島根スサノオマジックホームアリーナ整備

更新日:2023年08月04日

島根スサノオマジックホームアリーナ整備

松江市長 上定 昭仁

まず初めに、7月8日から降り始めた大雨で浸水などの被害を受けられた皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。 今のところ大きな被害あるいは人的な被害、通行止め等は確認されていませんが、市民の皆さまでお困り事がありましたら、市役所あるいは最寄りの各支所までご連絡をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。

それでは、島根スサノオマジックのホームアリーナの整備について、私のほうからまずご説明します。

まず、「島根スサノオマジックへのおもい」です。

島根スサノオマジックは2021-22シーズン、そして22-23の2つのシーズンにおいて、チャンピオンシップに進出する日本でも随一のプロバスケットボールチームです。松江市総合体育館をホームアリーナとして、活躍し、私たち松江市民にとっての誇りとなっています。このコロナ禍において、私たちに感動や夢や希望や勇気を与えてくれました。この島根スサノオマジックが2026年に開幕する新しいB.LEAGUEにおいても引き続き松江市を本拠として活躍してほしいという願いを持っており、今回、島根スサノオマジックそして親会社でありますバンダイナムコエンターテインメントと共に検討を重ねてまいりました。

そして今回、松江市総合体育館を改修し、島根スサノオマジックが新B1基準を満たす形でのホームアリーナとして利用していただくことを考えています。

松江市がこのホームアリーナ整備について考えている思い、方針を少し説明します。

まず、松江の土地柄についてです。

松江には、世界に誇る伝統文化がたくさんあります。1,300年前に編さんされた日本で最古の歴史書と言われている風土記、その中でも日本で唯一完本の形で残っているのがこの「出雲国風土記」になります。その中に、松江市は出雲国府が置かれた場所として登場します。神話の時代以来、悠久の歴史のある場所です。

そして国宝である神魂神社、あるいはユネスコ世界文化遺産に登録されている佐陀神能など、世界に誇る豊かな伝統文化が根づいています。

一方で、この地には江戸時代、7代松江藩藩主である松平不昧公が茶の湯を広め、それが今も松江市民の文化となっています。当時、この茶の湯文化というのは時代の最先端でした。それを積極的に取り入れてきたのが、この松江の文化の土台となっています。まさに温故知新、古いものを受け入れて新しいものを生み出していくまちであったのがこの松江です。

そして、明治時代になりますとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)がこの地に暮らします。そして、松江の魅力を世界に発信しました。あわせて、オープン・マインドという今で言えばSDGsの多様性につながる内面を提唱し、松江の地を世界に向けて発信する、その機運を高めてくれました。

こういった松江の地と松江市総合体育館が位置している松江市の学園南について、非常に面白い場所、この松江の文化に根づいている場所ということが言えるかと思います。

昭和4年に今の学園南の場所が昭和運動場という陸上競技場として整備をされました。その後、昭和7年に野球場が造られます。そして、昭和51年には前の松江市総合体育館が置かれました。その建て替えが平成28年に行われ、今の松江市総合体育館ができています。いずれにしても、一貫して松江のスポーツの中核の場所であったのが現在の松江市総合体育館です。

新しいスポーツレガシーとしての島根スサノオマジック、レガシーとは遺産とも訳されますが、次の世代に受け継いでいかなくてはならないものという使われ方もしています。次の世代に、次の時代に受け継いでいくべきスポーツレガシー、島根スサノオマジックと、スポーツの歴史が積み重ねられたこの松江市総合体育館を掛け合わせることによって、松江市においてスポーツ、文化のトレンドを生み出す拠点としてリボーン、もう一度生まれ変わりたいと考えています。そのために、今回、松江市総合体育館の改修を行うという方針を立てています。

改修の中の具体的なプランとして、3つ掲げています。

1つ目が、観客席5,000席の確保です。現在の観覧席が、先般のチャンピオンシップの2日目、4,400人以上の方に観覧ができる場所にはなっていますが、新しいB1の基準の5,000席にはまだ達していません。今回、移動式の観覧席の増改築、また2階の固定席の改修により、5,000席が確保できる体育館へ改修します。

