令和5年9月議会 補正予算 令和4年度決算

更新日:2023年09月12日

9月5日から始まる9月議会に上程する補正予算、そして令和4年度の決算についてです。

補正予算の総額は5億2,559万円、内訳は、新型コロナウイルス感染症対策と電力・ガス・食料品等価格高騰対策として4,339万円、その他の政策的事業として8億4,563万円を計上しています。令和4年度の補正予算に計上し、国への補助要望が採択された3億6,343万円を減額算し、5億2,559万円の補正予算となります。

この5億2,559万円の、財源としては国庫支出金、県支出金、そしてまた財政調整基金の繰入金等で賄うことを計画しています。

まず、地域の事業者を支援する新型コロナウイルス感染症、価格高騰対策ということで、1項目が農業者の収入保険の加入支援です。これは昨年度も実施した措置で、農業販売収入が基準額を下回った場合に下回った額の一定割合を補填する収入保険の保険料の一部を補助するものです。そして畜産農家の支援ということで、飼料購入費用の一定の基準額を超えた経費の一部を補助します。これも昨年度も実行した制度となります。そして農業水利施設、用水施設あるいは排水施設等の維持管理をする事業者、具体的には土地改良区や水利組合が行う水利施設の省エネルギー化に取り組んでいる場合の電気料金を支援します。これも、昨年度も実施しています。

また、高齢者福祉施設、障がい者福祉施設、児童入所施設、救護施設等を運営する社会福祉法人、医療法人等が行う、エネルギーコスト削減効果の高い設備投資を支援します。

次に燃料価格の高騰の影響を受けている交通事業者への支援で、これも昨年度に実績があります。一畑電車、タクシー事業者、バス事業者として交通局、コミュニティーバスに対する補助となります。県と協調して、令和5年の上期分の補助を行います。

次が「しごとづくり」の項目です。「職人商店街」の実現に向けた取り組みの支援ということで計上しています。職人商店街については制度を設け、これまでも既存店舗の改修資金についての補助を行ってまいりました。今回は天神町にある呉服屋の旧さかやさんの店舗の改修を行うための資金についての補助です。改修後は、蕎麦打ちが観れる、体験できる蕎麦店舗、ベンチャー企業向けのオフィスなどに改修される予定です。経済産業省の事業の補助対象となっており、国が2分の1、市が4分の1を拠出します。

次に、総務省が持っている特定地域づくり事業協同組合という制度があり、これを松江市で初めて設立することに対する補助です。この特定地域づくり事業協同組合とは、いわゆるマルチワーカーを採用し、人材不足に対応していくというもので、例えば夏に繁忙期を迎えるような業種で働いている方、冬に季節性のある業務に就いていただくというような人材を融通していく制度です。併せて移住定住も促していく政策になっています。過疎地域である鹿島町、島根町、美保関町の食料品製造業等の組合員4者で、この12月から事業を開始する予定となっています。これも国の制度も利用し、派遣職員の人件費の補助、事務局の運営費の補助等を実施します。

次に、農林水産振興として大根島ボタンのPRを促進します。大根島ボタンの需要の回復のため、第73回を迎える10月開催の松江菊花展で初めてボタンと菊のコラボを行います。また、京都で開催される京都府立植物園の100周年記念式典でもボタンの展示や講演会を併催する予定です。

次が観光振興で、2025年の大阪・関西万博を契機として外国人誘客を図るためのPRのための予算です。今年度から来年度にかけ、ターゲット市場の調査等を行い、併せて旅行商品の造成を行います。大阪・関西万博の後も、その万博の経験をうまく将来につなげていくべく万博から得られたデータの分析等を行い、松江市が立てているMATSUE観光戦略プランの対象年次としている2030年に外国人の宿泊客数15万人という目標に向かって取り組みを進めていくものです。なお、コロナ前の令和元年の外国人の宿泊客数、松江市が7万8,000人ですので、その倍を目指すという野心的な目標ですが、万博の契機等をうまく活用してまいりたいと考えています。

次に、「ひとづくり」です。子ども医療費の助成制度の拡充です。現行、子ども医療費の助成制度はゼロ歳から小学6年生までは入院、通院、調剤とも無料です。一方で、中学生は入院費は無料ですが、通院、調剤等は助成制度がなく自己負担3割となっています。これを無償化するものです。令和6年4月からの無償化を予定しており、それに向けての準備を行うための予算を計上しています。対象となるのは、来年の4月時点で中学3年生以下の松江市在住者です。今後のスケジュールは、10月、11月に保護者に対する申請書の発送、12月に申請受付、そして来年の3月までに子ども医療証の送付としています。

続いて、「つながりづくり」です。松江城の保全を目的にした伐採木の有効活用です。昨年度、松江城の石垣の保全あるいは松江城の天守に火が延焼することがないように、49本の樹木を伐採しています。そして、同時に1月から4月までその木の有効活用策を募集しました。その中で、今回採用するアイデアが8つあります。主なものとして、松江城の御城印、書架、積み木、ベンチの作成などで、これらを実現するための予算を計上しています。

