市長定例記者会見議事録(全文)

更新日:2023年12月22日

松江駅前のまちづくり

来年1月14日に松江駅前にある一畑百貨店が閉店します。それを一つの契機とし、松江駅前のまちづくりの在り方についての議論を開始したいと考えています。会議の名称を、「松江駅前デザイン会議」とし、松江市と松江商工会議所が共同で設置し、第1回の会議を12月26日に開催する予定です。

これまで市民の皆さま、また民間事業者の皆さま方からもいろいろなご指摘をいただき、松江市としても、問題意識を持っています。現在の駅前が、松江らしさを感じにくい、バスの乗り場が分からない、地下駐車場やテルサの老朽化、人に優しい駅前、広場が欲しいといった声をいただいています。こういった声を踏まえ、また、整備から20年が経過し、コロナ禍を経て、我々の生活環境、ライフスタイルが大きく変化したことを踏まえ、駅前周辺のまちづくりについて、スピード感を持って考えるということで、今般、松江駅前デザイン会議を立ち上げることとなりました。

これまで既に松江市として出しているプランの中に、松江駅前をどういった形にしていくかを標榜しています。1つが松江市総合計画「MATSUE DREAMS 2030」の松江のチャレンジとして、JR松江駅前に人々が集う「松江の顔」となる広場を整備していくとしています。この計画は2030年を目標年次としており、この2030年に市民の皆さんに、松江には歩きたくなるまちなみがあると実感していただける松江にしたいと考えています。また、中心市街地エリアビジョンの中で、松江市周辺ゾーンについて、多くの来訪者が憩い集う松江の玄関にしていくと標榜しております。具体的には、南北駅前広場の機能を再配置すること、駅から歩きたくなる空間・店舗のつながりの創出、伊勢宮に夜間の歩行者専用道路を造る、市民が集う松江の食の台所といったことを掲げています。

こうした既存のビジョン、計画と整合を図る形で、松江駅前デザインを作成していくことがこの会議の役割です。例えば、松江駅前に必要な機能の配置、「松江らしさ」の演出、回遊性を高め、にぎわいにつながる仕掛けづくりといった内容をこのデザイン会議において話し合い、松江駅前に特化したビジョンの策定を念頭に置いています。

松江駅前デザイン会議のメンバーとしては、松江のまちづくりを担っていただいている皆様、松江市、まちづくりの専門家、地域エコノミストの日本総研の藻谷主任研究員にアドバイザーとして入っていただく予定です。

作成スケジュールは、第1回会議を12月26日、松江市役所で行い、その後も会議を重ね、課題・価値観の共有を図り、デザインのイメージを共有し、具体的な素案をつくり、それをデザインという形に昇華し、令和6年秋頃を目途に松江駅前デザインの完成をめざしています。 この間、市民の皆さまからのアンケートや、作成したデザイン案はパブリックコメントを実施し、皆さまからのご意見をいただき、新たな松江駅前の形を皆さんと一緒に考えていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

SHIMANEみらい共創CHALLENGE& MIX「ゼブラ企業」トークイベント

昨年、MATSUE起業エコシステムを立ち上げ、今年の1月にはMATSUE起業エコシステム、コンソーシアムという19団体から成る組織をつくりました。エコシステムというのはビジネス生態系とも言われ、新しいアイデアをビジネスの形、事業の形に昇華していく取り組みで、19団体によって、そういったサイクルを回していくということを念頭に置きスタートしています。その中で、「MIX」という、起業を目指す方、既に起業をしている方、新しいビジネスの検討をされている方などが集まるコミュニティーを立ち上げ、いろいろなイベントを開催しています。特に新しいアイデアを持っている人が、それを事業化していく際のサポートをしています。いわゆる起業家教育、アントレプレナーシップと言いますが、これは、高校生・大学生・社会人で現在起業を志している方に行っています。その中で、「SHIMANEみらい共創CHALLENGE」とは、高校生の皆さんを対象にビジネスアイデアのプレゼンテーションをしてもらうという企画です。また、起業・新規事業の開発・事業承継などを具体的に支援する「MIX PoC」というのを立ち上げており、PoCというのは、Proof of Concept、いわゆる実証実験をやる母体ということです。ここでビジネスを実証的に行い、そのビジネスが本当にマーケットに入っていけるのかを検討いただいています。その一環として、今回、ゼブラ企業のイベントも開催します。

