市長定例記者会見【質疑応答】
(毎日新聞)景観基準の見直しについて、審議会の中で新しく委員会を設置されるということで、この委員会がなぜ必要なのか、どんな議論を期待するのかについてお願いします。
(上定市長)現在、景観審議会の会長と具体的な進め方について協議しているところで、まだ決定している訳ではありませんが、今後、市から速やかに、景観審議会に対して景観基準見直し検討の諮問をしたいと思っています。あとは景観審議会においてどのような取り扱いをされるかということになりますが、現行設置されている「専門委員会」の中ではなかなか整理しきれないのではないか、景観を検討する個別の委員会を立ち上げるのがいいのではないかという議論をしているところで、新しい専門委員会をつくるのが本件についての検討を進める上ではいいのではないかということです。
期待することについては、まさに松江らしい景観をいかに保全し、今後も創出していくことが必要だと思っており、そのバランスの取れた形での議論というのを期待しております。また、できるだけ速やかに、松江市として制度上の担保といいますか条例改正等も進めていきたいと思っていますので、議論がスムーズに進んでいくということを期待しているところです。
(毎日新聞)もう1点関連して、この委員会の中に、景観審議会以外の外部メンバーを入れる考えはありますか。
(上定市長)あり得ると思います。景観審議会で議論されるに当たって、必要に応じて臨時委員を置くとか、アドバイザーのような方を置くというのは可能ですので、あくまで景観審議会あるいは専門委員会の中での判断ということになりますが、そういった専門家の方に入っていただくことはあり得るのではないかと考えています。
(日本海テレビ)同じく景観基準の見直しについて2点。 今後の進め方ですが、眺望基準と周辺の建物の景観基準の見直しとありますが、進め方としては眺望基準を決めてから建物の基準に移るイメージですか。
(上定市長)これは景観審議会のほうで進めていただく内容にはなりますが、私としての考え方について少し触れさせていただきます。2つの基準は全く違うものではなくて、当然のことながらシンクロしていく部分が多々あろうかと思います。「まずは1の検討を進めて終わったら2を進めていこう」ではなくて、全体の景観基準がどうあるべきかという議論を経た上で、1と2の両方を並行して進めていくようなイメージを持っています。実際は1と2がいわゆる拘束力が違ってくる部分もありますので、これは市としての希望ですが、1のほうは一番早く進んだ場合には1年後、来年の4月には施行できるということですので、この審議を進めていただいて来年の4月には何らかの見直しができれば大変ありがたいと思っています。2のほうは、できる限り早く進めたとしても2年程度はかかると考えており、この2つが並行して検討が進められていくというのが理想かなと考えているところです。
(日本海テレビ)もう1点、「松江らしい景観」というワードがありますが、今回この見直しを図るに至った経緯が、基準が設けられていて審議会も通ったにもかかわらず後で市民団体から物言いがついたということだと思います。「松江らしい景観」というのがすごくアバウトかなという印象を持っていまして、今回も、決めたときにこの「松江らしい景観」のあいまいさによりまた何か問題が起きるのではないかとちょっと懸念するところがありますが、「松江らしい景観」というのはどういうものをイメージしておられますか。
(上定市長)「松江らしい景観」ということ自体、多分イメージとして市民の皆さん一人一人で違うと思います。松江としてのまちづくりの在り方はどうなのかといったところから議論をいただく必要があるかと思っています。
松江城の周辺について、今までも高さの基準を設けて松江らしい町並みを守ってきましたが、今回、高さの基準がかかってないエリアで高層マンション建築の話があり、そのエリアについて景観保全の観点で検討していくこと、それが松江らしい景観づくりにつながっていくのではないかと考えているところで、その辺りを含めて景観審議会で委員の皆さんに議論していただきたいと思っております。
(日本海テレビ)「松江らしい景観」ってそれぞれ皆さんイメージが違うと思いますが、今後松江城の周辺以外で「松江らしい景観」って議論の対象になり得ますか。
(上定市長)なり得るとは思います。ただ順番を追ってということ、いま申し上げている「松江らしい景観」というのは松江城を含む城下町を一つのポイントとして置いていることは間違いありませんので、まずはこの中心部の松江城周辺エリアから考えていくというのが、松江らしさを体現していく上では必要かと考えているところです。
(山陰中央新報)関連してですが、(資料P15の)2の部分は法的拘束力がある規制だと認識していますが、ほかに強制力のある高さ制限の手法などはないのでしょうか。
(上定市長)現在、具体的な規制の在り方としてこの2つが考えられるということで提示しています。今後議論を進める中で、何かうまく活用できそうなものがあれば取り入れていきたいと考えています。
