市長定例記者会見【質疑応答】

更新日:2024年09月10日

(毎日新聞)スサノオマジックのアリーナの予算について、今回、設計業務の財源として、基金が1億円ちょっと、市債が1,240万円ですが、今後、改修工事に入っていくときの基金と市債の財源割合についても、今回のこの財源の割合というイメージで見ていてよいですか。

(上定市長)おっしゃるとおりです。B1の基準を満たすための改修と機能強化に係る改修と2つを分けて考えていますが、それぞれふるさと納税とそれ以外の市債等の財源で賄っている状況で、その時々の工事の内容に合わせて支出していくことを考えています。

(毎日新聞)もしかしたら市債のほうが増えていく可能性もあるということですか。

(上定市長)工事の進捗あるいは設計の進捗等によっては、ないことはないと思いますが、そんなに大きく割合がぶれることはないかと思っています。

(毎日新聞)その関連で総合体育館周辺エリア未来ビジョンについて、体育館周辺で用途がまだ定まってないのは、県立プール跡地になると思いますが、この新しく策定されるビジョンは県立プール跡地をどう使うかということが議論のメインになってくるのでしょうか。

(上定市長)そうですね、この地域全体をどのように考えていくかということになりますので、機能の再配置等ももちろん考えられなくはないと思います。総合体育館の周辺に今ある機能としては、運動する機能、遊ぶ機能。まだない機能として要望が強いのは商業の機能。その3つの機能をうまく配置する、それがどういったコンテンツだったり設備が必要かも含めて検討を進めていくことになります。

(毎日新聞)今、プール跡地は駐車場として使われている状況ですが、これが今後、駐車場として使われなくなる、何らかのものができるという可能性もあるということですか。

(上定市長)そのとおりです。もちろん駐車場として利用されている、その駐車場の分をどこかに確保するということも当然伴ってきますが、更地として利用していることが一番効率的な利用なのかどうかという観点に立たなければならないと思います。市街地に駐車場は欲しいものの、一方で、駅から10分で歩いて行けるような好立地の場所なので、そこにどういったものがあれば市民の皆さんにとって一番過ごしやすい場所になるのかといったことを考えていきたいと思っています。

(山陰中央新報)資料P10の令和5年度補正の関係で、財源の4番目に寄附金がありますが、これは全額、体育館のためにいただいたものですか。

(上定市長) 全部が体育館ということではありません。資料P11に書いていますように、体育館も一部含まれておりますが、「ものづくりアクションプラン」分も含まれています。

(山陰中央新報)バンダイナムコから、去年の7月でしたか会見をされたときに、ふるさと納税でいただくということでしたが、これは、その分も入っているということですか。

(上定市長)総合体育館の改修を目的として企業版ふるさと納税をしていただいた分が入っていますが、どこがということについては、現在、その公表の在り方を検討しているところで、今の段階では明らかにしておりません。

(山陰中央新報)これは一括でいただくというわけではなくて、何回かに分けていただくような感じになるんですか。

(上定市長)今、バンダイナムコさんやそのほかの企業からふるさと納税を受け付けている状況ですが、必ずしも一括でなくてももちろん受け付けられます。企業版ふるさと納税は税制上のメリットがありますので、会社ごとに、各年度でどれぐらいの収益が上がって、どれぐらいの節税効果があるかということも踏まえ、各会社の事業内容に応じてふるさと納税額を変えていかれるのではないかという認識を持っています、一般論ですけれども。

(山陰中央新報)体育館周辺エリアのビジョンについて、資料P28にスケジュールが書いてありますが、第1回から第4回までの会議はいつ頃の想定ですか。

(上定市長)第1回は7月ぐらいを想定し、現在調整中です。第4回は今年度内で終わるイメージです。今年度内で結論を得た上で、令和7年度から設計・工事に入っていけるようなスケジュールを考えています。

(山陰中央新報)市民アンケートやパブリックコメントを会議と並行してされるということかと思いますが、イメージとして、会議で出た内容を踏まえてやっていかれるのか、それとももうアンケートとして問う内容が決まっていたり、市民の方に意見をいただきたいものがあるのですか。

