質疑応答

更新日:2023年03月01日

(NHK)観光振興で、重点地域として3つ上げられていますが、アメリカとフランスは、手元のデータでは令和元年の島根県の宿泊者数を見ても6,000人前後で、アジア地域と比べて少ないですが、その狙いを教えてください。

(上定市長)観光については、海外を意識し、高付加価値化を図っていきたいと考えています。今年度、観光庁の高付加価値化への補助事業あり、多くの松江市内の宿泊事業者が手を挙げています。県と市で支援し、この3月に多くの旅館、ホテルの改修が完了しますが、これは、たくさんお金を使っていただける観光客の皆さんに来ていただくということを意識した取り組みになっています。松江は非常に上品、上質なまちという捉えられ方もしており、ある程度お金を払ってでも来たいというお客が潜在的にいらっしゃるものと考えています。海外の市場を捉えたときに、大きなマーケットがある中国も一つ策としてはありますが、もう一方の軸として、高単価で、特に長く滞在される方が欧米に多いというデータもあり、今回、重点的に取り組む場所として、台湾はもともと関係がありましたが、新しく、その触手を伸ばしていく場所として、アメリカ・フランスに力点を置きたいと考えています。

(NHK)その他の重点市場に韓国とありますが、ソウル-米子便の運航再開も韓国の方を呼び込まないと現実的ではないと個人的に思っていますが、どのように捉えていらっしゃいますか。

(上定市長)韓国の晋州市と友好都市提携を結んでおり、今後もぜひ韓国との交流も復活させていきたいと考えています。おっしゃるとおり、ダイレクトフライトというのはとても効果があると思っていまして、台湾とは広島が1月から再開し、岡山も3月から再開する予定です。それぞれ週4便で、広島からは、ワンコイン500円で、外国人の方であれば松江まで来ていただけるようにしていますが、やはり近いところ、出雲や米子空港に海外からのダイレクトフライトが来ることよって、多くの方がいらっしゃると思います。また2025年の大阪万博、このときには関空にたくさんの方がいらっしゃるはずなので、そこから山陰方面にどう誘客を図っていくかといったところも含めて、空の便と、うまく交通の結節をつくって、松江に来ていただきやすい環境をつくることについては、県などの関係者とも協力の上で実現を図っていきたいと考えています。

(朝日新聞)昨年の予算について、新型コロナウイルスの感染拡大が長引いていることを言い訳にせず、優先的に施策を積み上げた結果、最大規模の予算であるというコメントいただいています。今回はエネルギーとか、原材料の価格高騰という違う要素も入ってきているなかで、同規模の大きな予算になりましが、それについて一言いただけますか。

(上定市長)いろいろな難しい課題を乗り越えるための予算というのは、当然喫緊の課題として取り組むべきものという認識を持つ一方で、現状に安住するのではなくて、若干の背伸びをしながら、いかに効率的に活用していくかという観点で編成した予算です。松江市総合計画の実践2年目に入りますので、具体的な成果を上げていきたいと思っています。起業エコシステムについてはコンソーシアムを立ち上げた段階ですが、やはり具体的な事業をスタートアップする方が出てくる仕組みにしていきたいです。それに限らず、成果が上がり、そして松江の動き、歩みが実際に見える状況を、職人商店街など少しずつその萌芽が見えてきつつありますので、その流れを絶やさずに、松江の発展を市民の皆さんにも目に見える形にしていきたいと思っています。限られた財政の中で、いかにそれを工夫して実行していくかといったところに、職員みんなで知恵を出しておりますので、絵に描いた餅にならないように、必ず実現するということで今回の施策も組み立てています。皆さまからもぜひ、ご質問、ご意見をいただいて、オール松江で取り組んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

(中国新聞)海外のトップセールスの件で、シリコンバレーに関しては、Ruby City MATSUEプロジェクトだったりMATSUE起業エコシステムなど、事業そのもののPRというところもあると思いますが、具体的に松江の何を売り出していくのか、どういう魅力を伝えていかれる予定ですか。

(上定市長)まずRubyが上げられます。これは私が市長に就任する前ですが、シリコンバレーにあるスタンフォード大学の卒業生が、いわゆるGAFAと言われるところにたくさん就職しています。そういった方たちと話すと、Rubyは実はよく知られており、プログラミング言語として非常に名高いです。松江にいる我々がそれを分かってないというところがありますが、松江には、そういったプログラミング言語があり、実際、IT企業の集積も少しずつ進んでいるところは一つのキーになると思っています。また、日本の中でも松江という場所が非常にユニークなところであり、そこに根づいている文化を発信していくというのも、アメリカに対して訴求していく一つのポイントだと考えており、そういったところからの組立てができるかどうかについて調査研究を進めていきたいという思いを持っています。

