雲の合併というのはその延長にあると思っております。
(読売新聞)新市長への期待といいますか、松浦市長から見た新市長への期待をお聞かせください。
(松浦市長)市長の仕事というのは市民の皆さま方の幸せを追求していくということだろうと思います。したがって、どういう手法あるいはどういった政策を掲げていくかということは、当然違っていいと思っております。私の場合、色々なことを確かにやりましたけれども、やはり市町村合併であるとか、あるいは歴史文化を生かしたまちづくりということがやはりメインになってくると思います。新しい市長におかれましても、あらゆるものについて最初から対応していくことも必要だと思いますが、まず自分の得意分野あるいは自分が興味を持っていることから入っていかれるのが一番いいのではないかと思っております。日本政策投資銀行におられましたので、まちづくりという点では非常に知識や経験も深いことだと思いますし、私がやり残した点でもありますので、そうしたことから始められてはよいのではという感じがしています。
(読売新聞)先ほど市長室のほうで引継書を交わされ、お二人で話されましたがどのようなお話しをされましたか。
(松浦市長)一つは先ほど言ったような話をしております。それから、これは私の経験上のことですが、新しく市長になりますと何かと前任者との比較をされることが多いわけです。それによって自分を見失ってしまうこと、あるいは非常に感情的になったりということがございますので、まずは自分は自分であるということで対応していただきたいと伝えました。
この間ある人から、トップの交代は色々な組織の中で必ず起こりますが、前任者というのを自分の親と思って対応するのが一番いいのではないかというようなお話を聞き、これは非常に深い言葉だなと感じました。まずは親がやってきたことを引き継ぎ、そして新しい環境の中で直していかなければいけないものを直していく。あるいは新しい時代に対応したものを順次考えていくことがいいのではないかと思っています。
前任者のやっていることを否定して、何か新しいことだけをやろうとすることはなかなか難しいと思います。またそれまでやってきた職員もいますので、職員が納得する形で対応しなければならないこともあると思います。先ほど申し上げました前任者を親と思って、親がやってきた仕事を一回受け止めて対応していく姿勢がいいのではないかというような話をしたところです。
(読売新聞)任期はあと数時間となりましたが、市長の今現在の率直なお気持ちをお聞かせください。
(松浦市長)そうですね、もう本当にほっとしたという感じですね。今新型コロナウィルスの感染者が少し出ていて、大変心配をしておりますけれど、新しい市長の下でしっかりと対応していただきたいと思っておりますので、とにかく任期が来てほっとしたというのが偽らざるところでございます。
(読売新聞)そのほっとしたというのはどういう点でなんでしょうか。
(松浦市長)色々なことに責任がありますので、それから解放されるということになりますのでほっとした、そういう意味ですね。

(NHK)今まで公職におられたということで、プライベートでもかなり人の目を気にすることが多かったのではないかと推察されますが、今後どのように過ごしていかれたいと思われますでしょうか。
(松浦市長)まだそこまでは考えていませんが、当面やることはありませんので、まずは、自分の好きなことをやりたいと思っています。一つは以前から農作業をやっておりますので、これが毎日のように少しずつできるということは大変ありがたいことだと思っています。それからこの20年私の家を全然整理をしていませんので、少しずつ片づけをしながら考えていきたいと思っています。自分の趣味をもう少し見つけたり、あるいは同じような趣味を持っている人たちを探してその仲間に入れてもらうようなことをやってみようかなとは思っています。
(日本海テレビ)今後についてですが、市政運営などのアドバイザーとして携われるようなことを考えておられますか。
(松浦市長)新しい市長にとって何が一番気になるかというと、前任者と比較されることですので、そういう中で私がアドバイザーとして市政に携わることは逆にマイナスになる面が非常に多いと思います。何かアドバイスを求められればもちろんお応えしようとは思っておりますけども、私のほうから何かアドバイザーとして携わるつもりは全然ありません。
(NKT)次の市長に期待することについてですが、松江市の人口が20万人を下回りましたが、次の市長にどういうまちづくりを目指してほしいでしょうか。
(松浦市長)それは非常に難しいことですが、今の人口減少対策の中でこれをやれば、これが一番効果的だというものがなかなかないわけです。先ほども言いましたように、自分の得意分野であるとか、あるいは興味のあること、そうしたものに打ち込んでいく、そのことが一番近道なんじゃないかと思います。そのことがまちを活性化していくことに直結する、あるいは入口だという気持ちでやられてはと思います。
(山陰ケーブルビジョン)21年間、本当にお疲れさまでした。21年、松江市民のリーダーとしてこれまで全力で市政運営に携わっていらっしゃったことに心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。市長は、今年の正月に今年の言葉ということで「誇」という一文字を書いてくださいました。この21年間を振り返って、市長としてどんな誇りを持っていらっしゃったのか、この退任の日に当たってお聞かせをいただければと思います。
(松浦市長)そうですね、最初から誇りを持っていたというわけではないので、誇りを持って色々なことに対処することが大事だと思っております。誇りというと非常に抽象的ですが、この松江というまちが好きだということ、そして自分の得意分野、興味のある分野を組み合わせて考える中で、手応えを感じ、また愛着なり誇りというものがそこに生まれたのではないかと思います。
(TSK)松浦市長の長きにわたる政治経験の中で、政治姿勢としてここは曲げなかったというところがありましたら教えてください。
(松浦市長)私は政治というのは何か分かったような分からないような気がしていますが、要は自分の思いというのを相手に伝え共感してもらうことが一番大事だと思っております。したがって心にもないことを言ったりするとかえってマイナスになるのではという思いもあり、できるだけ自分の思いというのを率直に語るということが一番必要なのかなと感じております。
(山陰中央新報)今後も市内にお住まいになりどこか県外のほうに移住されるということはございませんか。
(松浦市長)そんなつもりは全然ありません。玉湯に家もありますし、その家を管理するために帰ってきたようなところもありますのでやっと自分のやるべきことができる、そういう時間ができたというつもりでおります。
(NKT)他になければ以上で終了します。ありがとうございました。
(松浦市長)それでは、どうも大変お世話になりました。ありがとうございました。

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