市長定例記者会見【質疑応答】
(山陰中央新報) 一畑バスの関連でいつ頃、発表いただけますか。
(上定市長)年明けの早い段階で対応策を示したいと考え、最後の調整をしている最中でして、来週前半にも改めてお集まりをいただき、アナウンスしたいと考えています。
(山陰中央新報)対応策を協議されていると思いますが、現状でのお考え、代替策の方向性をお願いします。
(上定市長)地域交通というのは、市民の皆さまが生活を営む上で欠かせないものだと認識しています。特に松江市の場合は市営バスもありますので、地域公共交通計画を年度末に向けて作成しています。一畑バスの路線廃止についても、市民の皆さんへの影響が最小化されるように我々としても調整しており、一定の見通しが立ちましたので、来週前半には皆さまにお知らせできるように最後の調整をしているところです。
(山陰中央新報)今月末に高校入試の願書の締切りの時期を迎えますが、廃止の方針が示されたのが11月で、市の検討状況、スピード感というのを今改めてどのように見ておられるかをお願いします。
(上定市長)速やかな検討を進めています。松江市のみならず市域をまたぐ路線もありますので、他の自治体との調整も重ねていますし、一畑バスとの協議も行っています。1月29日から県立高校の願書の受付が始まりますので、そこに間に合うように早めに検討していかなければならないという思いで年末から取り組んでおり、その調整が最終局面を迎えているという状況です。
(山陰中央新報)廃線によって進路を考え直さないといけないような生徒さんもいるかもしれないですが、そういった点も踏まえて対応されるということで、そういった受験生の方に市長としてメッセージがあればお願いします。
(上定市長)受験も最終局面だと思います。ここからまたぐっと学力が伸びる時期ですので、最後まで諦めずに前向きに勉強に取り組んでいただきたいです。皆さんが心配なく通学できるように必要な努力を松江市としても当然積み重ねており、来週の早い段階でまたお話をさせていただきます。その内容が皆さんが勉学に集中していただけるような内容になればと考えています。
(TSK)14日に県内唯一のデパート一畑百貨店が閉店し、既に市のほうはデザイン会議において今年秋に向けて具体的なプランをまとめる方向で進められていると思います。閉店日に一畑百貨店の錦織社長から、売却と賃貸の両輪で交渉を進めているというお話がありました。デザイン会議での議論の途中ではあると思いますが、現時点で売却もしくは賃貸に関して、どちらの手法が駅前の発展に対して望ましいとお考えですか。
(上定市長)土地と建物の所有者である一畑電鉄さんなり、一畑百貨店さんなりが判断される事項ですが、松江駅前の一等地で長きにわたって百貨店事業を営まれた場所ですので、そこのにぎわいの灯が1月14日に一旦消えてしまったわけですが、これが長引かないように周辺から守り立てていく必要があると認識しています。昨年の12月26日に松江駅前デザイン会議を立ち上げ、官民一体で検討してまいります。今年の秋までに結論を出す予定で、その議論に私も参加し、具体的な検討を進めていきたいと考えています。賃貸と売却については、中長期的に考えていく際に検討が必要と思っています。にぎわいの灯をまたともすということであれば、言葉があまりよくないかもしれませんが、手っ取り早いのはやはり今の建物をうまく利用する形で、一定の改修等は必要かもしれませんがテナントに入っていただき、賃貸で事業を営めるところがないかというのが1点。ただ、中長期的に捉えると、駅前のビル自体もともとはジャスコ系のピノというのがあり、一畑百貨店が殿町から移ってきたという経緯もあって、これから何十年と持続できる建物ではないようにも見え、建て替えも検討されるのではないかと考えています。土地と併せて売却について検討されているというところは理解できますし、そうなると取得された方によって大きくまちの形が変わることが想定されます。松江駅前にどういった機能が必要なのかとか、あったらいいのかということについて、まさに松江駅前デザイン会議で議論を始めているところです。賃貸借、売買についても今後出てくると思いますので、それに合わせる形でデザイン会議の議論とシンクロしながら、デザイン会議は基本的には松江駅前にどういった機能が必要かというところになりますので、地権者の方にこうしてくださいという何か権限を持って発動するような場ではありませんので、その辺りは地権者の方にも協議をしながら、具体的なまちの形を考えていきたいと考えています。
(TSK)市長として中長期的な目線を持つことが必要というお考えの下、今の建物はやはり売却の形で新しい何か建物なのか、もしくは広場といった運用のほうが望ましいのではという認識ですか。
(上定市長)売却という言葉が第三者に譲渡するという意味を持っているので、売却という言葉を使わずに考えると、現状をうまく使いこなすことも必要ですが、中期的に見たときにはビル自体の建て替えが必要になってくる時期をどこかで迎えるので、それを見据えた形で計画をつくっていく必要があるという認識です。短期的に見たときには今のビルの活用、中期的に見たときには今のビルでない建物や土地を前提として、松江駅前にどういった機能を求めていくのかという検討を始めたところです。