(中国新聞)アメリカだけではなく、台湾やインドに対しても、IT分野でもプッシュをしていかれるということですか。

(上定市長)おっしゃるとおりです。台湾も、TSMCという半導体の会社があったり、エイサーという非常に大きなパソコンの会社があるなど、ITに長けているというのもありますし、ゼロを発見したインドという国も、IITという工科系の大学に非常に優秀な学生がたくさんいらっしゃるので、そういった分野で連携することで産業の裾野を広く、観光はもちろん、それ以外の産業分野についても幅広く提携を持てるように種まきをしていきたいと考えています。

(中国新聞)新庁舎や総合文化センターの改修など建設事業の大型のものがある中で、カラコロ工房などの中型のハード施設の整備も複数予算計上されていると思います。ハード整備と、エネルギーなどの物価高騰で、予算が全体的に大きくなっている中で、地方債残高がずっと減少にあったものが増加見込みというところで、なかなか厳しい財政の中で新規事業をいろいろ絞り出してこられと思います。そういった状況の中でどういう視点で選び出された事業でしょうか。

(上定市長)施設の老朽化対策というのは、それがまちづくりの一つの起点になっているという状況を絶やさないためには非常に重要だと思っており、カラコロ工房は、まさにそれに当たります。施設の改修するためには時間もかかりますし、その期間、お店の方は収入が得られなくなりますので、単に改修をするのではなくて、それを一つのチャンスと捉えて、その期間中に新たな構想を練って新しいものを生み出していくということを今回やっています。 基本的な考え方としては、既存の資産をできるだけ有効活用し、費用対効果を高めていくということをやりたいと考えており、非常に難しい財政運営ではありますが、例えば財政調整基金という、いわゆる貯金の残高については、令和4年度とそれほど大きな金額の差異はない形で編成はしており、喫緊の課題がたくさんあり、また資金の余裕もあるわけではないので、できるだけ知恵を出して、何かのきっかけに乗じた形で、効率的に箱物については整備を進めていく、また公共施設の適正化の計画などもあり、既存の資産をいかに有効活用していくかという観点でも知恵を出し合ってつくった予算ということになります。

(山陰中央新報)今回エネルギー価格の高騰などで厳しい財政事情だと思いますが、その中でも市長が、特に思いを込めた具体的な事業はどういったものが上げられますか。

(上定市長)「MATSUE DREAMS 2030」が18項目に分野を分けています。1年目にある程度成果があったところと、まだ種まきあるいは水やりの状態というところもあります。将来のまちの形というところで、市域内のバランスの取れた発展っていう言葉も使っており、1つのところが大きく、例えば松江の中心市街地の観光産業だけがうまくはじけて、たくさんの方が来ていただくことも、もちろんありがたいですが、製造業もあり、農林水産業もあり、そういったところに波及していかなければ本物にはならないと思います。今回掲げたものは、全てが目玉ですし、特に新規の項目として取り組むものについては、一つトライアルとしてやってみるというところもありますので、その結果をきちんと注視しながら、次年度以降の取り組みにうまくつなげていくということを意識的にやっていきたいと考えています。

(山陰中央新報)アメリカを重点市場に位置づけ、高付加価値化を狙ってという話がありましたが、市長が民間時代のアメリカでの勤務経験の際の人脈もあって、勝機を見いだしてアメリカを選ばれていますか。

(上定市長)それもございます。シリコンバレーは何度も行き、いろいろなつながりを持っていますし、スタンフォード大学で日本の研究をしていらっしゃる教授などとは、今でも連絡を取り合っています。それに加えて、ジャパン・ソサエティーというアメリカでの1つの窓口になってくれているところが、この間は松江に来てくださいました。私がアメリカにいたときには、長野県がそこでイベントをやってかなりの効果が上がったということを聞いています。私もその場にいましたが、長野県のお酒やそばなどを実際に持ってきて、売り込む機会などがありました。ビジネスマッチングの機会もそのジャパン・ソサエティーがコーディネートすることができます。アメリカにすでに売り出している松江の酒蔵さんもありますし、境港の酒蔵さんは毎年ニューヨークにいらっしゃっていました。アメリカはやはり市場がかなり大きいので、うまく捉えられれば、大きな波及効果が見込めると思います。また、アメリカから南米という流れもありますので、その入り口の具体的な検討を進めていこうと考えています。さきほどのジャパン・ソサエティーと連絡を取る中で、これはやってみると面白いのではないかという実感を持っており、その調査研究を進めたいと考えているところです。