「SHIMANEみらい共創CHALLENGE」は昨年度から、さんいん未来縁人というTSKグループ基金の主催によって開催されています。MATSUE起業エコシステムと三菱みらい育成財団との共催、松江市・島根県・島根県教育委員会で後援しています。島根県内の高校生または15歳から18歳の方に、活動支援金として最大10万円を支援し、実際に挑戦するプログラムになっています。 今回、高校生から19プロジェクトの応募がありました。うち7つが松江市内の学校です。この19プロジェクトについて、12月16日に松江テルサで最終発表会を開催します。プロジェクトの発表後、入賞者の表彰もあります。高校生諸君が今どういったアイデアを持っているのか、その実現に向けてどうスタートするのかといったところを見ていただければと思います。

同じ日に、ゼブラ企業のトークイベントを開催します。相反するように見える企業利益と社会課題の解決、社会の貢献を両立していく企業をシマウマに例えて、ゼブラ企業といいいます。事業を通じて地域や社会の課題解決を図り、持続的成長を目指す企業という言い方もできます。実際に企業として事業を実践している方をお招きし、ディスカッションを行うトークイベントです。「島根・松江で育む新たな持続的成長のエコシステム」をテーマに、第一部では、島根・松江発のゼブラ企業の経営者、4人の方のセッションとなります。地域やエコシステムとの関りなど、ゼブラ企業の実態に迫る内容です。第二部では、私も登壇し、ゼブラ&カンパニーの田淵代表と社会変革推進財団の工藤理事とディスカッションを行います。行政も含め、ゼブラ企業がエコシステムをいかに形成し、地域課題の解決を図るか、それによってどういった松江の未来を導きたいのかという話をする予定です。

今回のプロジェクトを含め、松江市は今後チャレンジする皆さんを応援するために、いろいろなイベントを開催しますので、ぜひともご参加いただきたいです。よろしくお願いいたします。

田和山史跡公園再整備工事

田和山史跡公園では、継続的に再整備工事を実施しています。12月から1月にかけて行う工事についてお知らせします。1つ目が、草葺竪穴住居を解体・撤去します。2つ目が、市立病院側に生えている樹木の伐採・撤去を行います。いずれも田和山再整備基本計画に基づいて実施するものです。

復元草葺竪穴建物については、老朽化により、屋根材などの劣化がかなり進んでおり、強風にあおられて飛散する恐れがあり、安全確保のために対応が必要となっています。市立病院側の樹木は相当繁茂しており、緊急車両の通行に支障が出るという懸念があります。

工事期間は12月15日から、来年1月31日までを予定しています。これに伴い、西側進入路、多目的広場、西側園路は立入禁止となります。病院側の入り口から山頂まで目指すのには特に支障はありません。

この草葺竪穴建物の撤去後の整備内容です。今回、安全確保のために撤去しますが、ピンチをチャンスに変えていこうということで、来年度、発掘された当時の竪穴建物を再現します。その上で、ARによる映像展示を令和8年度にスタートする予定です。ARグラスをかけたり、タブレットを掲げると、当時の住居の姿が見える形になります。建造しているときの映像や、中に入ると、弥生時代の人たちの生活が見えるというしつらえを考えているところです。

こうして、学び・楽しめる竪穴住居の利用方法を考えているところで、AR・VR事業を同志社大学の文化遺産情報科学調査研究センターと共同で行っています。松江城に登閣体験できるVRを松江歴史館に置き、どなたでも無料で体験できますが、これも同志社大学と組み研究した成果です。考古学、地質学、環境学等の専門家に学術的な検証をしていただき、作成しています。市民の皆さま、特に子どもたちに使いやすい機器を整備します。地域の方、あるいは地域のボランティア団体の方からのご意見も反映し、共同研究を進めています。

