市長定例記者会見議事録(全文)
令和6年9月議会 9月補正予算・令和5年度決算
令和6年9月市議会定例会に上程をさせていただく補正予算と令和5年度決算の概要について説明します。
まず補正予算(第5号)は総額が10億4,409万円です。政策的事業として12億9,000万円、令和5年度の補助採択によって不用となった事業費の減額が2億5,000万円ありますので、合わせて10億円の予算規模になっており、これを国庫支出金、市債等で賄うという計画です。
内容について、個別に説明します。
まず「ひとづくり」の項目で、子ども医療費助成制度についてです。今年4月に、松江市では中学生までの入院、通院、調剤等を無償化しました。今回は、県と連携し、子ども医療費の助成対象年齢を高校生年代まで拡充します。令和7年4月から予定しており、そのための準備に入る予算として482万円を今回計上しています。今は高校生年代の方には入院、通院等があったときに3割の自己負担をいただいておりますが、来年4月からは、入院、通院とも自己負担を1割(それぞれ上限あり)、調剤は自己負担なしとします。今年10月に医療証の発行申請書を発送、申請受付を11月から始め、来年4月からの制度拡充に間に合うように医療証を発行します。
続いて、同じく「ひとづくり」の項目で、ひとり親の経済的支援の拡充です。これは、児童扶養手当制度の改正に伴うもので、令和6年11月の手当から所得限度額の引上げと、多子加算(第3子以降)の拡充を行います。事業費は1,319万円です。
次に「どだいづくり」の項目で、生活に必要な公共交通の維持・確保のための予算です。現在、運転手不足が深刻な状況にあるタクシー業界について、新規雇用に係る経費を支援するものです。現在、県が交通人材確保特別緊急対策事業支援金という制度を設けていますが、この制度はコミュニティバスなどの運行受託事業者が主な対象となっており、その対象とならない市内のタクシー運行事業者を対象とした制度を新設するものです。支給要件は、10月1日以降に新たに運転手を雇用し、1年以上継続して雇用することで、1人当たり20万円の支給を予定しています。この制度の創設に合わせ、「運転体験会・就職フェア」を11月に開催する予定です。これは、出雲市とタクシー事業者、路線バス事業者と連携し、初めて行うもので、運転の体験や各社の説明を聞ける機会ですので、関心ある方はぜひ参加いただければと思います。
次も「どだいづくり」の項目で、「松江らしい景観」を保全・創出するための景観基準の見直しに係る経費1,746万円です。これまでも記者会見の場で何度か説明していますが、松江市の景観基準について、現在見直しを図っています。景観事前協議制度の導入、眺望基準の見直し、松江城周辺の景観基準の見直しのため、景観審議会・専門委員会の開催や、調査、シンポジウム、アンケートを実施するなど、その経費として今回計上するものです。
次も「どだいづくり」で、城山公園と塩見縄手の危険木対策です。これもこれまでに報告していますが、特に松江城周りの樹木についてかなり老齢化が進んでおり、また危険な状態にあるものも確認されています。今年になってから大木2本が倒れるといったこともありました。幸いにも人命、財産等に影響はありませんでしたが、予防的に伐採の措置等を施していく必要があると認識しています。事業費は、松江城山公園と塩見縄手を合わせて2,311万円です。既に緊急安全点検を行って、随時伐採・剪定等を実施しているところですが、並行して危険木の精密診断等も行ってまいります。
次も「どだいづくり」の項目です。安心・安全なまちづくりのための社会資本整備ということで、道路、橋梁の点検・長寿命化、通学路等の歩道整備、生活関連道路や主要道路の整備、交通安全施設整備等について、事業費2億5,676万円を計上しています。
災害復旧事業としては、農林水産施設、公共土木施設、合わせて5億5,282万円の予算を計上しています。また、今年7月に発生した大雨によって被災された中小企業者、個人事業主の事業継続の支援、被災世帯の住宅補修の支援も行います。
ここまでが今回の補正予算で、次に令和5年度一般会計決算について報告します。総論として、決算規模は歳入歳出とも微減となっていますが、引き続き高い水準で推移をしています。決算の特徴として4点上げています。1点目は、僅かに歳入歳出とも縮小したものの、引き続き高水準の状況にあります。1,000億円を超える歳入歳出の規模になっています。2点目として、コロナ対策費が減少した一方で、物価高騰対策費が増加しています。令和4年から5年の推移で見ると、コロナ対策費は44億円が11億円に減った一方で、物価高騰対策費は28億円から40億円に増えています。3点目として、財政調整基金の取崩し額が増加したものの、財政調整基金と減債基金を合わせた残高では、中期財政見通しの目標額を確保できています。目標額55億円に対し、58億1,000万円を確保できている状況です。最後4点目として、市の財政の健全性を見る指標である実質公債費比率と将来負担比率がともに改善しています。今後も収支の改善、こうした比率の改善を図りながら、必要な予算についてはしっかり確保した上で振り向けていく。そして有利な財源等については、国等と調整をしながら調達していくということに心がけてまいりたいと考えています。
