市長定例記者会見議事録(全文)

更新日:2023年07月20日

アメリカへの観光促進・産業連携に向けた訪問

7月15日から20日までアメリカを訪問します。

アメリカからの観光誘客促進のため、まず、ニューヨークに15日から18日まで出かけます。ニューヨークにジャパン・ソサエティーという団体があり、アメリカでの日本文化の発信、日米の交流促進を目的につくられている施設です。そちらで、情報発信のイベントを行います。世界経済の中心地、情報発信の拠点であるニューヨークにおいて、松江の歴史・文化、地域の魅力を発信するイベントを開催し、松江市の認知度、ブランド価値の向上を目指します。アメリカを観光PRの重点市場と位置づけ、アメリカからのインバウンド誘客を図ります。

ジャパン・ソサエティーでのイベントは7月17日・18日に行い、観光セミナーを開催し、私から「城下町松江と茶の湯文化」をテーマとする講演をします。また、同行する職人による和菓子の創作、日本茶インストラクターによるお手前の披露、松江の産品、和菓子、あごのやき、日本酒、シジミ汁などの試飲・試食ブースも設けます。松江茶の湯文化体験ワークショップでは和菓子作りとお手前の体験、それに併せて現地の旅行会社、関係団体への営業も行います。今回は私のほか、国際観光課、和菓子職人の方、お酒、お茶を取り扱う市内事業者の方と一緒に訪問する予定です。

次に18日から20日まで、アメリカの東海岸から西海岸に渡り、シリコンバレーを訪問します。ベイエリアというのがシリコンバレーを含む西海岸のスタートアップ、ベンチャー企業のエコシステムの発信、発祥の地となっています。松江ではMATSUE起業エコシステムを今年の1月31日にコンソーシアムという形で立ち上げ、産官学金の連携によって新しいベンチャー企業を育てていく取り組みを進めています。松江で生まれたプログラミング言語のRubyを起点として、ビジネス連携の可能性をこの出張も含めて追求していきたいと考え、松江からシリコンバレーへのゲートウエイをつくることを目指しています。

具体的には3つあります。まず、シリコンバレーでビジネス展開している企業を訪問します。シリコンバレーを拠点に日米企業をつなぐ役割を果たしているベンチャーキャピタル、ベンチャー企業に対して投資をしている投資家、日本への事業展開を模索しているアメリカの企業などを予定しています。

2つ目として、スタンフォード大学が主催するシンポジウムに参加します。Japan-U.S. Innovation Awards Symposiumというもので、日米のベンチャーキャピタル、日本へ進出意欲のあるアメリカ発のスタートアップ企業、アメリカ企業との連携を目指す日本発のスタートアップ企業などが多数参加します。そのシンポジウムに参加することでネットワークを広げ、今後の松江におけるスタートアップ企業との連携について考察を深めてまいりたいと考えています。

最後に、西海岸のRuby関係者、スタンフォード大学でRubyの研究者をしている教授や、過去にRuby Prizeという賞を受賞された経験のあるITエンジニアの方も訪問します。私のほか、まつえ産業支援センターと訪問します。

これらの取り組みを重ね、アメリカにおいての観光誘客の促進、産業連携の強化に取り組んでまいります。

「みずべを愉しむエトセトラ」開幕

みずべを愉しむエトセトラが開幕します。

これは、宍道湖畔、大橋川に面する白潟公園に水辺のにぎわい空間を創出する取り組みです。事業を実施する事業者について、プロポーザルで募集をしており、そのプロポーザルで選定された事業者が主催し、水辺の公共空間において、民間の商業利用による日常的なにぎわいの創出を目的に、今回実証実験を行います。主催するのは、社会実験事業者として株式会社まつくる、期間が7月28日から10月28日までとなっています。

具体的な企画が多数ございます。水辺でデイキャンプを楽しめる「みずべキャンプ」、バーベキューを楽しむ「みずべキュー」、開放的な空間でヨガやピラティスなどの体験ができる「みずカツ」、屋台で飲食が楽しめる「みずべヤタイ」、夕日、日没の時間帯に合わせた「みずべキッチンカー」、農産品や工芸品が並ぶ「みずべイチバ」、「みずべカイギ」、子どもむけの「みずべキッズ」などになります。