(山陰中央新報)市長が公約で掲げられている中学3年生までの医療無償化を、今回もまた見送りという形になりましたが、その辺りは何か考えがございますか。

(上定市長)コロナ、あるいは物価高騰ということで、財政的な余裕があるような状況ではないといったことも踏まえる必要があると考えています。今回、予算の中では、調査費用、中学生までの入院・通院費の無償化について、それをどう組み立てられるのかという調査費については計上しております。そういった検討を進めた上で、実施の時期等についても検討してまいります。

(島根日日新聞)予算の規模ですが、今年度が過去最高で、今年はほぼ横ばいということですが、これは一応ピークアウトしたと考えてよろしいですか。

(上定市長)今の段階でピークアウトかどうかというと、例えば今後の物価高騰がどうなるかがまだ見込めない状況にありますし、例えば100年に1回の災害が2年連続で起こるとかですね、なかなか未来が非常に予想しにくい状況の中で、ピークアウトとまではなかなか言いにくいかと思います。今後の推移については、今の段階で明確なことは言えないというのが正直なところです。

(島根日日新聞)当面は現状レベルの高止まりが続くと見てよろしいですか。

(上定市長)財源を伴う話になりますので、お金がないのに支出することはできませんので、国の制度により予算規模が増えていくのであれば、当然、増やしていかなければならないと思います。一方で、我々自体も、どういう文脈で国に対して要望するのか、例えば、全国のロールモデルとなるような新しい取り組みということで国に要望するのか、松江市は課題先進市と呼んでいますが、ここで解決できれば国としてもメリットがありますよという文脈で予算要求していくなどの工夫は必要だと思っています。効率的な財政運営という意味では支出もそうですが、我々がいかに有利な財源を、国との関係の中で調達できるかといったところも努めていきたいと考えています。

(島根日日新聞)国の地方向けの財政スタンスによっては、ピークを更新することもあり得るということですね。

(上定市長)あり得ると思います。それがどういう要素かは分かりませんが、当然増えていく可能性もあると思っています。

(島根日日新聞)現在のような高止まり状態が、数年は続くと見てよろしいですか。

(上定市長)しばらく続くかどうかというところはなかなか読み切れないところですが、財政運営については中期の財政見通しというのを作成し、市民の皆さんの生活に大きな支障が出ないようにしていくというのが私の使命と認識しています。

(島根日日新聞)来年度の予算編成に当たって、市長の姿勢として、積極型なのか、緊縮なのか、あるいは中立なのか、どういった姿勢で予算編成に臨まれましたか。

(上定市長)言葉が矛盾して申し訳ないですが、守りと攻めを兼ね備えた予算編成にしているつもりです。喫緊の課題として、守らなければいけないものがたくさんある一方で、守っているばかりでは今後の成長が期待しにくい。今後、成長していくための環境が戻ってくる兆しは見えてきていますので、そこにいち早くチャレンジをしていくという考えの下で編成した予算です。

(山陰中央新報)令和5年度で市長任期折り返し、3年目に入ると思います。先ほど具体的な成果を上げていきたいということをお話しいただきましたが、これまでを振り返って、市長が考える具体的な成果というのはどんなことが上げられるか伺ってもよろしいですか。

(上定市長)それぞれの項目で、今までで完遂しているものはなかなか上げにくいですが、例えば、起業エコシステムというのを就任以来温めてきまして、先月末にコンソーシアムという形になりました。職人商店街構想についても、3月に老舗の和菓子屋さんのリニューアルが終わり、歩みがある程度見えてきている部分があると思っています。子育て支援では、子育てAIコンシェルジュというLINEを使った子育て支援のシステムは、1,900人を超える方に登録いただいています。そういった取り組みについて、一つ一つ積み重ねているところで、全体として大きく進捗している形を、来年度、あるいは、また再来年度に築いていかなければならないと考えています。1つのところの取り組みだけが突出するのではなく、全体のバランス感を持って、松江市民の皆さんがここに住む豊かさ、あるいは私が市長に就任してから歩みが進んでいるということを実感していただけるような施策につなげていきたいと考えています。

