市長定例記者会見議事録(全文)

更新日:2023年05月22日

「書かなくて済む窓口」の開設

5月8日の松江市役所の新庁舎第1期棟のオープンと同時に、市民の皆さんに便利に行政サービスを利用していただける新しい窓口を開設します。「書かなくて済む窓口」と言っていますが、今まで各種手続で、申請書に色々記入することが必要でした。これをできるだけ、デジタル技術等を使って簡便化を図る取り組みで、新しい市役所の1階の市民課の証明発行窓口と届出窓口で、この書かなくて済む窓口を導入します。

手続の具体的な流れです。マイナンバーカードあるいは免許証でまず本人確認をします。窓口の職員が申請の内容をお聞きして、あらかじめ市が持っている情報等が記載された申請書を印刷します。その内容を確認し、署名するだけになります。窓口に設置してあるタブレットを使用しますが、実際の操作は職員が行います。

この書かなくて済む窓口の対象となるのは、住所を異動される方、戸籍、住民票、印鑑、税についての証明書が必要な方、出生届を提出される方となります。ただ、一切手書きでの手続きができなくなるわけではなく、これまでどおり、紙の申請書でも受け付けます。また、松江市に住民票がある方が対象となりますので、ない方については手書きということになります。市民課以外での手続は基本的に手書きということでまずは進めてまいります。

対象となる手続は、住民異動や証明書の発行手続、これが全部で9つありますが、そのうちの6つが対象になります。また、出生届についても11帳票のうち7つが対象となります。

この書かなくて済む窓口、新庁舎がオープンする5月8日から開始します。詳しい内容については「松江市書かなくて済む窓口」で検索いただくか、市民課までお問合せください。

「松江市住生活基本計画」の策定

「松江市住生活基本計画」をこの3月に策定いたしました。松江市の住環境、住生活について基本的な方針をまとめたものとなります。

この計画の基本理念は「だれもが安心して暮らし続けられる住まいづくり」としておりまして、目標を達成するための4つの目標を、居住者、住宅ストック、居住環境、情報共有の4つの視点でとらえ基本理念の実現をめざしています。その目標1、居住者の視点で誰もが安心して暮らし続けることができる住環境を実現。目標2、良質な住宅ストックの形成と既存住宅の適正管理・有効活用の推進。目標3、安全で住みやすい住環境の形成。目標4、だれにも伝わる情報発信の推進のための施策を展開してまいります。

代表的な施策として、居住者の視点で身体障がい者向けの住宅供給支援補助金。現在、身体障がい者向けの住戸が公営住宅で30戸程度と限られています。民間の住宅所有者が既存住宅を身体障がい者向けの住戸に改修する際の費用の補助制度を新設しました。補助率は改修費用の2分の1で、1戸当たり100万円を上限としています。次に、居住環境の視点で、Uターン者が新たに三世代同居・近居する際の引越し費用を補助します。近居というのは同一公民館区内か直線距離で5キロ以内としており、引っ越し移転費用の2分の1、上限額は1件当たり9万円としています。住宅ストックの視点で、気候などの特徴を考慮した住宅の建て方などのパンフレットを作成したいと考えています。情報共有の視点で、様々なメディアを活用してこういった情報の周知をしてまいります。市のホームページ、市報、SNSなどを通じて、例えば先ほどの補助金などの支援策を分かりやすく伝える動画の配信や、ライフステージに応じた住宅選び、住まい方に関する情報の発信、空き家の利活用、住宅施策に関する出前講座の開設等もいたします。

こういった取り組みを通じて、松江市民の方が住生活を安定的なものにし、穏やかに安心して安全に暮らせる住環境というのを実現してまいりたいと考えております。

都市再生推進法人の募集開始

都市再生推進法人の募集を開始します。都市再生推進法人は、平成19年に都市再生特別措置法という法律ができ導入された制度です。松江市では、松江のまちづくりを推進するための様々な計画を策定しており、その最上位に来る、松江市総合計画「MATSUE DREAMS 2030」を昨年の3月に策定しました。まちづくりの基本方針として、市域内のバランスの取れた発展をめざしています。市域内でも中心市街地と周辺部と分けて考えたときに、特に周辺部については市街化調整区域という地域指定、いわゆる線引き制度があり、それによって新しいチャレンジがなかなか難しくなっていることから、土地利用制度を見直していくことについて表明させていただきました。