そして2つ目、スイート・ラウンジを新設します。試合のときには飲食や談話を楽しめる特別感のある空間となり、試合のない日には会議や商談のスペースとしても活用できる場所となり、また、今回の大雨のような緊急避難の場合に、要支援者などの避難所としても活用できるスペースとすることを想定しています。

そして3つ目、そのための財源の確保です。バンダイナムコエンターテインメントが企業版ふるさと納税を活用して応援してくださるという話をいただいています。

これらのプランを実行に移すことで、現在の松江市総合体育館を、さらに魅力ある体育館にしていきたいと考えています。

1つ目が、市民の皆さまがスポーツを楽しむ体育施設であること。2つ目がプロスポーツなどエンターテインメントの魅力・感動を味わうアリーナとなること。そして、3つ目として新たな出会いが生まれ、地域の活性化を導く持続可能な交流スペースとなることを想定しています。

そのための、今後のスケジュールです。今年度から来年度にかけ、発注の準備業務を行います。その上で、2024年から26年にかけて設計、改修を行います。そして、2026-27シーズンから新しいB1がスタートいたします。これに合わせる形で、2026年から管理運営、新しい業務の開始を見込んでいます。

なお、松江市総合体育館の改修に伴い、体育館を利用できない期間が想定されます。市民の皆さまにはご不便をおかけしますが、何とぞご理解のほどよろしくお願いいたします。

詳細については、決まり次第、またアナウンスをさせていただきます。

松江市民、また島根県民一丸となって島根スサノオマジックを、チャンピオンシップの制覇ができるチームとなるように強い気持ちで、応援してまいりましょう。

株式会社バンダイナムコエンターテインメント 代表取締役社長 宇田川 南欧

バンダイナムコエンターテインメントの宇田川と申します。

本日は、たくさんの方にお集まりいただきありがとうございます。

説明の前に、今回大雨で被害に遭われた方々のお見舞いを心より申し上げたいと思います。

それでは、説明をさせていただきます。

まず、当社はバンダイナムコグループに所属しておりまして、長く深く遊べる良質なコンテンツと多彩なエンターテインメントで世界中のファンの期待を超えることを目指し、総合エンターテインメント企業としてゲーム事業に閉じない多彩な事業展開をしております。

そのような様々な事業を行う中で、スポーツを通じたエンターテインメント事業の拡大を目指してまいりました。それに伴い、2019年に島根スサノオマジックの経営権を獲得し、スポーツのエンターテインメント性の向上に取り組んでまいりました。

経営権を獲得してから4年ほどが経過する中で、松江市を中心とする島根県の皆さま、そして島根スサノオマジックファンの皆さまの熱いご声援の下、2シーズン連続でB.LEAGUEのチャンピオンシップの出場を果たしております。

そのような中、島根スサノオマジックが所属するB.LEAGUEが経営強化、社会性を軸に地域を、そして日本を元気にする存在を目指し、2016年からリーグ構造改革、ニューB.LEAGUEを始動しております。

こちらの新B1入会基準を満たす必要が、まずホームアリーナに関する基準がございます。先ほど市長がお話しされたとおり、松江市では2030年にはスポーツが松江の存在感を高めたと市民が実感できる環境づくりを目指していらっしゃると聞いております。そのような背景の中、松江市の基本の目標と、当社が目指す方向性が合致したこと及び持続可能な社会実現に向けた松江市の考え方に賛同して、このたび企業版のふるさと納税で応援することを決定しております。

私からの発表は以上になりますが、この後、新たなアリーナで戦っていきますバンダイナムコ島根スサノオマジックの代表の田中からもご挨拶をさせていただきます。

株式会社バンダイナムコ島根スサノマジック 代表取締役CEO 田中 快

バンダイナムコ島根スサノオマジック代表取締役CEO、田中です。

本日は、皆さんお越しいただきましてありがとうございます。

また、先日からの大雨によりまして被害に遭われました方、お見舞い申し上げます。

さて、常日頃、松江市の皆さん、スサマジファンの皆さん、島根スサノオマジックのことをご支援いただきまして本当にありがとうございます。

よくヘッドコーチのポールや選手たちとも話はしているのですが、本当に皆さんの声というのは力になっておりまして、松江市総合体育館を真っ青に染めたあの会場、その力によって我々は戦っておりますし、2年連続でチャンピオンシップ出場することができたのも本当に皆さまのおかげかと思っております。ありがとうございます。

