市長定例記者会見議事録(全文)

更新日:2024年03月06日

令和6年度当初予算

令和6年度の当初予算についてです。当初予算編成の考え方ですが、島根県内の経済情勢は、コロナ禍等からの持ち直しの動きが続いている状況と捉えており、こうした地域経済の動向、市民生活への影響などを注視して、市民の皆さま、事業者の皆さまに対する支援を迅速かつ的確に実施してまいりたいと考えています。限りある財源ですが、松江市総合計画「MATSUE DREAMS 2030」の5つの柱に沿った施策に重点的に配分し、予算を組み立てています。

当初予算の概要ですが、歳出として1,064億2,000万円を計上しています。合計金額1,064億は、昨年度当初予算1,035億と比べて29億の増、これまでの中で最も高い金額となっています。この1,064億を市税のほか、地方交付税・国庫支出金などの歳入で賄っていくということで組み立てています。

総合計画の5つの柱に基づきまして、主要な施策、新しい取り組み、重点的な取り組みについてご説明します。

最初の項目「しごとづくり」です。

「職人商店街」の形成に向けた着実な取り組みを進めます。観て・体験できる店舗づくりの支援として、現代工芸などの新規出店、店舗のリノベーションの支援を拡充します。具体的には、革職人の製作風景が見学可能な工房の新規出店、ガラスアクセサリー作家さんが創作品をお試し出店して販売するといった際にも補助する制度に改めます。また、新たに中心市街地での回遊性の向上に向けた取り組み、商店街の連携による統一感のある看板や照明などの設置、中心市街地の回遊性向上に資する電動のトゥクトゥクなどの二次交通について支援を行います。

次に、「しごとづくり」と「ひとづくり」の両方を兼ねていますが、中学生向けの職業体験イベントの開催。これまで小学生には、お仕事体験フェス・松江城授業プロジェクト、高校生には、SHIMANEみらい共創CHALLENGEなどのメニューを用意しておりました。職業体験、ふるさと学習という観点で、中学生が今後の将来展望を考える職業体験のイベントを今回新たに開催します。市内の中学生1,500人を対象に、1月下旬、市内企業を中心に、参加企業50社程度を予定しています。こうした職業体験イベントを通じ、中学生が将来の夢の実現に向けて一歩を踏み出す機会にすると同時に、地元企業についても知る機会になると考えています。

続いて、農林水産業振興です。スマート農業技術の導入に向けた研修会、メーカーによる実演会の実施と導入支援補助金です。この研修会、実演会は新規で、スマート農業に係る理解を深めることを目的に、例えば経営規模に合わせた形でのスマート農業導入などの研修会、具体的な農業機械を用いて農業メーカーによる実演・展示会なども計画してまいります。また、スマート農業に必要な機械、施設などの購入経費の2分の1、上限50万円の補助制度も継続します。

次に、観光振興です。宿泊税を財源とし、松江観光協会の運営体制を強化し、データに基づく戦略を実行できる自立性の高い、観光地域づくりの司令塔としての役割を担う組織とするべく、その機能強化を図ります。観光地域づくり法人、DMOといいますが、観光庁への登録が必要となります。このDMOになることを目指して、マーケティング機能の強化、観光イベントの効果の検証などを行っていく計画です。

次に、「ひとづくり」です。

デジタルToデジタルのコミュニケーションモデルの構築、保育所の入所申請から決定通知までをオンラインで行うデジタル環境を構築します。今年度から手続の一部は、既にオンライン化を始めています。令和6年度は、最終的なデジタル通知なども含む一連のプロセスについてのオンライン化を進めてまいります。令和7年度までかけて、オンラインによって業務効率を上げることで、市民サービスの強化につながる人的資源の配分というところまでこぎ着けたいと考えています。

次に、子ども医療費助成の拡充です。現在、助成制度がない中学生の通院あるいは調剤について、制度の拡充を図り、4月から中学生までの入院、通院等に係る医療費を無料とします。

続いて、教育、こどもたちの未来に花を咲かせるオンライン学習支援「ボタンねっと」を本格的に実施します。昨年9月に実施したもののブラッシュアップを図ります。市立の学校に在籍する不登校の状態にある小学5年生から中学3年生を対象に、オンラインによって学校や社会とつなげ学習支援をしていきたいと考えています。4月に学校に対する周知を行い、5月から募集を始め、通信環境等を確認でき次第、配信を開始する定です。