この竪穴住居の部分だけではなく、山頂からタブレットをかざすと弥生時代の風景が見えるような実装を令和7年度には予定しています。

ますます充実!市内学習スペース

中学生、高校生の皆さんを中心に、学習できるスペースが公共施設の中に欲しいといった声をいただいております。現在利用できる学習スペースが、大まかに分けて、市内に5つあります。市内の16の公民館、白潟本町の松江市民活動センター(スティックビル)の1階のカフェ内のフリースペースと2、3階のフリースペース、駅前の松江テルサでは、3階のフリースペース、島根県立図書館の学習室、松江市立中央図書館の専用の学習室です。

松江市立中央図書館は10月1日にリニューアルオープンし、個人学習室が37席、グループ学習室は予約が必要ですが、12席ございます。たくさんの方に利用していただいており、オープンして以来の利用者数が、先月末までで延べ5,000人、1日平均で、平日で67人、休みの日で155人となっています。利用者の声としては、おおむね好評で、きれいで過ごしやすい、スタッフが親切、フリーWi-Fiがうれしいなどです。一方で、学習室の席数が少ないといった声もいただいています。そのような学生の声に応えまして、この冬、学習スペースがさらに充実しました。

新しく開設する学習スペースが2か所。1つ目がスティック、市民活動センターの4階にある、放送大学の島根学習センター、もう一つが、昨年末にも開設いただいていましたが、松江駅前の島根銀行の本店です。

放送大学島根学習センターは、利用時間が9時半から夕方5時半で、利用は座席数に限りがあるため高校生のみで、生徒手帳の提示が必要です。12月23日から開設予定で、今回の冬休み以外に、春休み、夏休み等も利用できる予定です。

島根銀行の本店は、対象が中学生と高校生で、3階の大会議室を開放していただき、50席程度が確保できる見込みです。12月30日から開設予定で、正月の3日までと3月24日までの土・日に利用できます。

これらの、学習スペース、年末年始の利用は施設によって異なりますので、市公式ホームページでご確認ください。公民館については、利用前に各公民館に開設状況をお問い合わせください。

これからも、学習スペースはできるだけ増設していきたいと考えていますが、市の所有する公共施設には限りがございます。頑張る学生を応援してくださる、協力していただける事業者の皆様に手を挙げていただきたいと考えています。学習スペースの提供について検討いただけるようでしたら、ご連絡ください。提供いただける場合は、松江市のホームページでまたアナウンスをさせていただきます。よろしくお願いします。

ふるさと納税新規返礼品

ふるさと納税の新しい返礼品ができました。島根スサノオマジックと出雲だるまのコラボによるコラボだるまです。高さ11センチ、スサノオマジックのスサマジブルーに身を包み、ロゴマークも入っています。2023-2024シーズンの表記、クラブコンセプトの「風を起こそう。」という文字も入っています。眉には水を司る龍神、髭には荒ぶる雄々しい波と古来より魔除けや幸運のお守りとされた出雲勾玉をあしらい、鼻は出雲神話をイメージした“出雲”らしい顔立ちとなっています。背中には選手のナンバーと名前が入っています。もう一つ、5.5センチの小サイズもございます。

こういった新しいふるさと納税返礼品を島根スサノオマジックとのコラボで作成し、2万円の寄附額でお好きな選手の背番号と名前を入れただるまをふるさと納税の返礼品とします。12月4日から、既に受付を開始しています。 さらに、限定で一般販売を行います。12月30日、31日の大阪エヴェッサ戦、松江市総合体育館で2日間限定となっています。