それ以外にもイベントを幾つか開催します。8月19日の「みずべナイトマーケット」では、フリーマーケットや物販、若者向けのイベントが開催されます。9月30日には「みずべファミリーデイ」として、キャンプやアウトドアを楽しめるイベントを企画します。10月21日には「みずべDogDay」と銘打ち、ドッグランや犬に特化したイベントを企画しています。

これに先立ち、7月7日の午後7時7分に「ミズベデカンパイ」というプレイベントがあります。国土交通省が主催するミズベリング・プロジェクトの一環で、水辺で全国一斉に乾杯するというイベントです。ここ何年かはコロナの影響もあって中止になっていましたが、今回、久しぶりに帰ってきたミズベデカンパイということになります。

松江市では官民連携による水辺の利活用を進めてまいります。皆さまのご来場をお待ちしています。

環境主都まつえの取組み

環境主都まつえへの取り組みについて、3点ご説明します。

1つ目、レジ・ごみ袋のイラスト募集です。プラスチックごみを削減するため、スーパーで買物したときに、レジ袋を購入されることがあると思いますが、そのレジ袋をまたごみとして捨てている状況があります。そこで、レジ袋の代わりに松江市指定ごみ袋を「レジ・ごみ袋」として1枚ずつ販売するスーパーを今増やしています。今年の2月20日からスタートし、みしまやさん、イオンさんなど現在23店舗で販売していますが、ただのごみ袋ですので、食べ物、特に生鮮食料品を入れることに抵抗があるという意見もいただいております。

そこで、今回、SDGs未来都市、脱炭素先行地域の選定を記念して、ごみ袋のイラストを募集します。テーマは、「松江のいいところを大切にしよう」「プラスチックごみを減らそう」「海ごみゼロ」「食べ残しを減らそう」としており、SDGsあるいは脱炭素に関する取り組みを表現したイラストにしたいと思っています。小学4年生から中学3年生までの児童生徒で、市内在住又は市内の小・中学校に在学している生徒を対象とします。入賞作品については、レジ・ごみ袋限定2万枚に使用します。応募の期間は7月20日から9月11日です。9月中旬から審査を行い、11月にはレジ・ごみ袋の販売を始めます。優秀作品には表彰状と、副賞として図書カード、松江の産品をお渡しします。ぜひとも奮ってご応募ください。

次に、リサイクルペンを市役所の窓口に設置します。昨年の6月から使い捨てコンタクトレンズの空ケースの回収を松江市役所、イオン松江店でやっています。同じように昨年の8月から使用済みのペンのリサイクルも行っています。市民の皆さまから回収ボックスにたくさん入れていただき、それが再生されてリサイクルペンの形で戻ってまいりました。これを宍道湖のヨシ紙や県内の竹で作成したペン立てに入れて、市役所の窓口に置きますので、ぜひご利用いただき、さらなるリサイクルの推進を図っていきたいと考えています。

最後に、通算5回目となる、まつえファーマーズマーケットを7月8日に開催します。場所は松江市役所本庁舎の1階と2階です。これまでも4回、いろいろな場所で開催していまして、今回は21店舗の出店を予定しており、未利用魚を使ったカレーや、無農薬の花や野菜、ヤギミルクを使ったジェラートなどになります。ほかにも、宍道湖のヨシを使ったストロー作りのワークショップや、映画と紙芝居の上映もあります。映画は「ガラスの地球を救え!」という、環境省が作成しており、小・中学生を対象に、地球温暖化の取り組みなどについての意識の醸成を図るものです。紙芝居は「うみがめマリンの大冒険」という海上保安庁が作ったものですが、海に流れ出たプラスチックごみについて、海洋環境保全の大切さを学ぶことができます。ぜひともお越しください。

このまつえファーマーズマーケットで、海ごみゼロ宣言キャッチフレーズのぼり旗のお披露目も行います。松江市は海ごみゼロ宣言というのをしており、様々なプロジェクトを推進しています。その中で、キャッチフレーズを募集しました。市内の高校生、まつえ環境市民会議の会員の方などから応募をいただき、7つをキャッチフレーズとして採用しました。これをのぼり旗にして、環境関連のイベントで使用したいと考えています。