次に、「つながりづくり」です。

令和6年は、小泉八雲没後120年、「怪談」の初版が発行されてからも120周年となります。それを記念するイベントの開催を支援します。市民、あるいは松江市内の団体が自主企画によって小泉八雲の顕彰に資する演劇、作品展、講演、アートイベントなどを企画・運営される場合に、上限30万円で補助を行います。それに加えて、これまでも実施している小泉八雲朗読のしらべ、ヘルンをたたえるスピーチコンテストなどのイベントについても継続して実施します。

次に、台北市での松江市工芸作家作品展覧会への出展です。これは、台北市のメディア企業と台北市立大学から、松江市在住の漆工芸絵師の武田さんに作品出展の依頼がありました。武田さんは、「八雲びいどろ」という八雲塗の新しい領域の商品を開発されています。本市伝統工芸の技術を生かし、さらに新たな魅力を生み出されている方で、この出展要請に応える形で支援を行います。台北市とは、中海・宍道湖・大山圏域で交流促進覚書を締結しており、今後も台北との産業交流、インバウンド観光等における連携の一つの契機としたいと考えています。

次に、プラバホールのリニューアルオープン記念イベントの開催です。今回、さんびるさんとネーミングライツのパートナーシップ契約を結び、4月に「さんびる文化センタープラバホール」としてリニューアルオープンします。4月7日のオープニングセレモニーを皮切りに、市民の皆さまが参加したり、地元の音楽団体によるコンサートなど年間を通じて開催します。

次に、松江市総合体育館の改修です。2026-2027シーズンから、島根スサノオマジックが所属するBリーグの施設運営等の基準が変わります。その基準に適合するアリーナとするための機能強化・改修に合わせて、改修後の施設の維持管理・運営についても一体的に実施するために債務負担行為を設定するものです。昨年11月議会の議決で債務負担行為の設定をしておりますが、債務負担行為が年度をまたぐと失効することから、今回また改めて提出させていただきます。現在、事業者の募集をしており、7月上旬を目途に契約し、その後、設計・改修等を経て令和8年9月からの運営開始を予定しています。主な改修内容は、観客席・スイート・ラウンジの確保・トイレの増設等です。

続いて、「どだいづくり」です。

地熱エネルギーを活用し、環境負荷のない温泉熱を活用するプロジェクトです。旧玉湯小学校に地熱発電施設を整備していますが、バイナリー発電機という地熱発電の機材の調達に時間がかかっており、事業が一旦停止している状態です。この発電設備の調達のめどが立ち、地熱発電の取り組みを開始します。発電だけではなく、その温泉熱を利用し農作物生産、玉造温泉の泉源として温泉の安定供給に利用することを考えています。こういった三方よしの形で地熱発電を、再生可能エネルギーの普及とともに進めてまいります。

脱炭素化による、国際文化観光都市・松江の魅力的なまちづくりについてです。昨年4月に、脱炭素先行地域に指定され「「国際文化観光都市・松江」の脱炭素化による魅力的なまちづくり」というテーマで、取り組みを進めており、令和6年度も継続します。主なものとして、民間ベースでは、市有の遊休地への太陽光発電設備の導入、宿泊施設や公共施設へソーラーパネルを設置、旅館の照明のLED化、松江しんじ湖温泉エリアにおける電気自動車のシェアリング等を導入します。行政においても、公民館の防災機能を強化する目的で、電気自動車等の導入を予定しています。

続いて、AIデマンドバスの運行の拡大です。昨年4月から、八束地区と美保関町の宇井地区を結ぶAIデマンドバスの運行を開始しています。非常に好評で、今後、地域を拡大してまいります。4月から大野・秋鹿地区での運行を開始、10月からは八雲・忌部地区、宍道地区についても運行を開始します。AIデマンドバス、AIは人工知能という意味で、デマンド、要求・要望があったときに合わせて運行するというもので、時刻表はなく、予約に合わせて配車されます。その配車と運行経路は、AIで行います。今後、こういった公共交通の一つの形態として、非常に柔軟かつ機動的に対応ができますので、既存の公共交通機関と組み合わせることによって、全体最適を目指します。

3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化によるまちづくりDXの推進です。鳥取市で既に取り組まれていますが、3Dで都市の地図を立体的に表し、その中にデータを格納するといった取り組みが自治体の中で進められています。この3D都市モデルを構築しますと、建築物、道路、土木構造物など、実在するものを三次元のデータとして取り扱うことができ、浸水など災害リスクの分析、新しい建物が建つときの景観シミュレーション、観光ガイドアプリの開発といったことが可能となります。まずは行政で開発をし、既存のアプリケーションを利用し、まちづくりや防災、観光分野での課題解決を図るとともに、これをオープンデータ化し、市民、民間企業の皆さまにも活用できる環境を整えてまいりたいと考えています。

