「松江市地域公共交通計画」令和6年度の取組み

更新日:2024年05月25日

地域公共交通計画は、松江市が目指す「コンパクト・プラス・ネットワーク」を実現するために公共交通が果たす役割を明らかにして、持続可能な公共交通を形成するためのプランとなります。この3月に策定をしており、計画の基本理念として「市民みんなでつくるだれもが安心して、やさしく移動できるまち・松江」を目指していきたいと考えています。計画の期間は、令和11年3月までの5年間で、この計画を策定することにより、複数の交通事業者による共同経営計画の策定が可能となることが一つのポイントです。

令和6年度の取組について、10月には各公共交通の役割分担を整理したいと考えています。この各公共交通というのはバス、タクシー、鉄道、また新たなモビリティ等についても考えていきたいと思います。また利用者、特に自家用車での移動が困難な学生や高齢者の移動ニーズなど、通院するとき、通学するとき、買物に行くとき、出勤するとき等、こうしたニーズに応えるための役割分担を整理していきたいと考えています。

もう一つは、令和7年の3月に向けて、先ほど整理した役割分担に基づく市内の公共交通体系の整理を図っていきます。その際にポイントとして、例えば交通の結節点となるところの待合環境の整備・にぎわいを創出。二酸化炭素を出さない「グリーンスローモビリティ」が注目されていますが、こういった新しい交通手段の導入。また、重複区間、公共交通が複数通っている区間についての路線の再編等も考えていきます。

これを推進する体制として、平成20年7月に設置された「松江市公共交通利用促進市民会議」があります。この構成員は、松江市、松江市交通局ももちろんですが、利用者・地域の代表として公民館長会、町内会・自治会連合会、高齢者クラブ、商工会議所、その他たくさんの方に入っていただいています。また、交通事業者についても一畑バス、JR西日本、タクシー会社、一畑電車等にメンバーとして加入をしていただいています。担い手、運転士については連合島根から参加をいただいており、行政も松江市だけではなく中国運輸局、松江警察署にも参加をいただいています。広島経済大学の加藤先生に会長を務めていただきまして、先ほど申し上げた「松江市地域公共交通計画」の策定の主体でもあります。

この市民会議の下部組織として、今回「公共交通で暮らしやすい未来を実現するプロジェクトチーム」を立ち上げることにしました。このプロジェクトチームにおいて、地域公共交通計画の方針に基づき、有識者等の意見も踏まえ公共交通の在り方を検討していきます。

このプロジェクトチームにさらにぶら下がる形で、実行組織を3つの領域に分けて設置します。1つ目が「路線バスのワーキンググループ」、2つ目が「タクシーワーキンググループ」、3つ目が「新たなモビリティワーキンググループ」、これら3つのワーキンググループをつくった上で個別の検討を進めていきます。DX、デジタル化の推進、人手不足への対応、コスト効果、利用促進といった観点も加味して議論を進めていきます。

この「公共交通で暮らしやすい未来を実現するプロジェクトチーム」について、この名称に込めた思いというのをお話しします。このプロジェクトチームの目的は、市民生活の充実。市民生活を充実させるための手段としての公共交通という位置づけを明確にしたいと思っています。そして利用者にとって、とりわけ高齢者あるいは学生の皆さんにとっても分かりやすく使いやすい公共交通にしていく。そして計画をつくるための計画づくりではなくて、具体的なアクションを起こすための土台となる計画にしていく。また、関係者の皆さんでチーム一丸となって取り組んでいくということにしています。

プロジェクトチームのメンバーは、先ほどの市民会議の委員の所属団体からその代表者で構成しています。これまでの市民会議には島根県は参画していませんでしたが、今回、島根県にも新規に参画いただきます。それと有識者の3名にも参画をお願いすることにしています。その3名はいずれも国土交通省あるいは松江市、あるいは大学等において豊富な研究調査の実績がおありになる方で、呉高専教授の神田先生、島根大学法文学部教授の飯野先生、松江高専准教授の三谷先生です。また、そのほかにも都市計画、医療、地域振興などの分野の有識者の方にも参画をお願いする予定にしています。

最後にスケジュールです。今月20日に市民会議の第1回を開催、それを経て29日にプロジェクトチームの第1回会合を開催する予定としています。その後、6月から各ワーキンググループがスタートし、7月、9月、11月、2月と議論を重ねていく予定です。市民会議についてもその間に行い、この第2回の場で各公共交通の役割分担の整理をしたいと考えています。また第3回を3月に開き、この役割分担に基づく公共交通体系の整理を図り、さらに来年の10月には再編した公共交通体系での運行を開始したいと思っています。

会議やプロジェクトチームの開催時期、議題等は検討状況に応じて適宜変更もあろうかと思いますが、できましたら、実行可能な施策については来年10月を待たずに随時実行していきたいと考えています。

公共交通で暮らしやすい未来を実現すべく取り組んでまいりますので、市民の皆様のご理解、ご支援をよろしくお願いします。

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