そして両輪となるのが、中心市街地の再生、活性化です。このためのプランとして、中心市街地エリアビジョンを昨年の3月に策定しています。松江市内の駅前、松江城までの辺りの区域をゾーンに区切り、それぞれめざすべき方向性を定めたものになります。こういった中心市街地のまちづくりを進めるに当たって、行政だけで進めていくことはできませんので、まちづくりのパートナー、まちづくりを共に進めていく都市再生推進法人を募集します。

この都市再生推進法人とは、まちづくりに関する情報やノウハウを有している、そのための組織・人員体制を持っている、まちづくりに寄与した活動実績がある団体を松江市が指定するものとなります。その活動の内容は、まちづくりに寄与するイベントの開催、公園や水辺等公共空間の整備・活用、空き家・空き店舗の利活用といったところになります。

具体的な役割として考えているのは、計画の提案、アドバイスをいただきたいと考えています。例えば都市再生整備計画などのまちづくりの計画を提案していただき、一方で、松江市からは国などからの情報提供や補助金などの支援を行います。資金的な手当ても元手にして新たな提案をしていただき、まちづくりにつなげていく役割を期待しています。松江市が指定しますので、公的な立場を得て関係者との協議、調整などを行う、まちづくりのコーディネーター、推進主体としての活動、役割を期待しています。

これまで松江市が取り組んできた、まちづくりの活動、例えば、「ミズベリング縁日」は岸公園で行い、ミズベリング松江協会の主催でした。「たてものぐるり」は中心市街地活性化協議会が主体となって進めていただきました。水辺のマーケットは、松江市がプロポーザルで選定した事業者に委託し運営していただきました。「しらかたトコトコ」は商工会議所が主体となって社会実験として開催しました。こういった取り組みを通じて、中心市街地を活性化するのに、どういった実現の手法が好ましいのかといったところを市と一緒に考えていただく主体が都市再生推進法人となります。

もう既に随時受付を開始しておりますので、関心のある方は、ぜひまちづくり推進室までお問合せください。

SHIMANEみらい共創CHALLENGE

「SHIMANEみらい共創CHALLENGE」、愛称「みらチャレ」の第2期挑戦者募集についてです。

松江市において起業、創業を支援する仕組みというのを昨年度来整えてまいりました。昨年1月に「MATSUE起業エコシステムコンソーシアム」を設立し、松江市内の産官学金の連携で新たな事業アイデアを持っている方をサポートして、そのアイデアを事業化するお手伝いをするものです。また、そのエコシステムコンソーシアムとつながる形でMIX(Matsue Innovative Community for Sustainability)というコミュニティーをつくりました。ここに来ればアイデアの交換や弁護士、公認会計士、税理士などからアドバイスを受けることができたり、既に事業化をしているベンチャー企業の経営者の方とお話ができる、そういったコミュニティーを設立しています。さらに、高校生、大学生などのチャレンジを応援するためのアントレプレナーシップ教育機関としての「キラボシプロジェクト」。これは商工会議所と共にやっている事業で、松江市内の学生が5万円を元手に実際に事業やビジネスにチャレンジしてもらうというプログラムで、多くの方が手を挙げ、実際に色々な事業を営んでくれました。

このキラボシプロジェクトと並走する形で、TSKさんが未来縁人という主体でこの「SHIMANEみらい共創CHALLENGE」を昨年度も実施されていました。これも同じように高校生がプレゼンをし、起業の経験者等がアドバイザーとなってアドバイスをする仕組みで、非常に似通った形だったことから、2023年は統合して行えるように調整をしてまいりました。