次に、利用しやすい・行きたくなる公園づくりです。松江市内にある400の公園について、今、公園ビジョンをつくっており、その一つとして、北公園、これは松江市総合体育館の改修エリアも含みますが、この北公園周辺エリアについて、スポーツ、商業、遊び場として多くの市民の皆さんが集う、にぎわいの拠点を創出するための整備構想を策定します。

次に、津波ハザードマップの更新・配布です。年度内に島根県が松江市内の津波災害境界区域(イエローゾーン)を指定する予定です。ハザードマップをそれにあわせて更新し配布します。能登半島地震のときに、松江の日本海側では津波注意報が発令されており、ハザードマップを更新し配布することで、事前の備えを進めていきたいと考えています。

最後に、「なかまづくり」です。

中海・宍道湖・大山圏域市長会の連携を強化し、様々な事業に取り組んでまいります。産業振興では、ビジネスマッチング、台湾やインドとの経済連携、あるいは山陰いいものマルシェにおける物産・市産品の販売等を行います。また、観光振興では、2025年の大阪・関西万博に圏域として誘致を図る取り組みも進めてまいります。そして、圏域のインフラとして、新幹線や高規格道路である中海・宍道湖8の字ルートなどの整備の促進の活動も行う予定です。

以上が、令和6年度の当初予算として、2月20日から始まる2月議会に提出させていただく議案となります。

令和6年2月補正予算の概要

今年度の補正予算第9号となります。合計金額が28億5,967万円、そのうち6億9,626万円が物価高騰対策として、地域の事業者、市民生活の支援、20億6,698万円が国の補正予算に呼応したものとなっています。財源としては国庫支出金等で賄っていくということにしています。

地域の事業者を支援する物価高騰対策として、省エネルギー、コスト削減効果の高い設備投資の支援を延長・継続するものです。商業・サービス業者などが取り組む省エネルギー対策の支援で、4月以降、募集を開始する予定です。製造業者が取り組む省エネルギー対策として、生産設備の導入や製造現場の改善によって省エネルギーに資するという取り組みに対しての補助金で、こちらも4月以降の募集開始を予定しています。また、高齢者施設等、社会福祉施設で取り組まれる省エネルギー対策の支援も行い、3月の募集開始を予定しています。いずれもこれまでも実績があり、それらを踏まえて今回、補正予算を計上するものです。

市民生活を支援ということで、保育所等での「おいしい給食」の安定的な提供についてです。食材費の上昇分について補助します。対象施設が72施設、対象となる園児が6,000人弱ということになります。期間は4月から来年の3月までの1年間を予定しています。同様に、学校給食費の値上げについても、家計負担の軽減を図るべく支援します。2学期から値上げしている市立幼稚園、小・中学校、義務教育学校の給食費について、現在、値上げ分の半額を助成しています。これを令和6年度も継続し、家計への影響を緩和したいと考えています。来年3月分までを対象としていす。

国の補正予算に対応した予算として、小・中学校、幼稚園、学校給食センターにおける設備の整備です。空調設備の新設・更新、トイレの改修、特別支援教育拠点校となっております松江市立第二中学校については、エレベーターの整備も行ってまいります。また、子どもたちが安心して過ごせる環境を創出するために、保育所、児童クラブ、放課後デイサービス等での子どもたちのプライバシーを守るためのパーティションなどの設備の導入を支援します。また、校内の教育支援センターの整備、特に不登校児童生徒が多い学校に対する設備の充実を図ります。スペシャルサポートルームというのを設けることによって不登校の児童生徒を支援してまいります。

令和6年4月組織変更

事務分掌条例の一部を改正し、令和6年4月1日に行う組織変更についてです。

まちづくり部という部署を新設し、まちづくりに関する諸問題に集中的に取り組む体制を整えます。現在、都市整備部において担当している業務のうち、都市計画、市街地整備、まちづくり、景観、交通政策、建築指導、住宅などについて所管する新しい部署ということになります。

これまで、一体的に都市整備行政をつかさどることによって効率的にできていましたが、一方で、非常に変化が速い中で、例えば松江駅前のまちづくり、城下町の景観づくり、公共交通の今後の在り方といった諸課題について集中的に取り組むための新しい部署の新設ということになります。ほかの部署も含め、課単位の組織変更や人事配置については、3月下旬に皆さまにお知らせする予定です。