(TSK)中長期的に考えると売却して新しいものができるというところには賛成というお考えですか。
(上定市長)所有者の一畑電鉄さんからお聞きする限りは、そこに新しいものを建て直してという話には今至っていないので、そうすると今の建物が古くなれば結果的に土地も含めた売却が必要になってくる可能性が高いだろうと見ています。それを見据えた上で、松江駅前の利活用について考えていかなければいけないという問題意識を持っています。
(TSK)知事公舎の活用策について、県庁内でアイデアを募集したところ具体的なものが出ず、市にアイデアを募集するという話があります。現時点で、こういった活用がいいのではないかといった考えがあれば教えてください。
(上定市長)今の段階で何か具体的に決まっているわけではありませんが、近いところで私も視察をさせていただこうと考えています。その上で、松江の中心部にある知事公舎になりますので、地元で活用できることがあるかどうか、速やかに検討を進めていきたいと思っています。
(TSK)県が所有している建物の活用策を松江市側に投げられるということに対し、市長としての受け止めをお願いします。
(上定市長)丸投げされたという認識はなく、県知事の公舎ですが松江市に立地していますので、いいお話というか、いろいろ検討してみたいと思い前向きに捉えています。
(TSK)松江市内の高層マンションの件で、一部団体からは市が土地を取得してほしいといった要望もあります。市の条例では問題ないという認識も示されていますが、そういった要望に対して、どのように受け止めて、どういった対応が必要とお考えですか。
(上定市長)民間の取引ですので、行政がどこまで介入するのかというのは限界的なところもありますし、市民団体から要望があることについては認識しています。景観審議会で議論され、山の稜線にかかるかどうかという基準で高さ制限が松江市の景観の規制の中にあり、それには抵触しないことは確認した上で、一方でよりふさわしい色彩にするような答申が出ています。それを踏まえて我々から事業者に対してふさわしい色彩にするようにお伝えするとともに、市民団体の皆さんの動きがありますので、事業者として必要かつ十分な説明を尽くして理解を得るように努められたいというようなことについても我々から文書で申入れをしています。事業者の方と市民団体なりそういった声をお持ちの方との調整というのが基本にはなると思いますが、その過程において行政として何らか調整役を買って出る必要があれば、能動的に動いていくこともあると認識しています。
(TSK)調整役を買って出る必要があるということですが、土地の取得の必要性というのはその調整役の中に含まれるものですか。
(上定市長)さまざまな可能性を考えていく必要はあると思いますし、調整をする過程でいろいろなご意見も出てくると思います。事業者の方のお考え、例えば売却という話をしたときに、値段の話ももちろん出てくるでしょうし、その意向が実際に示されるかどうか、強引に土地収用のようなことはあり得ませんので、そういった点は確認していかなければならないと考えています。市民団体からも、先般要望書という形でいただきましたので、我々も検討した上で市民団体の皆さまと協議をしていくということも必要に応じてやってまいります。
(TSK)すぐに購入とかではなく、両者の意見の調整をまず必要であれば進めていきたいということですか。
(上定市長)そうですね。仮に土地の購入ということになると、当然財政負担もありますので、議会も含めて協議が必要になってきますので、今後検討を進めていきたいと考えています。
(時事通信)能登半島地震の関連で、今回の地震が半島部で発生し、被災地への陸路のアクセスが1方向に限られ支援が遅れるということがありました。松江市でも島根半島を有していて、さらに島根原発の原子力災害が発生する可能性もあるかと思います。この半島部での被災について改めて認識したことですとか、災害に備えての今後の対策についてのお考えをお願いします。
(上定市長)能登半島での対応を参考にしながら今後の備えをしていくことが必要だと考えています。現地にも職員を派遣していますので、地元の声なども聞きながら必要があれば松江市の計画の見直しであるとか、備蓄の内容の見直し、孤立集落が発生したときに実際にどれぐらいの備蓄品、どういった種類が必要だったとか、そういったことは大いに参考にさせていただき、万が一のときに備えた対応というのを充実したものにしていきたいと考えています。コロナ禍など非常に難しい局面を乗り切ったということ、乗り切っただけではなくてそれを糧にして次のステップにつなげていくことが必要であり、求められていると思いますので、しっかりと今回の震災についても我々でも受け止めた上で次の対策を検討していきたいと考えています。