次が松江総合文化センターの整備についてです。中央図書館とプラバホールで構成されていますが、現在、改修工事にかかっています。この10月に中央図書館がオープンし、来年の4月にプラバホールがオープンする予定です。工事費を24億324万円予算計上していましたが、昨今の建設資材価格の上昇、労務単価の改定などに伴ない、いわゆるスライド条項の適用を受けて整備費の5,873万円増額補正を行います。具体的には、建具・内装材・空調機器がそれぞれ増額となっています。機能性を落とさずにコストを下げられないかを精査し、工事費用の見直しも適宜行った結果、今回の補正に至っています。

次に、「どだいづくり」です。AIデマンドバスの運行の継続と拡大についてです。令和5年4月3日からAIデマンドバスを八束地区と美保関町の宇井地区を結ぶ形で運行を開始しました。松江市域では初めてのAIデマンドバスの運行ですが、非常に評判がよく、かなり利用していただいています。6月までの乗車人数も前期比1.7倍でして、今後もAIデマンドバスのルートの拡充等を考えていきたいと考えています。その中で、来年の4月から松江市大野・秋鹿地区での試験運行の開始を予定しており、そのための債務負担行為の設定を行います。これまで八束地区以外にもこの大野・秋鹿地区を含め幾つかの地域でAIデマンドバスを走らせてほしいという要望をいただいております。その中で、現行のコミュニティーバスの中途解約等の問題が生じないであるとか、八束地区では既に実証していますが、一方で中山間地域において運行することで地形の違い等も踏まえた上で適切な運行の形態等を考えていくということで、大野・秋鹿地区について来年度試験運行を開始したいと考えています。八束地区についても継続して運行していくということで、予算を組んでいるものです。

次が湖北学園(仮称)の整備に向けた基本設計です。令和11年の開校を目指し、古江、大野、秋鹿の3小学校と湖北中学校から成る仮称ですが、義務教育学校湖北学園の整備に取りかかっています。現在、基本計画等の策定は終えたところで、今年度から基本設計に取り掛かる予定です。令和11年の開校をめざしていますので、期間の長いプロジェクトですが、今回は令和5年度と6年度について継続費ということで基本設計の事業費を計上しています。

次に、松江市議会のICT化の推進です。市議会における議案等の資料をパソコンやタブレットで閲覧できるシステムの導入、そしてペーパーレス化を市議会と共に進めてまいります。

次がガス事業の民間譲渡です。8月2日の記者会見で、本市ガス事業の民間譲渡について公表しました。今後、都市ガス事業を将来にわたって継続、発展させるための譲渡先事業者の選定にかかってまいります。今回計上する6,745万円については、民間譲渡準備業務、そして9月議会で条例制定を上程する予定の譲渡先選定委員会の設置等を業務内容として、事業期間5年度から6年度の業務委託の費用になります。

次がSDGs関連事業です。今年5月のSDGs未来都市、自治体SDGsモデル事業の選定を受け、官民一体となってSDGsの取り組みを進めていくことにしています。全て国のほうから補助金が出る事業もございます。例えばSDGsを進めていく推進母体として「水の都」コンソーシアムを設立したいと考えており、この設立に係る費用あるいは学習会の開催費用等です。また、国が2分の1補助する事業もあり、ESD(エデュケーション・フォー・サステナブル・ディベロップメント)という教育プログラムを実施し、SDGsを身近に感じられるような教材動画を作成し、子どもたちに提供するというようなことを考えています。

最後に、災害復旧に係る事業ということで、今年5月、7月に発生した大雨災害によって被災した箇所の復旧を進めるものです。農林水産施設、公共土木施設、それぞれ復旧費ということで計上しています。

以上が9月補正予算の内容となります。

令和4年度の一般会計の決算についてです。

歳入が1,149億185万円、歳出が1,117億5,895万円となります。令和3年に比べると増加する形になっています。理由としては、大型事業が本格化しており建設事業費が増加したものです。具体的には、新庁舎の整備事業・総合文化センターの設備投資の本格化、建設工事の進捗に伴って普通建設事業費が増加しています。一方で、コロナ対策費については、令和3年度の89.7億円が令和4年度は73.4億円と若干減少しています。また、実質公債費比率が改善している状況にある一方で、将来負担比率という将来にわたって現在の財政を基本として負担しなくてはならない債務等に係る比率については、若干上昇しております。

一方で、総務省が出している早期の健全化基準というのがあり、それぞれ実質公債費比率、今9.9%ですが、早期の健全化基準は25%。将来負担比率も早期に健全化を図らなければならない基準は350%となっており、それに比べれば当然健全ということにはなりますが、こうした財務比率も意識しながら健全な財政運営に努めてまいりたいと考えています。

この記事に関するお問い合わせ先

政策部 広報課
電話:0852-55-5125
ファックス:0852-55-5665
お問い合わせフォーム