キラボシプロジェクトは18歳以下、22歳以下の2つのクラスに分けていましたが、今回は22歳以下を中心に、実際の起業、創業に結びつけていく「Star Gate」というプログラムを商工会議所で設け、そこで実装に向けて支援をする仕組みをつくってまいります。一方で、18歳以下の皆さんについては次世代育成プログラムと称し、昨年度も行っていた「みらチャレ」に吸収する形でこの機能を強化していくことを考えています。

この「みらチャレ」の内容としては、高校生一人一人のやってみたいチャレンジを応援するための組織となります。対象としては、県内の高校生または15歳から18歳の方。活動支援金を最大10万円支援します。それを第一線で活躍する経営者がサポートします。主催のTSKグループ基金のさんいん未来縁人、共催がMATSUE起業エコシステム、三菱みらい育成財団、後援を松江市、島根県、島根県教育委員会の形になっています。また、共創サポーターということで実際に起業されている方々を中心にアドバイスをいただきます。私も参加して、一緒に未来に向けてのチャレンジの後押しさせていただければと考えています。高校生の皆さんのチャレンジをお待ちしています。

「2023松江水郷祭」の開催

8月に開催を予定している、松江水郷祭についてです。

今年の開催に向けて検討を進めていく中で、今までのやり方とは違う形で新たな水郷祭を開催したいという思いを持っています。

その背景として、花火大会の必要経費が非常に増大しているということです。花火打ち上げ経費として台船の経費を除いたもので、2019年の1万3,000発で試算すると、花火製造原価が高騰し、2019年と比べて約1.5倍となっています。また、ごみ、トイレ等に係る衛生費が人件費、物価の上昇に伴い約1.8倍、警備費についても、安全対策の強化に伴い約2.6倍の状況です。従来と同じ規模で松江水郷祭を開催する場合、最低でも3,000万円程度の経費の増加が見込まれます。物価高騰や長引くコロナ禍によって企業業績も低迷しています。 そういった中で、これまでの企業協賛・市の財政・募金に頼る仕組みでは継続が難しい状況で、この仕組みを見直すべき時期に来ているという認識を持っているところです。

そこで新たな運営モデルの検討、ピンチをチャンスに変えていこうという発想を持っています。水の都松江の宍道湖で花火が打ち上がる湖上の花火大会という非常に全国的にも珍しい花火大会です。その花火の価値をさらに高めていくことができないかということ。そしてまた採算性も併せていくということで、有料観覧席を拡大することによって安定的な財源を確保していくことを今回の水郷祭で考えています。企業協賛、市の財政のみに依存することなく、将来にわたって持続可能な松江水郷祭にしていくということを考えています。

水郷祭による地域活性化についてまとめますと、観光は国際文化観光都市松江の主要産業であり、裾野が広く波及効果が非常に大きいという特徴があります。地域経済の好循環や活性化、雇用の創出といった効果が期待できます。また、観光客から高い評価をいただければ、それが市民の誇りや郷土愛への愛着につながり定住、移住や他地域との交流の促進につながっていくといったメリットもあります。

こういったことも踏まえ、この3月にMATSUE観光戦略プランを策定していますが、この中で掲げている2030年の将来像、「世界中から松江に人が集まる」の実現に向けて、戦略的なチャレンジをしていきたいと考えています。松江水郷祭は水の都松江が誇る歴史ある市民のためのお祭りであり、全国に誇れる国内外から注目される祭りへと展開し、花火の拡充、魅力向上によって水の都松江の知名度、ブランド力をアップしていく狙いを持っているところです。

2023年の花火大会の収支予算のイメージとして、松江水郷祭推進会議で作成された資料からの抜粋ですが、有料席の収益によって全体の収支のバランスをとるという案を考えています。一般席を9,150席、これを1席当たり5,500円で売り出し、それ以外に特別席を930席売り出すことで採算を合わせながら、魅力ある花火大会にしていくというプランを立てています。

ワークショップを何度か開催し、意見交換等を実施しました。3月には市民活動センターで一般公募の方にも聞いていただけるような形での説明会、意見交換会も実施し、そのほか、郵便あるいはメールでの意見も募集しました。その時の資料は水郷祭のホームページで公開しています。