そして今回、松江市さんのほうから大きな発表をすることができました。我々チームとしても、大変喜んでおります。

ここまで大きな力が動いたということは、皆さまの努力というか本当にファンの方の一人一人の思いや行動がここまでつながったというふうには考えておりますので、ここまで来れたことを大変うれしく思っております。

ただ、ここからが本当に始まりかと自分たちは思っておりまして、まだ何も終わったわけではなく、ここから本当にそのアリーナ、新B1に見合うチームをつくらなくてはいけないなということを感じております。

改めまして我が島根スサノオマジックのチームの目標をお伝えしますと、我々の目標は新B1に参入するだけではありません。我々の目標は新B1で優勝することです。ここまでは本当に大変な道のりがあるとは思っておりまして、皆さまと一緒にこの課題に取り組んで、いろんなことがあると思いますが、力を合わせて頑張りたいと思ってますので、今後とも引き続きご声援のほどよろしくお願いします。

本日はありがとうございました。

質疑応答

(TSK)今回の増改築に伴う事業費の負担ですが、どの主体がどれぐらい負担されるの大枠を教えてください。

(上定市長)今回のアリーナの改修について、バンダイナムコエンターテインメントから企業版ふるさと納税でご負担をいただくということが現在取り交わしている内容になります。

具体的な事業費については、松江市議会に、その事業費等も含めて、具体的なアリーナの整備の方向性についての提案を受けるための予算を諮ります。その検討を進める中で、具体的な事業費、事業規模等について明らかにしていくものと考えています。

(TSK)今のところの想定で構いませんが、新B1基準に適合するための例えばスイートルームなどの、総合体育館の域を超えた部分に関しての費用について、松江市で負担することは想定していますか。

(上定市長)今のご質問と逆になるかもいれませんが、新B1基準を満たすために必要な費用について、企業版ふるさと納税でバンダイナムコエンターテインメントが負担、応援していただくということを想定しています。スイート・ラウンジについてはその基準に必要なものになってきますので、企業版ふるさと納税でいただいたものを充当していくということを想定しています。

(TSK)移動式観客席の増改築と2階固定席の改修は、具体的にどんなことをされますか。

(上定市長)1階部分の移動式の観覧できるスペースをより多くの方が座れる形に改修します。2階席の改修については、席と席の間を少し狭くし、体育館の躯体に関わる部分を大きく広げるということは今のところ考えておりません。工夫をしながら観客席が5,000席を確保できるように改修をしていく方針です。

(読売新聞)大変おめでたい発表、おめでとうございます。今回、基準を満たすホームアリーナの整備に関しては、改修のほかに新築という選択肢もあったと思いますが、結果的にこの改修という形になった理由をお願いします。

(上定市長)当初から、新B1基準を満たす形で島根スサノオマジックに引き続き松江を本拠地として活躍してもらいたいという意向は強く持っていました。その中で、どういった形でそれが満たせるのか、新B1基準をどういった形で満たせるのかという検討を進めていました。最初の段階では、新築ということも含めて検討を進めていましたが、現状の松江市総合体育館が、平成28年に新設され、今7年経っているところでして、これを有効に活用していく必要があるということ、そして、物価高、エネルギー価格の高騰の中で、一番効率的、効果的に新しい新B1基準もクリアした上でアリーナの整備を進めるということを検討しておりました。

その結果として、新設ではなくて改修によって、現在の体育館を持続可能なものにしていく。そして、新B1基準も満たした形で島根スサノオマジックに活躍してもらえるアリーナにしていくという結論を出したところです。