市営バスの路線・ダイヤ改正

市営バスの路線・ダイヤの改正についてです。

4月1日から松江市交通局が運行している市営バスの全路線についての見直しを行い、路線ダイヤを改正します。労働規制等が今年の4月から厳しくなる、いわゆる2024年問題に対応するとともに、利便性の維持・向上を図るものです。単なる路線の廃止・変更ということではなく、交通局、あるいは松江市全体として工夫を凝らして、路線の見直しを図っています。松江市交通局の運行するバスについては、過半の方がICカードを利用していただいていますので、乗降データに基づく分析と、運転士の意見・気づきを取り入れ、市民の皆さんへの影響が極力少なくなるように工夫しています。現在、運転士不足、そしてコロナ禍以降公共交通の利用者が戻ってきていないといった厳しい状況の中でも利便性を維持し、高められるように工夫を凝らしています。

工夫のポイントとして5つ上げております。1つ目、交通空白地が生じないようにする。2つ目、通学に影響しないように、極力朝の便を確保する。3つ目、複雑でわかりにくり路線・系統を整理・集約しわかりやすくする。4つ目、便利な循環路線とわかりやすい運賃を新設する。最後5つ目、市営バス・一畑バス共通定期の導入です。

まず、1つ目、交通空白地が生じないように、現在運行している便、バス停を廃止しても、市営バスのほかの路線や一畑バスの路線で賄える、バス以外にもJRや一畑電車が利用できる路線、区間を厳選し、代替交通についても確認し、できる限り影響が出ない形にしています。路線廃止の区間と代替経路の例として、川津線の川津~平成ニュータウン間は一畑バス万原線、マリンプラザ線が代替経路の役割を果たします。竹矢線の馬潟~手間間は市営バスの竹矢線、東松江駅を利用してJR山陰本線。朝日ヶ丘線の運転免許センター~授産センターは朝日ヶ丘駅を利用して一畑電車で代替が利くといった整理をしています。

2つ目、通学に影響しないよう朝の便の確保です。市内のバスで通学する児童生徒の多い小・中学校、高校と連携し、利用実態を精査し、朝の便を確保し、夕方も一定の学生の皆さんのニーズがありますので、そこにも配慮をしています。今回の変更前後で、平日のダイヤの時間帯ごとのバスの便数を比較しますと、全体の運行便数は、377便からマイナス69便となっています。その中で、学生の皆さんに影響がある時間帯のバスの減便数をできるだけ抑える努力をしています。

3つ目、複雑で分かりにくい路線・系統を整理・集約して分かりやすくしています。路線によってはいろいろなバス停から発着しており、同じバス停で乗っても、どこに着くのかというのが系統によってまちまちでした。非常に複雑で、松江駅に行きたいと思って乗ったのに行かなかったというケースもありました。松江駅は、交通の要衝ですので、当然JRにも乗り継ぎができますので、松江駅で乗り換えできるように路線の見直しを行っています。ICカードのデータを活用し、利用が少ないところは廃止、ダイヤの減便をしています。例えば、川津線では9つの系統がありましたが、4月以降は2系統にします。系統数は減らしていますが、必ずしも不便になるということではなく、むしろ分かりやすくするための系統数の減少と言うことができます。全体でこれまでの113系統を48系統に集約・統合します。数字として不便になるように感じられるかもしれませんが、系統が減ることによって分かりやすくなると考えています。路線が長いことによって、人員の確保が必要になり、その人員数が不足するという状況でしたが、路線を短く切って運転時間を短縮することで、人員の節減にもつなげています。

4つ目、便利な循環路線と分かりやすい運賃の新設ということで、「病院循環線」と「あじさいループ線」を新設します。「あじさいループ線」とは上東川津町のあじさい団地から県民会館を経由し松江駅に行く路線。「病院循環線」は日赤、松江駅から市立病院、県立大学の辺りを結ぶ路線です。あじさいループ線は今まで3系統に分かれており、非常に分かりにくく、非効率な状況でした。これを4月以降は、一つの線に統合して循環線としますので非常に分かりやすくなります。病院循環線については、これまで病院に行く際にどの路線に乗っていいか分からないという声をいただいておりました。この病院循環線に乗ることによって、日赤、松江医療センター、記念病院、市立病院、生協病院にループ型でたどり着くことができ、均一性の運賃210円を導入します。運賃について、既存の法吉ループ線も含め、循環路線の運賃を、どこからどこまで乗っても均一性の運賃を導入し、また、ゾーンを分けて、ゾーンの中で行き来は一定の料金、ゾーンを隔てて行く分には一定の料金とする地帯性(ゾーン)運賃に改定をする条例の改正案を2月議会に提出する予定です。

