市長定例記者会見【質疑応答】
(日経新聞)玉湯のバイナリー式発電の調達のめどが立ったということで、いつ頃稼働の予定ですか。
(上定市長)こういった脱炭素の取り組みはできるだけ早く進めたいと考えていますので、準備ができ次第進めていく予定です。バイナリー発電の設備については、着工を順調にいけば夏前ぐらいにと考えており、通常の設備の施工からすると来年度末あたりに竣工という見立てです。
(日経新聞)市長は資金調達などのプロだと思いますが、市債の発行などで工夫がございますか。
(上定市長)昨今、いろいろな自治体で、例えばグリーンボンド、環境に対する取り組みを推進するための起債なども行われております。ただ、基本的には、ある程度の規模感がないと調達するコストが賄い切れないというところもありまして、いろいろ検討はしていますが、何か今回新しい債券の発行などの予定はありません。一方で、国の出している新しい施策、今回の補正予算も含め、有利な財源が使えるものもありますので、そういったところはしっかりアンテナを張って、各省庁との交渉も進めてまいりたいと考えています。
(山陰中央新報)当初予算を編成されて、人件費だとか大型事業の普通建設費が上がっていますが、それ以外にも、職人商店街など施策の柱として据えているものが多々あると思います。今回編成されるに当たっての、お考えやご苦労をお願いします。
(上定市長)少子高齢化、人口減少を迎える中で、扶助費も含めて義務的経費と言われるようなもの、社会福祉や子育て支援などに使うための予算が増えてきています。あわせて人件費もかさんでおり、令和5年度の当初予算からもかなり大きく膨らんでいる状況にあります。加えて、公債費、債券を償還いわゆる借金を返していくための費用になります。そういったものがかさんでくる中で、新しいことを進めていこうとしても、なかなか財政的に厳しい状況にあります。だからといって、守りに徹しているだけでは、今年はいいかもしれませんが、5年後、10年後の松江の未来が非常に語りにくくなりますので、そのための、種を植えて水をやってということはしっかりやっていかなければならないと思っています。市役所の中で議論を重ねた上で、新規に織り込んだ内容については、「MATSUE DREAMS 2030」との整合を図りながら、ある種、積極果敢に積み上げた、守りと攻めのバランスを意識するのに苦労した予算であったと思います。今後、議会でお認めいただいて初めて成立しますので、その辺りも説明責任をしっかり果たしていきたいと考えています。
(山陰中央新報)予算額が過去最大ということ、財調からの切り崩しもかなり多額であることについて受け止めをお願いいたします。
(上定市長)財政調整基金と言って、ある種、貯金をしている部分ですが、これは民間企業でもそうだと思いますが、景気がよくなってきている状況に株価的にはあり、物価が高くなっていますが、収入のほうがまだ追いついてきていない状況にあるかと思います。これは行政も同じで、企業の業績がどんどんよくなれば、税収が増えてくるはずですが、まだそこまでの見立てが立っておりません。予算を計上する上で、ある種、固めに組む必要があり、どうしても収支を合わるために、貯金部分の取崩しというのも必要で、今回、実際に貯金の取崩しをして組んだ予算ということになります。先ほど種まきという表現をしましたが、企業業績を上向かせていく、市民の皆さんも含めて新しいチャレンジを重ねていけるような組立てをしているつもりです。短期的な目線にならずに、中長期的に考えたときに、ここで財政支出をすることによって、その効果が発揮されるような、そういう見立てを置いた予算組みにしています。
(山陰中央新報)今後も、体育館の整備・庁舎の整備など大型事業で、普通建設事業費が増え施策とのバランスが問われると思いますが、長い目で見た、市長のお考えをお願いします。
(上定市長)行政だけで、これまでのように資金をできるだけ効率的に使っていこうとしても限界がありますので、松江市総合体育館については、島根スサノオマジックのメインアリーナとしての利用を前提として、民間企業からの企業版ふるさと納税を募ることになりますし、4月にリニューアルオープンするプラバホールも、さんびるさんのネーミングライツで300万円の3か年、900万円という、松江市としては初めての仕組みを導入しました。コストの削減に努めていくのは、当然必要ですが、それ以外にも、民間企業との協調等によって、財源を確保し、また新たなことをやる際に、知的な面も含めて、官民の連携によって、解決しにくい問題についても挑戦してまいりたいと考えています。駅前についても検討を進めていますが、松江がそういったチャレンジできるところだと、市内外から見ていただけるようになることが企業誘致を呼び込むきっかけや、移住定住の促進につながると思いますので、守りと攻めのバランスをしっかり取り、官民連携を深めることで難局を乗り切っていくということを考えています。
