市長定例記者会見議事録(全文)

更新日:2023年02月01日

出産・子育て応援事業

   今年の10月に、物価高騰克服・経済再生実現のための総合経済対策を国が閣議決定しました。この対策の一環として、全ての妊婦の方、また子育て中の家庭が安心して出産・育児ができるように、伴走型の相談支援と経済的支援を一体的に行う、出産・子育て応援事業を来年1月1日からスタートします。
   まず、伴走型相談支援として、妊娠期から出産・子育てまで一貫した支援を行います。保健師や助産師による面談、あるいは無料でダウンロードできる母子健康手帳アプリを活用してタイムリーな情報発信などを行います。写真に写っているのは、地区を担当している保健師です。
   そして、もう一つが経済的な支援です。育児用品の購入、あるいは子育て支援サービスの利用費負担を軽減するために、妊娠後、そして出産後にそれぞれ給付金をお渡しする制度です。妊娠届を出された方には出産応援給付金として5万円を、そしてまた出産をされた方には子育て応援給付金として、同じく5万円を支給する制度になっています。給付の対象が今年の4月1日以降に妊娠届出をされた方、または出産された方になります。
   全体の流れとしては、まず、妊娠がわかりましたら、松江市立病院の隣の保健福祉総合センターあるいは支所に妊娠届を提出いただきます。この際に、母子保健コーディネーターの保健師が必ず面談を行います。その際に、出産応援給付金の申請書をお渡しします。これを提出いただきますと、給付金5万円を指定の口座に振り込みます。そして、妊娠8か月頃に、全ての妊婦さんに面談の希望の有無のアンケートを郵送します。希望の方には、保健福祉総合センターにお越しいただいて、不安なこと、困り事などをお聞きする機会を設けます。さらに、出産後に、保健師か助産師がご自宅に訪問します。赤ちゃんにもお会いして相談をお受けするとともに、子育て応援給付金の申請書をお渡しします。これを提出いただき、同じく給付金5万円を振り込む形になります。
  そして、情報発信については、この子育て期のみならず、妊娠から出産まで一貫して、母子健康手帳アプリを通して、月齢や年齢に応じた子育てに関する有益な情報を提供します。
  今年の4月1日から12月31日に既に妊娠届出、あるいは出産をされた方については、来年1月中に申請書などを郵送でお届けします。詳しくは子育て支援センターまでお問い合わせください。

マイナンバーカード申請支援業務の郵便局への委託

  マイナンバーカードの申請については、本庁、支所、イオン松江店にある窓口で受け付けております。そのほか郵送による申請、あるいはスマホからのオンラインでの申請も可能となっていますし、公民館や事業所などへ、出張申請にも出かけ、市民の皆さんにカード取得の機会をたくさん提供できるように努めているところです。あわせて、市街地の中心部では、携帯ショップなどでも申請の受付を行っておりますが、ご自宅が各申請窓口から離れていて、なかなか申請がしにくいといった方の声にお応えしまして、気軽にマイナンバーの取得申請ができるようにということで、今回、郵便局と連携させていただくこととなりました。
   ご存じのとおり、市内にたくさんの郵便局がございますので、本庁や支所から離れた所にお住まいの方にも、最寄りの郵便局においてマイナンバーカードの申請をしていただけます。ただ、全ての郵便局にお願いするということではなくて、今回は、支所などから離れている場所にある郵便局に委託をさせていただきます。
   郵便局員の方に、交付申請書の記入のサポートや申請に必要な顔写真の撮影をお願いすることになります。この交付申請書は、郵便局から市のほうに送り、市のほうでマイナンバーカードの交付の準備ができれば、その旨を郵送で、申請者の方に通知します。最後、受け取りは、電話で予約いただき、本庁、支所、イオンの松江店に取りに来ていただくことになります。
   委託期間は、来年の1月4日から年度末、3月31日までを予定しており、委託の経費については、市民の方に負担いただくものではありません。実際に委託を行う郵便局は11か所で、橋北(大野・秋鹿・本庄)、橋南(忌部・馬潟)、島根(野波)、美保関(美保関・七類・千酌)、八雲(熊野)、宍道(来待)、それぞれにおいての郵便局に委託することとしています。郵便局のお力をお借りしてマイナンバーカードの申請の支援業務を行っていただき、その効果を検証した上で、別の郵便局でも実施するかを決めていきたいと考えております。
   市民の皆様におかれましては、郵便局のほうもご利用いただいて、マイナンバーカードの取得申請をお願いできればと思います。