5つ目、市営バスと一畑バスの共通定期の導入です。

4月1日から両方のバスで使える共通定期券を導入します。今までは〇〇バス停から〇〇バス停までという定期券でしたが、運賃指定いわゆる金額式の定期券になります。ご注意いただきたいのは、紙のものではなくてICOCA、交通系ICカードに共通定期券を搭載するということになります。指定する運賃以内の運行区間では、市営バス、一畑バスとも乗降できますし、重複している区間は、どちらのバスにも乗車できます。例えば、美保関ターミナルと古志原を結ぶ路線、現行は区間式ですので、美保関ターミナルから松江駅を経由して古志原に行くという路線のみの乗車でした。これが今回、770円区間の金額式定期券になりますので、770円以内については乗り放題ということになります。一方で、この共通定期券の導入に合わせて、定期券の割引率というのが少し低減します。今までは4割引きだったものが3割引き、通学の場合は5割引きだったのが4割引きということになりますが、先ほどのような運賃の中で自由に乗り降りする場所が増えるということで、ご理解いただければと思います。この一畑バスと市営バスの共通定期は、3月18日から販売を開始します。利用区間のうち、主な区間のバス事業者で購入ください。学生の皆さんには、松江市にお住まいの児童生徒の皆さんの通学定期券の購入に際して、1か月当たり1万円を超えた額の補助の制度がありますので、松江市のホームページのほうでご確認ください。市営バスを含む公共交通をぜひご利用ください。また、バス運転士の募集もしておりますので、ご関心ある方はお問い合わせください。

台湾との交流促進に向けた訪台

台湾との交流促進に向けた台湾出張の報告です。

台湾の台北市と松江市は、これまでも交流を重ねてきました。2006年2月の春節前建国花市に大根島の牡丹を初出展し、その後も牡丹を通じて友好関係を深め、2014年に松江市と台北市との間で交流促進覚書を締結しています。その覚書をリニューアルする形で、一昨年の10月に、松江市を含む圏域市長会と台北市との間で交流促進覚書を締結。昨年の1月には、圏域市長会として春節前建国花市に初めて参加し、台北市長に就任したばかりの蒋萬安市長と面会することもできました。昨年は6月にFOOD TAIPEIという、食料品の展示会にも圏域市長会として初参加、また、松江市が誇るプログラミング言語Rubyの台北でのコミュニティーが主体となったカンファレンス、Ruby Conf. Taiwanにも台北市政府にお声がけをして、両市で初めて参加しました。そして今回、春節前建国花市に松江市、圏域として台北を訪ね、蒋萬安台北市長とも面会をしてきたところです。

今回の出張は、2月1日から4日まで春節前建国花市への参加と、台湾との産業連携に向けた各機関との協議のために、14名で行ってまいりました。

まず、圏域市長会として春節前建国花市に参加し、牡丹のPRをするとともに、圏域の観光・物産について、私がプレゼンを行いました。多くの台北市民の方に関心を持っていただき、松江のことを知っていただくよい機会になったものと捉えています。また、安来節のパフォーマンス、観光・物産のPRブースも設け試食なども楽しんでいただきました。台北市の蒋市長とご一緒し、今後のさらなる関係の深化についても確認をしております。

また、台北市政府も訪ね、台北市の産業発展局長のほか、観光や教育部門のチームヘッドなどと協議しました。交流促進覚書に基づき、さらなる交流・連携の深化・拡大を図ることを確認しているところです。

また、台北市立大学の学長とも協議しました。台北市立大学は、公立の教育大学と公立の体育学院が合併して開学した大学で、オリンピック選手や音楽家を多数輩出されている大学です。島根大学とも交流協定を締結されており、今後、多方面にわたる連携の可能性があるということで、今回も意見交換を行いました。来年度、台北において松江の伝統工芸作家の展覧会が企画されており、こういったつながりの中で、イベントについても増やしていきたいと考えています。

そして、日本のジェトロと同様の組織のTAITRAという、貿易交流を促進する政府系の組織とも面談をしました。2022年10月に、圏域として台北市と協定を交わした際にも訪問をしており、そのフォローアップも行いました。同じくTJPOという台日の連携を推進する機関も訪問し、こちらもフォローアップを行っています。

また、大使館に当たる日本台湾交流協会の外務省出身の代表の方とも面談を行いました。

そして、昨年の12月にRuby Conf. Taiwanというのが台北市で開催されたときの事務局を務められたIT企業5xRubyのCEOとも面談し、今後のRubyを活用した両組織の発展についての意見交換も行っています。