(読売新聞)宇田川社長にお尋ねしますが、これまで数々松江市との協議をされたと思いますが、総合体育館の改修という形になり、どのような所感を持たれていますか。

(宇田川社長) 体育館、非常にすばらしい施設で、そこで島根スサノオマジックが試合できたことをまず本当に誇りに思ってますし、そちらを改修という形でサステナブルな考え方でやっていくことに関しても当社も賛同しておりまして、とてもよい選択だったんじゃないかと思っております。

(読売新聞)企業版ふるさと納税を活用してということですが、事業費はまだ固まっていないと思いますが、割合として100%を考えられているのか、それとも国や県の補助金も使いつつ、ふるさと納税も活用してという形になるのか。どういう形を想定されていますか。

(上定市長)その辺りも、これから検討を進めていくことになります。まだ事業規模自体と、新B1基準を満たすものについて、どれぐらいの事業費になるかというところを積算していく必要があります。概算のベースである程度のつかみは持っているつもりですが、今後そういったところまでを含めてプロポーザルにかけるといった、段取りも想定されますので、今、具体的な数字をお示しすることはできないという状況です。それをどのように負担をしていくのかといったところについても、仮に補助金等使えるものがあればもちろん使っていきたいと考えています。まず、軸としてバンダイナムコエンターテインメントからの企業版ふるさと納税を中心として、そのほかにも財源の確保ができる場合には活用を検討していきたいと考えています。

(読売新聞)新B1リーグの参入に向けた初回審査の中にも1次、2次、3次、4次等、さらなる審査の段階があると思いますが、どの段階でクリアされることを現状目指されていますか。

(田中CEO)審査は3次まであるということはありますが、まずこの改修の時期も含めて、あとは売上高と人数、そこに向けてはまだまだチャレンジはありますけれども、早い段階でクリアしたいと今思っております。全てそのスケジュールで動いております。

(読売新聞)今のところ1次審査狙いということですか。

(田中CEO)そうですね。

(読売新聞)少なくともこの改修をするとなれば、最低でもこれぐらいかかるといった大体の予算規模、事業規模というのはありますか。

(上定市長)現在の松江市総合体育館が平成28年に約60億を投入して建設しています。それの改修をしていくことになりますし、物価の高騰等もその当時から比べればございます。具体的な積算等については、今後検討を進めていきたいと考えています。

(山陰中央新報)新築ではなく改修ということで、そういった手段も検討されたということですが、場所ですとか予算規模だとか、新築した場合このぐらいという何かシミュレーションを、市のほうで持っておられますか。

(上定市長)いろいろな形で検討しておりました。具体的な積算、シミュレーションと言えるものか分かりませんが、いろいろ比較、考量する中で現在の松江市総合体育館を有効活用できるのではないかという検討を進めまして、その結果として今回改修に向けて動き出すという判断をしたものになります。

(山陰中央新報)市ではプール跡地だとか、まだ活用が決まってない土地ともありますが、そういった場所も検討自体はされたということですか。

(上定市長)広く検討はしておりまして、いろいろな場所での展開を含めて検討はしておりました。

(山陰中央新報)体育館がある場所はスポーツの拠点として、長年市のほうでやってこられたということですが、既存の体育館を使うことで、まちづくりといった観点からのご決断もあったということですか。

(上定市長)実際に松江市総合体育館がある場所は、スポーツの拠点としてこれまでも十分に機能してきていますので、その機能を増強・拡充するという意味では、まちづくりにおいても非常に大きなポイントとして、スポーツに活用し、さらに深掘りしていくということを考えており、バランスのあるまちづくりのためには必要な要素と捉えているところです。

(山陰中央新報)今後、バンダイナムコさんとのほうで話していかれると思いますが、具体的にどういったことを詰めていかれるのか、その項目を教えていただけますか。

(上定市長)まずは新B1基準をクリアしていかなければいけませんので、先ほど田中CEOからもありましたが、基準をクリアするに当たって、B.LEAGUE側とのいろいろな調整はバンダイナムコエンターテインメントを経由して行っていくことになると思います。

スポーツの拠点施設としていくために、エンターテインメント性がある施設にしていきたいという思いもあり、まずは基準をクリアするのと、今後、民間事業者の方等から幅広く、プロポーザル等を進める方向性ではありますが、総合体育館の具体的な活用の方策というのを詰めていきたいと考えています。

