インドとの産業連携(出張報告)

更新日:2023年11月24日

10月23日から29日に、山陰インド協会の経済視察団としてインドを訪問してまいりました。この訪印は、山陰インド協会としては4年ぶりの8回目、松江市としても6年ぶり5回目でございます。目的としては、コロナによって、ここ数年、経済交流がうまく進んでいないという状況を巻き直し、さらなる両地域の発展に結びつけるというものです。

今回の経済視察団の成果をおおきく2つ挙げています。1つ目が、人材交流や産業連携の拡大に向けた相互協力が確認できたということです。とりわけインドが強みを持つIT人材交流の強化、そしてIT分野以外の交流の拡大、環境(気候変動)分野、防災、食品、デジタル分野での連携の強化に合意を得ています。成果の2つ目として、ケララ州政府、商工会議所と我々の中海・宍道湖・大山圏域が締結した経済交流の継続と今後の充実も確認しています。また、商工会議所の会長とは実際にお会いし、先方から、来年、松江あるいは中海・宍道湖・大山圏域に来ていただくという意向の表明も受けたところです。

在インド日本国大使館を訪問し鈴木大使にお会いしました。この山陰のエリアが日本で最もインドとの連携が進んでいる地域と太鼓判を押していただきました。また、インドでのG20を契機に、外国の人材・企業の受け入れの機運が高まっており、ビジネス連携の再開のチャンスであるとアドバイスを受けています。今後、大使館の皆さまの様のお力添えもいただいて、人材交流等の促進に早速動き出しているところです。

インドでスタートアップ投資などを行う日系企業のドリームインキュベータ・インドの江藤社長ともお会いしました。インドの工科系の最高峰のインド工科大学の教授をご紹介いただくことになっており、この圏域との交流の拡大を目指し、既に島根大学には情報も共有し、大学同士の連携に向けて協議をスタートしたところです。

ジェトロ・ニューデリーの鈴木所長からは、日本の中小企業が今後インドでビジネス展開していくことにチャンスがあるのではないかということで、今回のような経済視察団の派遣、あるいは人材の交流から始めるのがよいという助言をいただきました。圏域内の多くの企業がインド企業との連携に関心をお持ちです。そういった企業に対して最新動向の情報共有を既に始めているところです。

モディ首相の経済政策ブレーンであるアミット・カプールさんという方にもお会いしました。たくさんの人的ネットワークを紹介していただき、今後、事柄に応じてアクセスしていこうと考えています。

松江に本社のある三菱マヒンドラ農機に資本参加しているマヒンドラ&マヒンドラという自動車・農業機械メーカーも訪問しました。工場も見学し、ムンバイから人事担当の役員の方にわざわざ来ていただき、今後、三菱マヒンドラ農機に人材を派遣していくという発表をその場で受けました。実際、11月8日に10人の方が既に松江にいらっしゃっております。三菱マヒンドラ農機との連携の維持、強化といった点も確認をしてきたところです。今後、実際にインドの人材が松江の企業で活躍される先鞭になるものと期待しています。

印日商工会議所ケララ(INJACK)の会長とも面談しています。圏域が強みを持っている環境、防災、食品、デジタル分野における連携をこちらから打診し、それについて快諾いただいています。来年、松江に来ることも表明いただきましたので、今後、ビジネス連携が加速することを期待しています。既に圏域の民間企業の皆さまの訪問の際に交流会があり、商談に着手している状況で、行政としてもサポートしていきたいと考えています。

ケララ州政府では、ラジーヴ産業・法務・コイヤ大臣とオンラインで面会することができました。2015年に締結している覚書に基づく相互の連携の継続、今後の充実、強化について了解を得ております。2025年には10周年を迎えますので、それを一つの大きな契機に、具体的な連携案件の実現をしていこうとお話をさせていただいたところです。

海外人材プログラムによって来日されたインド人の方の同窓会組織であるASAケララの会長とは、IT人材の受入れ事業の今後の拡大に合意を得ました。早速、ITあるいはIT分野以外の受入れ拡大に向けた協議もスタートしているというところでございます。

ケララ州にあるITパークも訪ねております。これは政府系の100%子会社が造成している工業団地で、ITに特化した工業団地です。ここに進出している企業は欧米が中心で、日本企業はまだあまりありませんが、今後、進出してほしいという期待感が表されました。また、インド企業は中東やアフリカ市場にも既に進出していますので、日本企業がそういったビジネス展開をしていく上でも一つの足がかりになる可能性があるということも確認できています。ITパークに立地するエクスペリオン社の社長といろいろお話をする中で、インドのIT人材によってシステム開発を受託されており、そういったニーズがある圏域の会社とぜひ連携したいというお話もいただいています。今後、IT人材の受入れ、交流等についての協議を開始したいと考えているところです。

これらの取り組み成果をさらに発展させ、今後の連携を深めていきたいと考えています。また進捗等ありましたら皆さまにご報告をさせていただきます。

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