今回8月5日、6日に開催を予定している松江水郷祭は、2日間にわたり、見応えのある魅力の高い花火大会にしていきたいと考え、それぞれ1万発、2日間合計2万発、それをワイドに打ち上げる演出を予定しています。有料観覧席を増設し、1日1万席、2日間合計で2万席程度を確保する予定です。今回大きな見直しとなりますので、国土交通省、島根県、松江警察署などにご協力をいただき、社会実験という形で開催します。この形が最終的なゴールの形ということではなく、その効果を検証し、次年度以降の開催内容に反映していくという進め方を考えています。

宍道湖南側の湖南エリアは有料のエリアで、宍道湖のロケーションを生かしたワイドな打ち上げによる演出が観覧できます。ワイドに打ち上がる演出ということで、台船を2そうから、横にワイドに広がる形で4そうの台船を配置することを考えています。自由観覧エリア、無料のエリアでも、打ち上げ台船を増設しますので、間近に見えるエリアが広がるということになります。宍道湖の北側、湖北エリアでは屋台の雰囲気を楽しみながら花火を楽しむことができ、白潟エリアは、松江駅から近い場所で湖面に映える花火を間近で体験できるといったことになっています。

こういった形で水郷祭を進めるに当たって、5月8日にオープンする新庁舎の利活用についても現在考えており、2023年の水郷祭において、新庁舎のテラスを利活用する案を持っています。今年の7月を予定していますが、「新庁舎みんなのトライアル」と題し、新庁舎を実際に活用してにぎわいの創出方法を検討するトライアルをしてまいります。この取り組みのなかで、新庁舎で水郷祭をいかに楽しむか、どういった課題があるかといったことの検証を行います。そのための市民などのモニターを募集あるいは招待させていただきます。一般公募と新庁舎応援という2つのタイプを用意しています。一般公募については、松江市民の皆さまを対象としてカテゴリーごとに枠を設けます。例えば、小学生以下のお子様がいる家族連れ、中学生、高校生、大学生などの若者、65歳以上の高齢者の方、障害のある方などのカテゴリーを幾つか設けまして、アンケート調査のモニターを募集し、抽せんにより決定してまいります。もう一つが新庁舎応援タイプと銘打っていますが、新庁舎のPR活動に協力をいただいた方、情報発信力のある方というのをモニターとして招待するもので、市民の方以外も対象として想定しています。例えばですが、新庁舎テラスの愛称コンテストあるいは新庁舎のフォトコンテストを5、6月に開催することを予定しております。ここで入賞された方、あるいは一定数のSNSのフォロワーを持つ発信力のある方というのを対象に公募の上で選定させていただきます。募集人数については、公募方法と併せて検討し、応募条件としては、本市が行うアンケート調査への協力ということで、観覧料金は調査目的のために無料ということを考えています。

今後の全体のスケジュールですが、5月8日に松江水郷祭推進会議が開催され、ここで、この2023松江水郷祭の開催の内容が決定される予定です。そして、6月頃、有料観覧席を市民向けに先行販売し、7月頃に有料観覧席の一般販売を始め、8月5日6日が本番ということになります。

質疑応答

(NHK)書かなくて済む窓口について、これは例えば県内、全国での導入実績などを把握されていますか。

(上定市長)数の把握はしていませんが、同じような取り組みをしているところはあります。我々もデジタル化の恩恵をできるだけ市民の皆さんに還元したいという思いがあり、そういった先行事例についても調査し、滞りなく行政手続サービスが提供されているということを確認した上で導入しています。

(NHK)都市再生推進法人の募集について、松江市や県内での推進法人の認定事例はありますか。

(上定市長)昨年の12月時点で全国の68自治体で107団体が指定を受けている状況で、松江市ではまだ指定をしておりませんので、今後パートナーとなっていただく方を大々的に募集をしていきたいと考えています。