市有施設にかかる使用料金の改定
公共施設の利用料金については、平成26年に策定した基本方針に基づき、3年ごとに見直しを図っていくことにしています。しかしながら、コロナ禍がありました3年前については見送りました。その前になると、令和元年に消費税の増税がありましたので、今回は、このとき以来の改定ということになります。また、著しく高くなるということは利用者にとって不都合ですので、1.3倍増までに制限するという激変緩和措置を置いています。今回は、皆さん肌感覚も持っていらっしゃるように、近時、光熱費、労務費など上昇していることに伴って、各施設の維持管理費も非常に高くなっている状況にありますので、それに対応した受益者負担を原則として、今回、見直しをさせていただくものです。来年4月からの使用料金改定を考えておりますが、一部の施設については市民割引を導入します。また、日常的な利用の多い施設については、料金改定を今回見送るということを考えています。
具体的な内容については資料P17にあるとおりです。まず、観光客の利用が多い施設(松江城、松江歴史館、小泉八雲記念館など)については、先ほど上限1.3倍と話しましたが、実際必要となる費用・コストを考え、1.5倍を上限とさせていただきます。それと同時に、市民割引を導入します。次に、観光客の利用は多い一方で市民の利用もある施設(宍道ふるさと森林公園、小波キャンプ場など)、市民の利用が相対的に多い施設(市民活動センター、国際交流会館、総合福祉センターなど)については、先ほどの1.3倍上限という原則にのっとり改定させていただきます。一方で、市民利用が多い一部の施設(総合体育館、野球場、出雲玉作資料館など)については、市民の皆様の負担軽減・暮らしの充実の観点から、料金改定は見送りたいと考えています。
市民割引制度の導入について、先ほど申し上げたとおり、観光客利用の多い施設については1.5倍という改定幅の上限を今回設定させていただきます。あわせて、市民の割引制度を、市民の皆様の負担の軽減、暮らしの充実の観点から導入させていただくものです。対象施設は、観光客の利用の多い7つの施設(資料P18)となります。市民割引を受けるときには、免許証・マイナンバーカードなど現住所が確認できるものが必要となります。
今回料金改定をする施設は合計31施設になります。それぞれ設置条例において料金を定めていますので、これらの条例改正を9月議会に提案をさせていただくということになります。これらの改定により、令和5年度の利用者数を基に試算しますと使用料収入が6,289万円増える見込みです。これは全体の1割、10%に当たる数字となります。主な施設に係る料金改定の内容は、松江市のホームページに掲載していますのでご確認ください。資料P20は料金改定する31施設の一覧になります。※印をつけている3つの温泉施設は、浴場料の変更はなく、施設の中にある貸し館部分の料金改定を行うものです。
資料P21には料金改定の具体例をあげています。松江城は現行680円の入閣料にしていますが、改定後は800円となります。一方で、市民の皆様には400円、半額で登閣していただけるということで、市民の皆様も、ぜひ松江市の施設にもたくさん訪ねていただいて、誇りや愛着を育むきっかけにしていただければと思っているところです。
資料P22、今回改定を見送る施設として位置づけたのは、日常的な利用の多いスポーツ施設などです。市民の皆様の負担軽減、暮らしの充実の観点から見送りますが、次回、再来年の4月の改定を念頭に、今後、調整を図ってまいりますので、ご理解のほど、何とぞよろしくお願いします。市有施設を適切に今後、維持管理していくためには、やはりコスト、予算が必要になります。基本的には受益者負担ということになりますので、料金改定について市民の皆様のご理解をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
土地利用制度の見直しに係る税のあり方検討委員会の設置
土地利用制度の見直しについては、これまでも触れさせていただいたことがありましたが、土地利用の秩序を保ちつつ、いわゆる線引き制度を用いない新たな土地利用制度を創設するということを去年発表させていただき、今、制度のつくりつけをしているところです。
基本的な考え方としては、これまで土地の利用制度によってできないことが非常に多かったところ、「できない」から「できる」への転換を図り、「市域内のバランスのとれた発展」を実現していこうとしています。昨年度から制度設計の検討をスタートしており、今年度は新たな制度の設計を具体的にしてまいります。来年度は新たな制度案を作成し、令和8年度に法定手続に入っていく、令和9年度以降に新しい制度の運用を開始していくというスケジュールを立てています。