松江城の活用と保存

1つ目が、松江城の本丸東側の石垣の保存対策についてです。江戸時代に積み上げた石垣が現存している非常に貴重な、日本に5つしかない国宝現存天守を持つ松江城ですが、その石垣について少し変形しているところが出てきています。樹木が根を張り石垣を内側から崩していくような形になっているのが主な原因です。昨年度、石垣支障木と天守の延焼の防止のため、49本の樹木を伐採しました。見晴らしが非常によくなったということを市民の皆さまから言っていただいているところです。

今回は、さらなる石垣の落石防止対策を行います。今までは木が覆いかぶさっていましたので、仮に落石があっても近くまで近づけないであるとか、木があることで、落石自体が見た目に分かりませんでした。今回伐採し、石垣面が前に出てきたということもありまして、落石の可能性がある場所について、土のうによって応急措置を施し、その上で、落石防護ネットの設置を考えています。本丸の東側の石垣の南面が2年前より5ミリから7ミリ前方に起き上がり、少し浮き出てきています。東面は、膨らみが見られて、目地がちょっと開いてきています。これがひどくなるとここから石が崩れ落ちてくる危険性がありますので、落石防止対策として、7月からまず応急措置として、土のうで仮押さえをします。その上で工事の準備を進め、10月から落石防止のネットを設置します。景観を損ねないような形で落石の防止ネットを張り、施工したいと考えています。

松江城を守り後世に受け継ぐことが我々の世代の使命だと考えています。今後もこうした取り組みを進めてまいりますので、市民の皆さまにもご理解をいただければと思います。

また、松江城の伐採木を活用して、松江城のPR、木材の利用促進、木育学習につなげていきたいと考え、アイデアの募集をしておりました。伐採した49本のうち、幹の直径が比較的大きくて再利用がしやすいもので14本、杉、ヒノキ、松、タブ、ムクを対象にしています。13件応募があり、庁内の選考委員会で審査をし、8件のアイデアの採用を考えています。

松江城の御城印を製作し、松江城で開催するイベントの参加者、クイズの正解者にプレゼントを考えています。 また、松江城の改築工事に備えて乾燥保存をし、屋根の下地材に使えるサイズの大きな杉を保存していくということも考えています。木を使って書架を製作し、市内の図書館、小・中学校に設置し、お城の森から本の森へという形での活用。神楽のお面を製作し、文化施設や公民館への展示も今後考えていきたいと思っています。ボールペンなどの筆記具、バッジなど松江城を感じられる記念品の作成。今あるバッジを松江城にもともと生えていた木を使い作成しPRを図っていきたいと考えています。そして、現在改修工事中の松江市総合文化センターのプラバホールの、座席の番号札を八雲塗の仕上げにして作成し、文化発信の拠点において、松江城と松江の伝統工芸をPRしていく機会になると考えています。ベンチの製作も考えており、松江養護学校が木材でベンチを作り、既に松江城に寄贈していただいています。今あるものも大分老朽化していますし、松江城のPRにもなりますので、松江城の樹木を使ったベンチを製作し、城山公園のほかに市内の公園にも配置したいと考えています。最後に、積み木を製作して市内の幼稚園、保育所に配付し、いわゆる木育であるとかふるさと教育にもつなげたいと考えているところです。こういった有効活用をしてまいります。ご応募いただきました皆さま、ありがとうございました。

国宝松江城マラソン2023の参加者募集

昨年、3年ぶりに国宝松江城マラソン2022を開催することができ、2,681名の方が当日に出走されました。今年は12月3日日曜日に開催します。松江市総合体育館前の発着で、午前8時半のスタートを予定しており、高校生を除く18歳以上が参加できます。今年は、新しくこれに加え、4.5キロのファンランを設けます。8時45分スタートで、中学生以上が参加可能としています。

6月26日から参加者募集は開始しています。フルマラソンについては4,100名、参加料は、1,000円アップし、1万3,500円となります。申し込みはインターネットのRUNNETから、締切りは9月10日となっています。ファンランについては、400名、参加料は4,000円です。申し込みは募集要項に同封してある郵便振替ということにしています。市役所のスポーツ課、松江市総合体育館、宍道体育センターほか体育施設、上乃木郵便局、松江市営陸上競技場内にある実行委員会の事務局といったところで配付しています。