台北市との交流促進に向けた訪問

   台北市との間では、去る10月20日に、台北市に中海・宍道湖・大山圏域市長会、5市の市長で訪問し、台北市長との間で覚書を締結しました。覚書自体は以前にも松江市と台北市で締結しておりましたが、それを今回、拡充して締結したポイントというのが、一つは松江市だけではなく、圏域5市長会に拡大したということ、もう一つは、今まではボタンの輸出を中心とする物産・観光が中心でしたが、さらに経済・産業分野でも連携・協力をしていくということを双方で合意し、協定の内容を広げております。
   交流は、第一弾、第二弾を来年当初から予定しています。まずその第一弾は、来年1月12日から15日まで台北市政府、また経済団体を訪問し、台湾の市場調査を行うこと、そして、台北市で春節前に開催の建国花市にボタンを出展しますが、そちらにも伺います。メンバーは、中海・宍道湖・大山圏域市長会から松江市長、米子市長、境港市長が出席し、さらに松江市議会、そして経済団体から中海・宍道湖・大山圏域のブロック経済協議会として松江、米子、境港の各会頭が、そのほか、JETRO島根、圏域内企業も一緒に訪問する予定です。
   また、第二弾として、2月の5日から9日に、これは松江市が単独で、台湾からの誘客の促進という目的で訪台を予定しています。背景としては、今年10月に国の水際対策が緩和され、また、来年の1月4日からは台北と広島を結ぶ直行便が再開される予定になっています。松江にとって重点的に攻めるべき市場である台湾について、中海・宍道湖・大山圏域の観光局とともにセールスを実施するためです。私と宿泊・観光施設事業者が訪問し、現地旅行会社への訪問、商談会の開催、また、特にサイクリングを中心としたスポーツツーリズムに着目し、現地の団体との意見交換の場を持つ予定です。具体的には、最近、サイクルツーリズムという言葉もあり、台湾の方たちが日本にいらして、これは宍道湖をバックにサイクリングを楽しんでいただいたときの写真ですが、台湾ではサイクリングの人気も高いことから、松江でのサイクリングをツアーで組むことの可能性について意見交換等をしていきたいと考えています。さらに、旅行会社への訪問、そして商談会の実施です。松江市が主催の商談会を開催し、観光セミナーを開催し、中海・宍道湖・大山圏域観光局が主催する商談会への参加を予定しています。
   こういった取り組みを通じ、アフターコロナに人の流れが活発化することを見据え、台湾との連携を強化し、経済・産業分野での連携にもつなげていきたいと考えています。

祝NHK紅白歌合戦出場

   松江にゆかりのある2つのバンドがNHKの紅白歌合戦に出場します。1組目が、言わずと知れたOfficial髭男dismで、3回目の出場です。2012年に松江市で結成され、ギターの小笹大輔さんは松江市の出身です。もう1組、初出場のSaucyDogは、2013年に大阪で結成され、ボーカルとギターの石原慎也さんが松江市の出身です。そして、「いつか」という歌の中には、「仰向けになって見た湖」「田和山の無人公園でさ」という歌詞も出てきます。この松江にゆかりのアーティスト2組が今回、紅白歌合戦に出場されます。
  これをお祝いして、松江市内にあります3つのデジタルサイネージに、それぞれ30秒の動画を配信します。場所は、一畑百貨店の立体駐車場の壁面にあるソルクスビジョン、イオン松江の1階の市民サービスコーナー前、市民活動センター(スティックビル)の1階です。放映期間はもう始まっていまして、12月25日から31日までです。ぜひお出かけいただいて、ご覧いただければと思います。
  そして、もう一つ、SaucyDogが来年の1月13、14に島根県民会館で凱旋コンサートを開催します。ぜひ松江市民で「おかえりなさい」というメッセージを届けたいと思っておりまして、メッセージボードを設置しますので、応援の気持ちをしたためていただければと思います。市役所の玄関と、あと松江テルサ1階のロビーに設置します。設置期間は1月5日から12日までとしています。また、このメッセージボードのキックオフイベントとして、1月5日の朝9時半から市役所の玄関で私と、SaucyDogの石原さんが卒業されている松江農林高校の生徒さんが一緒に応援メッセージを書き込む予定となっております。ぜひ皆さんにメッセージを書き込んでいただければと思います。私どもが責任を持ってSaucyDogにお届けする予定です