ただ、基準を改めても、指導・お願いはできますが、罰則規定があるわけではありませんので、その辺りのバランスを取りながらということになります。
実際に住民ニーズとして、高層かどうかは別として住居ニーズや、商業施設で高層のものも建てたいということがあるかもしれません。そういったこともバランスとして考えていかなければいけませんので、今回保全、創出という言い方をさせていただいていますが、守ることは、ある意味、規制をどんどん強めればできますが、我々は、当然ですが普通に社会経済活動、市民生活を営んでいく必要がありますので、利便性の観点等も考えていく必要があるので、「創出」という言葉も盛り込みながら、そのバランスについても議論していただきたいと思っております。
(山陰中央新報)もう1点、大橋川沿いに建つ45メートル前後のマンションの事例では、景観計画に基づいた諮問と答申をされて高さの引下げなどを勧告されたと思いますが、法的拘束力がないとして基本的には計画変更に応じないという旨を事業者から市に伝えられたと聞きました。この景観計画に基づいた勧告に応じない場合はその事業者名の公表などもできるという話がありましたが、この見直しまでにかかる1年間から2年間の間、同じようなマンションの計画があった場合どのように対応をされるのでしょうか。
(上定市長)事業者の皆様に対し、市が景観計画の見直しを計画していて、松江の景観の保全・創出が必要だと考えているということは分かりやすく丁寧に申し上げていく必要があると思っています。
先ほどおっしゃられたように、いわゆる勧告ができるのは、条例に抵触していて、これ以上の建物を建ててはいけないのにそこに建てようとしている場合。応じない場合には事業者の公表をするという流れになります。そもそも今はそういった規制がありますが、この辺りについてはそんなに厳しい規制がかかってるわけではありませんので、大橋川のところも含めて、高い建物を建てることができるわけです。それに対して、今回の大橋川周辺のマンションの答申については、これは勧告にはなっていなくて、お願いなんです。そのお願いに対し、今まだ書面ベースでの回答があるわけではなく、口頭で私どもから説明したところ、収益性等もあって応じにくいといった話をいただいているところです。今後、書面で正式な回答をいただくことにしていますので、その後の対応については、また景観審議会などにも報告しながら検討していきたいと考えています。
(読売新聞)景観基準の見直しについて関連で伺います。前回の市長定例記者会見のときに今の商業地域の想定対象エリアを示されましたが、具体的な高さはどの辺りをイメージしておられるのでしょうか、まだ具体的にはないでしょうか。
(上定市長)今、具体的に何mとかいうものがあるわけではありません。先ほどもあったように、山の稜線というのが非常に曖昧です。向こうに見える山にかかってなければ取りあえずいい。だけど、向こうの山も木々でできてるわけですから揺れますし伐採すれば低くなるというようなことも含めて非常に曖昧なので、それを具体的なものにしていくという方向性は考えてはいますが、今の段階で何mというところまでは議論ができておりませんので、今後景観審議会あるいは専門委員会で議論をしていただく中で明らかになってくるものと捉えています。
(読売新聞)高さについては、例えば市のほうからある程度明示された上でということになるんでしょうか。
(上定市長)高さ以外もですが、景観審議会とやり取りしながらになりますので、例えば審議会のほうから「市としてどういう案があるのか示してほしい」と言われれば、示すことはあり得ると考えています。
(読売新聞)もう一つ、眺望基準について、現状はこういう形での松江城の景観形成基準というものがあります。これを具体的に、どういうふうに見直すというのが、僕自身はあまりイメージできないんですけれど。
(上定市長)これも景観審議会のほうに議論をお願いすることになりますが、一つの例として、今の基準は、いずれも松江城から見た眺望です。反対に松江城がどう見えるのかということについては触れておりません。ですので、ビューポイントと言うか、あるところから松江城を見たときに、それが見えるっていうことも含めて検討していく、松江城天守から見るというだけではなくて、ほかの観点・ほかの視点から見たときの眺望というのも、松江らしい景観を保全していく上でポイントとなるものというふうに考えております。
(読売新聞)上からだけじゃなくて、下からの視点も加えるというイメージですか。
(上定市長)そうですね、上からのところもどういうふうに考えていくのか。山の稜線という観点ももちろんですし、ほかの見方をしたときに、松江らしい景観がいかにあるべきかという点で規制をプラスしていくということは、大いに考えられると思っています。
(山陰中央新報)国道9号の自転車歩行者道整備について、これは道路の両側に歩道をつけるようなイメージですか。
(上定市長)宍道湖側に拡幅を検討されていると聞いています。
(山陰中央新報)歩道の幅が4メートルになるということですか。
(上定市長)歩道と自転車道が合わせて4メートルです。
(山陰中央新報)今ある車道の幅は変わらない?