(上定市長)委員の皆さんと一緒に考えていくことになりますが、まず最初の会議において、どういった内容で市民の皆様にアンケートを取るのがいいかということについては議論することになると思います。アンケートで具体的な問題点なりいろいろな意見・要望が出てくると思いますので、それを組み立てた上で案としてまとめ、またパブリックコメントに付した上で意見をいただき、さらにそれをブラッシュアップして最終的な案をつくり上げていくものと思います。そういった市民の皆さんとのキャッチボールをさせていただいた上で具体化を図っていくというイメージを私自身は持っています。また検討会議の委員の皆様と、そういった方針でいいかどうかということについては確認していきたいと思っています。

(山陰中央新報)資料P28の令和7年度以降のところの一番下に「設計・工事」と書いてありますが、7年度以降でもう着工するイメージですか。

(上定市長)そうですね。令和8年に総合体育館を改修し2026-27シーズンがスタートしますので、それに全部が間に合うかどうかというのは内容次第になってきますが、そういったにぎわいのつながりをできるだけ早く、総合体育館の改修に合わせて促していきたいと思っていますし、県立プール跡地が駐車場利用のままではなくていろいろと有効に活用できるのではないかという考えも持っていますので、案が定まれば、できるだけ早くそれを実現していきたいという思いです。

(中国新聞)体育館のことで、新B1基準のための改修と機能強化に係る改修と2つに分けられていますが、新B1基準のための改修はバンダイさんほかからいただいたふるさと納税の基金を充てるというイメージで、機能強化に係る改修は市のお金を充てるというイメージでしょうか。

(上定市長)そのとおりです。

(中国新聞)それぞれ、幾らと幾らになるかということは分かっていますか。

(上定市長)全体の設計・改修工事費が約33億円ですが、恐らくその9割方は、今回の新B1基準に適合するための改修となります。

(中国新聞)アリーナの整備以外にも新B1に参入するためには来場者数などの基準がありますが、現時点で参入できるかという見込みについて、市長はどう考えられていますか。

(上定市長)(入場者数平均4,000人の基準は)昨シーズン4,500人と非常に盛り上がりましたし、事業会社側の売上基準(売上高12億円以上)も満たしていますので、まずはこの施設整備を進めて、それと同時に市も県も、あるいはバンダイナムコも一体となって機運の醸成を図っていけば、新しい基準はクリアできるのではないかと思っています。

(山陰中央新報)本日発表いただいたことと全く関係なくて恐縮ですが、東京都が高校の授業料無償化を進めており、そういった地方と都市の格差的なことが話題になりつつあります。松江市では去年、医療費の無償化の発表がありましたが、それよりももうちょっと範囲の広い話かと思いますが、格差がどんどん広がっていくことに対して市長のご見解を伺います。

(上定市長)それは都市と地方の生活における必要コストみたいな話ですね。質問と若干ずれるかもしれませんが、例えば子育てしやすい環境づくりは、移住を促す意味では非常に重要だと思います。ただ、そういったお金の負担だけのものでもなくて、例えば子育てのしやすさとか、自然環境の豊かさだとか、そういった点についても、実際子育てされる方が比較考量の上で、どこで子育てするか考えられると思います。松江市が今、力を入れているのは、生活に必要なサービスをできるだけDX化して、できるだけ手軽に素早く受けられるようにしようということ。例えば市公式LINEではいろんな情報を得ることができる「AIコンシェルジュ」という機能を持っています。これがあれば、お子さんが病気になったときに、今こういう症状だけどと聞けば、それに対する対症療法的なものが聞かせてもらえるだとか、そういったDXの恩恵にあずかるという点が一つ。もう一つは、これは非常に松江らしい取組ですが、この4月から1,700の自治体が「こども家庭センター」を設置することが努力義務になりました。子育て世帯の方が相談をしたり、あるいはこどもの相談を受けたり、幼児虐待についての相談を受けたりする窓口は、今まで分かれていました。それを一本化したということですが、松江市の場合には、去年の4月から1年間前倒して相談を受けるようにしています。実際、相談件数も随分増えており、そういったことも含めて評価をしていただいて、去年、日経新聞と日経BPによる「共働き子育てしやすい街ランキング」で、松江市は中国地方で1位、中四国地方でも松山に次いで第2位でした。松江市は、人口の社会減、自然減が続いている中で、30代だけは社会増です。子育てをしたり、あるいは家を持ったりする世代がUIターンしてくることが数字上表れており、子育てしやすい環境があるというのが客観的に見てとれると思います。そこには実際、医療費の話ももちろんあると思いますし、生活コストが安いというのもあると思います。それにあわせて、周りの人同士助け合えるような環境があったり、都会ではなくなってきている近所付き合いだとか、いつでも相談できる環境などがあると思います。お金ももちろん重要ですが、それだけではない松江の魅力というのを高めていくことが定住や移住の促進にもつながる面があると思います。一方で、東京一辺倒でなく偏りがない形というのは当然重要ですし、地方が衰退していくことのないよう必要な手当を国に対して求めていきたいと考えています。

