令和6年9月議会9月補正予算・令和5年度決算
令和6年9月市議会定例会に上程をさせていただく補正予算と令和5年度決算の概要について説明します。
まず補正予算(第5号)は総額が10億4,409万円です。政策的事業として12億9,000万円、令和5年度の補助採択によって不用となった事業費の減額が2億5,000万円ありますので、合わせて10億円の予算規模になっており、これを国庫支出金、市債等で賄うという計画です。
内容について、個別に説明します。
まず「ひとづくり」の項目で、子ども医療費助成制度についてです。今年4月に、松江市では中学生までの入院、通院、調剤等を無償化しました。今回は、県と連携し、子ども医療費の助成対象年齢を高校生年代まで拡充します。令和7年4月から予定しており、そのための準備に入る予算として482万円を今回計上しています。今は高校生年代の方には入院、通院等があったときに3割の自己負担をいただいておりますが、来年4月からは、入院、通院とも自己負担を1割(それぞれ上限あり)、調剤は自己負担なしとします。今年10月に医療証の発行申請書を発送、申請受付を11月から始め、来年4月からの制度拡充に間に合うように医療証を発行します。
続いて、同じく「ひとづくり」の項目で、ひとり親の経済的支援の拡充です。これは、児童扶養手当制度の改正に伴うもので、令和6年11月の手当から所得限度額の引上げと、多子加算(第3子以降)の拡充を行います。事業費は1,319万円です。
次に「どだいづくり」の項目で、生活に必要な公共交通の維持・確保のための予算です。現在、運転手不足が深刻な状況にあるタクシー業界について、新規雇用に係る経費を支援するものです。現在、県が交通人材確保特別緊急対策事業支援金という制度を設けていますが、この制度はコミュニティバスなどの運行受託事業者が主な対象となっており、その対象とならない市内のタクシー運行事業者を対象とした制度を新設するものです。支給要件は、10月1日以降に新たに運転手を雇用し、1年以上継続して雇用することで、1人当たり20万円の支給を予定しています。この制度の創設に合わせ、「運転体験会・就職フェア」を11月に開催する予定です。これは、出雲市とタクシー事業者、路線バス事業者と連携し、初めて行うもので、運転の体験や各社の説明を聞ける機会ですので、関心ある方はぜひ参加いただければと思います。
次も「どだいづくり」の項目で、「松江らしい景観」を保全・創出するための景観基準の見直しに係る経費1,746万円です。これまでも記者会見の場で何度か説明していますが、松江市の景観基準について、現在見直しを図っています。景観事前協議制度の導入、眺望基準の見直し、松江城周辺の景観基準の見直しのため、景観審議会・専門委員会の開催や、調査、シンポジウム、アンケートを実施するなど、その経費として今回計上するものです。
次も「どだいづくり」で、城山公園と塩見縄手の危険木対策です。これもこれまでに報告していますが、特に松江城周りの樹木についてかなり老齢化が進んでおり、また危険な状態にあるものも確認されています。今年になってから大木2本が倒れるといったこともありました。幸いにも人命、財産等に影響はありませんでしたが、予防的に伐採の措置等を施していく必要があると認識しています。事業費は、松江城山公園と塩見縄手を合わせて2,311万円です。既に緊急安全点検を行って、随時伐採・剪定等を実施しているところですが、並行して危険木の精密診断等も行ってまいります。
次も「どだいづくり」の項目です。安心・安全なまちづくりのための社会資本整備ということで、道路、橋梁の点検・長寿命化、通学路等の歩道整備、生活関連道路や主要道路の整備、交通安全施設整備等について、事業費2億5,676万円を計上しています。
災害復旧事業としては、農林水産施設、公共土木施設、合わせて5億5,282万円の予算を計上しています。また、今年7月に発生した大雨によって被災された中小企業者、個人事業主の事業継続の支援、被災世帯の住宅補修の支援も行います。
ここまでが今回の補正予算で、次に令和5年度一般会計決算について報告します。総論として、決算規模は歳入歳出とも微減となっていますが、引き続き高い水準で推移をしています。決算の特徴として4点上げています。1点目は、僅かに歳入歳出とも縮小したものの、引き続き高水準の状況にあります。1,000億円を超える歳入歳出の規模になっています。2点目として、コロナ対策費が減少した一方で、物価高騰対策費が増加しています。令和4年から5年の推移で見ると、コロナ対策費は44億円が11億円に減った一方で、物価高騰対策費は28億円から40億円に増えています。3点目として、財政調整基金の取崩し額が増加したものの、財政調整基金と減債基金を合わせた残高では、中期財政見通しの目標額を確保できています。目標額55億円に対し、58億1,000万円を確保できている状況です。最後4点目として、市の財政の健全性を見る指標である実質公債費比率と将来負担比率がともに改善しています。今後も収支の改善、こうした比率の改善を図りながら、必要な予算についてはしっかり確保した上で振り向けていく。そして有利な財源等については、国等と調整をしながら調達していくということに心がけてまいりたいと考えています。
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更新日:2024年09月05日