(上定市長)その辺がどのようになるのかは国土交通省の判断になります。今回調査設計費がついているので、今年度そういった検討も併せて行われるものと考えています。
(山陰中央新報)市として、事業の完了時期などについて協議をされていますか。
(上定市長)協議しているわけではありません。今後、調査設計をされた上でということになろうかと思います。
(山陰中央新報)最後に説明いただいた一畑バス路線廃止への対応について、地元と最終調整中ということですが、5月中にという感じになるんでしょうか。
(上定市長)現在、地元の皆さんに対しての説明会・意見交換会を行っています。住民の皆様からの御意見をできるだけ受け止める・反映する形で、今度は交通事業者、松江市交通局・一畑バス・コミュニティーバスの運行候補者との調整を経た上でということになります。いつというのが申し上げにくいところですが、当然のことながら速やかに、10月の運行開始ではありますが、できるだけ早く決めて皆様にお知らせしたいと考えています。
(山陰中央新報)知事公舎についても1点伺います。期限延長を県にお願いされたということですが、市として、何か活用案が今のところありますか。
(上定市長)これは行政だけで丸抱えしてやるというよりは、いわゆる民間活力、民間事業者の皆様と一緒にどういうことができるのかを考えていきたいと思っています。そうなりますと、関係者がどういった考えをお持ちかということも聞いたうえで検討を進めていかなければいけないので、ちょっと時間がかかってくるかと思っているところです。
今の段階で、具体的に何かお示しできるようなアイデアというか、選択肢が手元にあるわけではありませんので、今後さらに検討を進めていきたいと思っています。
(山陰中央新報)当然、観光の面での活用ということが…。
(上定市長)立地が塩見縄手ですので、それを最大限生かしていくというのは当然踏まえていきたいと思いますし、観光だけに特化するというよりは市民の皆さんが利用することができるような施設というのも一案としてはあると思います。いずれにしても立地がすごくいいので、どういうふうに活用していくのか前向きに検討していきたいと思っています。
(山陰中央新報)最後に、宿泊税のことで1点お願いします。パブリックコメントを募集しておられますが、丸山知事が「宿泊者の税負担の回避に向けて免税点が必要」とかねてから言っておられ、パブリックコメントとして市に意見提出をされたことはお聞きだと思いますが、この点について市長の受け止めをいただければと思います。
(上定市長)知事から関心を持っていただいて御意見をいただけるのは非常にありがたいことと思っており、知事にかかわらずですが、皆様からいただける御意見は非常に貴重ですので、それを踏まえた上で、今後、具体的な立てつけについて検討していきたいと考えています。
宿泊税については、検討委員会を設けそこで審議いただいていましたので、その結果を踏まえて現在パブリックコメントをさせていただいています。4月30日までが募集期間で、今のところ、知事からのご意見も含め18件の意見をいただいています。それらのご意見を踏まえた上で、今後具体的な検討を進めたいと考えております。
(山陰中央新報)委員会での議論では、事業者側の負担、税の公平性といったことで案をまとめられたと承知していますが、一方で、島根県は東西に長く、県西部から医療機関が充実している県東部に行こうとしたらどうしても宿泊を伴うことも想定されますが、そうした税負担の考え方については、市長としてはどのように思われますか。
(上定市長)税負担というより宿泊税の話として考えたとき、結局宿泊された方の利便性も高める、宿泊された方に対してその効果があるというのが宿泊税だと思います。一般的に言えば、観光のための資源の修理や建設に充てるだけではなくて、例えばバリアフリーだとか、宿泊された方の利便性が高まるものにも宿泊税を活用できますので、宿泊税の活用ということで言えば観光目的だけに限らないということはあろうかと思います。
一方で、先ほどおっしゃっていただいたように、免税点を設けることによって宿泊事業者の皆様が、この人は観光目的なのか、あるいはビジネス目的なのか、あるいは医療を受ける目的なのかという判断が非常に難しいところがありますし、両方兼ね備えていらっしゃる場合もあります。それらを実務上どういうふうにクリアしていくのかについての議論が実際にあり、結果として、検討した上で免税点は置かないことでまとまったのが今の報告書です。そのうえで今後、パブリックコメントでいただいたご意見も当然加味した上で、松江市としての方向性を検討していきたいと思っているところです。
(山陰中央新報)先ほどバリアフリーや社会活動ということをおっしゃいましたが、それは松江に来られて宿泊施設を使って、泊まられながら観光以外の目的で動く方にも利益があること、改修だとかそういったことにも使える、という認識ですか。
