「松江市地域公共交通計画」の策定
「松江市地域公共交通計画」を策定しました。松江市がめざすコンパクト・プラス・ネットワーク、各集落をそれぞれを結ぶことによって、商業、あるいは病院、医療、福祉等の機能にアクセスしやすくする。一か所に集中する、いわゆるコンパクトシティではなくて、各集落は生かし、それを交通ネットワークで結びつけるという考え方です。このコンパクト・プラス・ネットワークを実現するために、公共交通の果たす役割を明らかにし、持続可能な公共交通を形成するための計画です。
昨今の運転士不足により、公共交通が大きな変化を求められていることを踏まえた上での公共交通計画としています。また、デジタル化による利便性の高いサービスも導入の念頭に置いています。
計画の基本理念は、「松江市民みんなでつくる だれもが安心して、やさしく移動できるまち・松江」、計画の期間は、この4月から5年間、令和11年の3月までとしています。
複数の交通事業者が事前に調整して運行スケジュールをつくることは独占禁止法上できませんが、この計画を策定することによって適用除外となり、例えば市の交通局と一畑バスの間で運行計画を一緒にたてられるといったメリットがあります。実際に交通事業者間での連携を今後図っていきたいと考えています。
これまで松江市公共交通利用促進市民会議、会長は米子高専の加藤先生で、地域の代表、商工業の代表、交通事業者の皆さんに参加いただき、議論を経て策定しています。
これまでの策定スケジュールは、昨年5月に第1回会議を開き、第4回会議まで、その間には、市民アンケート、交通事業者へのヒアリング、市民ワークショップなども開催しました。今年に入り第5回、第6回を開催し、その間、パブリックコメントを経て、3月26日に計画の策定に至ったものです。
計画の概略ですが、公共交通がめざす5年後の姿として、地域拠点と市街地中心部との間を公共交通で移動できる、集落と地域拠点との間を公共交通で移動できる、市街地に循環型のバスを走らせる、市街地では鉄道、バス、タクシーや新たなモビリティーと組み合わせることで公共交通の利便性を高めるといったことを掲げています。
キープロジェクトとして3つ上げています。
1つ目が公共交通ネットワークの再構築。「松江市地域公共交通リ・デザイン会議(仮称)」という有識者による新たな会議体を設置し、バス路線の抜本的・具体的な再編、AIデマンドバスなど新たなモビリティーの活用案を取りまとめます。
2つ目、事業者間での路線・ダイヤ・運賃等に係る調整の円滑化。独占禁止法の適用除外となる共同運行計画の策定や、効率的な運行形態を構築します。
3つ目、公共交通サービスの担い手確保。運転手の処遇改善などを通じて担い手の確保、育成を図ります。
これらを実際実行に移すための基本戦略を4つ掲げています。
基本戦略1、輸送資源を総動員し、持続可能な公共交通ネットワークを構築。公共交通ネットワークの再構築を行い、公共交通サービスの担い手の確保も同時に行っていきます。
基本戦略2、デジタル技術を活用し、公共交通の利便性を向上。デジタルでの情報提供やシステム化の推進、ICカードの利用データの利活用によって、利便性の向上に取り組みます。
基本戦略3、まちのにぎわいにつながる、人と環境にやさしい公共交通を整備。まちづくりと連携した交通結節機能の確保・向上、脱炭素化の推進も行います。
基本戦略4、市民・民間企業・交通事業者・行政が協働し、公共交通の利用を促進。異なる立場のステークホルダーが協働することで公共交通の利用を促進し、意識も醸成してまいります。
これら、公共交通計画を策定し、具体的な公共交通の在り方を来年度当初から取り組み、持続可能な公共交通の形成に向けて「地域交通のリ・デザイン」を進めてまいります。ぜひ市民の皆さまにもご意見をいただき、公共交通の変革期にある中で、最良な対策を探っていきたいと考えています。
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更新日:2024年04月11日