新型コロナウイルス感染の状況

   令和2年の4月からの感染者数の月別の推移で、12月25日時点で12月は7,835人とたくさんの感染が確認されています。1日の平均感染者数が、12月は313.40人となっており、ピークであった8月の313.55人に迫る数字となっており、非常に感染が増えているということがうかがえます。
   こちらの折れ線グラフは、感染者の推移を1週間の移動平均で見たものです。8月に一つ山を迎えておりましたが、そこから10月にかけて減少しておりました。そこからまた11月、12月と増えている状況でして、今、高止まっていることが見受けられます。
   次に、世代別の感染者数ですが、大きく流れは変わっておらず、やはり多いのが、0歳から9歳、10歳から19歳が非常に増えているということが、最近の傾向としても見てとれます。
   こうした状況のなか、年末年始を迎えます。市民の皆さまに、年末年始にぜひ心がけていただきたいことをまとめましたので、実行に移していただければと思います。
   基本的に新しいことはございません。これまでも申し上げていた基本的な感染防止対策の徹底というのが何より、一番の効果的な対策であると考えております。改めてもう一度繰り返しますが、三密の回避、手洗いなどの手指消毒、人と人との距離の確保、こまめな換気、適切なマスクの着用、とりわけ高齢者や基礎疾患のある方と同居されているご家族、あるいは接する機会の多い方は、特に感染対策を徹底しましょう。また、帰省する前には積極的に検査を受けて、陰性を確認した上で帰省するということも心がけていただきたいと思っております。
   また、ワクチン接種については、手元に既に接種券が届いている方は、受けていただくことができます。感染拡大前に、またこれからの季節、インフルエンザとコロナが同時流行する可能性もありますので、ぜひ接種をご検討ください。私もオミクロンの2価ワクチン接種を、先日、集団接種をしてまいりました。それぞれの年齢に応じた、予約の空き情報については、こちらの二次元バーコードからアクセスすることができます。また、接種券の再発行、集団接種の予約等、電話でも受け付けておりますので、こちらのコロナワクチンコールセンターにご連絡ください。
   そして、発熱等の体調不良に備えた準備をしておくことが肝要となります。準備をお願いしたいものの例としては、市販の抗原定性検査キットで、これは「体外診断用医薬品」または「第一類医薬品」と表示されたものをお選びください。また、発熱に備えて解熱鎮痛剤、あるいは食料品、生活必需品なども、事前にご用意ください。
   そして、発熱等の症状がある場合、例えば小学生以下のお子さん・妊婦の方・基礎疾患のある方・65歳以上の方といった重症化リスクの高い方、あるいは症状が重い方については、まずかかりつけの医療機関などを受診してください。なお、受診の際は、事前に電話連絡のうえ、医療機関の指示に従って受診してください。かかりつけの医療機関がない場合は、健康相談コールセンターにご相談ください。
   そして、重症化リスクの低い方、受診を希望されない方は、抗原定性検査キットによる自己検査を行いましょう。仮に自己検査で陽性となった場合は、しまね陽性者登録センターに登録したうえ、自宅での療養となります。しまね陽性者登録センターは、基本的にウェブサイトでの登録となります。もし難しい場合は、健康相談コールセンターにご相談ください。
   また、抗原定性検査キットによる自己検査をするときの注意点です。まず、1つ目が、「体外診断用医薬品」あるいは「第一類医薬品」と表示されたものを使用しましょう。「研究用」というものは正確な結果が出ないおそれがございます。検査を行う前には、取扱説明書をよくご確認ください。
   また、自己検査で陽性となった場合は、先ほどのしまね陽性者登録センターへの登録をお願いします。このときに用意していただくものは、陽性反応を示したキットの写真、これは使用したキットの判定時間内のもので、氏名・撮影日を分かる形にしてください。また、使用したキットの名称が分かるもの、箱や添付文書などの写真というのもご用意ください。なお、検査結果が陰性の場合でも、引き続き感染対策の徹底はお願いします。
   そして、今回、改めまして、「体調不良を感じたら休みましょう運動」を松江市医師会と一緒に展開したいと思っています。小・中学校はもう冬休みですが、1月になり、正月休みも終わり、通常の生活がまた戻ってきましたら、この運動を展開していきたいと思っています。市民の皆さま、事業者の皆さまへのお願いです。熱、喉の痛み、せきなど、少しでも体調に不安を感じたときには、学校、幼稚園、保育園や仕事を休む。受診を希望される方や重症化リスクの高い方は、かかりつけ医など医療機関に相談する。そしてまた、先ほどの無症状や症状の軽い方は、抗原定性検査キットで検査を行った上で登録センターに登録するといったことを改めて心がけていただければと思います。重点運動期間としましては、1月から3月までとし、ポスターの掲示等を行いますので、ぜひ意識的に心がけていただければと思います。