また、フルマラソンの部にふるさと納税枠というのを初めて設けます。寄附4万8,000円以上の返礼品の一つとして、国宝松江城マラソン2023の出走権を進呈します。寄附金の受付期間は6月26日から8月21日まで、先着100名に限らせていただきます。ふるさとチョイスというふるさと納税のサイトから申込めます。皆さまのご応募をお待ちしております。

松江市の出前講座実施中

松江市では、職員が公民館など市民の皆さまが集まる場所に出向き、市政の取り組み、まちづくりなどについてお話しする出前講座を行っており、非常に好評を得ているところです。令和4年度は、55の講座を用意し、38講座について、519回開講しました。受講者数が延べ人数で1万3,519人という多くの方に聴いていただいております。申込団体で多いのは、公民館、学校、自治会、地域の団体、企業となっています。

また、子ども向けの講座も充実させており、519回のうち140回、5,769人がお子さんが受講しています。市内の小・中学校、義務教育学校、高校からの申し込みで、宍道湖・中海とラムサール条約、国際交流と国際理解、防災教育が人気です。令和5年度は、子ども向け講座を15講座用意しています。夏休みが始まりますが、地区の子ども会、学童保育、PTAの研修会等で、10名程度から申込みができますので、ぜひご利用いただきたいです。

受講されたお子さんからの感想として、宍道湖・中海ラムサール条約の受講者の方からは、おじいさんがシジミ漁師で、とても興味深かった、自分は清掃活動に参加したことがないので、機会があれば挑戦したいと思いましたという感想を寄せられています。国際交流・国際理解というテーマで受講していただいた方は、アイルランドにしか興味がなかったけども、話を聞いてほかの国のことも知ることができて面白かった、対面で外国の方と会えるいい機会だったという声もいただいています。

子ども向け講座だけでなく、全60講座について、開催日時は平日の午前9時から午後5時まで、60分から90分程度。開催場所は、ご指定の場所に出かけますが、場所はご準備ください。申込方法は、希望する講座の担当課までご相談いただくことになります。

また、この60のテーマに関わらず、市政に関連するこういったテーマについてぜひ聴きたいというご要望がありましたら、そのテーマについて開講することもできますので、市民生活相談課までお問合せをいただければと思います。

令和5年奥能登地震に係る義援金

皆さんも記憶に新しいかと思いますが、5月5日に最大震度6強の地震が石川県で発生しました。奥能登地震という名前になっていますが、松江市の姉妹都市である珠洲市でも非常に大きな揺れを観測しました。

まず、珠洲市の概要と松江市との関係についてご説明します。

珠洲市は、石川県北部、能登半島の北端にある、人口1万2,749人のまちです。「出雲国風土記」に能登半島を引いて縫い付けたのが島根半島とされていたことが縁で、1988年に珠洲市と美保関町が姉妹都市連携を締結しています。

これまでの交流として、災害時の相互応援協定の締結。姉妹都市提携25周年を迎えた2013年には美保関からスタートする「えびす・だいこくマラソン」に珠洲市からの選手の派遣、提携30周年には松江市の椿を馬緤町のお寺に植樹しています。珠洲市も市の花が松江と同じ椿ということで、椿での連携も進めています。2021年には、コロナ禍で延期していた姉妹都市提携30周年で、珠洲市の藪椿を城山の椿谷に植樹しています。

今回、市民の皆さまに呼びかけ、この奥能登地震で被災された方に義援金をお届けするということで、募金箱を設置しておりました。ご協力いただいた市民の皆さん、本当にありがとうございました。募金総額17万2,500円を、6月29日に珠洲市へ送金しました。被災地の一日も早い復旧を願うばかりですが、珠洲市のほうの状況を確認したところ、7月3日をもって災害対策本部を解散され、震災復旧・復興本部を設置され、復興・復旧に向けて歩み出していらっしゃると聞いています。今後も私たちがお役に立てることがありましたら、ご支援をさせていただきたいと考えています。