(NHK)県内でありますか。

(上定市長)県内でもないと思います。

(NHK)昨今のAIチャット機能のChatGPT、農水省や西村大臣が何か公務への利用などに積極的な意向を示しておられます。松江市でもかなりの行政文書の作成や議会答弁の作成など多々文書作成業務があるかと思いますが、ChatGPTの利用についてはどのように捉えていますか。

(上定市長)今検討しているところです。例えば横須賀市さんが、これは行政サービスというより庁内の手続等の要約版の作成に活用すると表明されてるところは目にしておりまして、庁内でもそういった活用の在り方について指示を出しているところです。一昨年来事務の合理化についてはいろいろ進めていまして、例えば会議、審議会等の議事録の自動作成など幾つかは実施できています。先日は、民間の事業者に来ていただき、行政サービスを効率的にデジタル技術で補うデモンストレーションを行っていただきました。ChatGPTもその一つとして捉えたいと思っておりますが、行政サービスを市民の皆さんに提供する際の安心、安全性は当然欠かすことはできませんので、そういったところも確認しながらやっていきたいと考えています。

(NHK)市長としてのその検討というのはかなり前向きな、使えれば使いたいというニュアンスですね。

(上定市長)行政事務の効率化などが、信頼感の向上につながるような形でいかに使いこなせるかということはまずは検証していきたいと思っていますし、うまく使いこなせるようであればできるだけ早めに、検討は進めていきたいと思っています。既に松江市で取り組んでいるものとして「子育てAIコンシェルジュ」というのがありまして、特に子育て世代の方がLINEで友達の登録をし、任意の質問にAIが自動的に答える、AIチャットボットという機能を使っており、今2,000人ぐらいの方に登録していただいています。

(中国新聞)松江水郷祭について、この有料観覧席を増やすという方針自体は今年度だけではなくて昨年もそういった動きがあったかのように記憶していますが、昨年の時点では国交省出雲河川事務所からの護岸の占有許可というところで有料観覧席を増やすことができなかったという結論だったかと思いますが、今年はどのように国交省とやり取りをしてクリアされたんでしょうか。

(上定市長)国土交通省が後ろ向きである印象は持っておらず、我々と膝詰めでできる方向で何が課題なのかというような整理をしてくれています。話合いの機会というのをどんどん増やしていまして、具体性のある花火大会のやり方、湖岸の使い方を検討していく過程において、お互い折り合えるところが見えてきたというところがあります。もちろん公共空間なので、誰もが自由に使うことによる弊害、公共的な場所が通れなくなるとか一時的に通行止めとなるので利便性を損なうといったところをクリアする必要がありますので、使用する範囲や、その際のルールを昨年から話をしています。非常に協力的に話も聞いてくださっていまして、その中で河川管理上あるいは湖を管理していく上で問題のない形でできるだけ使う方向で考えていただけていると認識しています。

(中国新聞)では社会実験として開催するから許可が出たということではなく、話合いの結果というところですか。

(上定市長)今回は社会実験という前提の下で行いますので、来年もこのままの形でできるということではありません。社会実験というのを前提として今回取りあえず開催し、混乱が生じないかどうかの実証、その確認を経た上でまた来年へつなげていくというのは共通の認識になっています。

(中国新聞)今回規模が大きくなるということで有料観覧席と発数も過去最大になるかと思います。地域活性化ということで観光客への波及効果も狙っておられるということですが、例年以上に多くの人が訪れると見込む場合、例えば駐車場は臨時のものを用意するなどの方針はありますか。

(上定市長) 毎年水郷祭のときには臨時の駐車場も含めて用意しています。また、バスでのピストン輸送といったことも併せて考えています。たくさんの方に来ていただけることを見込んで、混乱が生じない形、当然ですけど警備も含めて安全が確保される形のプランを今検討しています。