質疑応答

(共同通信)コロナについてですが、新しい対策は特にないということでしたが、行動制限をしないという方針も変わりはないですか。

(上定市長)はい、何らかの行動制限を年末年始にかけて行うことは考えていません。

(共同通信)年末年始になると、病院も休みとなると思いますが、この基本的な感染対策の徹底で、年末年始も乗り切っていきたいということですか。

(上定市長)おっしゃるとおりです。

(共同通信)マイナンバーカードですが、松江市の交付率、取得率は、それぞれ直近でどれぐらいですか。

(上定市長)申請率は7割を超えていますので、全国平均を上回っている状況ですので、ある程度皆さん、マイナンバーカードに対する意識を持っていただけているものと認識しています。

(共同通信)今回の郵便局委託を経て、目標値を決めていらっしゃいますか。

(上定市長)目標値を決めているわけではないです。郵便局と協議する中で、どうしても申請をする際に距離があるというところが、特に高齢の方がなかなか申請できない理由と聞いておりましたので、郵便局と今回連携し、新たな申請の拠点をつくったという形になります。

実際にどれぐらいの方が利用されるのかというところが、計画値としてあるわけではないので、まずは距離が物理的に離れていて、今まで申請をしたかったけれどもできないという方がいらっしゃると思われる地域において試行し、ある程度の結果が見えてくれば、それに伴った形で、数を増やすなり、期間を少し延ばすなりといったことは検討していきたいと思っております。

(山陰中央新報)台湾の訪問についてですが、いずれも台北市ということでよろしいですか。

(上定市長)台北市に伺いますが、台中にも伺い、特にサイクリングコースなどもありますし、松江市主催の商談会については地元の旅行会社にアレンジをお願いしていますが、台北だけではなくて台中にも市場があるので、そちらにも伺う予定です。

(山陰中央新報)2回目は台北市と台中市で、1回目は。

(上定市長)これは台北市となります。

(山陰中央新報)単独で行かれるのは初めてですか。

(上定市長)2月のときに、単独では初めてとなります。

(山陰中央新報)松江市がボタンを縁に交流促進の覚書を結んだのが何年でしたか。

(上定市長)平成26年に締結しています。これが、コロナの間に期限切れを迎えてしまい、期限切れになる前から、もう一度という調整はしていましたが、なかなかかなわずに期限切れを迎えてしまったものを、今回、10月に何とか巻き直したということがあります。台北市の市長が柯文哲さんという方でしたが、今回替わられ、1月に赴くときには、新しい市長となります。あえて「覚書内容の確認」とうたっていますのは、10月に締結していただいた内容を踏襲し、今後も連携を深めていきましょうということを決起集会的に合意する場と考えておりますので、もう一回行く必要があるという認識を持っているところです。