(NKT)珠洲市の市長と1月3日に電話で話され、その後の支援についてのお話はされていますか。
(上定市長)具体的な支援については、全国市長会や全国知事会等の割当てがあります。能登半島に近い自治体かつ大規模な都道府県あるいは政令指定都市などの組織として大きなところに支援要請が来ているというのが実情としてはあります。離れている自治体にも順番で声がかかって支援をするということになると思います。松江市にもそういった全国市長会の割当てとして支援要請が来ているわけではなく、姉妹都市としての関係がありますので、ぜひとも支援したいという話を珠洲市を支援する自治体の代表の浜松市さんにも連絡を取り、今回枠組みに入らせていただいてます。今回の罹災証明の支援は主体で行われている千葉市さんと一緒にやっています。今後、必要な支援のニーズが変わってくると思いますので、それに合わせて支援をしてまいります。珠洲市は人口1万2,000人で、発生当初は6,900人の方が避難をされています。人口の半分以上の方が住める家を失い、珠洲市役所の職員の方も多数被災されており、出勤して業務を行うことが難しい状況です。珠洲市の状況をきちんと見極めた上で、必要な業務もいろいろ変わってくると思いますので、できるだけ柔軟に、資格が必要な場合などもありますので、そういったニーズに対応する形で職員を派遣していくということが基本だと考えています。
(NKT)2月1日以降のスケジュールはいかがですか。
(上定市長)予定としては三次派遣の予定も組んでいますが、状況が変わる、あるいはすでに派遣している職員の確認で、こういったところもできるのではということがあれば、その状況に応じて対応したいと考えています。
(NKT)島根半島とは半島の規模感は違うと思いますが、なかなか復旧が進まない現状について、どのように受け止めていらっしゃいますか。
(上定市長)道路インフラが復旧していくことによって、例えば仮設住宅の建設などもどんどん進んでいくと思いますし、道路が復活し、給水ができる環境になれば復旧は加速度的に期待できると思います。もちろん仮設住宅を建てることがゴールではありませんから、まちが復興していくプロセスには東日本大震災がそうであったようにかなりの時間を要することになろうかと思います。一般論ではありますが、復旧復興のための支援は日本全体でやっていく必要があると思います。松江市は珠洲市と姉妹都市の関係がありますが、それにかかわらずこの難局を乗り切るためにオールジャパンとしてやっていく必要があると認識しています。
(山陰中央新報)知事公舎の活用の件で、方向性としてはいかがですか。観光資源としても何か可能性があるだとか、その辺りの所感がありますか。
(上定市長)まだ自分で手触り感も持っておらず、自分で見てみる必要があるのと、思いつきでやる話でもないと思いますので、市民の皆さまあるいは松江市を訪れていただける方にとってどういった価値を生み出せるのか、どういう地域資源になり得るのか、大規模改修して全然違うものにする、あるいは更地にしてというところまで今考えているわけではないので、現状のものをどう生かすかという観点でまずは捉えてみたと考えています。
(山陰中央新報)松江市は橋が非常に多く、かなり古い橋もあるので、その辺りもちょっと見直していく必要があると思いますが、いかがですか。
(上定市長)当然ですが、橋や道路はいずれも定期的な点検を管理者がやっていますので、今直ちに危険な状況にあるということはございません。今回の地震でも、交通インフラ、道路インフラ等が整っていることが避難をする際にも必要になってくるというのは認識を新たにしているところがあります。インフラ整備については今回の能登半島地震も踏まえた上で必要があれば来年度、再来年度等の予算に盛り込んでいくということも必要だと思います。また、島根県あるいは全国市長会等を通じて国に対する要望の必要もあると考えています。
今、非常に困難な時期を迎えていますので、国からの割当ても能登半島中心にやっていくべきだと思いますし、そうした状況をきちんと見た上で、次に松江市として防災の観点から能登半島地震を踏まえて取り組むべきものについてもしっかり要求していきたいと考えています。
(TSK)一畑バスの廃止後の対応策は来週早いところで発表ということですが、その代替策としては乗合バスであったりAIデマンドバスなどが候補に挙がってきている状況でしょうか。
(上定市長)今、具体的に言えるところはありませんが、調整は最終局面にあります。代替措置が必要なものについては市民の皆さん、通学されている学生の皆さんに安心していただける内容を提示させていただきたいと考えています。
(TSK)ふるさと納税の代理寄附の業務は松江市だけが担当しているということですか。
(上定市長)「ふるさとチョイス」のホームページに掲載されていますが、ほかにもふるさと納税の代理寄附受付をしている自治体はあります。
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更新日:2024年09月10日