チャットGPTの試行活用(状況報告)

更新日:2023年10月26日

チャットGPTの試行活用をしており、現在の状況についてです。

チャットGPTとは、人工知能(AI)を使い、質問に対して自然で滑らかな回答が生成されるというところが特徴です。情報の検索のほかに、文章の作成、アイデアの提案といったことも可能であり、行政事務に活用する自治体も増えています。一方で、懸念事項もあり、回答が正確性を欠いたり、著作権を侵害するおそれや、蓄積されたAI学習用データの漏えいといったことも指摘されています。

松江市では、このチャットGPTを用いて事務の効率化が図れるのか、試行活用している段階です。7月20日から9月29日まで期間を区切り、一定のルールの下で具体的な活用を進めてまいりました。4つの区分に分けて、現状の考察をご説明します。

1つ目が「情報検索」、用語や略語の意味、サービス・イベントの照会、法令・制度等の説明・解釈などの検索に活用をしています。グーグルやヤフーでの検索では、表示されたサイトを1つずつ開き、知りたい内容があるかを探す手間がかかるのに対し、チャットGPTでは回答が直接生成され、引用サイトも表示されるため、検索時間が短縮されています。

2つ目、「文書生成」、庁内会議の通知文、挨拶文、市有の施設の紹介文の草案作成です。会議の名称だけで文書生成を指示しても生成されませんが、通知したい内容を具体的に入力すると、体裁の整った草案ができます。好事例を職員間で共有することによって利用シーンが広がると考えています。

3つ目、「アイデア出し」、職員採用試験を多くの人が受験してもらえるキャッチフレーズ、市の公園に行きたくなるキャッチフレーズの検討などに用いています。複数のアイデアが即座に生成されるメリットがありますが、市内に存在しない施設名を含む回答が出てくることもあり、正確性の確認が必要ですが、時間の短縮や思わぬ発想のアイデアが期待できます。

最後に、「コード生成」、表計算ソフト(エクセル)でデータ抽出・集計するときの関数、計算式を生成。これも回答が直接的に生成され、検索時間が短縮されます。一方で、データ抽出の条件を増やすなどの丁寧な質問が必要であり、これについても好事例を共有することで利用シーンが広がると考えています。

これら活用の試行から見えたことですが、検索やアイデア出しの検討等に係る時間短縮が期待できます。好事例を職員間で共有することで、利用シーンの拡大や業務の効率化が期待できると結論づけています。そして、正確な情報かどうかの確認は必要であり、具体的で丁寧な質問が必要になります。

これらに基づき、今後も活用、検証を継続することで、どういった行政事務に使うことができるのかというところの検証を図りたいと考えています。

例えば議会での質問への回答の作成などには引き続き使用しないといったルールについては改めて周知した上で進めていくのと、生成AI自体が発展途上にありますので、社会の動向の変化等も踏まえた上で、適宜使用ルールの見直しなどを図ってまいります。

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