(山陰中央新報)では、単独で松江市とは結んでないということですか。

(上定市長)単独ではないです。もともと単独で結んでいたものを、圏域を広げて、内容も広げたという状況です。

(山陰中央新報)来年1月4日の台北-広島便というのは、広島空港の台北便ということでいいですか。

(上定市長)そのとおりです。広島と台湾の桃園空港との直行便になります。

(山陰中央新報)年末最後ということで、この一年、市長、どんな年だったとお考えでしょうか。今年を漢字一文字で表すと何でしょうか。

(上定市長)漢字で今年一年を振り返ります。今年一年を振り返ったときに思いつく漢字一字は、「起」。起きる、起き上がる、起動する、起床するの「起」ですね。今年一年、丸山知事もおっしゃっていましたが、第六波に始まり、今も第八波の真っただ中にある、そういう波が起きて、しかも非常に起伏の激しい、起伏に富んだ、山あり谷ありの一年だったと振り返っています。

ただ、同時に、ここ2年できなかったこと、3年ぶりという表現が今年はよく出てきたと思いますが、松江でも、例えば松江水郷祭、松江水燈路、松江祭鼕行列、国宝松江城マラソンといった、たくさんの方に集まっていただいて楽しく過ごすイベントが復活、再起することができました。再始動することができた一年であったということも忘れてはならないと思います。

我々、今もコロナの真っただ中にあるわけですが、その中で重要なのは、やはり感染予防と社会経済活動の両立、これからウィズコロナだと思いますので、その中で、いかに我々のような20万人という中核市の規模の中小都市が存在感を発揮していくかということは、知恵を出していかなければ、なかなか今後の未来は見据えられないと思います。その意味でも、来年、2023年を一つの新しい起点、スタートとし、例えば起業・創業の支援など、再起にかける方のチャレンジをまた促すといった、我々として歩みを進められる、松江市全体の歩みが進んでいく年にしていきたいと考えています。非常に色々な起伏に富んだ中でも再起して、再始動していくという明るい兆しが感じられた一年だったなと振り返っています。

(NHK)コロナについてですが、行動制限などを設けずに基本的な対策をして乗り切っていくということだと思いますが、おそらくコロナ禍になって一番人の動きが激しい状態で迎える年末年始になるのかなと思います。昨年末も帰省とかはできましたが、今回は旅行需要的なところもかなり人の動き増えていて、感染リスクは、今までにないぐらい高い状況であったりすると思いますが、感染対策とのバランスをどのように受け止めていらっしゃいますか。

(上定市長)今、感染がかなり広がっている状態ですが、先ほども見ていただいたように、19歳以下の方の感染、要は学校での感染というのが非常に多くなっている状況が、冬休みに入るまで見受けられました。冬休みに入ってから、多少ですが減少の傾向はありまして、それは冬休みということも非常に大きな要因だと捉えています。ですので、学校が休みということで感染が広がらない反面、人の流れがかなり出てきますので、その中でいかに感染の防止を図っていくかということは問われております。

もう一つが、これは不幸中の幸いとでもいいますか、重症化される方が必ずしも多くない状態です。先ほどリスクの高い方を紹介しましたが、そういった方が感染防止対策を徹底していただいているということもあると思います。それは引き続き、ぜひお願いしたいということと、何か端緒が見えた方、少し体調が悪いという方は、できるだけ積極的にお休みを取り、感染を広げないという努力をしていくということが、今までの皆さんの経験の中で少しずつですけども、生活の一部となってきている面はあると思います。それをさらに今回徹底すべく、先ほどご紹介したような運動をぜひ展開していきたいと思っています。いずれにしても、今回の人の流れが増える局面であっても、重症化する方が少なく、医療の逼迫を予防するという意味でも、それぞれの自己管理が必要になると思います。

また、検査キットを自分でできるだけお試しいただいた上で行動につなげていく、安心して皆さん行動していただくといったような心がけですね、これは今後も徹底していく必要が出てくると思います。感染がゼロになるというのは、なかなか考えにくいので、そういった一人一人の心がけが、感染の山を乗り切って、また穏やかな生活を取り戻していくためには、どうしても積み重ねのたまものということになると思いますので、行政としても徹底していきたいと思っているところです。