(山陰中央新報)土地利用制度の考え方について、なぜこのタイミングで判断されたのか。長年存廃議論があり、そのたびに松江市は維持の判断を繰り返していると思います。総合計画で今年度末をめどに考え方を決定すると明記されましたが、長年ずっと問題だったものに対して、判断を下したこのタイミングについて教えてください。

(上定市長)市長に就任してから、問題点・課題をどう解決すべきかについて、意識を持っていました。それを検討していくに当たって、当然、長い歴史もありますので、慎重に審議をしていかなければならないという思いがあり、そのための必要な期間を今までかけてきたというところです。結果として、現段階で判断に至ったというところですが、ある程度スケジュール感は持っておきたいので、総合計画を昨年の3月につくった段階で、将来のまちの形として検討を進めていくということは市民の皆さんとも共有し、それに向けて進めてきたところ、結果としてこのタイミングで方向づけができたというか、調整事項ももちろんたくさんありますが、市としての基本的な考え方というのを明らかにするタイミングが今に至ったということです。

(山陰中央新報)人口減少の時代にそぐわない制度だっていうことでしょうか。

(上定市長)都市によって考え方が違うと思います。松江の場合は、よく出雲と比較されますが、市内にたくさんの土地がある状況ではなく、出雲のように平地がたくさん広がっている状況でもございません。その中で土地の有効活用を考えていく際に、現状の土地利用制度は、簡単に言うと原則禁止で、そこに例外を設けてはいますが、その例外がいろいろと重なり合って、非常に難しく分かりにくい。それを、かいくぐってまで新しいことやりたいというところまで行き着かないといったところもあると思います。当然、秩序ある発展は必要ですので、その際にはある程度の規制もかけなければいけない、少し発想の転換を図る必要があるという認識を持っています。やはり昭和45年につくった制度ですので、そこから時代が流れ、合わなくなっている面が出てきているのではないかという思いに至ったところです。

(山陰中央新報)今回、決断に至った理由をいろいろ説明されていますが、一番の決め手は何ですか。

(上定市長)チャレンジできるまちにしていきたいということです。民間の皆さん、市の職員もそうですが、柔軟な発想をお持ちだと思います。非常に伝統的な土地柄というのもあり、それが悪いことだとは思いませんが、新しいことやろうとするときに、それを後押しできるような行政でありたいと思っています。柔軟な発想ができるような風土づくりや、環境、雰囲気というのは、非常に重要だと思っていますので、それが私の中で決断した一番の決め手と言って過言ではないと思います。

(山陰中央新報)都市計画審議会でも廃止を求める声があったと思いますし、市会議員にも意見聴取されています。今月、松江商工会議所が、平成25年の維持の要望から、一転して廃止を要望されました。こうしたところも大きかったのでしょうか。

(上定市長)何か、1つのことで判断したわけではないですが、商工会議所からの提案は受け取っていますし、そのときお話も伺っていますので、皆さまがそういったチャレンジをしていくにふさわしい環境をつくっていくということで、多方面から意見を聞いた上で今回判断したものです。

(山陰中央新報)都市計画審議会では、AからDまで4パターンの考え方を示されていたと思います。今日、表明された中では、Cパターンの用途地域と用途白地というところで、特定用途地域制限を入れるようなパターンだったと思います。そういった形にしていかれるということでしょうか。

(上定市長)今考えているのは、山陰中央新報さんおっしゃっているCパターンですね。市街化調整区域にできないという規制があり、それを例外的に認めるという発想ではなく、できるんだけど、例外的にできないところがあるという発想ですね。そのほうが、今後、土地利用をうまくやっていく上ではふさわしいというのが今の考えです。

(山陰中央新報)いろいろ土地規制、農振法とか農地法とか建築基準法などの制度があると思います。そこら辺の扱いはどうしていかれますか。

(上定市長)実は農振法とこの線引き制度は関係がないですが、一体的に見ていく必要があると思っており、庁内で関係する部署で一緒に検討を進めています。その中には、例えば都市計画税について、税制度の在り方も密接に関係してきますので、今回は方向性を定めたというスタートですので、具体的にいろいろな制度が絡みますので、必要な調整を図り、皆さんとは共有したいと思っています。

(山陰中央新報)都市計画区域は、宍道エリアにもありますが、ここの取扱いについてはどうされますか。

(上定市長)それも含めて考えてまいります。あるいは、安来のエリアも一体的に運用がなされていますので、これらについて考えていく、全体像をどう組み立てていくかということをこれから考えていくことにしております。