スサノオマジックは、今シーズンも活躍しています。だるまにも願いを込め、みんなで応援してまいりましょう。

質疑応答

(中国新聞)松江駅前デザイン会議について、百貨店の跡地利用も含めて、この会議の中で計画を話し合うという認識でよろしいですか。

(上定市長)今回、会議のメンバーに、一畑グループに参加いただいているわけではないですが、具体的に松江駅前をどのように整備していくのかといった計画、デザインについて検討していく場となります。その中には、もちろん一畑百貨店の閉店した後のビルの利用であったり、もう少し大きく捉えれば、松江駅の、北口を中心としたエリアを今後どのように利用していくのが松江市にとって一番いいのかといったことについても議論を交わしていく場と考えています。

(中国新聞)令和6年秋頃のデザイン完成というのは、その計画の完成ということですか。

(上定市長)そのとおりです。松江駅前デザインと称していますが、その完成を令和6年の秋を目途に進めてまいります。

(中国新聞)これまでの一畑の雇用に関する会議などが非公開で行われていたのは、関係者の方々、従業員の方々に関わることなので理解できますが、この会議が非公開なのはどういう理由ですか。

(上定市長)具体的な検討を進めていくに当たって、地権者の方に対する配慮が必要だと考えています。個別具体なアイデアが、この会議の中で議論として取り交わされる予定で、検討を進めていくプロセスでいろいろな意見が出てくると思います。最終的に、出来上がったデザイン案はパブリックコメントも含めて、皆さまに見ていただきますが、その途中の議論については非公開で行う必要があると判断しました。

(中国新聞)例えば、最初の意見交換の部分は、アイデア出しといったところがあるので分かりますが、その議論の進め方、途中経過に関して、我々や一般の市民の方々が拝聴することができる可能性はありますか。

(上定市長)委員の皆さまに、第1回の冒頭部分についてメディアの皆さんに入っていただき、その後、忌憚のない意見交換をするということで了解をいただいています。今後、この会議でいろいろなアイデアを出していくことになりますので、その中で、メディアの方にも入っていただく、あるいは市民の皆さんの傍聴を受け付けるといった議論はあってしかるべきと考えています。

(中国新聞)田和山史跡公園について、この公園が史跡公園たる最大の理由は山頂部分の環壕のところだと思います。VRやARの映像展示は、この竪穴建物や、山頂から見える風景だけなのか、その山頂部分の環壕のところでも何か活用されますか。

(上定市長)検討は広く進めていきたいと考えています。どの部分を皆さんに見ていただくのが一番分かりやすく、興味深く見ていただけるかといったことまで含めて検討していきたいと思っています。今後、同志社大学、あるいは専門家の先生方と意見交換をしていく過程において、その絞り込みと、もちろん予算も伴いますので、検討を深めていきたいと考えています。

(中国新聞)学習スペースについて、高校生や中学生は、自転車や徒歩移動の子が多いので、空いてるかどうかを確認してから行く必要があるかと思います。どこが今日やっているのかを確認できるようなウェブページなどがありますか。

(上定市長)この情報については、松江市のホームページにも掲載しています。公民館などは管理者の都合などで、ふいに休みになる可能性がありますので、事前に開館状況を確かめてください。例えば中央図書館はかなり人気もあり、何分待ちというようなことは出していませんので、来ていただいてお待ちいただくこともあると思います。

(山陰中央新報)一畑百貨店の跡に、何ができるのかは分からない状況ですが、そこにどんなものがあると望ましいとか、どんなものがあればこういう使い方をするとか、そういったことも含めた議論になりますか。

(上定市長)おっしゃるとおりです。どういった用途にこの松江駅前の貴重な場所を使っていくのかという機能面についての具体的な議論をしていくことになります。

(山陰中央新報)その上で、総合計画やエリアビジョンを踏まえてデザインするといいうことですが、どのような建物ができたとしても、それも合わせつつデザインしていくということですか。