今回は税制度に関する検討で、土地利用制度の設計に合わせて税制度の検討を開始したいと考えています。市街化地域については0.2%の都市計画税がかかっています。土地利用制度の見直しに合わせて、こういった税制について具体的な検討をしていく必要があり、そのためのあり方検討委員会の設置についての条例を今回の9月議会に提案させていただくものとなります。都市計画税並びに土地利用制度の見直しに関する税の在り方を検討するために、この検討委員会を設置するという内容です。議会で可決をいただきましたら、今後、10月中旬以降に委員の皆さんの推薦のお願いをし、12月中旬に初めての検討委員会を開催、今年度中に第2回検討委員会を開催して具体的な議論を詰め、来年度、令和7年度に市税の在り方の取りまとめなどを図っていきたいと考えています。
土地利用制度の見直しについては、どうしても調整等に時間がかかるものですが、着実に進めてまいりたいと思っています。皆さんにどんどんチャレンジしていただける、そういった松江をつくっていきたいと思っています。
松江駅前デザイン(案)にかかる意見募集
今年1月14日に一畑百貨店が閉店し、松江駅前のにぎわいが減退を余儀なくされているという状況です。松江駅前は既に整備から20年が経過しており、利便性を高めていく、にぎわいの拠点としていくという観点では、これまでも問題意識を持っていました。一畑百貨店の閉店を一つの大きなきっかけと捉えまして、ピンチをチャンスに変えて、松江の玄関口である駅前を、新たな駅前として創造していく取組をこれから進めようと考えています。市民の皆様にもご理解のうえ、ぜひご協力いただきたいと思っているところです。
松江駅前に対する市民の皆様からの意見として、松江らしさが感じられない、バスの乗り場が分かりにくい、人に優しい駅前にしてほしい、駅前に広場があったらいい、地下駐車場やテルサも老朽化している、といった指摘もいただいていました。こうした状況を踏まえ、一畑百貨店が閉店する前、去年の12月に松江駅前デザイン会議という検討母体を、松江市と松江商工会議所が共同で設置をしました。目指すのは、新しい松江駅前を実現していくことです。
この松江駅前デザイン会議で、松江市総合計画「MATSUE DREAMS 2030」及び中心市街地エリアビジョン等に基づき、松江駅前のデザインをつくっているところです。具体的には、松江駅前に人々が憩い集う、松江の顔となる、松江の玄関となる場所にしていくといった方針で、「松江駅前デザイン」というものの案を策定しているものです。考え方としては、松江駅前に必要な機能を配置し、また、松江らしさが感じられる場所にする、回遊性の向上や、にぎわいにつながる仕掛けをつくっていくという内容になっています。
今後のスケジュールとして、7月23日にデザインの素案を作成しました。この内容について、この後説明をさせていただき、9月2日から17日まで意見募集を行います。10月8日に開催予定の第5回の会議に諮り、この秋には松江駅前デザインを完成させ、それを実行に移す段に入りたいと考えています。
(資料P33)松江駅前デザイン(案)に掲げる機能が4つあります。交通結節機能の確保・向上。交流・防災機能を整え、人々が憩い、集い、にぎわいを生み出す空間づくり。サービス機能として、様々な人から必要とされる、行きたくなる施設や機能の配置・充実。都市環境形成機能として、ほかのエリアへの分かりやすい動線と、歩きたくなる空間づくり。資料P34は、具体的な松江駅前の地図にプロットしています。これが今回の意見募集の対象となるものです。
まず1番から2番、松江駅を降りて北口のほうに向かうとすぐに大橋川があります。松江は、宍道湖、中海、大橋川、また日本海に囲まれた水の都と称していただきますが、松江駅前へ降り立ったときに水の都という感覚がなかなか味わいづらいという指摘がありました。実際、駅前通りを渡るところには横断歩道がなく地下道を通過していくことになり、どうしても松江の風情が感じにくいところですので、今回考えているのは、この北側に抜ける動線を、歩いて行ける、歩行者が楽しめるような動線をつくっていこうと。駅から駅前を見通せて、大橋川のほうの風情が感じられるような、そういった動線をつくっていくということを、この駅前デザイン会議でも話していただいています。また、3番の一畑百貨店の跡地について、新しい複合ビルの建設を計画してまいります。この複合ビルの中には商業施設や宿泊施設などを整えていくことを予定しています。また、複合ビルに付随する形で駐車場が必要になると考えており、駅前にたくさんの目的を持った方が車でいらっしゃることも想定されますので、駐車場の整備も必要になるという認識を持っています。そして、松江駅前を降り立ってすぐのところ、今はバスターミナルあるいはタクシー乗り場になっているところに駅前広場を整備し、にぎわいの拠点としていくという計画です。一方で、バスターミナルについては、西側にスライドするような形でターミナルを再編することを考えています。それに伴い、松江テルサについては、老朽化も進んでいる状況から、その機能の一部を複合ビルに入れていくという方向で検討を進めたいと考えています。そして6番ですが、タクシー乗り場については南側に集約するような形で、タクシーの乗降場と駐車場と送迎スペースを南側に再編することを考えています。
