八幡鹿島山古墳で出土した「船が線刻された埴輪」

更新日:2024年11月01日

八幡鹿島山古墳で船が線刻された埴輪が出土いたしました。(注:記者会見会場で実物を展示しており、それにより説明しています。)こちらが現物で、ちょっと分かりにくいかもしれませんが、船が彫ってあるのが見えます。亡くなった方を埋葬する際にこうした埴輪が用いられており、全国でも珍しいものです。

出土した八幡鹿島山古墳の場所は、松江市八幡町の武内神社と竹矢公民館のすぐ近くで、ちょうど神社の参道脇のところになります。今年6月から8月に発掘調査をしました。一辺約40メートルの方墳で、周堤の上に円筒埴輪が並んでいたのではないかと見られており、埴輪のほかに須恵器なども出土しています。古墳時代の5世紀前半のものと推測されます。

資料P27に船が線刻された埴輪と、描かれた船の図を載せています。図の点線の部分は実際にはなく、復元するとこのような形になるであろう考えられるものです。

立命館大学名誉教授の和田先生によりますと、この線刻自体が船である可能性が非常に高いと。船であったとしたら、天国に行くための乗り物として用いられたものではないかと、そういった古墳の儀礼がヤマト王朝では一般的だったということですが、それが全国に広まったあかしと言えるのではないかということです。京都、大阪等の遺跡、古墳で見つかった、同じような線形の埴輪の事例もあります。

この埴輪の実物を、今回、松江市立中央図書館で展示(無料)します。10月26日から11月28日までですので、ぜひ皆様、見に来ていただければと思います。

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