(上定市長)この中心市街地エリアビジョンに、当然と言えば当然ですが、一畑百貨店が閉店になるということは盛り込まれていません。エリアビジョンではこう書いているけども、こうあるべきではないかといったような審議がなされる可能性ももちろんあります。日々、デジタル化等も含めて、新しい動きがありますので、そういったことは積極的に受け止めた上で、最新のものを、できるだけ未来にわたって通用できるようなものを皆さんに考えていただき、また市民の皆さまからも意見をいただくということを想定しています。

(山陰中央新報)スケジュールのところで、会議は5回を予定しているということですか。

(上定市長)実際に会議にご参加いただく委員の皆さまのご意見を踏まえてということになります。スピード感を持って取り組みたいですので、いつまでにということはあらかじめ設定しておく必要があると思います。令和6年の秋のタイミングで、まだ中途半端なものになりそうだということになれば、スケジュールも変更する必要があります。あくまで現時点でのスケジュールということになります。

(山陰中央新報)素案が出来上がるのは令和6年度ということだと思いますが、4月以降には何かしらの素案ができ、議論のテーブルの上にのっている状態にしたいということですか。

(上定市長)令和6年の秋の完成を目指してまいりますので、素案の提示をし、議論を深めて、まとめ上げていくというのを、このスケジュールで今のところはやっていきたいと思っています。

(山陰中央新報)その過程での市民アンケート、パブリックコメントは、どういった質問、調査になりますか。

(上定市長)パブリックコメントというのは、市政を進めていく上で、先ほどの総合計画といった新たな計画を立てるときなどに、市民の皆さまにご意見をいただいて、それをまた会議に持ち帰って検討を行います。市民アンケートのときには、まだデザインの素案ができていませんので、幅広く松江駅前デザインについてのご意見をいただき、そして、デザインの案ができた段階では、その案に対するご意見をいただく機会としてパブリックコメントを設けさせていただきます。

(TSK)来年の秋にデザイン案を完成させるということは、一畑百貨店の跡地をどうするか、加えて駅前の再整備の計画を完成させるという認識でよろしいですか。

(上定市長)そのとおりです。

(TSK)現時点で、市長として、一畑百貨店の建物や跡地をどのように活用していくことが、未来に通用できるようなものになるとお考えですか。

(上定市長)まず、土台として意識しておかなければいけないのは、利便性の部分もありますし、松江の玄関口ですので、自分のふるさとに帰ってきたな、あるいは松江に来たなという、松江の魅力が感じられる場所にしていく必要があると考えています。今回、一畑百貨店という商業施設が閉店を迎えるということだけでなくて、松江駅前の機能として、本来どういったものがあるのがいいのかということを考える絶好の機会になると思います。これはまさにピンチをチャンスにというところもあり、これまでも検討された経緯はありますが、コロナ前に検討していた会議は市の主催ではありませんが、不透明な経済環境ということもあって、実行に移していくという話になっていないということもあります。変化が速い時代で、コロナを経て、随分生活環境も変わってきていますので、そういったことをしっかり反映しながら、松江駅前の限られたスペースをいかに有効に市民の皆さんになれ親しんでいただけて、また、観光地としての魅力も高まるようなものにしていくかというのを検討していただく組織体と考えています。

(TSK)市長としては、その建物自体を壊し、新しいものを建てるとか、存続した上で新しい人が集まる場所をつくるといったところは、この会議に臨む上でどのように考えられていますか。

(上定市長)松江駅前周辺の建物が、非常に老朽化をしています。例えば閉店をした後に短期的に利用する仕方ももちろん検討していく必要があると思いますが、今回、当面の利用方法について考えていく組織ではなく、中長期的に松江市の未来を考えたときの駅前をいかに活用していくのかという議論をしていただきたいと思っています。その際には、簡単ではないことは承知の上でですが、ある程度ダイナミックに駅前を変革していく必要性も出てこようかと思います。中長期的なスパンで捉えたときの松江駅前のデザインを考えていくというのを、今回の会議でお願いしたいと思っています。