デザイン会議での議論を経たこの計画について、今回、皆様から意見募集をさせていただき、それを踏まえて、10月8日に開催する第5回の会議で議論をさらに深めていきたいと考えています。駅前のこういった再開発事業は非常に長い時間が必要となりますし、もちろん市民の皆様の多大なご理解、ご協力が必要となってまいります。できるだけスピード感を持ち、しかしながら、皆さんの意見も聞きながら進めていきたいと思っていますので、何とぞよろしくお願いいたします。
資料P35が意見募集の概要です。9月2日から17日まで、松江市民以外の方でも応募は可能です。詳細は松江市、松江商工会議所のホームページからご確認ください。お問合せは都市政策課まちづくり推進室までお願いします。
盛土にかかる規制の強化
盛土規制法が施行され、松江市においてもその規制区域の案を作成しましたので、その案についてパブリックコメントを実施するというお知らせです。
盛土規制法が制定された背景ですが、令和3年7月に熱海市で大雨によって盛土が崩落する、それによって甚大な被害が生じ、28名の方が亡くなられるという痛ましい事故がありました。また熱海市のほかにも、平成21年には広島で、また令和3年には千葉県で、廃棄土砂の崩落が起こり、死傷者が出たり、県道が通行止めになったりしています。こういった状況を受け、国土交通省が宅地造成及び特定盛土等規制法、いわゆる盛土規制法を令和5年5月に施行したところです。
この規制法の中身についてですが、まず規制区域を指定します。そして、安全な盛土等が造成されるよう、許可が必要となります。そして、土地所有者等には盛土等を安全に保つ責務が生じます。規制区域は2つに分けられており、一つが市街地など、盛土の崩落で人や家に危害が加わるおそれがあるエリア、「宅地造成等工事規制区域」といいます。もう一つは、市街地からは離れていますが、盛土の崩落で危害が生ずる可能性があるエリア「特定盛土等規制区域」といいます。区域の指定は各自治体に任せられています。
今回、松江市として、基礎調査を実施し、市民の皆様の生命・身体を守るために、市域全体を規制区域とする案を作成しました。具体的には、資料P41の図でピンクと緑で示していますが、市域全体にかかる形で規制区域の案をつくっています。この案について、皆様からのご意見を9月2日から10月1日まで募集をさせていただきます。本庁の行政資料コーナー等で、この意見募集について閲覧することができますのでご確認ください。
規制の開始までのスケジュールですが、今回、パブリックコメントを実施し、その後、関連する条例の改正等をしてまいります。運用の説明会等を踏まえて、来年6月から盛土規制を開始する予定で今後進めてまいりたいと思っています。この規制の強化により、災害から市民の皆様の生命・身体を守ることになります。ご協力をよろしくお願いします。
カラコロ工房リニューアルオープン
カラコロ工房は現在閉館し大規模改修を実施しておりますが、リニューアルオープンが2024年10月2日に決まりましたので報告します。
カラコロ工房は今回生まれ変わり、まずは工房棟「フードホール」ができます。本館1階部分には、松江産品を中心に「上質な日常」を楽しめるマーケット「マルシェ」ができます。そして、本館の2階と3階には、物づくりの体験、外国人の方にも体験していただけるようなフロアを設けます。こちらは10月12日のオープンとなります。そして、地下にはギャラリーを設けます。こちらは11月2日のオープン予定としています。
まず、「フードホール」についてですが、9つの店舗、テナントが入る予定です。和食、イタリアン、カフェ、スイーツなど、非常にバラエティーに富んでおり、各店舗で山陰の食材を生かしたメニューも提供される予定です。こちらはホームページにも掲載しますので、ぜひ詳しくご覧ください。そして、こちら本館1階の「マルシェ」は八百万マーケットのカラコロ店となります。取り扱っている商品は地元の産品が中心となり、例えば津田かぶとか黒田せりなどの伝統野菜や、水産物についても御津フィッシャーマンズファクトリーによる鮮魚、また、お酒についても県内の地酒を取りそろえる予定です。本館2階、3階では、松江流のアクティビティが体験できる拠点となります。職人商店街の拠点施設として使っていくということで、お茶、和菓子、八雲塗、陶芸などの職人、たくみの技を学び、また楽しんでいただける体験講座などを提供する施設となります。職人商店街構想については、令和3年度から継続的に進めているところで、これまで7店舗、白潟天神辺りから京店を北上し殿町に至る場所について、回遊性のある職人商店街の形成を進めているところです。この10月に北の拠点としてカラコロ工房がつながって、南北の回遊性がさらに高まります。