質疑応答

(朝日新聞)ニューヨーク訪問について、現地でどういった関係者を対象に講演やワークショップをされますか。

(上定市長)ジャパン・ソサエティーというのが日本との交流を既にしている、あるいは日本にビジネス連携を求めているアメリカの企業や個人の方が多数会員になられています。私が、ニューヨークにいた時に、長野県がされた同様のイベントに参加しており、どういった方が参加されるかという手触り感も持っているつもりです。そもそも日本に関心がある、今後、日本と何らかビジネス連携、あるいは観光連携を考えている事業者も多数いらっしゃいます。今回、私どもから観光のPRをするに当たって、個人の旅行者の方ももちろんですが、ビジネスをやっている方にもたくさん来ていただき、松江の魅力を売り込むことで、インバウンド観光の誘客につなげていくというのが一番大きな目的です。

今回、シリコンバレーにもその後行きますが、松江が観光以外の産業もITを中心としていろいろあることもPRしてきますが、ニューヨークでの産業連携の機会の発掘も併せてできればと考えているところです。

(朝日新聞)みずべを愉しむエトセトラについて、官民連携による水辺の利活用を進めるということですが、これは改めて、水の都、宍道湖といった、いろいろなことに恵まれていること生かしたいという狙いですか。

(上定市長)今回、SDGs未来都市や脱炭素先行地域を取るに当たって、松江ならではのものを内閣府なり環境省に訴えて認定をいただいたというところがあります。その際に、水の都、城下町というところはかなり大きな声で言わせていただきました。それが松江ならではの非常に大きな魅力だと受け取ってもらったところもあります。まさにこの松江市役所から見える眺望もそうですが、このように水に囲まれた場所はほかではなかなか得難い好立地ですので、それを生かすことでまちの発展につなげ、市民の誇りや愛着を醸成していくことは、必要不可欠でもあると考えています。

一昨年度からの、水の都である魅力をできるだけ生かしていくために、まずは湖岸部分、かわまちづくりと言われますが、大橋川の近くの部分をいかに有効活用していくかという実験的な取り組みをこれまでも重ねてきました。その際に民間事業者の斬新なアイデアも取り込ませていただいています。昨年度は少し単発的、短期間でしたので、今回は10月まで実施し、できれば1年間通して使っていけるような、そういったアイデアをまずは発掘し、それを社会実験から本格運用につなげていきたいと考えています。昨年度やったことにさらに磨きをかけ、今回、募集を行い、8月から10月までイベントスケジュールを組んでいただいたということになります。

(朝日新聞)コロナが落ち着いているという背景もありますか。

(上定市長)そうですね。昨年度は少し慎重にやっているところもありましたが、今年度は、本格的な企画といいますか、多くの方に来ていただいても構わない環境になってきていると思います。先般のまつえ土曜夜市などもそうですが、多数の方にお出かけいただき、松江の魅力の発信ができればと考えています。

(山陰中央新報)アメリカからの観光誘致促進で、ジャパン・ソサエティー・ニューヨークというのは、日本文化の発信に特化したこういう施設があるということですか。

(上定市長)そうですね。ジャパン・ソサエティーというのはアメリカの幾つかの都市にあります。日本と連携したイベント、映画上映などを行い、交流しながら日米の関係強化を目的として活動している団体です。ニューヨークにはジャパン・ソサエティーというビルがあり、その中にホールなどもあります。今回は、そのホールで、まずは私が講師となってセミナーを行い、1階部分の広い場所で特産品をいろいろ出して、皆さんに楽しんでいただき、意見交換も考えています。

(山陰中央新報)松江に特化したイベントで、どこかと合同という形ではなく、松江市単独でということですか。

(上定市長)そのとおりです。やはり東京、大阪ではなく、観光戦略プランでも「Authentic Japan(ホンモノの日本)があるまち、松江」という言い方をしていますが、お茶、和菓子など、ザ・ジャパンが楽しめるということがアメリカ人にとってみると貴重な経験ができると感じていただけると思います。松江の訴求力というのは結構高いのではという話をジャパン・ソサエティーと、もともとしています。1年半ぐらいの間プロジェクトを組み立ててきましたが、多くのアメリカ人の方に関心を持っていただけるのではないかと考えています。