(中国新聞)オープン時期について、26年のシーズンに間に合わせるということで、26年秋にはリニューアルオープンという理解でよろしいですか。

(上定市長)それを目指してまいります。

(中国新聞)座席の確保の件で、2階固定席はピッチを狭くすることも含めて検討されるということでしたが、座席間を狭くして改修していくということですか。

(上定市長)広げられる余地があるところを検討しながら、座席を狭くしても利便性が損なわれないということも確認しながら検討を進めていきたいと思っています。

(中国新聞)施設自体の大きさではなく、体育館内での工事ということでしたが、スイート・ラウンジの新設に関しては、今の総合体育館内でどう確保されるのか、もしくは隣接する別棟対応なのか、見通しはいかがですか。

(上定市長)現状で考えているのは、体育館の外側に別棟を建て、それを連結させるという形を検討したいと考えています。

(中国新聞)商談スペース・避難所として活用する場合は、別棟をそういう施設として使うということですか。

(上定市長)そのとおりです。

(中国新聞)田中CEOにお伺いしますが、B1参入基準には施設等の整備だけではなく、観客人数の4,000人以上という基準もあると思いますが、そこに対してはクラブとしてどうアプローチを今後されていきますか。

(田中CEO) そうですね、まさに課題かなと思っておりまして、ただ、今もう3,000名を超えたというのは本当に皆さまのご支援の力かなと思っておりますし、島根スサノオマジックを通してエンタメを味わってほしい。また、やはりチームとしても人気が出てほしいという思いを進めてきましたが、そこが今の成果につながっていると思っております。

この後、本当4,000名をクリアするというのは非常に大変なハードルですので、まさにこのアリーナができたから通りますという話では全くないんですね。そういった意味ではここからさらにエンタメを盛り上げて、チーム力を強化して愛されるチームをつくることが大事かと思っておりますので、そこを進めていこうと思っております。

(中国新聞)リニューアルオープンする体育館を使った形で何か今考えておられる集客イベントがありますか。

(田中CEO) もういろいろなエンタメができるなとわくわくしておりまして、どのようなものになるかはあれなんですけど、光とか音とか演出とかそういったものがより強化できれば、いろいろなエンタメには転嫁できるなと思っておりますので、そこは楽しみにしてほしいなと思っております。

(NHK)現在のメインアリーナは試合以外にも、平日の部活動の練習や大会など、一般市民の利用も広くあると思いますが、整備後はそういった市民利用はどう想定されていますか。

(上定市長)現状同様に、市民の方も利用できる社会教育施設になることを想定しています。改修の期間は、少なくとも一部は利用できない状況が考えられますので、そういったところは体育協会等の競技団体も含めお話をした上で代替的な措置も考えていきたいと考えています。

(NHK)宇田川社長にお伺いますが、エンターテインメントに長く携わっている企業として、しっかりと改修事業にも携わるというところで、バンダイナムコエンターテインメントさんだからこそ、改修に投入できるノウハウですとか、こうしていきたいという活用のイメージを教えてください。

(宇田川社長)そうですね、今回は寄附という形でやらせていただきますので、まずは松江市のスポーツを通じて松江市を元気にしていく、発展させていくっていう姿勢に賛同しているということがまず上げられます。

新しくなった総合体育館でどのようなことができるかということは、引き続きいろいろお話ししながら、できることがあればやっていきたいなと思っています。

当社はライブだとかいろいろなイベントも事業としてやっておりますので、そのようなことがまたその総合体育館でできるようになればすばらしいなと思っております。

(NHK)この新B1構想がかなり高いハードルで、自治体の財政負担や、東京も島根も人口比関係なく一律に高いハードルを課すという、なかなかドラスチックなものを求めているように思いますが、改めてこの大きな高い壁を設けた今回この基準に対しての受け止めをお願いします。