(山陰中央新報)出雲市では線引きがなくて、いろいろ商業施設が建ちにぎわっていますが、この状況についてはどのように感じられていますか。

(上定市長)一概に出雲市と比較しにくい部分もあります。その土地の形状であったり、道路の形状だったりが大きく異なるので、どっちがいい悪いというのは言えないものの、一般的によく言われている、山陰初出店、島根初進出、といったときに松江の名前はなかなか上がりにくいなというのは、私も肌で感じるところはあります。出雲に限らずですが、ほかの都市の例も見ながら、例えば、高松市は同じように線引きを廃止し、新たな規制に変えています。そういった事例なども研究してきておりますが、参考にして検討していきたいと思っております。

(山陰中央新報)各松江市内の地域ごとに、将来像を示した上で土地利用制度の在り方を考えるべきだという声もありますが、その点についてはいかがですか。

(上定市長)松江の中心市街地においては、「中心市街地エリアビジョン」というのを示し、ある程度の骨格については共有させていただいているつもりです。市域内のバランスの取れた発展ということも再三申し上げているところですので、例えば公民館単位、支所単位で必要な説明はしていきたいと思っています。土地利用制度にかかわらず、今後、支所を起点として、地域のまちづくりの在り方、あるいは旧松江市においても公民館等を起点として、松江市が考える方向性と、住民の皆さんが考えてらっしゃることをきちんとマッチング図った上で、今後の全体のまちづくりにつなげていきたいと考えています。

(山陰中央新報)線引きを廃止した他自治体では、人口減少に歯止めがかからなかった、地域の実情は変わらなかったという状況もあります。新たな制度を創設するに当たっては、どのようなことが大事になるとお考えですか。

(上定市長)今の段階でこの形にすると決めているわけではなく、他の事例も見ながら、しっかりと検討していく必要があると思っています。4年程度かかってしまいますが、一般的なものではなくて、松江市にとって最適なものにしていく必要があると思います。それは松江市民のメンタリティーも含めてですが、これから方向性を決めて検討をスタートするところですので、しっかりやっていきたいと思っているところです。

(NHK)政府の方針で、来月13日からマスクの着用が原則個人の判断に委ねるとなりました。その政府の判断について、ご所感をお願いします。

(上定市長)特に子どもにとって表情が見えない中で成長していくことは、なかなかつらいものがあるというか、成長過程において、相手の顔色をうかがうといのは変ですけど、何を考えているかとか、口角の動きによって、またその表情から読み取れる意図など、そういった感受性のような、コミュニケーション能力のようなところは非常に大切だと思っていますので、早く通常に戻って、要はマスクを外しても大丈夫な世の中になっていくというのは非常にいいことだと思います。あとは、それがどのタイミングで、あるいはどういった手法でやっていけばいいのか、国から方針が示されつつありますので、3月、あるいは5月になるのかも含めて、市としての対応についても考えてまいります。

(NHK)関連して、卒業式でのマスク着用について、昨日、県教委からは方針が示されましたが、改めて、市立の小中学校、皆美が丘女子高も含めて松江市の対応はどうされる予定ですか。

(上定市長)県からいただいた内容と対応は一にしてまいりたいと考えています。

(NHK)国はもう個人の自由になっていますが、県は少し場合を限定して細かく設定していると感じましたが、県の方針に準じていくということでよろしいですか。

(上定市長)今、県が出している方針に違和感は、特段感じておりません。

(島根日日新聞)線引きについては、松江と出雲はよく比較され、出雲の場合は線引きがなくて、比較的広い平野があり、大型の企業誘致もあって人口も増えている。それに対して、松江は線引きがあって開発がフリーに進みにくく、人口でも松江は減少に転じている。近い将来、逆転するかもしれないという出雲に対しての対抗意識、このまでは出雲に抜かれるといった危機感が今回の市長の決定の背中を押したという側面はありますか。

(上定市長)出雲市に限らず、他市で取り組まれている事例について、特によいものについては積極的に採用したいと思っており、そういう意味では目を光らせているというか、参考にさせていただいているところです。私が考えている松江の将来像というのは、出雲と闘うことではなくて、むしろ、中海・宍道湖・大山圏域というので連携を深めてやっていますので、その圏域自体がどのように一緒に発展していくかということに焦点を置いています。地域間競争という言葉を観光のところで申し上げましたが、これどちらかというと、ほかの圏域に対するときの考え方でして、出雲大社と松江城でお客さん取り合っているようでは発展は望めないと思います。この圏域においてどのような発展の形というのが一番望ましいのかというスコープは持っておきたいと思います。出雲も松江も両方が発展につながるようなウィン・ウィンの発展の形態が必ずあり得ると思うので、それはその圏域の中ででも、市長同士でも、意見を交わすことによって共通の課題を、できるだけ効率的に、シナジーを持って克服していくように捉えていきたいと思っています。