(NHK)ここまでしっかり運動というのは初めて見ましたが、働いている身として、より体調不良を表に言いづらい空気になっているという不安感のようなものもあると思いますが、どういう狙いを持ってなのかというところを改めて教えてもらえますか。

(上定市長)例えば、何人かの方が働いていらっしゃる職場があったとすると、そこに感染が入り込んで蔓延してしまってからでは、企業活動自体ができなくなるおそれがあります。個人個人が心がけて、しかも職場として休みやすい職場になっていくことで、その企業自体が持続可能な経済活動をできる主体になると思います。この話は商工会議所にもさせていただいています。実際、企業活動を営んでいく上で、従業員の方が休みやすい環境を整えることが、結果的にその企業にとっては、一斉にみんなが来れなくなって企業活動ができないという状況を防ぐ意味があるので、市民の皆さんの心がけもそうですし、地元の事業者の皆さんに対してもお話をさせていただいて、その上で休みやすい環境づくりということを心がけていただきたいと思っております。

(NHK)台湾の訪問についてですが、そもそもなぜ台湾なのかというところを改めてご説明願いたいのと、インバウンドという部分は分かりますが、産業面での連携というところで、一体どういう部分で戦っていけるというか、強みだと感じていらっしゃるのかというところを教えてください。

(上定市長)そもそもの松江と台北とのつながりというのはボタンでして、ご存じのとおり、中海に浮かんでおります大根島、八束町はボタンの産地で、松江で取れるボタンは全国で一番生産量が多く、そのボタンを、富貴の花として中華系の皆さんからは非常に評判が良く、珍重していただいております。特に、春節前建国花市というのは旧正月にやる花のイベントですが、こういった旧正月にきらびやかな飾りつけをしたり、花火や爆竹を鳴らしたりと、中華系の方というのがそういったイベントを開催される時期なものですから、それに合わせて中国や台湾に対してボタンの輸出というのを始めておりました。そして、台北で世界花卉博覧会という博覧会があったときに、ボタンを出展し、世界の方から日本のボタンはすごくきらびやかですばらしいという評判をいただきました。その後、台北市の副市長がそのお礼に松江にいらっしゃり、その辺りから台北との縁が深くなり、平成26年に、連携協定を締結しています。ボタンは、旧正月の時期に咲く花ではなく、徹底した温度管理をして開花の時期を調整する技術も非常に高いものがあるので、台北にしてみると、松江との縁をしっかりつなぎたいということもあって、平成26年にまず協定を締結しました。その後、実際に交流もしており、観光でもインバウンドで台北の方はかなり来ていただいていました。ただ、コロナでそれが鎮静化している状況を打破すべく、今回、もう一回巻き直しを図るということになります。

観光とか物産面というのは、今までも蓄積があるところですが、ご指摘のとおり、産業面での連携というところについてはこれからです。台北というのはデジタル化が非常に進んでおります。例えば今後、半導体のメーカーが熊本に大きな工場を設けられたりとか、パソコン機器だとか、そういったものも非常に進んでいます。松江には、Rubyというプログラミング言語があり、今、それを起点とするような起業エコシステムもつくり、IT産業の振興を図っています。実際、そのRubyというのを起点として40社ぐらいの新規の立地があり、そういった企業がつながることによって松江の潜在性を、ITあるいはデジタル産業の潜在性を高めていくことができると思っていますが、そこにITで進んでいる台北との連携がかみ合うことで海外にも扉が開き、そして技術レベルの向上であったり、マーケットの拡大だったり、そういったものがもたらされると考えておりまして、まだ具体的に始まっているわけではないですが、そういった取り組みについて、台北市側と積極的に検討してまいりたいと考えています。

(読売新聞)先ほどの体調不良を感じたら休みましょう運動ですが、これ重点運動期間が令和5年1月から3月となっていますけど、1月1日から3月31日っていうことでよろしいですか。