(中国新聞)臨時駐車場の規模、例年よりも多く用意するとか、今まで使っていないところを駐車場として活用するなどの案は今のところはないということですか。

(上定市長)今、検討しているところです。まだ最終的に決まっていませんが、混乱が生じないように最大限の努力はしていくという方針で検討を進めています。

(中国新聞)ワークショップや説明会、意見交換会を開催されたということですが、物価高騰だったり例年並みの規模で開催するにしても経費がかさむ状況の中でさらに規模を大きくして、先ほどピンチはチャンスというお言葉がありましたが、今までは無料で見れていた人が同じ場所で見ようと思ったら5,500円ないしそれ以上の金額を払わないといけないという、経費がかさむ中で規模を拡大していくというちょっとベクトルが反対を向いてるような気がします。それについて市民がどう理解をしているのか、市民への説明がもう十分されているのかというところについて市長のお考えをお聞かせください。

(上定市長)説明の機会は多々設けさせていただいたつもりではありますが、実際いろいろな意見をいただいています。意見募集されている新聞もありますが、そういった意見も踏まえた上で一番市民の皆さんにとっていい形というのは、今の時点で100%もうこの形でずっと未来永劫やっていけるというのが定められているわけではないので、逆に言うと、市民の皆さんの意見をいただき、それを踏まえた上で次年度どうしていくかということを考えていきたいと考えています。

今回、無料で観覧できるエリアというのもかなり拡充している部分もありますし、全席有料化といったことではありません。有料化しているところ決して安い金額ではなく採算も考えて持続可能なものにしていくということになります。有料のスポットについてある程度の需要が見込めるのではないかというのは、昨年度も有料観覧席のニーズが相当ありまして、それに応える形の数は出せていない状況もありました。昨年と同じ形でやると収支が合わず開催ができない状態になってしまうんですね。市民のための伝統的な花火ですので、継続していくということをまずは一番の目的としています。それをするに当たって、市民の皆さんのご意見も聞きながら一番いい形を模索しているところで、現段階ではこの形でするのがベストだという認識の下でまずはやらせていただいて、その上で反省すべき点をさらにブラッシュアップしてまた次年度以降の花火大会を持続可能なものにしていくというのが今の時点の状況ということになります。

(読売新聞)今日の水郷祭に関する内容は、いずれも決定事項ではないという理解でよろしいですか。

(上定市長)そのとおりです。5月8日に推進会議が開かれて、そこで2023松江水郷祭の開催の内容が決まることになっており、現段階で推進会議で検討がなされていることについての最新の状況についてお話ししてるということになります。

(読売新聞)有料観覧席の増設や、花火の発数を増やすなどは、今のところ本決まりではないという状態ですね。

(上定市長)厳密に言うとそうなります。今までのワークショップ等での説明と内容が変わってきているわけでもありません。この内容で推進会議に諮られていくものという認識を持っています。

(読売新聞)推進会議には松江市も参加されていますが、今日お話しいただいた内容というのは、推進会議としてというよりは松江市としてはこうしたいと考えていますという理解でよろしいですか。

(上定市長)そうです。松江市として、こういった開催方針になぜ至ったかということを説明させていただきたかったということです。5月8日の推進会議の前の定例記者会見は今日が一番近いということと、推進会議でこういった議論がなされた上で5月8日以降にその方針が皆さんに発表されると思います。その前にあらかじめ松江市のほうからお話をしておきたかったという趣旨でお話ししました。

(山陰中央新報)新庁舎のテラスの利活用で、水郷祭では実験的な意味ということで、来年以降、一般開放するかどうかは今回の結果を見てということになりますか。

(上定市長)そうですね。今の時点で考えているのは今年の水郷祭でどのように新庁舎テラスを活用するかというところまでですね。その結果を見た上で、来年度以降については考えていこうと思っています。

(山陰中央新報)一般公募タイプはアンケート調査をされるとのことですが、どういうことを聞かれますか。

(上定市長)いろいろなカテゴリーで使っていただこうと思っていまして、例えば家族で使うときにその使い勝手として、いわゆる桟敷席と言われるような囲みを設けてその中で見ていただくのがいいのか、椅子を並べる形がいいのか。また、イベントも考えていまして、フォトコンテストをやるのがいいかなどの提案をするに当たって、実際に経験していただいた方にモニターとしてその調査に協力していただくというものです。