こういった交流を松江市と圏域で併せて進めることによって、両地域の発展をウィン・ウィンの関係で深化させていきたいと考えており、積極的に台湾、台北市との交流に励んでまいります。

第34回全国椿サミット松江大会

全国椿サミット松江大会を3月9日、10日に松江テルサを主会場に開催します。

この椿サミットとは、全国の椿を自治体の花に制定しているところを中心に35自治体が毎年持ち回りで開催しているものです。松江市は昭和49年に椿を市の花に制定し、令和6年は、制定から50年の節目に当たり、サミットを開催するにふさわしい年と言えるかと思います。

島根県内外の企業、団体が出展する体験ブースなど、イベントをたくさん予定しています。プレイベントとして2月18日に、タレントの椿鬼奴さんのヘアメイク&トークショーも開催します。

3月9日に、市民向けの各種ブースの出展や体験会を開催します。屋外で椿の展示や、椿の苗の無料配布、椿の即売会、まつえファーマーズマーケットも合わせて開催します。テルサの1階と4階では、市民の皆さま、文化団体の皆さまの作品を展示します。1階には、PR・物販ブースを設け、県内外の企業・団体による体験ブースや抽選会を開催します。また、松江菓子協会によるお茶席。テルサの4階では、和菓子作り体験。MATSUE流の会の主催による工芸体験も行います。そして、資生堂ジャパン主催の、いきいき美容教室。楽しく化粧を体験しながら介護予防も学ぶという講座です。詳しくは、椿サミットのホームページをご覧ください。

なお、ホテル椿山荘東京において、「亀田山」という椿をモチーフにした生菓子を特別宿泊プランの中に織り込んで提供していますので、こちらもお楽しみいただければと思います。

また、椿を題材にした「椿菓」という、今大会を記念するお菓子も販売しています。

そしてもう一つ、フォトコンテスト「MATSUE TSUBAKI SUMMIT PHOTO CONTEST」を実施します。「みんなに伝えたい「椿」の魅力」と題し、3月10日まで、プロ、アマを問わず募集を受け付けております。ぜひご応募ください。

全国街道交流会議第13回全国大会山陰大会

全国街道交流会議とは、2002年に発足したNPO法人で、第1回の全国大会を萩市で開催し、今回、島根県で初開催となります。

地域と道、人と道、道と道をつないでまちおこしにつなげるという目的で開催し、今回の山陰大会は、中海・宍道湖・大山圏域市長会、鳥取県の西部町村会、国土交通省、島根、鳥取両県などで主催します。「小泉八雲の物語でつなぐ山陰」を大会テーマに、2月17日、安来市総合文化ホール「アルテピア」で開催します。

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、松江に赴任し英語の教鞭を執る傍ら、山陰各地を訪問した足跡が残っています。そのことを綴った著作の中で、その魅力を世界に発信しており、今回の大会では、八雲の文学作品と足跡をたどることで圏域の価値を再認識し、文化資源として生かす方法をみんなで考えていこうというものです。

今回のプログラムは、4部構成で、第1部が事業報告、その後、基調講演、パネルディスカッション、特別公演となっています。

第1部の事業報告では、昨年の7月に実施した小泉八雲ゆかりの地を訪ねるSDGsバスツアーに小学校4年生から6年生が保護者と一緒に参加され、小泉八雲がこれまで訪ねた場所を小泉凡先生と共に訪ねるというツアーでした。その中で、自分たちが暮らす地域の未来などについても考え、それを新聞形式にまとめて発表していただきます。

第2部では、小泉凡先生に「小泉八雲の物語でつなぐ山陰」というテーマで基調講演をしていただきます。

第3部のパネルディスカッションでは、中海・宍道湖・大山圏域の将来像をテーマに、圏域5市の市長が地域の魅力、強み、圏域の在り方についてディスカッションします。

最後に第4部、特別講演「小泉八雲朗読のしらべ -八雲彷徨-」と題し、佐野史郎さん、山本恭司さんが小泉八雲の世界を語りとギターで紡いでいただきます。

皆さまのご参加をお待ちしています。

松江オープンソース活用ビジネスプランコンテスト最終審査会

松江オープンソース活用ビジネスプランコンテストの最終審査会が開催されます。

ビジネスプランコンテストとは、松江が誇るプログラミング言語Rubyをはじめとするオープンソースソフトウエアを活用しアイデアを形にするコンテストです。ビジネス活用部門と学生部門と分かれており、その最終審査発表会が2月17日に開催されます。