(山陰中央新報)高校の授業料無償化は、地域によって受けることができる教育の質に違いが出てくるという話にもつながってくると思いますが、その辺りのご見解は。

(上定市長)東京も、成績のいいこどもたちというのは小学校、中学校から私立に行ってしまいます。そうすると、結果的に一流の大学に入っているこどもの家庭を見たときに、高額所得の人が多いというような状況も実情として生まれています。小学校から私立の有名なところに入れようと思ったら当然塾にも通わせないといけないので、所得格差が学歴差に表れてきているという状況は、実際に見えてきていると思います。教育はすごく重要なので、お金のありなしによって受けられる教育の水準が変わってくるということが、少なくとも地方においては顕在化しないような取組は当然必要だと思います。もう一つは、全国と比べたときに、教育の水準が保てるような努力はすごく重要だと思います。都会でずっと育って、なかなか触れられないような自然環境であったり、コミュニティの温かさであったり、この島根で、松江だから感じられるものってたくさんあると思います、伝統文化を含めて。高校の授業料の水準自体も東京の平均的なものと比べて、当然公立が多いのでそんなに高いというわけではないですが、それ以上に、やはり質について、松江、島根ならではの教育が施せるか、それによって松江で育ったこどもたちの将来の展望が開けていくような、そういう道筋をつくっていくことが必要だと感じます。

(読売新聞)殿町のマンションプロジェクトについてですが、もう既に工事は始まっていて、住民団体の方から伺ったところによりますと、先月、京阪本社に出向かれたと。その中で、役員の方から、もし松江市から正式に買い取るというような意思表示があれば、金額については算定するというような言質を引き出されたという話を伺いました。今まで市長のほうからは、価格のことが一番ネックになって公費で買い取るのは難しいというお話が何度も出ていますが、改めて、現時点でこの殿町のマンションプロジェクトについてのお考えは全く変わらないという認識でよろしいですか。

(上定市長)結論を申し上げると、変わりはございません。松江らしい景観を保全した上で、さらによい松江をつくっていくためには、現在の景観規制では足りないところがあると思いますので、新しく基準を設けるということで、もう既に景観審議会等で議論を始めていただいております。それをできるだけ早く円滑に進めていきたいという思いです。

殿町のマンションは着工もされていて今後工事が進捗していくことになりますが、当初から申し上げておりますとおり、そもそも行政でそこを買うことの意味合いが見つけにくいところがあります。一方で、まつえ風景会議の皆様から買い取ることができないかと話がありましたので、私も大阪に事業者を訪ねたときに、買い取ることの可能性について先方と話をしています。ただ、そのときに、一般的な路線価や公示地価から普通に掛け算で相場価格というのが出てくるわけですけれども、それと同様の水準の提示ではもちろんありませんでしたし、現状では、もう既に分譲をするマンションの工事に着手していることになりますので、これは一般常識的な話で想像の域を超えませんが、土地を買うということになれば、建物自体も購入するということが先方とのやり取りの条件になってくる可能性があると。そうすると、数億円とかいうレベルでは全くないですので、仮にそういった金額の提示があったとしても、それが一般的な、普通に行政が土地を購入する価格とはものすごく離れているものが想定されると思います。立ち返りまして、前に申し上げたところから特に方針は変わっていませんので、繰り返しになりますが、できるだけ早く松江に必要な景観規制を整えて、松江らしい町並みを保全していきたいとい思っています。

