「2023松江水郷祭」の開催

更新日:2023年05月22日

8月に開催を予定している、松江水郷祭についてです。

今年の開催に向けて検討を進めていく中で、今までのやり方とは違う形で新たな水郷祭を開催したいという思いを持っています。

その背景として、花火大会の必要経費が非常に増大しているということです。花火打ち上げ経費として台船の経費を除いたもので、2019年の1万3,000発で試算すると、花火製造原価が高騰し、2019年と比べて約1.5倍となっています。また、ごみ、トイレ等に係る衛生費が人件費、物価の上昇に伴い約1.8倍、警備費についても、安全対策の強化に伴い約2.6倍の状況です。従来と同じ規模で松江水郷祭を開催する場合、最低でも3,000万円程度の経費の増加が見込まれます。物価高騰や長引くコロナ禍によって企業業績も低迷しています。 そういった中で、これまでの企業協賛・市の財政・募金に頼る仕組みでは継続が難しい状況で、この仕組みを見直すべき時期に来ているという認識を持っているところです。

そこで新たな運営モデルの検討、ピンチをチャンスに変えていこうという発想を持っています。水の都松江の宍道湖で花火が打ち上がる湖上の花火大会という非常に全国的にも珍しい花火大会です。その花火の価値をさらに高めていくことができないかということ。そしてまた採算性も併せていくということで、有料観覧席を拡大することによって安定的な財源を確保していくことを今回の水郷祭で考えています。企業協賛、市の財政のみに依存することなく、将来にわたって持続可能な松江水郷祭にしていくということを考えています。

水郷祭による地域活性化についてまとめますと、観光は国際文化観光都市松江の主要産業であり、裾野が広く波及効果が非常に大きいという特徴があります。地域経済の好循環や活性化、雇用の創出といった効果が期待できます。また、観光客から高い評価をいただければ、それが市民の誇りや郷土愛への愛着につながり定住、移住や他地域との交流の促進につながっていくといったメリットもあります。

こういったことも踏まえ、この3月にMATSUE観光戦略プランを策定していますが、この中で掲げている2030年の将来像、「世界中から松江に人が集まる」の実現に向けて、戦略的なチャレンジをしていきたいと考えています。松江水郷祭は水の都松江が誇る歴史ある市民のためのお祭りであり、全国に誇れる国内外から注目される祭りへと展開し、花火の拡充、魅力向上によって水の都松江の知名度、ブランド力をアップしていく狙いを持っているところです。

2023年の花火大会の収支予算のイメージとして、松江水郷祭推進会議で作成された資料からの抜粋ですが、有料席の収益によって全体の収支のバランスをとるという案を考えています。一般席を9,150席、これを1席当たり5,500円で売り出し、それ以外に特別席を930席売り出すことで採算を合わせながら、魅力ある花火大会にしていくというプランを立てています。

ワークショップを何度か開催し、意見交換等を実施しました。3月には市民活動センターで一般公募の方にも聞いていただけるような形での説明会、意見交換会も実施し、そのほか、郵便あるいはメールでの意見も募集しました。その時の資料は水郷祭のホームページで公開しています。

今回8月5日、6日に開催を予定している松江水郷祭は、2日間にわたり、見応えのある魅力の高い花火大会にしていきたいと考え、それぞれ1万発、2日間合計2万発、それをワイドに打ち上げる演出を予定しています。有料観覧席を増設し、1日1万席、2日間合計で2万席程度を確保する予定です。今回大きな見直しとなりますので、国土交通省、島根県、松江警察署などにご協力をいただき、社会実験という形で開催します。この形が最終的なゴールの形ということではなく、その効果を検証し、次年度以降の開催内容に反映していくという進め方を考えています。

宍道湖南側の湖南エリアは有料のエリアで、宍道湖のロケーションを生かしたワイドな打ち上げによる演出が観覧できます。ワイドに打ち上がる演出ということで、台船を2そうから、横にワイドに広がる形で4そうの台船を配置することを考えています。自由観覧エリア、無料のエリアでも、打ち上げ台船を増設しますので、間近に見えるエリアが広がるということになります。宍道湖の北側、湖北エリアでは屋台の雰囲気を楽しみながら花火を楽しむことができ、白潟エリアは、松江駅から近い場所で湖面に映える花火を間近で体験できるといったことになっています。

こういった形で水郷祭を進めるに当たって、5月8日にオープンする新庁舎の利活用についても現在考えており、2023年の水郷祭において、新庁舎のテラスを利活用する案を持っています。今年の7月を予定していますが、「新庁舎みんなのトライアル」と題し、新庁舎を実際に活用してにぎわいの創出方法を検討するトライアルをしてまいります。この取り組みのなかで、新庁舎で水郷祭をいかに楽しむか、どういった課題があるかといったことの検証を行います。そのための市民などのモニターを募集あるいは招待させていただきます。一般公募と新庁舎応援という2つのタイプを用意しています。一般公募については、松江市民の皆さまを対象としてカテゴリーごとに枠を設けます。例えば、小学生以下のお子様がいる家族連れ、中学生、高校生、大学生などの若者、65歳以上の高齢者の方、障害のある方などのカテゴリーを幾つか設けまして、アンケート調査のモニターを募集し、抽せんにより決定してまいります。もう一つが新庁舎応援タイプと銘打っていますが、新庁舎のPR活動に協力をいただいた方、情報発信力のある方というのをモニターとして招待するもので、市民の方以外も対象として想定しています。例えばですが、新庁舎テラスの愛称コンテストあるいは新庁舎のフォトコンテストを5、6月に開催することを予定しております。ここで入賞された方、あるいは一定数のSNSのフォロワーを持つ発信力のある方というのを対象に公募の上で選定させていただきます。募集人数については、公募方法と併せて検討し、応募条件としては、本市が行うアンケート調査への協力ということで、観覧料金は調査目的のために無料ということを考えています。

今後の全体のスケジュールですが、5月8日に松江水郷祭推進会議が開催され、ここで、この2023松江水郷祭の開催の内容が決定される予定です。そして、6月頃、有料観覧席を市民向けに先行販売し、7月頃に有料観覧席の一般販売を始め、8月5日6日が本番ということになります。

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