(TSK)中長期的なところを考えると、この建物を壊して新たなものを建てるというのも一つの考えとして、お持ちになっているという認識でよろしいですか。

(上定市長)そのとおりです。整備から20年が経過し、地下駐車場や松江市が所有するテルサも老朽化しています。そういった建物をどうしていくかということも含めた議論と、この松江駅前でどういった機能が必要かというところからのアプローチでデザインを組み立てていきたいと考えています。

(TSK)建物の存続を一畑百貨店側が考えているような報道もありましたが、それを受けて、一畑側と調整などは何かされていますか。

(上定市長)地権者の方が実際におられて、松江市が土地も建物も持っていて、じゃあ、どうしようかという話ではありませんので、そういった方との話合いの中で進めていくということに最終的にはなっていくと思います。もちろんデザイン会議で出てきたことを尊重して、地権者、建物所有者の皆さんと、交渉をしていくというステージを今後迎えることは考えられますが、今の段階で、何かここはこうしてくださいとか、そういった調整を始めているといったことはございません。

(TSK)今回、委員の方、11名いらっしゃいますが、一畑百貨店の方がこのメンバーに入らないっていうのは、何か理由がありますか。

(上定市長)一畑百貨店跡地の利用について検討しようとしているわけではなく、また、一畑百貨店の閉店後にどう利用されるかは一畑グループで検討されることになっています。今回、もっと広範にわたって駅前のデザインをどうしていくかということになりますので、その際に、必要があれば、一畑の方に話を聞いていくプロセスというのはあろうかと思います。今回、メンバーとして掲げさせていただいた皆さんは、広く松江駅前のデザインを考えるに当たって適任という方にお願いをしており、その中での議論をまずは進めていきたいと考えています。

(TSK)一畑百貨店の、雇用の確保の検討が進められていると思いますが、今の進展状況を教えてください。

(上定市長)ありがたいことに、ハローワーク、産業雇用安定センターなどや、松江市内の民間企業の方のご協力によって、たくさんの求人の声をいただいています。全体の数からすれば、今回、一畑百貨店にお勤めだった方の人数をはるかに超える求人の数をいただいていまして、雇用の維持確保という面では少しほっとしているところです。一方で、自分のこれまでに経験されてきたお仕事を生かした仕事に就きたいといった、ニーズにうまくウィン・ウィンの形で応えられるようなマッチングを今後図っていきたいと考えています。

一畑百貨店と取引されていた事業者の皆さまに大きなインパクトがある場合には、それをまた経済的に支援をしていく必要があると考えていましたが、そういった会社をある程度特定できまして、そんなに多くはなく、いわゆる連鎖型の倒産を迎えるような状況はないことが確認できています。この辺りも、資金調達が必要になる場合には、例えば島根県の信用保証協会ですとか、もともと一畑の検討メンバーの中に金融機関も入っていただいておりますので、そういったところと連携しながら、一畑百貨店の閉店ということに伴って、大きな経済的なインパクトが及ばないような形、方策が取れるものと考えているところです。

(TSK)再雇用のところでマッチングを図っている最中ということですが、どれくらいの方のマッチングが進んでいるといったデータはありますか。

(上定市長)今この場で持ち合わせているものではないですが、人手不足というところもあって、いろいろな業種からたくさんの求人をいただいていると聞いています。一畑百貨店は、1月14日が閉店ですが、1月末までは雇用を確保された上で、2月から別の職場でというのが最短のスケジュールになろうかと思いますので、そういったタイミングまでにしっかりマッチングが図れるように支援をさせていただきたいと考えています。

(毎日新聞)松江市総合体育館の改修工事について、実施設計と改修工事の費用が33億円ちょっとという見通しですが、バンダイナムコからの寄附額の見通しはいかがですか。

(上定市長)共同での記者会見の際に、バンダイナムコエンターテインメントの社長からお話があったとおり、今回の体育館の改修でBI基準に係るところについては、バンダイナムコの寄附によって賄うということで一致しているところです。実際の寄附額と工事費については、今後精査をしていく必要があると思っております。今回の金額は、建設技術研究所と一緒に見積りを取ったものでして、当然その中身も含めて、民間事業者の皆さまから、いわゆるDBO方式で事業を進めていく上で、いろいろな提案が出てこようかと思っています。その金額によって変わってくる面があるかと思いますので、今の段階で幾らというのが明言できる状況にはございません。