(上定市長)基準の受け止めということとはずれますが、島根スサノオマジックが松江に本拠を置いてくれていることについて大変ありがたいと思っています。東京や千葉などの都市部の強いチームではなく、この島根の認知度を島根スサノオマジックが高めてくれていたり、この松江の地でいろいろなことができるということを松江市民が実感できることがすばらしいことだと思っていまして、その中で我々にとって島根スサノオマジックの存在はかけがえのないものです。新B1基準ができる以上は、その中でも島根スサノオマジックが活躍できる環境をつくるために努力していくというのが私のスタンスです。そもそも島根スサノオマジックが存在してくれていることに感謝したいと思いますし、市民の皆さんと一丸となって応援を続けていきたいという思いで今回の改修についても判断をしました。

(宇田川社長)今回の基準に関しては、B.LEAGUEが発展していくために必要なことだと島根スサノオマジックも考えております。そのために私どもが何かできるかということもしっかり考えていきますし、B.LEAGUE全体の盛り上げにも寄与したいなと考えております。

(朝日新聞デジタル)今回の改修に当たって、国内外構わないので、参考事例になったアリーナがあれば教えてください。

(上定市長 )国内で改修という形でアリーナの整備を考えているのが、今、福島、郡山だけではないかと思います。具体的な事例として参考にしたということではなく、今、新B1基準を満たすべく建設が進んでいるのが8個ぐらいありますので、そういった情報は松江市のほうで収集しています。ただ、それをコピーして、改修をしようということではなく、総合体育館をどう改修して新B1基準を満たせるかと個別に検討を進めているところです。

(朝日新聞)今回のアリーナ整備について、いつ頃から検討を開始し、いつ頃決まったのか、その期間を教えてください。

(上定市長)新B1基準が明らかになったタイミングから、松江市としてその基準をどうしたら満たせるのかということは内々に検討しておりました。実際にバンダイナムコエンターテインメントと一緒にいろいろな話を始めたのは、1年ぐらい前という認識です。

今回、全体の方針としていろいろな検討を進め、方針が決まったということで今回速やかに皆さんにお話ししています。

(朝日新聞)改修中は体育館が使えなくなるということですが、新B1が始まる前のシーズンの間も体育館が使えない期間があるということですか。

(上定市長)これから実際に設計工事に着手するので、市民の利用も含めて、できるだけ影響がない形で進めていきたいと思っています。建設のプロポーザルの中ではできるだけ短い工期で済むものも当然優先的に取り上げようと思っています。島根スサノオマジックのB1の試合にも影響がない形で進めていきたいと思っています。

(朝日新聞)影響がない形ということですが、もしシーズンに重なった場合、新たなアリーナを用意するなどの必要が出てくるかと思いますが、そこまで頭に置いておられるのか、確実にのシーズンにかぶらないところで整備を終えるのか、いかがですか。

(上定市長)実際島根スサノオマジックの試合は松江でホームゲームをやっていただいていますが、市の総合体育館だけではなくて、鹿島の体育館、米子の体育館で鳥根(トリネ)スサノオマジックで活躍いただいてるときもあり、そういった近隣の体育館を利用していることもありますので、必要があれば、ほかの体育館の使用も含めて検討を進めていく必要があると思っています。

(朝日新聞)入場者数が今シーズンは3,173人で、これは松江の体育館があったからこそということだと思います。ほかの体育館でやった場合、やはり入場者数がぐんと落ちるというところもあり、4,000人の達成というところにかなり障壁が出てくるのではと思いますが、この辺りはいかがですか。

(上定市長)ご指摘のような観点も含めて、できるだけ工事の期間を短くするとか、ほかの体育館のときに多くの方が観戦できるよう席数を設けていくといった工夫はしていきたいと考えています。

(朝日新聞)田中CEOにお聞きします。今シーズン3,173人という平均入場者数でした。3,100から900人ぐらい上積みしなければいけないということなので、具体的にこういうことをして4,000に達するようにしていきたいかを教えてください。

(田中CEO)抽象的でしたね。 すみません、具体的にチャンピオンシップでは増席をしたんですね、会員席を。4,400名ほど来場いただいてはおりますので、そういった実績を基に来シーズンからはそういった席の増加も含めて対応できればと思っておりますので、あとは人気と、来ていただくっていうモチベーションも含めて高めていく中で、4,000の数字っていうのはクリアできるのかなと思ってます。ただ、厳しいというか大変かなと認識はしております。

