「松江らしい景観」を保全・創出するための景観基準の見直し

更新日:2024年05月25日

これまで何度か説明していますが、今後のスケジュールについてある程度方向性が見えてきましたので報告します。

景観基準の見直しを図る母体として、松江市景観審議会を予定しています。4月末に松江市から景観審議会に対して、1眺望基準の見直しと2松江城周辺の建物の景観基準の見直しという2点について諮問をしており、5月22日に松江市景観審議会が開催され、そこから審議がスタートする予定となっています。その際には、この1,2の2つに加え「景観事前協議制度」の導入についてもお諮りする予定としています。

まず、眺望基準の見直しについてです。現行の基準が松江市景観計画で、松江城を景観形成上重要な展望地と位置づけ、この展望地から見たときの眺望がいかにあるべきかといった基準を設けています。さらに主要な展望地として松江城景観形成基準という基準を設けているところです。これらにつきまして、松江城周辺の良好な町並み景観を保全するため松江城景観形成基準を見直すことについて意見を聞くものとなっています。

次に2つ目、松江城周辺の建物の景観基準の見直しです。現行、松江市景観計画において保全すべき景観資源として、景観形成上重要な地域の一つとして松江城及びその周辺を指定しています。松江らしい景観を保全・創出するため、この松江城周辺に景観形成を図る新たな区域の設置が必要かどうか。そしてその区域内において建築物、工作物の高さを含めた景観基準などをどのように定める必要があるかといったことについて意見を聞く内容となっています。

もう一つ、景観審議会の諮問とは別に、景観事前協議制度の導入について意見聴取を行うというものです。中高層建築物を建築する際に、その事業者に対して、景観条例に基づいて導入する予定の景観事前協議を義務づける。これにより、地域特性に応じたきめ細やかな景観誘導を図るというものです。計画変更が可能な早い段階から事業者と行政が景観への配慮を拡充することで、松江らしい景観の保全・創出を導くことができるのではないかと考えています。

具体的に、フロー図(資料P39)で説明させていただきます。まず、現行は下のほう「既存」と書いていますが、景観の届出は、ある程度形式要件を満たしていれば、届出から30日の期間内に、市が内容の確認をした上で、勧告・変更命令あるいは適合しているという確認通知を出すという流れでやっています。ですから、この間に景観審議会を開き内容の精査をするということで、タイムリミットがある中での検討を進めていかなければならないという状況にありました。

今回新設したいと考えているのが、上の「事前協議制度」で、最初に事前協議申出があった際、市の内部だけで検討するのではなく、景観審議会の中の専門委員会、あるいは景観審議会において内容について確認していただき、確認事項等必要に応じて事業者に回答を要請し、その回答をもらって協議することができる期間を設けるということです。その協議が調いましたら正式な届出として受理し、ここから30日が始まるというのが事前協議制度のポイントです。これにより、景観審議会の皆さんに協議内容を事前に共有することができ、また実質的な議論を早めにスタートできるというメリットがあろうかと思います。

以上の3点につきまして今回5月22日に開催する松江市景観審議会に諮らせていただく予定としています。

また、この眺望基準と景観基準の見直しに当たり、専門的な知見を有するアドバイザーに参画をいただきたいと考えており、アドバイザーは國學院大学の西村先生にお願いしようと考えています。西村先生は、文化遺産の保護に関わる国際的なNGOでユネスコの諮問機関でもある日本イコモスの国内委員会顧問を務めておられ、また松江城が世界遺産登録を目指している「近世城郭群世界遺産登録推進会議」の座長も務めていただいています。かねてから松江のこともよく御存じで、都市計画が専門であり最適任の方であろう考え、今回アドバイザーをお願いしたいと思っています。

こうした取組を通じ、松江らしい景観の保全・創出を図ってまいりますので、皆様のご理解のほどよろしくお願いします。

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