ビジネス活用部門では8件の応募のうち入選した4件のプレゼンを行い最優秀賞を競います。

学生部門は48件の応募から、えりすぐられた6件、松江高専、島根大学の学生の皆さんの発表を行います。

第一線で活躍する審査委員の皆さまからコメント、フィードバックをいただきます。また、講演・トークセッションなどもございます。一般観覧はもちろんYouTubeでもお楽しみいただければと思います。今回のコンテストは、MATSUE起業エコシステムとの連動を図っています。MIXという起業・創業のためのコミュニティーがありますが、入選された方をはじめ、応募者の皆さまのアイデアの実現をサポートする主体として、このMIXを活用いただきたいと考えています。起業・創業、新規事業などに興味がある方は、松江市のまつえ産業支援センターまでお問合せください。

質疑応答

(日経新聞)玉湯のバイナリー式発電の調達のめどが立ったということで、いつ頃稼働の予定ですか。

(上定市長)こういった脱炭素の取り組みはできるだけ早く進めたいと考えていますので、準備ができ次第進めていく予定です。バイナリー発電の設備については、着工を順調にいけば夏前ぐらいにと考えており、通常の設備の施工からすると来年度末あたりに竣工という見立てです。

(日経新聞)市長は資金調達などのプロだと思いますが、市債の発行などで工夫がございますか。

(上定市長)昨今、いろいろな自治体で、例えばグリーンボンド、環境に対する取り組みを推進するための起債なども行われております。ただ、基本的には、ある程度の規模感がないと調達するコストが賄い切れないというところもありまして、いろいろ検討はしていますが、何か今回新しい債券の発行などの予定はありません。一方で、国の出している新しい施策、今回の補正予算も含め、有利な財源が使えるものもありますので、そういったところはしっかりアンテナを張って、各省庁との交渉も進めてまいりたいと考えています。

(山陰中央新報)当初予算を編成されて、人件費だとか大型事業の普通建設費が上がっていますが、それ以外にも、職人商店街など施策の柱として据えているものが多々あると思います。今回編成されるに当たっての、お考えやご苦労をお願いします。

(上定市長)少子高齢化、人口減少を迎える中で、扶助費も含めて義務的経費と言われるようなもの、社会福祉や子育て支援などに使うための予算が増えてきています。あわせて人件費もかさんでおり、令和5年度の当初予算からもかなり大きく膨らんでいる状況にあります。加えて、公債費、債券を償還いわゆる借金を返していくための費用になります。そういったものがかさんでくる中で、新しいことを進めていこうとしても、なかなか財政的に厳しい状況にあります。だからといって、守りに徹しているだけでは、今年はいいかもしれませんが、5年後、10年後の松江の未来が非常に語りにくくなりますので、そのための、種を植えて水をやってということはしっかりやっていかなければならないと思っています。市役所の中で議論を重ねた上で、新規に織り込んだ内容については、「MATSUE DREAMS 2030」との整合を図りながら、ある種、積極果敢に積み上げた、守りと攻めのバランスを意識するのに苦労した予算であったと思います。今後、議会でお認めいただいて初めて成立しますので、その辺りも説明責任をしっかり果たしていきたいと考えています。

(山陰中央新報)予算額が過去最大ということ、財調からの切り崩しもかなり多額であることについて受け止めをお願いいたします。

(上定市長)財政調整基金と言って、ある種、貯金をしている部分ですが、これは民間企業でもそうだと思いますが、景気がよくなってきている状況に株価的にはあり、物価が高くなっていますが、収入のほうがまだ追いついてきていない状況にあるかと思います。これは行政も同じで、企業の業績がどんどんよくなれば、税収が増えてくるはずですが、まだそこまでの見立てが立っておりません。予算を計上する上で、ある種、固めに組む必要があり、どうしても収支を合わるために、貯金部分の取崩しというのも必要で、今回、実際に貯金の取崩しをして組んだ予算ということになります。先ほど種まきという表現をしましたが、企業業績を上向かせていく、市民の皆さんも含めて新しいチャレンジを重ねていけるような組立てをしているつもりです。短期的な目線にならずに、中長期的に考えたときに、ここで財政支出をすることによって、その効果が発揮されるような、そういう見立てを置いた予算組みにしています。

(山陰中央新報)今後も、体育館の整備・庁舎の整備など大型事業で、普通建設事業費が増え施策とのバランスが問われると思いますが、長い目で見た、市長のお考えをお願いします。