(朝日新聞)今、お客さん呼び込まなければ、4,000人というところも達成しないので、どうやって集客を増やしていこうというお考えをお持ちですか。

(田中CEO)実績として4,000以上は本当に来てはいる状況ではありますので、そこは継続することが必要かなと思っておりますので、1,500から2,000、3,000と来ているというところを踏まえて、やはりチーム力の強化だったり演出だったりというところ全てをやっていかないと人は集まってこないかなと思っておりますので、あとは試合時間外の演出とかですよね、食事とか含めた。そういったものも含めて総合的に魅力あるものにしないといけないかなと思っておりますので、クリアできない問題ではないかなとは思っております。

(NKT)今回、これから設計などもあって、改修費はまだ決まっていないということですが、具体的に負担割合は決まっていますか。

(上定市長)割合が決まっているわけではありません。これから改修費の積み上げ等をしていく中で、新B1基準を満たすための費用をバンダイナムコエンターテインメントの企業版ふるさと納税でという手当てになりますので、具体的な積み上げ計算をしていく過程において明らかにしていくということを考えています。

(NKT)バンダイナムコさんが幾らまで出してくれるというような後ろ盾がないとなかなか踏み切れないのではところもあると思いますが、いかがですか。

(宇田川社長)B1改修に関わる費用に関しては、寄附をさせていただきたいと思っております。

(NKT)松江は渋滞が多いところで、来場者が多いと駐車場問題などもあると思いますが、一緒に改修などされますか。

(上定市長)今のところ具体的にその計画まではありませんが、検討項目の一つになり得るものと考えています。

(NHK)企業版ふるさと納税を活用するとはいえ、市としての財政負担も大きくあると思います。新庁舎の改修に当たっても事業費の増額などで議論を呼んだりですとか、市民の間でも賛否が分かれるというような事業だったと思います。今回もアリーナができるのはいいことですが、大きな額の公共事業という部分もあると思います。その辺の理解を求めていく、説明をしていく部分についてどう臨まれるのか、お考えをお聞かせください。

(上定市長)島根スサノオマジックが松江にいる意味、意義を説明を私のほうからきちんとお話しすべきだと思いますし、できるだけ財政的負担は抑えていくというのは、全体の財政事情の中で取り組むべき必要があります。それを含めて新築、改修をどう組み立てていくのかということは考えてきたつもりです。費用対効果と言うと言葉があまりにも冷たいですが、まずは島根スサノオマジックがこの地にいることの意味合を市民の皆さんと共有した上で、そのために必要な体育館をできるだけ効率的に造っていく。かつ今後それを活用していくスタート地点に今差しかかろうとしていますので、市民の皆さんにもご納得いただける、楽しんでいただけるような施設にしていくことを、私が市民の皆さまと向き合って説明をしていかなければいけないことだと考えています。

(NHK)オフシーズンの時期などの市民の活用の何か具体的なアイデアをお持ちですか。

(上定市長)今、具体的なアイデアがあるわけではないですが、今後、民間企業の皆さんからプロポーザルを受けるようなこともあるかと思いますので、その中で島根スサノオマジックが試合をしている日以外の利活用という点も検討を進めていきたいと思っています。

(中国新聞)先ほど新B1基準をクリアするための改修工事に関しては、バンダイナムコさんの企業版ふるさと納税の寄附が中心になるというようなお話でしたが、逆にそれ以外の部分に関する改修は今回含まれていますか。

(上定市長)具体的な改修プランが新B1基準を満たすこと以外のところは固まっているわけではないので、今後検討していくことになります。

(中国新聞)これまでどおり、市民がスポーツを楽しめる場としての機能は改修後ももちろん維持されていくということでよろしいですか。

(上定市長)市民がスポーツを楽しめる場にしていくとともに、市民がプロスポーツをエンターテインメントとして楽しめるような施設像も持たせていきたいと考えています。

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