10月2日にまずフードホール等がオープンし、10月12日にグランドオープンのセレモニーを予定しています。10月は特にイベント月間と位置づけ、様々なイベントを展開してまいります。詳細については、松江市のホームページに掲載しますので、ぜひご確認の上、お出かけください。また、11月2日には、地下ギャラリーがオープンします。11月は、松江市を代表する工芸作家の方、楽山焼、布志名焼、八雲塗等の展示会を開催する予定ですし、12月には、松江市生まれの切り絵アーティスト、非常に有名なSouMaさんご本人にも来ていただいて、切り絵の展覧会を開催する予定になっていますので、ぜひ皆様、お越しいただければと思います。
今後、このカラコロ工房を外国人の皆様、インバウンド観光の皆様にも来ていただけるような、松江のにぎわいの中心地にしていきたいと思っています。皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
松江城天守の国宝指定10周年
松江城天守の国宝指定10周年について、3つトピックスがありますので、順次お話しします。
まず1つ目、ロゴマークの制作です。松江城のロゴマークは、現在、資料P53のものを使っています。今回、国宝指定10周年をPRするためのロゴマークを、これと組み合わせて使っていこうということで、これを作っていただいた、著作権を有するデザイン会社に制作を依頼したものです。資料P54が10周年のロゴマークになります。「1」と「0」をあしらっており、「0」の赤は宍道湖に映える夕日、黒と灰色は松江城の板壁の黒や漆喰の白、瓦の灰色などがイメージされています。金色は国宝松江城のロゴマークに合わせたイメージです。そして「千鳥城」から羽根をモチーフに、将来にわたってこの松江城を伝え、守っていくという願いを込めたものです。
これを従来からあるロゴマークと組み合わせて使っていくことにしています。今の松江城のロゴマークもそうですが、皆さんに自由に無料で使っていただくことにしており、松江観光協会のホームページに掲載していますので、いろいろなところで、関連イベント等にも使っていただければと思います。ただし、10周年記念ということなので期限を設けており、来年度末までとしていますのでご注意ください。皆さんで10周年を一緒に盛り上げてまいりましょう。
2つ目が、10周年記念のプレイベントの開催です。今回、「八雲立つ ~千鳥舞う いやさかの祈り~」と題し、尾上菊之丞さんの演出・出演、尾上右近さんの出演で、舞と和楽器の公演を行います。永久に栄えるという「いやさか」を祈念した伝統楽器による演奏と踊りが披露されるものです。出演されるのが尾上家の皆様です。日時は11月9日(土曜日)の1日2公演(12時~、15時~)、舞と和楽器の公演の後に尾上右近さんのアフタートークもあります。松江城二の丸上の段特設舞台において行う予定で、各回800人計1,600人の定員となっていますので、お早めにお買い求めいただければと思います。
3つ目は、特別版「お城EXPO in 松江」の開催が、令和7年6月28、29日に決定しましたのでお知らせします。お城EXPOは、例年、横浜で開催をされていますが、昨年は姫路で開催されました。これは、姫路城がユネスコ世界遺産に指定されてから30年の記念ということで、姫路に国宝5城を持つ5市の市長が集まりパネルディスカッション等を行いました。その際、松江城が国宝10周年になるので松江で開催したいという話をさせていただき、それが実現したものです。来年6月28、29日と、ちょっと先ですが、全国からお城ファンの皆様が松江に集まられることになりますし、また、今後、世界遺産を目指して取り組んでいく大きなきっかけにもなろうかと思いますので、皆様にもぜひご理解をいただき、またご参加いただければと考えています。
松江城伐採木の有効活用
松江城では危険木等の伐採を行っていますが、木は樹齢何百年のものもあり、それを有効に活用していきたいという思いから、令和4年度から伐採した樹木の活用策を考えてきました。市民の皆様からのアイデア募集を行い、9件のアイデアを採用しています。例えばプラバホールのリニューアルオープンの際、松江城の伐採木を座席札として使っています。また、伐採木でベンチを作り、松江市内、あるいは出雲空港等のたくさんの方が集まられるスポットに設置をすることとしています。そのほか、書架、積み木等についても順次製作を進め、書架であれば小学校、中学校の図書室、積み木は幼稚園や保育所に令和7年春に配付していくということで有効活用を図ってまいります。市民の皆様にも、松江城を大切に守っていく一つのきっかけとして、こういった松江城伐採木の利用についても関心を持っていただくとともに、アイデア等ございましたら、ぜひお寄せいただければと思います。
質疑応答
(山陰中央新報)資料34ページ、駅前デザインの素案で、一畑百貨店跡地の位置に「複合ビル+駐車場」と書いてありますが、現時点でのお考えとしては、建物は建て替えるということですか。