(山陰中央新報)松江らしい景観を守るという話を繰り返されていましたが、前回の記者会見の際、西村先生をアドバイザーとして依頼されるということだったと思いますが、その背景としては、やはり松江らしい景観を守って世界遺産登録に力を入れたいということですか。どういう意図でしょうか。

(上定市長)そうですね、西村先生が実際にユネスコ世界文化遺産の登録といいますか、いろいろなところで文化遺産に携わられたという実績、まちづくりの観点から全国のいろいろな事例を御存じで特に松江のような伝統・歴史を重んじるようなまちについてこれまでも携わっていらっしゃったこと、今までも松江城を通じて関係があったことなどを背景に、西村先生が一番最初に頭に思いついたということがあります。ご本人にお願いして入っていただけることになりましたので、今後、そういった世界遺産の文脈も含めて、歴史的な町並みを保全する、あるいはそこと新しいものとのバランスをいかに取っていくかといった観点で、西村先生から非常に貴重なご意見をいただけるものと考えてお願いした次第です。

(山陰中央新報)宿泊税のことを1点教えてください。先日、免税点や課税免除対象の再検討に入るという話でしたが、そもそもの市でまとめられた素案、検討委員会でまとめられた案の中では免税点を設けないという話だったと思います。市長として、自治体が全国で9あって各自治体の状況も調べられたと思いますが、免税点を入れることの課題はどういうものがあると思っておられますか。

(上定市長)免税点を入れるということは、宿泊税を取るときの料金体系が複雑になることを指します。実際に全国で9自治体、既に宿泊税を導入している中で、2自治体だけが宿泊税に免税点を導入しています。一つが東京都で1万円未満、もう一つが大阪府で7,000円未満の場合には宿泊税を取らないということですが、結局、宿泊事業者の負担になってくるところを、どこまで宿泊事業者の皆さんが甘受していただけるかという部分があると思います。宿泊事業者の皆さんも検討委員会に入っていただいていますので、議論をしていくことになると思いますが、例えば低廉な宿泊事業を営んでいらっしゃる方からは、実際のご意見として、自分のところは外してほしいというようなことも聞こえてきています。ですので、その負担感のところと、免除される方にとってはそれだけ宿泊しやすくなるというメリット、そこをどう考えていくかが今後のポイントになってくると思います。繰り返しになりますが、免税点を導入することによって、宿泊事業者のオペレーションが複雑になる、手間がかかる、コストがかかる、人手がいるといったところをどのように捉えていくかが、検討の中では必要だと認識しています。

(山陰中央新報)逆に、そのオペレーションが複雑化してという中で、そういう手間をかけなければ入れてもいいよという方もおられると。

(上定市長)もともとの報告書ベースでも、そういった手間がないほうがいいというのが前提としてありました。宿泊事業者ごとに、料金も幅がある中で、その一つ一つについて宿泊税の対象になるか、ならないかを判断するのが非常に難しいわけです。そこにまた、違う「宿泊目的」というものが入ってくれば、観光なのか、ビジネスなのか、医療なのか、これが一つだけに絞れて、その証明書でも発行されればいいのですが、そういうことにもなりません。そのあたりの具体的なオペレーションまで考えたときに、宿泊される方にとっても宿泊事業者にとっても、できるだけ簡単な形のオペレーションが必要だという認識を持っています。でないと、なかなか長続きしないと思います。パブリックコメントをしてよかったと思うのは、本当に多面的な意見をいろいろいただいていますので、それを踏まえて一番いい解を探っていくというのがこれからの検討母体でのミッションかなと思っています。

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