(島根日日新聞)長い間、ずっと議論をしてきてなかなか結論が出なかった根底には、線引きを廃止すると松江らしさが失われる、松江の古い景観とか、古い町並みを残した松江らしさ、これが貴重な観光資源にもなっていると。線引きを廃止すると、虫食い的な開発が発生して、秩序が乱れることを恐れて、解決がつかなかったところに、商工会議所がゴーサインを出してきましたが、線引きの廃止によって、これまで培ってきた松江らしさを失うおそれはないですか。

(上定市長)松江らしさを失わない線引きの廃止後の形にしていかなければいけないと思っていますので、それをまず検討してまいります。おっしゃるとおり、松江らしさが損なわれた松江はないと思っていますので、そのようなことがない制度設計をしていきたいという思いです。

(TSK)マスクのことで、県の考えに則してという、卒業式のマスクですが、基本的にはマスクを外す方向というところで、2メートル以上の距離を確保されていたらということですが、そこに従うということですか。

(上定市長)そうです。保護者、来賓の方はマスクをつけていただくということです。

(TSK)子どもたちはマスクを基本的に外してという形ですか。

(上定市長)はい。

(NKT)ごみ袋についてですが、お1人の意見を採用してやっているのかということと、実証実験ということで、ごみ袋のレジ袋としての活用を広げていきたいという狙いですか。

(上定市長)まず、この意見をいただいたのは1人の方からです。その意見に基づいて、庁内、あるいは関係する方にいろいろ意見を聞いた上で判断をさせていただきました。現状考えているのは、ちょっと大きなところでSDGsの取り組みだとか、リサイクル等の取り組みというのを市民の皆さんと一緒に進めてき、行政だけがやっているという形にはしたくないですので、こういった意識を一人一人の方に持っていただく一つのきっかけになればいいなという思いを持っています。実際はエコバッグ等を利用していただいて、ただ、ごみ袋は実際ごみ出すときに必要なので、必要なものをこういった形で転用することで、レジ袋の利用を少なくすることができる、それが環境の負荷の低減につながると、そういった意識をみんなで共有するための取り組みです。

(NHK)バスケットボールに関係して、先週末の土日の島根スサノオマジックのアルバルク東京戦、いずれも4,000人を超える観客で、史上最多も更新されました。新B1基準にその2試合は達したことになり、観客動員も伸びつつある中で、アリーナ整備が焦点になってきていますが、改めて島根スサノオマジックのホームアリーナの整備について、お考えお聞かせください。

(上定市長)先般、アルバルク東京戦は2試合とも、4,000人超える観客で非常ににぎわっていたというところは私も肌で感じましたし、実際勝ちましたのでよかったです。島根スサノオマジックが今、松江市民の誇りとなり、そして松江市においてなくてはならない存在になってきているというところは実感しているところで、新B1基準のハードルをクリアする形というのは、これチームはもちろん、スポンサー企業であるバンダイナムコエンターテインメントも含めて考えていく必要があるものと思っています。それに向けて、いろいろな考えを持っておりまして、それをどのような形でB1の新基準を満たすということに実現していくかという検討を進めているというところです。今の段階で何か具体的に申し上げられる調整ができているものはありませんが、今後、検討自体は速やかに、時間もどんどん経過しますので、市民の皆さんのご意見も聞きながら、島根スサノオマジックが活躍できる環境をつくるために何ができるかといったところの考えを進めていきたいと思っております。

(NHK)検討を進めていかれるというのは、バンダイナムコエンターテインメント側との調整、協議という部分も含めてのことなのかをお伺いしたいのと、検討協議を進めていくというのは前向きかなとは感じましたが、来年の10月にはもう審査が始まり、席が埋まっていくような状況になろうかと思います。スピード感かなり大事と感じますが、その辺りを教えてください。

(上定市長)できるだけ早く検討を進めていくということですね。もちろん、親会社であるバンダイナムコエンターテインメントも含めての調整を進めていくということになります。

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