(上定市長)そのとおりです。

(読売新聞)重点ということは、呼びかけとしては、この期間の後も行っていくという理解でよろしいですか。

(上定市長)今までも行っていたつもりですが、この重点的にやっていくということをわざわざ標語にしてポスター作ってというところまではやっていませんでした。今回1月から3月にしっかりそういった意識を浸透させること、皆さんの気持ちの中に浸透していくということをまず目標に、やっていきたいと思っています。それが3月までのところでコロナの状況が落ち着く、あるいはこういった精神が浸透していったかどうかを見て、また4月以降の対応は決めたいと思っております。

(読売新聞)裏を返すと、これまで浸透してなかったという認識ですか。

(上定市長)浸透していなかったからやるというよりは、さらに浸透させていくということです。実際、私もサラリーマンをやっていましたが、体調が悪くても仕事があるときにはどうしても出勤したいモードになるというところがあると思います。ただ、感染症の場合は、根性で出て仕事をこなして、よくやったという評価とはちょっと異なり、ほかの方に迷惑をかける可能性があるといったところについては、もう一回着眼し直すべきだと思います。働き方改革等の流れもありますので、いま一度、普通の風邪とはちょっと違う、やはりコロナは感染症として一人一人が心がけなければいけないといったところの意識を浸透させていきたいという思いです。

(読売新聞)2020年の初めからだったので、もう間もなく3年ぐらいになりますが、なぜ今なんでしょうか。

(上定市長)感染自体がかなり増えている状況の中で、市役所職員もみんなオール市役所として、どういった形で感染の拡大を予防していくのかということを、非常に頭をひねってやっています。関係各者ともいろいろ話をしながらオール松江市としていかに取り組んでいくかということを、医師会等とも話をさせていただいています。10月に七波が底を打っていたところからの急激な、感染者数の増加という局面を踏まえて、対策を取るべきことは全て取っていこうということで、これまでももちろん心がけていただいた事業者さんもいらっしゃると思いますが、さらに今、注意喚起をしていくべき時期と判断して、今回、この運動に取り組むことを決めたものです。

(読売新聞)実際には、ポスターを作るというお話をされてましたけど、ポスターを作って、どういうとこに貼るのか、ポスターを貼る以外に何をなさいますか。

(上定市長)関係各所にお話はしております。例えば商工会議所とか労働局とか、我々が今までも一緒に取り組んできている皆さんに周知をすべく、まずポスターを作って掲示をしていただくというところと、もちろんホームページ等での広報もできる限り行い、皆さんの目にできるだけ触れるように、繰り返しになりますが、市民の皆さんの個人としての意識もそうですし、事業者の皆さんですね、経営者側、雇主側の皆さんにもそういった意識を持っていただくように、できるだけたくさんの方に実践していただけるような運動にしていきたいと思っております。

(読売新聞)それを医師会と連携してやるということですね。

(上定市長)そうですね。

(読売新聞)「うちとるべし!コロナ危機」という侍の絵がありましたけど、これはどういったものですか。

(上定市長)前から使っているもので、うちの職員が作ったものです。松江とコロナ危機を少し掛け合わせて、ポスターとして普及啓発のために作ったキャラクターですね。

(山陰中央新報)県の市長会のほうで、パートナーシップ制度のときに、県に先んじて検討しているというような発言をされたと思います。パートナーシップ制度の導入を松江市でも考えられているということでよろしいですか。

(上定市長)はい、検討しております。

(山陰中央新報)県に先んじてというのは、県より先に松江市で導入するという考えですか。

(上定市長)県が今回検討されるというのが、恐らく山陰中央新報さんに載ったかと思いますが、それより前から実は検討はしておりまして、県とは連絡を取りながらやらせていただいております。

(山陰中央新報)9月議会で担当の部長が答えられたときは、やや後ろ向きな印象でしたが、そのときにはもう既に検討されていたという理解でよろしいですか。

(上定市長)そうです。何か後ろ向きというつもりはなくて、もちろん検討を進めていくので、色々な意見を取りまとめて、最終的にいつの段階で、例えば制度として確立するかというところが今見えているわけではないですね。昨日申し上げたのは、県のほうで検討を進められていて、ご協力をお願いしますということでしたので、それぞれが別々に、例えば統計データを取ったり、同じように市民・県民アンケートをしてももったいないので、一緒にやっていきましょうということを申し上げたところでして、議会において質問があったときにも、もちろん検討は進めている途上ですので、今何か結論があるわけではないですが、意見の集約がうまくいけば、それに合わせて、またリリースさせていただこうと思っています。