(中国新聞)今回の当初予算は、市長が就任されてから4年目の一つの区切りの予算だと思います。職人商店街など市長の肝煎りの施策の中で、一つ結実させたいとお考えの事業があれば教えてください。
(上定市長)私が市長に就任し、任期が4年ですので、令和6年度が最終年となります。当然今までに取り組んできた施策について、実績化もどんどん図っていきたいと思っています。総合計画自体は2030年を目標年次に置き、8年間の取り組みということで進めておりますので、それに甘えるつもりはないですが、8年間の計画を立て、その中でKPIをおいてやっていますので、それを一つ一つ着実に実行に移し、うまくいっていない事業は、原因を分析した上で、また違うプランを考えたり、修正を図ることを、これまでもやってきています。何か令和6年度にということはないものの、少なくとも昨年の5月まではコロナが大きく経済にも陰りを落とし、したいこともできない状態が、今は払拭され、令和6年度は、昨年度とは違い、年度当初から新たなチャレンジができる、そういう土台は整っていると思います。一方で物価高等の影響もまだ払拭し切れていない懸念材料もありますので、そういったところにもしっかり目配りをした上で、必要な支援等も行う、それを日々心がけて、令和6年度も取り組んでまいりたいと考えています。
(TSK)今日で一畑百貨店の閉店から、ちょうど1か月たちました。改めて駅前の活性化等を含め、今の市長の所感をお願いします。
(上定市長)一畑百貨店は、松江駅前の商業施設の一つとして、松江市民にとっても非常に大きな存在だったということを、閉店した今になっても改めて実感するところです。一方で、12月26日に松江駅前デザイン会議を設置し、松江駅前の今後の在り方について検討をスタートし、3月にも開催する予定です。秋には、そのデザインを作成していくという段取りで今後も進めたいと思っており、松江市としても、関係機関の皆さまと共に積極的に、そのデザインづくりに取り組んでいきたいと考えています。
(TSK)再雇用の問題などについて、この1か月、大きな進展などあればお願いします。
(上定市長)この1か月でということはありませんが、先般も関係者の会議を開催し、一畑を1月末で退職された方の再就職については、比較的順調に再就職、雇用の機会がマッチングできているものと認識しています。また、取引事業者の皆さまにも、一畑百貨店が閉店したことによる大きな混乱が生じない形になっているものと聞いておりますが、仮に何かそういった影響を受けたといったことがあれば、松江市のほうにご相談いただければと考えています。
(TSK)一畑百貨店の中に入っていたテナントがシャミネなどに出店されていますが、駅前としての魅力の評価はいかがお考えですか。
(上定市長)一畑百貨店からシャミネに移り新しく店舗を構えられたところなども実際に存じ上げています。それぞれの店舗においていろいろな工夫をされていると思いますし、今後、松江駅前全体のデザインを考えていくに当たって、ほかの駅前の商業施設などとも連携していく必要がありますので、その中でどういった店舗なり機能なりが必要なのかというのは、JR松江駅、JR西日本開発などとも協議を進めていきたいと考えています。
(時事通信)1月24日に知事公舎を視察されたかと思いますが、率直なご感想をお聞きしたいのと、それを受けて、今後の動き、お考えを教えてください。
(上定市長)これから検討を進めていく段にあります。私自身も先般、視察し、ロケーションは塩見縄手の堀川遊覧船が見えるような一等地ですし、お庭も、雪が積もっていましたが非常に立派だという印象を受けました。一方で、施設の老朽化が進んでいる部分がかなりありますので、どこまで利用できるのかは、丁寧に見ていく必要があると考えています。立地が非常によいので、それに合わせた形での活用がポイントになってくると思います。どこにでもあるようなものではなく、ロケーションを生かした上で、松江らしい町並みに合うような機能が持たせられるかどうかという観点で、今後検討を進めていきたい考えています。
この記事に関するお問い合わせ先
政策部 広報課
電話:0852-55-5125
ファックス:0852-55-5665
お問い合わせフォーム
更新日:2024年09月10日