(上定市長)そうです。宿泊された方が市内で、例えばWi-Fiを利用されるとかキャッシュレス決済をするとか、そういったデジタル化によって利便性を高めるようなことに使われている事例もあると思います。ですので、観光以外で宿泊された方に対してという観点もあると思います。県内から医療目的で来られた方に対して、どのようにサービスとして提供できるのか、4月30日までまだありますので、皆様からも意見をいただいた上で検討を進めていきたいと思っています。
(山陰中央テレビ)知事から求められている免税点について、報告書の時点で外されて上がってきた、当初そういうものが盛り込まれてなかったというところからすると、それを今後盛り込んでいくというのは難しいという考え方なのでしょうか。
(上定市長)今の段階で免税点を設ける・設けないとか、難しいかそうでないかというような判断をしているわけではなくて、今後出てくる意見も含めてパブリックコメントを踏まえた上で検討を進めていこうと思っていますので、今の段階で何か結論があるわけではありません。
(山陰中央テレビ)今回公表予定だったバスのダイヤについてですが、公表予定がちょっとずれ込むということで、どういうことで調整が難しかったり、どういう意見で調整に時間がかかっている、というところがありますか。
(上定市長)住民の皆さんの希望というのは当然長い路線、今までの路線を維持したいというほうが強いというところもありますし、一方で一畑バスにとってみると、経営上、路線の減便あるいは路線短縮ということが必要な面もあるというところで、その調整が必要となります。もともとは3月28日の時点では、今日4月18日までには調整を整えておきたいと考えていましたが、住民の皆様の希望とそれに合う形での公共交通をつくりつけていくのに予想していたよりも時間がかかっているという状況です。
今後もまた意見交換会、説明会等開いていきますので、当然のことながら住民の皆さんにできるだけ寄り添う形で調整を進めていきたいと思っているところです。
(時事通信)万博についてお聞きします。 2025年大阪・関西万博が開幕まで1年を切りました。準備の遅れですとか事業費の膨張が懸念されている中で国に求めることをお聞きしたいのと、あわせて、先日「温泉ツーリズム推進協議会」が発足されて、松江市も参加されていることと思います。これも含めて、松江市として取り組むことですとか万博の機運醸成に向けての意気込みを教えてください。
(上定市長)来年に迫った大阪・関西万博は、インバウンド観光を取り込んでいく非常に大きなきっかけになると思っています。関西圏域にあってこの山陰、あるいは島根、松江にないものもたくさんある一方で、逆もしかりと思っており、山陰、松江に来ていただく意味というのが見つけられるというふうに考えています。
そのうちの一つが温泉でもあり、先ほどの「温泉ツーリズム推進協議会」というのを先般立ち上げて、全国9ブロックのうち7ブロックの代表者が集まって記者会見をさせていただきました。私が中国ブロックの代表として特に玉造温泉と松江しんじ湖温泉についてPRをさせていただきました。今後「温泉ツーリズム推進協議会」のネットワークを通じて、インバウンド誘客も図っていきたいと思っていますし、観光地同士の連携も図っていきたいと思っています。
国に対しては、先般も記者会見の後に観光庁に行き、温泉ツーリズムも含めて大阪・関西万博を基点とした地方へのインバウンド観光客の取り込みについてお願いをしてきたところです。機運が日本全国として高まり、かつインバウンド観光の方も含めて万博にたくさんの方が訪れていただくためには、例えばパビリオンの建設が予定どおり進みPRも世界的にしっかりやっていただいて、たくさんの方が大阪のみならず中国地方にも来ていただけるような機運をつくっていかないといけないと思いますが、松江市だけでできることは限られているので、国や他自治体とも連携をしながら取り組みたいと考えています。
昨年、観光戦略プランというのをつくり、また宿泊税の検討あるいは松江観光協会の強化ということも進めておりますが、インバウンド観光は一つの大きな、今後の需要が見込める部分だと強く思っており、その一つのきっかけを大阪・関西万博に見いだしていきたいと。かつ大阪・関西万博で一過性のものにせずに、その後もしっかり続いていくような観光戦略を打っていきたいと思っています。
(山陰放送)知事公舎の話ですが、県からは優先交渉権みたいな形でまず市に話があったのかということ、具体的にその買取りみたいなところまで県から打診があったのかというところをお聞きかせください。
(上定市長)今は利用計画について照会を受けたというところです。ですから、具体的な条件というか、買い取るとか貸してもらうとかも含めて我々からも提案はできると思いますが、具体的に何か条件をつけてということではありません。
この記事に関するお問い合わせ先
政策部 広報課
電話:0852-55-5125
ファックス:0852-55-5665
お問い合わせフォーム
更新日:2024年09月10日