(山陰中央新報)具体的な時期とか、どういう内容の制度になるかとかは、まだ決まってないということですか。

(上定市長)まさにそういったところを今、調整、検討しているということですね。

(山陰中央新報)先ほどの質問に関連して、これから考えられるということですけど、可能性として考えられるものはどういったことがありますか。

(上定市長)県からも昨日提示がありましたが、夫婦であることによって受けられているような、市営住宅の入居もそうですし、具体的に色々なサービスを網羅的に検討していく必要はあると思っています。もともと検討を始めたのも、市民の方からそういった、今、多様性、そもそも扱いが違うということ自体がいかがなものかという問題意識をいただいております。我々は、少し大きな話ですけど、SDGs未来都市の申請も来年はしていきたいと思っておりまして、その中で、もちろん多様性の概念も一つの要素としてありますので、色々な方に自由な発想でクリエイティブにチャレンジができるようなまちにしていきたいという思いがある中で、そのリクエストにお応えできるようなまちになっていくということを標榜しており、そういった精神面も含めて、具体的に手続が楽になる面であったり、あるいは松江市自体が多様性に富んでいて、いろんなチャレンジができるんだと思ってもらえるようなまちにしていく一つの手段として考えているところです。

(山陰中央新報)台北市への訪問ですが、市場調査とは具体的に言うと、どういったことをされますか。

(上定市長)「食品メーカー」を挙げていますが、日本の優れている、例えば食品であったり環境分野であったり、そういった取り組みについて連携できる余地がないかというのを今後調査していく必要があると思います。これを市として主体的にするものだけではなくて、今回、商工会議所等が中心となって、具体的な企業も行く予定ですので、ビジネスマッチング的なことができるか市場の潜在性だったり、ビジネスマッチングは、お互い強み、弱みがあって、そこが補完できるかというところもであるので、最終的にはどうしても個別企業の話になっていきます。じゃあ食品分野で何か提携できる見込みがありそうなのか、環境分野ではどうなのかなどを現地でのヒアリング等を通じて、その潜在性、ポテンシャルを解き明かしていくというようなことを今回できればと思っております。いずれにしても、今回、これ1回で何か全てが結実したり、結論が出るものではないと思っており、いろいろな出会いがあると思いますので、経済団体の訪問というのは、先方にもそういった経済団体がありますので、経済団体同士で話をして、その後、個別の企業のまた商談につながっていくと思います。どこの分野がやりやすいものなのかということをちょっと確認する、まずはスタート段階と思っています。

(山陰中央新報)インバウンドを取り込む中で、一番の効果策が直行便だと思います。県営空港ではありますが、松江市としても、その辺りの誘致に向けて、何か動かれるお考えはありますか。

(上定市長)ぜひ島根県と一緒にやっていきたいと思っています。例えば、台北では道後温泉はとても浸透しています。これは、台北市の少し北に松山空港という空港があって、松山空港と愛媛県の松山空港で直行便があります。温泉祭という祭りの際には、そのときには何百人規模で道後温泉の方が台北に出かけてPRされていて、実際、その効果があって、多くの方が道後温泉に台北からいらっしゃっており、直行便があるということは、非常に大きな強みだなというのを感じるところです。

先ほども申し上げたとおり、広島への直行便が今回復活しますので、外国人の方はそこから500円、ワンコインで松江にまで来ていただけるので、まずはそういった誘客は今からすぐにでも取りかかれますし、台北に行った際には、広島まで来たらすぐですよという案内をしつつも、やはり直行便、これは台北に限らずですが、また米子も今後いろいろ復活していくとは思いますが、そこから松江に来ていただくという流れをつくり出していきたいので、その辺りは県と一緒になって取り組んでいきたいと思っております。

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