(上定市長)短期的と、中期的に考えていく必要があると思います。今回示させていただいたのは、ある程度中期的な時間軸を持ってつくろうとしているデザインです。一畑百貨店のビル、そしてまた、松江テルサのビルも整備から時間がたっており老朽化も進んでいます。そういった中で、ご指摘のとおり、建て替えを前提としたプランとなっています。
(山陰中央新報)市長が想定する中期的というのは、どのぐらいのことを考えていますか。
(上定市長)これから地権者との調整等に当たりますので、どれくらいか明言できるわけではないですが、令和7年からこういった具体的なつくりつけについてスタートして、令和10年台の前半にはこのプランを形にしていくということを一つ、目指す時間軸の目標に掲げていきたいと思っています。
(山陰中央新報)着工はそのぐらいから共同で取り組んでいかれますか。
(上定市長)令和10年台に着工し令和10年台の前半に完了する、一定のプランまでは実現に移すといった時間軸を持ちたいと考えています。
(山陰中央新報)地下駐車場もありますが、そのあたりの考えは。
(上定市長)これは、松江駅前デザイン会議の中で議論がありました。市民の皆様からのアンケートを4月に取っており、その結果などからも、地下駐車場が非常に分かりにくい、使いづらいという話をいただいています。現時点では、この地下駐車場についても廃止し、地下の利用の方法はまた別途検討ということにしています。皆様にできるだけ歩いていただき町なかの雰囲気を味わってもらうことを目標としていく一方で、駐車場の整備等についても一定程度必要になってくるものと考えています。
(山陰中央新報)デザイン案ということなので、具体的な予算だとか、商業施設がどういうものかといったことは、今はまだ固まっていないということですか。
(上定市長)そのとおりです。こういった市街地再開発事業、まちづくり事業などについては国土交通省の補助金等もありますので、こちらの複合ビルについては民間主導で進めていただくと今考えております。一方で、タクシー乗り場やバスターミナル、駅前広場というのは、基本、行政施行になると思います。そういったところで、どういった有利な財源が使えるか調べつつ、県の後押しも受けながら、国土交通省等、関係する省庁との調整などにも入っていきたいと思っています。
(山陰中央新報)複合ビルということなので、例えば図書館だとか、公益的なものが入った場合は国の補助を使うとか、そういうお考えもあるということですか。
(上定市長)具体的にどういった機能を持たせるかはこれからの検討になりますが、その内容によって補助金が使えるケースもあろうかと思いますので、そういった場合には国の有利な財源も活用しながら整備を進めていきたいと思っています。
(山陰中央新報)原発の関連で数点質問させていただきます。中国電力が2号機の再稼働を目指しているところ、市長が就任される前のところでプルサーマル発電導入という中電の方針が示されていますが、市長が就任され、現在どういうふうに受け止めておられるかということと、そして2号機が動いた後は、たぶん(プルサーマル発電導入の)方針は変わってないということですが、ご認識をいただければと思います。
(上定市長)再稼働に向けての取組について、新規制基準の審査を通過したということで、先般、原子力規制委員会の委員長のほうから説明を直接受ける機会を設けてもらいました。今度29日に私も原子力発電所に視察に行ってまいります。令和3年には訓練も含めて2回ほど行っていますが、それ以来ということになりますので、新規制基準をクリアしている施設の内容について、間近に、直接私も確認をさせていただきます。まずは再稼働の大前提となる安心・安全の確保についての確認と思っており、プルサーマル云々の話というのは、当然今後出てくる話題ではありますけれども、ちょっと今の段階では、そういった新規制基準を満たしている状況の確認というのに、最優先にプライオリティーを置いて、今週以降、速やかに取り組んでいきたいと思っています。
(山陰中央新報)プルサーマルについては、2011年の事故が起こる前に松江市として同意をされ、それからずっとその方針で来ているわけですが、改めて何か、核燃料サイクル全般のことで中電に確認を求めるとか、説明を求めるとかがあるのでしょうか。
(上定市長)今までもそうでしたが、今後、必要に応じて説明を求めていく方針に変わりはありません。再稼働をするに当たって、当然設備面をクリアして、原子力規制委員会のOKが出てというところはありますけれども、実際にそれを運用するのは人の話になりますので、中国電力のほうでそれを適切に運用できるような体制が整っているのかどうかといったところを確認していく必要があると思います。これはプルサーマルも当然含めてということになります。中国電力がいつ稼働したいから、それに間に合わせるようにということではなくて、日程が先にありきで突貫工事されるということは本意ではありませんので、あくまでその体制が整ったから再稼働を迎えるという通常の順番を確認しながら、中国電力にも話を聞きながら進めていく必要があるという認識を持っています。
