岸公園と白潟公園における河川空間のオープン化
まず、河川空間とは何かといいますと、河川法に基づく河川区域で、宍道湖は斐伊川水系の一級河川ですので、その河川の近傍の空間のことを河川空間と言います。堤防や護岸を含めた、河川の管理のために必要な空間です。資料P18の右図、青の破線で示しているのが白潟公園と岸公園の区域で、今回、オープン化の対象にしているのが、ピンクのエリアです。
河川空間のオープン化により、河川空間が非常に使いやすくなるというメリットがありますが、国がどこでも認めてくれるわけではないので、使い勝手のよい河川空間を実現するために、これまで実証実験を重ねてまいりました。その成果として、今回、オープン化にこぎ着けることができたということです。
官民が一体で組織する「ミズベリング松江協議会」で、これまで実証実験を行ってきました。岸公園では、去年11月には「宍道湖サンセットシアター」、今年7月には「ミズベデカンパイ」、つい先日は「仲秋の嫁ケ島」という嫁ヶ島まで渡ることができる企画がありました。白潟公園でも同じように、昨年「みずべを愉しむエトセトラ」ということで、みずべキャンプやみずべヤタイといった企画がありました。また、今年3月には「Matsue学生祭」と銘打ち、地元出身で松江を離れている学生が中心となり学園祭をやっています。こういった実証実験的な取組によりにぎわいが創出されるということが分かり、それに基づいて国土交通省と調整の上、今回、河川空間のオープン化が実現されたものです。
元来、河川空間は、洪水被害を防ぐ、あるいは軽減するための治水が目的です。一般公衆の自由使用を前提としていることもあり、民間事業者等による、いわゆる商業利用は認められないのが原則でした。これが、水辺のにぎわい創出のために河川空間を活用できないかという要望から、平成23年に規制が緩和されています。とはいえ、やみくもにどこでもかしこでもオープン化できるわけではなく、地域の合意を前提として民間事業者が商業利用できるという制度があり、これが「河川空間のオープン化」となります。
このオープン化のメリットは、商業利用が可能になるということでにぎわいの創出ができます。そしてその申請と認可がワンストップの窓口で可能になります。今回のケースでいきますと、斐伊川、宍道湖の河川区域は国管理、公園区域は松江市管理で、これまでは別々に申請をする必要があったところを、市に対して一本化、ワンストップで申請することができるようになります。こうした利用しやすい環境を整えることで、水辺空間のにぎわい創出を目指してまいりたいと考えています。
そしてこれは、島根、鳥取両県では初めての取組となります。全国では137か所、中国地方では11か所が既にオープン化されています。
松江市も、ミズベリング松江協議会等を通じて、これからもイベントの企画をしてまいりますが、民間事業者の皆様にも利用していただくことができます。水辺空間を有効に活用していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
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更新日:2024年11月01日