(山陰中央新報)7月から庁舎全般の利活用については、実際に使ってみてどうかという取り組みをされることの一環ですか。

(上定市長)今年の2月、3月のところでも市民の皆さんから具体的な利活用のアイデアを出していただいています。それに基づいて、この新庁舎みんなのトライアルというのは実際に民間事業者の方に新庁舎のテラス部分等を使っていただいて使い勝手を確認したり、参加者や市役所に訪れる方の反応を確認して、その事業内容の検討を行います。新庁舎は令和7年が最終的な全体の完成になりますので、それまでに市民の皆さんににぎわい楽しんでいただけるような形をつくっていきたいと思っています。

(山陰中央新報)市長としては、観覧場所の一つとして根づかせたいというような思いはお持ちですか。

(上定市長)水郷祭は大きなイベントですので、公共施設だからということで利用しないのはもったいないので、きちんと活用される場所だと思います。水郷祭のときだけではなく、通常の市役所というと行政手続があるときにだけ行く場所。市役所職員のオフィスビルという少し冷たいイメージもあると思いますが、それだけではなくて市民の皆さんが集まり、楽しんでいただけるような場所が新しい市役所の理想像だと考えていますので、その一環として水郷祭のときの利用というのも考えていきたいと思っています。

(山陰中央新報)募集人数は検討ということですが、2階から4階まで入るということで規模感的にはどのぐらいを想定しておられますか。

(上定市長)無理やり並べると何百席かは確保できます。ただ、少し余裕を持った形にしていきたいと思っています。具体的な数字はお答えできませんが、2階部分だけで600平米はありますので、実際に椅子を並べるなりして検証していきたいと思っています。

(朝日新聞)水郷祭は1日に何人ぐらい来るイベントですか。

(上定市長)昨年2日間で40万人とのことです。今年何人ぐらいの方が来るかはわかりませんが、2万発ということになると、西日本最大級の大きな花火大会であるという訴求の仕方はできるかと思っています。

(朝日新聞)1日当たりおおよそ20万人となると、有料観覧席が1万人ということは20分の1が有料ということでよろしいですか。安くもないお金を払う仕組みになっていくのでしょうけども、大部分の人はただでも見れるという前提なのか、お金払わないとなかなかいい場所で見れないなということなのかがいかがですか。

(上定市長)今までと開催の形を変えますので、無料で見れるエリアが広がることは間違いないです。有料の観覧席も実際今回広げていく形になりますし、昨年も早めに売り切れたというところでニーズも相当もあります。1万の席数が適正かどうかも分かっているわけではないですが、今の段階では1万でも売り切れるだろうということを想定した収支にしていまして、1万が多いのか少ないのかというところは調整をしていく必要があると考えています。

(TSK)例年だと1万発で1時間ぐらいの時間だと思いますが、その辺りの変更はありますか。

(上定市長)これもまだ検討の過程ですが、むしろ1時間を少し短くすることをいろいろ議論しています。かなり迫力がある時間と、途中でちょっとなぎのときもありますので、それも時間的には集中することでさらに魅力を高めていくこともできるのではという仮説もあって、時間についても工夫の余地があるのではということで検討を進めています。

(TSK)今、市長がおっしゃったことは、推進会議でおおむね合意を得られている話ということですか。

(上定市長)5月8日までそんなに時間があるわけではないのですし、詰めて検討を進めておりまして、今日お話しした内容というのはその推進会議が今考えていることと大きく変わってくることはないという認識です。

(TSK)みらチャレについて、上定市長も特別アンバサダーに就任されていますが、特別アンバサダーとしてどういったことが貢献できるかということと、あと2期生への期待をお願いします。