(上定市長)行政だけで、これまでのように資金をできるだけ効率的に使っていこうとしても限界がありますので、松江市総合体育館については、島根スサノオマジックのメインアリーナとしての利用を前提として、民間企業からの企業版ふるさと納税を募ることになりますし、4月にリニューアルオープンするプラバホールも、さんびるさんのネーミングライツで300万円の3か年、900万円という、松江市としては初めての仕組みを導入しました。コストの削減に努めていくのは、当然必要ですが、それ以外にも、民間企業との協調等によって、財源を確保し、また新たなことをやる際に、知的な面も含めて、官民の連携によって、解決しにくい問題についても挑戦してまいりたいと考えています。駅前についても検討を進めていますが、松江がそういったチャレンジできるところだと、市内外から見ていただけるようになることが企業誘致を呼び込むきっかけや、移住定住の促進につながると思いますので、守りと攻めのバランスをしっかり取り、官民連携を深めることで難局を乗り切っていくということを考えています。

(中国新聞)今回の当初予算は、市長が就任されてから4年目の一つの区切りの予算だと思います。職人商店街など市長の肝煎りの施策の中で、一つ結実させたいとお考えの事業があれば教えてください。

(上定市長)私が市長に就任し、任期が4年ですので、令和6年度が最終年となります。当然今までに取り組んできた施策について、実績化もどんどん図っていきたいと思っています。総合計画自体は2030年を目標年次に置き、8年間の取り組みということで進めておりますので、それに甘えるつもりはないですが、8年間の計画を立て、その中でKPIをおいてやっていますので、それを一つ一つ着実に実行に移し、うまくいっていない事業は、原因を分析した上で、また違うプランを考えたり、修正を図ることを、これまでもやってきています。何か令和6年度にということはないものの、少なくとも昨年の5月まではコロナが大きく経済にも陰りを落とし、したいこともできない状態が、今は払拭され、令和6年度は、昨年度とは違い、年度当初から新たなチャレンジができる、そういう土台は整っていると思います。一方で物価高等の影響もまだ払拭し切れていない懸念材料もありますので、そういったところにもしっかり目配りをした上で、必要な支援等も行う、それを日々心がけて、令和6年度も取り組んでまいりたいと考えています。

(TSK)今日で一畑百貨店の閉店から、ちょうど1か月たちました。改めて駅前の活性化等を含め、今の市長の所感をお願いします。

(上定市長)一畑百貨店は、松江駅前の商業施設の一つとして、松江市民にとっても非常に大きな存在だったということを、閉店した今になっても改めて実感するところです。一方で、12月26日に松江駅前デザイン会議を設置し、松江駅前の今後の在り方について検討をスタートし、3月にも開催する予定です。秋には、そのデザインを作成していくという段取りで今後も進めたいと思っており、松江市としても、関係機関の皆さまと共に積極的に、そのデザインづくりに取り組んでいきたいと考えています。

(TSK)再雇用の問題などについて、この1か月、大きな進展などあればお願いします。

(上定市長)この1か月でということはありませんが、先般も関係者の会議を開催し、一畑を1月末で退職された方の再就職については、比較的順調に再就職、雇用の機会がマッチングできているものと認識しています。また、取引事業者の皆さまにも、一畑百貨店が閉店したことによる大きな混乱が生じない形になっているものと聞いておりますが、仮に何かそういった影響を受けたといったことがあれば、松江市のほうにご相談いただければと考えています。

(TSK)一畑百貨店の中に入っていたテナントがシャミネなどに出店されていますが、駅前としての魅力の評価はいかがお考えですか。

(上定市長)一畑百貨店からシャミネに移り新しく店舗を構えられたところなども実際に存じ上げています。それぞれの店舗においていろいろな工夫をされていると思いますし、今後、松江駅前全体のデザインを考えていくに当たって、ほかの駅前の商業施設などとも連携していく必要がありますので、その中でどういった店舗なり機能なりが必要なのかというのは、JR松江駅、JR西日本開発などとも協議を進めていきたいと考えています。

(時事通信)1月24日に知事公舎を視察されたかと思いますが、率直なご感想をお聞きしたいのと、それを受けて、今後の動き、お考えを教えてください。

(上定市長)これから検討を進めていく段にあります。私自身も先般、視察し、ロケーションは塩見縄手の堀川遊覧船が見えるような一等地ですし、お庭も、雪が積もっていましたが非常に立派だという印象を受けました。一方で、施設の老朽化が進んでいる部分がかなりありますので、どこまで利用できるのかは、丁寧に見ていく必要があると考えています。立地が非常によいので、それに合わせた形での活用がポイントになってくると思います。どこにでもあるようなものではなく、ロケーションを生かした上で、松江らしい町並みに合うような機能が持たせられるかどうかという観点で、今後検討を進めていきたい考えています。

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