(山陰中央新報)中間貯蔵施設のことで、中電はそれはしないと言っていますが、敷地内に一つ造るという選択肢があるという考え方もあると思います。その点は、市長はどういうふうに思っておられますか。松江市内のことですが。
(上定市長)中電が意向として持っているかどうか確認をしていませんので、そこまで含めて、必要があれば確認をしていきたいと思います。ただ一般論として、原子力発電から出てきた廃棄物を長く敷地内に留め置く、松江市内に留め置くということが望ましいとは思っていませんので、そういった核燃料サイクルの仕組み自体が、国が主体となって構築されるということを当然望んでいるところですし、そういった対応がなされることを今後も必要に応じて要望等をしていきたいと思っています。
(読売新聞)松江駅前デザイン会議で示されたビジョンで、複合ビルというのは、市長ご自身どういうようなイメージを持っておられますか。
(上定市長)私個人というよりは、市民の皆さんのニーズを踏まえてデザイン会議でつくったものという認識ですが、これは当然のことながら、松江駅前が交通結節の拠点になると思います。JRで通勤、通学されている方も多く、また、バスの発着のターミナルにもなっていますので。ですが、アンケートの中でもコメントをいただいたのは、やはり自然に集まりたいと思うような場所、電車に乗りたいから、バスに乗りたいからということではなくて、にぎわいの拠点となるような場所にしてほしいという声が寄せられています。駅前に広場を設けて、そこで皆さんで集えるような場所というのも必要だと思いますし、また、商業施設についても、これまで一畑百貨店や、その前にはジャスコ系のピノというデパートがあった場所ですので、にぎわいの拠点となるための商業施設というのが一つ、有力な立地すべき機能ということになるかと思います。また、これからインバウンド観光なども増やしていくということで、宿泊機能なども充実させていくのが、最終的にたくさんの方に来ていただける場所になる一つの要素だと思います。そういった機能を念頭に今後のつくりつけを考えていくことになりますが、先ほども申し上げたとおり、その複合ビルは基本的に民間主体で進めていただくことを前提としていますので、民間がどういった収益層を確保できるための機能を持たせていくのかを、このデザイン案を基本としながら、今後調整を図っていきたいと思っています。
(NHK)先週、宿泊税の免税点5,000円というところで意見がまとまったと思いますが、このまとまったことに対して、例えば各自治体や事業者の方から何か反応とか、意見が出されているようなことはありますか。
(上定市長)隠岐の4町村から改めて何か意見をいただいているということはありません。検討委員会のほうで検討がなされ、その結論が出たことは私も聞いています。報告書を取りまとめていただいて、それを私が受け取って、11月の定例会に提案をすべく調整を進めていくことになると思います。ですので、まず提案を受けて、市としての方針を固めていくというプロセスになりますので、その一定の期間の中で、仮に必要があれば、また対話をしながら内容について理解を求めていくということを想定しています。
(NHK)そうした今後のプロセスの中で、また各事業者の方から話を聞く、意見を集めるみたいな機会を設ける予定はありますか。
(上定市長)もともとパブリックコメントを一度させていただいており、仮に前回の報告書から大きく内容が変わってくるものであれば、パブリックコメントをもう一度実施することも考えていました。ただ、今回、検討委員会のほうでもパブリックコメントの要否について議論があったと聞いていますが、大きくその筋が変わるものではありません。課税免除にする対象は修学旅行のみということで変わりがありませんし、5,000円未満という免税点を入れたこと自体が、今までの宿泊税の考え方から大きく逸脱するものではないと位置づけられていますので、広く意見をパブリックコメントで聞くことは、今回は考えておりません。
(NHK)今後、実際に導入していく時期の目途は、現時点ではどの辺りになりますか。
(上定市長)令和7年度中を目途に考えていきたいと思っています。前々からスケジュールが先にありきではないとお話しさせていただいていましたが、今回、検討委員会でまとめていただきましたので、今後、手続として円滑に進んでいけば、7年度中というのが実際に施行する目途になるかなと思っています。
(日本経済新聞)土地利用制度の見直しに係る税制度の見直しというのは、方向性としては、より緩和的というか軽減というか、そういうところを意識されてやられるものですか。
(上定市長)今の段階で、税制としてどちらの方向に見直していくか特定していることはありません。ただ、土地利用制度と税(固定資産税、都市計画税)は一体不可分という認識を持っており、まさに都市計画税を今後どう利用していくかといった観点も含めて議論をしていくためのものですので、今の段階で何か方向性があるというわけではありません。
(毎日新聞)駅前デザインの関係で、複合ビルについては民間主導で進めるということでしたが、具体的にどういうことですか。