(上定市長)私もキラボシプロジェクトなどで関わり、コメントもさせていただいてます。もちろん市長として松江市がこうありたいということについて若い方に知っていただくというのも一つの使命だと思っていますが、今までの自分の経験上、ベンチャー企業に対する融資、投資等もやっておりましたので、具体的にこういう要素がないとなかなか成功に結びつかないという勘どころは幾つか持っているつもりなので、高校生の皆さんがチャレンジすることがすごく重要だと思います。失敗を恐れずに新たなことをやってみるという気持ちを大切にしていく。一回駄目になってもまた別のプランを考えればいいというようなある種の割り切りの部分とか、そういったことについて私が経験を踏まえてお話しできることがあるのではないかなと思っています。アントレプレナーシップ教育と言うとすごく硬いですが、欧米などでは相当一般化していまして、サラリーマンをめざしていくのと同じように起業家をめざしていくという夢が子どもの頃から語れて全然問題ないと思うんですね。そういったチャレンジができる松江にすることを念頭に置いて「夢を実現できるまち 誇れるまち 松江」というのを総合計画の中の一番上に掲げておりますので、ぜひ若い方々に手を挙げていただいて2期生としてエントリーしていただきたいと思っています。

(読売新聞)水郷祭の新庁舎テラスの活用に関して、観覧場所が新庁舎テラス2・3・4階となっています。テラスは2階から5階にあり、通常時は2階しか入れないと思いますが、改めてその2階から5階まであるテラスのうち2階しか取りあえず入れないということに対する市長の考えと、こういったイベント時には開放するということはどういうお考えでされるのかということをお尋ねしたいです。

(上定市長)3階、4階部分については通常時には一般の方は入れないということにしています。ただ、こういったイベントがあるときに、せっかく一等地のロケーションがあるので活用しないのはもったいないという認識を持っていまして、3階、4階部分についてもイベントのときには通常の運用の原則を変えて、可能な限り開放することを考えています。今後、2期工事が始まり、それとの兼ね合いもあって、3階、4階部分のテラスを開放していくには、安全が確保できるかどうかというようなところもあってそれも検討を進めています。

(読売新聞)最終的には2階から5階全部入れるようになるりますか。

(上定市長)今のところは、まだ分からないです。安全管理上の問題もありますし、今は階段も仮設でつけている部分もありますので、それが実際出来上がったときにどれぐらいの安全性がしっかり確保できてるのかということを確認した上でになります。

(読売新聞)我々報道陣もこの前内覧会で入らせていただきましたが、市長室の外がすぐがテラスになっていて、ロケーションがいいと思うのと同時にこの前岸田首相の襲撃事件などもありましたが、警備上はどう思われますか。

(上定市長)私自身だけでなく、市民の皆さんが市役所庁舎を利用して危ないと感じられれば当然にぎわいの拠点には得ず、安全性が確保されるようにしなければならないと思いますので、今後運用もしながらですが、そういったところ懸念があれば払拭すべきと考えています。

(毎日新聞)今年の夏の水郷祭の開催に当たって、松江市の支出は例年より増えますか。

(上定市長)市の財政事情が厳しいところもありまして、増やすことが難しい状況ですので、議会で認めてもらっているのは、去年と同額の水準です。

(毎日新聞)特等席だと思われるような部分がほぼ有料になると思います。それに伴って市民の方から残念だというような声も上がってくると思いますが、市長の個人的な意見として今回の開催の方針についてどう思われますか。

(上定市長)単刀直入に言えば開催したいです。松江水郷祭は松江市民にとって欠かせないお祭りになっていますので、開催したいです。開催するための方法をこれまでずっと考えてきて、その一番いい形、集大成が今日お話しした形です。ただ、これが最終的に一番いいものかどうかは検証した上でまたさらにブラッシュアップしていく必要はあると思いますので、水郷祭を開催するためのすべを明らかにして、それができるだけたくさんの方に満足していただけるようなそういった形にするのが私の使命だと思っています。

(読売新聞)新庁舎テラスの愛称コンテストもされる予定ですか。

(上定市長)その予定です。市民の皆さんに来ていただける、ハチ公前じゃないですけど、何か愛称があってあそこに行こうよって思っていただける場所にしたいと思っていますので、愛称は必要だと思っています。

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