(山陰中央新報)みずべのイベントについてですが、白潟公園でカフェを出したり、社会実験でキッチンカー出したりだとかもありましたけが、そういった取り組みとの関連はいかがですか。

(上定市長)ご指摘のとおり、サンセットカフェというのを、もともとは仮設でしたが、今は常設にしています。それを出店するときに、例えば電源が確保しにくいなど、常設にするためには乗り越えるべき課題があったり、国土交通省との調整など、いろいろなことが何年か前からありました。それが形になり、有効活用ができるようになってきています。今回の白潟公園は、昨年もアイデアを募集していましたが、まだ具体的にその利用する方法が定まってはいません。サンセットカフェのように常設にしていくことも含めて、社会実験を幾つか重ねていかなければという思いでいます。今回、単発のイベントではなく、期間も長く、バラエティーに富んだ取り組みをしていただけますので、全部が好評を得て、全部が常設というのは難しいかもしれませんが、その中で人気の高かったもの、ニーズがあったものをうまく選定して、今後、中期的に見たときの水辺環境、先ほどのサンセットカフェは岸公園ですけど、そことの役割分担というか、連携までを含めて考えていきたいと思っています。

(山陰中央新報)社会実験ということなので、そのままやるということではなく、それを踏まえた上で考えられるということですか。

(上定市長)そうですね。今回、いろいろな取り組みをトライアル的にやりますので、市民の皆さんからもご意見をいただく機会も事業者で設けると思いますので、その意見も踏まえ、さらにブラッシュアップして、来年度以降の取り組みを考えていくということになろうかと思います。

(山陰中央新報)レジ・ごみ袋について、限定2万枚ということですが、ずっとレジ・ごみ袋のデザインとして使うということではないということですか。

(上定市長)今回、SDGs未来都市や脱炭素先行地域となりましたので、記念イベントとしてやってみたいということで、これも実験的なところはあります。ごみを回収をするときに有料のごみ袋に入ったものしか回収できませんのでわかりやすくする必要がありますが、ごみ袋ということが目立ち過ぎると、買物袋としては使いづらく、そのバランスが非常に難しいところです。まずは小学生、中学生の皆さんにイラストの募集して、それを2万枚でやってみて、またご意見なども踏まえて、固定化していくのかなどを考えていきたいと思っています。

(山陰中央新報)ごみ袋の視認と関係するかもしれませんが、ピンクの袋自体を変えることは難しいですか。

(上定市長)デザインをして発注するプロセスがありますので、必要な時間があればできなくはないです。ほかのまちの事例、ピンクではなくて緑で出してるとか、いろいろあると思います。ごみを回収するときに、ぱっと見て分からないといけないですし、市民の皆さんに親しんでいただけるデザインがいいですし、いろいろなニーズの中で一番バランスの取れたものを、これをきっかけに考えていきたいと思っています。もともとごみ袋は、10枚1組でしか売っていませんでした。それを1枚単位で売ってもらえるようにして、1枚13円で売っています。今、レジ・ごみ袋については1種類しかありませんので、それを増やすなど、いろいろな工夫の余地はあると思います。今後、皆さんの意見も取り入れて、発展していきたいと考えています。

(山陰中央新報)この2万枚というのはどのぐらいの量になるんでしょうか。例えば、何か月分の売上枚数とか。

(上定市長)そうですね、実際、20万人で9万世帯ありますので、そんなに長く使える量ではないと思います。まずはちょっと始めてみまして、また増刷というのもできると思います。今回はまずデザインをぜひご応募いただきたいというお願いになります。

(NHK)一畑百貨店の閉店の発表から3週間ほどたち、松江市としても、今日も対策チームの初会合があったりと、動き出していると思いますが、現状の進捗の受け止めをお願いします。

(上定市長)まず、今取り組んでいるのは、従業員の方の今後の雇用の継続確保というところです。関係者、これは国も県も含めて集まり、意思統一はできてきていると思います。問題意識を同じくした上で、今後の取り組みを推進していくというところについては一丸となっていると認識しています。具体的に幾つか受け入れたいという声も聞こえてきておりまして、今後、それを取りまとめていくという段に入ります。また、一畑グループ側では、従業員に対し個別に面談し、転職の要望や、1月まで続けるのかというような話をしていくと聞いています。