(上定市長)今所有しているのが一畑グループですので、民間の方に買い上げていただき、そこに開発をしていただくと。ただ、国が設けている補助制度などがありますので、民間の資金のみで全てが完結するということではないと思っていますが、いずれにしても、事業計画を立てて実行していく主体が、行政ではなくて民間にお願いしたいと考えています。
(毎日新聞)そちらも、駅前デザイン会議のような、行政も入った集まりで方向性を決めていく流れになりますか。
(上定市長)我々としては、何か法律的に枠組みをはめて、この規制の中でやってくださいとまでは言えません。松江駅前の開発を進めていくに当たって、こういったプランでやりたいということは地権者の皆さんと膝詰めで話をしていくことになります。例えば地権者である一畑グループさんが売主を探されるとき、こういう用途に使いたいという候補者が手を挙げられた際に、このプランに収まっているようなアイデアで話を進めていただけるよう、こちらからお願いをしていくということになります。今考えているのは、デザイン会議で作ったデザインをどう実行していくか、PDCAを回すことも含めて、それをつかさどるような母体が必要だと思うので、何らかの形で進捗管理をしていくような組織を立ち上げていく必要があるかなと認識しています。
(毎日新聞)市有施設の料金の値上げについて、この料金を改定する31施設、指定管理施設になるかと思いますが、この料金の値上げというのは、指定管理施設の経営の厳しさから値上げでカバーしていくというような形ではないのですか。
(上定市長)光熱費や労務費などコストが上がっていますので、指定管理料ももちろん支払いますが、一方で、使用料金から充当して事業を成り立たせているという収益構造にもありますので、その中で適正なというか、維持可能な料金体系にしていく必要があると思います。あとは、公共施設としての使われ方、収益性の低い高いによって法外な料金を取るわけにはいかないので、公共的な性格などを含めた上で料金改定の判断をしているものです。
(毎日新聞)指定管理者側から値上げをしてほしいというような声もあったんですか。
(上定市長)指定管理者からも採算が非常に厳しくなっているという声はあります。ただ、それは指定管理料の話なので必ずしもダイレクトではないですが、いずれにしても、昨今の情勢を踏まえれば、特にこれ自体が不自然というか違和感があるものではなくて、やはり物価が上昇している中において、市有施設を適正に維持管理していくためには必要な値上げという認識の下で、今回、料金の改定に踏み切らせていただくものになります。
(山陰中央新報)男女別学の公立高校について、全国で共学化が進んでいるという報道がなされました。文科省の調査では、30年間で6分の1までに減っているそうですが、松江市立皆美が丘女子高の共学化などを含めた今後の在り方というのはどういうふうにお考えでしょうか。
(上定市長)松江市において、女子高である意義があると考えており、大幅な見直しを図っていくことは考えていません。むしろここ数年で、「皆美が丘」という名称にしたり、また、国際コミュニケーション科という新しい科をつくったり、関西圏域の外語大学に短期でカリキュラムを受けられるようなコースを設定したり、そういった新しい取組は適宜しています。新しい改善の取組の成果なども確認しながら、具体的なカリキュラムの見直し等を図っていきたいと思っていますが、今の段階で女子だけの学校を共学にしていくというところまで考えていることはありません。
(山陰中央新報)女子高である意義があるという部分に関して、もう少し詳しく聞かせてください。
(上定市長)もともと、この松江市において女性に対する教育が施されていなかった状況を踏まえた上で、かつ女性というジェンダーに対する教育の特別な在り方もあるだろうということで設置されています。その意義が今になって何かなくなってきているとは感じておりませんで、女性のための教育機関として皆美が丘があるということに意義があると考えているところですので、現状で共学にまで見直しを図っていくということは考えていない状況にあります。
(日本経済新聞)予算の話になりますが、資料P7のタクシー人材確保対策支援事業について、政策論としては、タクシーだけじゃなくて、例えばバスの運転手も対象にするという方法もあったと思いますが、今回タクシーに絞られた理由というのは何かありますか。
(上定市長)対象事業者のところで、島根県の支援金の対象にならない事業者とありますが、路線バス運行事業者は県の対象になっています。コミュニティバスの運行を受託するタクシー事業者も対象になっています。今回の市内のタクシー運行事業者というのはそれよりも広い概念で、コミュニティバスの運行を受託していないタクシー事業者であっても、松江市のこの補助の制度の対象にするというものです。県の対象となっていない部分について、今回制度をつくるということです。
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更新日:2024年09月05日