(毎日新聞)B1基準を満たすために必要な工事について、例えば寄附額が、市が期待している数字を下回った場合に、松江市が独自でお金を出して、B1基準を満たすために必要な工事を行うということはありますか。

(上定市長)共同記者会見のときのバンダイナムコ側の会社のスタンスは変わっていないと我々は捉えておりますので、そこはバンダイナムコとの信頼関係の中でやっていくべきと思っています。

(毎日新聞)松江市として今のところそういう考えはないということですね。

(上定市長)バンダイナムコさんとは、B1基準を満たすための改修に係るものについて、ふるさと納税で賄うという話をしています。それに加えて、実際にはバンダイナムコさん以外の地元企業を含む寄附も募っていくということにしており、当然その中で賄っていくというのを基本に考えています。

(読売新聞)駅前のデザイン案のエリアはどのぐらいの広さを想定しておられるのかということと、会議で今後選出されるのは議長ではなくて会長ということですか。

(上定市長)エリアについては、松江駅前といったときの捉え方として、私どもからは、駅前の実際中心部、特に北口を想定しており、その中で、委員の皆さまに議論をしていただくことになります。それがきちんと囲みをつけて、このエリアで考えていこうということになるのか、ある程度膨らみを持って、ここは関連するからもう少し広げていったほうがいいのではという議論もあろうかと思います。確実に、今、線引きをしているということではございません。

会長か議長かというところについては、特段のご意見があれば、その中で互選をしていただく、プロセスを考えていまして、そのときに名称についても考えていく余地はあるかと思いますが、今のところは、会長を選出して、全体の取りまとめをしていただくということを考えています。

(中国新聞)今後、松江駅前がハード面でもソフト面でも大規模に開発され、20年前の整備をアップデートしていくという形になると思います。一畑百貨店の閉店、地下駐車場やテルサの老朽化といった柱が幾つかあると思いますが、デザインの計画の執行について、それ以後の年度に一気にやっていくというわけにはいかないと思います。市長として、喫緊に、なぜ駅前の再整備を取り組まないといけないと感じていらっしゃいますか。

(上定市長)少し概念的な話になりますが、20年前に開発がなされた後、継ぎはぎになってきてるようなところがあると思います。その全体整合を図っていく、松江にとって駅前に必要な機能をデザインしていくということは考えていきたいと思っていまして、その際に、市民の皆さまからの声を委員の皆さまと共有した上で、要は木を見て森を見ずにならないようにしなくてはいけないと思います。松江駅前も松江市全体との整合が当然必要ですし、一畑百貨店の跡と捉えるだけではなく、松江駅前という形で見たときに、どういう機能を再配置していく必要があるのかという捉え方をしていかなければいけないと思っています。今の段階で、何かこれが必要とか不要とか、そういった議論をもちろん委員の皆さまにしていただきたいと思っていますが、この部分はもうしっかり決めてしまって、それを基に議論してくださいというつもりはありませんので、あくまで自由な議論をしていただく中で、松江駅前のデザインを整えていきたいと考えています。

(中国新聞)デザイン会議の結果、デザインが完成するのが令和6年の秋頃ということなので、言い換えれば、あらゆる駅前の整備の具体がそれ以後になるということだと思います。例えば令和6年度の当初予算に、駅前に関する整備費は盛り込まれず、すぐに何かやるものはないということですか。

(上定市長)すぐやるべきものが出てくれば取りかかる必要はありますが、当初予算を組むに当たって、そんなに時間が残されているわけではありませんので、もちろん必要があれば補正予算等で議員の皆さまにお諮りしてということに結果的にはなろうかと思います。今の段階で、この松江駅前デザインの関係で多額の予算を計上するということは考えておりません。

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