もう一つは、一畑百貨店と取引をされている、特に地元の中小企業が一畑百貨店の閉店によって売上げが立たなくなり、連鎖倒産のようなことが起きないようにしなければならないという問題認識の下で、商工会議所、商工会等も含めてその対策を検討しています。1月に閉店され、一畑との取引がなくなった後の経営プランは必要になってくると思いますので、松江の経済が疲弊しないように、具体的な企業の声を聞いた上で、必要な支援を考えていくということ、これも方向性、目的意識などは関係者間で統一ができていますので、あとはより具体的に話を進めていくことになろうかと思います。

(NHK)跡地利用も含めたまちづくりの部分について、今後の見通しやお考えを教えてください。

(上定市長)中・長期的な目線を持たなければいけないと思っています。松江駅前の基幹店舗としての一畑百貨店がなくなりますので、あのビルがそのまま廃墟のような形にならないことがまずは重要ですし、もう少し見方を広げ、松江の中心市街地の活性化という観点で、当然その起点になるJR松江駅前ということになりますので、一畑百貨店があった場所をどのようにつくりつけていくのかを中期的な目線で考えていかなければならないと思っています。

松江駅前の再開発のような計画については、コロナ前の段階で、松江市が審議会のような組織をつくり検討を進めていましたが、コロナ禍によって経済環境も今後の企業立地なども非常に不透明であったことから、検討が特に進んではいません。今の段階で松江駅前の再開発計画が何か立案されているわけではないです。一畑百貨店の閉店が確定した状況の中で、どういった形で松江駅前、あるいは松江の中心市街地の活性化を図っていくかということをプランニングしていかなければならないと認識しています。ただ、順番としては、先にやるべきことをしっかりとやって、それをきちんと対応した上で、まちづくりについても当然非常に重要な課題ですので、今後進めていくという意向を強く持っているところです。

(NHK)松江市総合体育館整備について、方針が出ました。ここまでこぎ着けたことは、かなり関心が高いと思いますが、現状の受け止めだけでも教えてください。

(上定市長)7月10日に詳しくお話をしたいと思っています。それに向けて、事前に調整することもあり、今、私から先んじて明言するのは避けたいと思っています。当日は私以外にもお話しいただきますので、今までの検討の経緯などをお示しできると思っています。

(時事通信)マイナンバー制度について、データの総点検を秋までに終了するという政府方針がありますが、松江市としてどう取り組んでいくのか、体制や進捗状況、秋までに終えられるかといった見通しをお聞かせください。

あわせて、マイナンバー制度をめぐるトラブルが相次いでいますが、政府に求める対応などあればお願いします。

(上定市長)マイナンバーカードで、例えば住民票が誤発行されている状況が全国で起こっていることについては当然認識しています。政府からの総点検も、正式な形で市に対して具体的な段取りが来ているわけでありません。その中で、当然システムの供給元と連絡調整をしながら、不具合が生じていないことは確認しており、今のところ市民の皆さまからも誤発行ということは聞いておりません。

マイナンバーカードで今後、いろいろな行政手続のみならず、健康保険証の機能などを賄っていくという政府の大方針の中で、マイナンバー制度に対する信頼とか安心とかというのはとても重要なことだと思います。それがクリアになっていないのにどんどん制度の導入だけ進んでも市民の実際の利用がついてこないことになるので、そこを払拭すべく、政府には、仮に穴が空いているとすれば、それをしっかり潰していく作業が必要になってくると思いますし、そのために基礎自治体としてやるべきことの指示があれば、当然速やかに取り組んでいきたいと考えています。

(時事通信)自治体標準化システムについて、政府が2025年末までの標準化を掲げていますが、松江市の進捗状況と2025年度末までに移行可能かも含めた今後の見通しなどをお願いします。

(上定市長)システムの標準化は、これまでも計画的に取り組んできており、いろいろと新しい課題もクリアしなければならない状況になると思いますので、一つ一つ政府とも連携を図りながら、全体の進捗にきちんと合わせる形で、松江市固有の課題があれば、それを市のほうで解決していくというのを繰り返しながら、取り組んでいきたいと考えています。

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