質疑応答

更新日:2025年01月14日

(BSS山陰放送)消防計画について、持続可能な組織体制や人材確保というところを追加されたとのことでしたが、松江市ではバスの運転手なども成り手不足でなかなか厳しい状態が続いているかと思います。消防のほうは、組織全体としてどのような感じなのでしょうか。

(上定市長)組織体制については、当然、市民の皆様の安心・安全が確保される体制を整備しています。ただ、実際に消防職員への成り手がどんどん増えているかといったら、バスの運転手同様とまでは言いませんが、人材確保が簡単ではない状況にあります。消防職員がどういう仕事を担っているかを分かりやすく発信することで、具体的な仕事のイメージをしやすくしたいと思っていますし、消防職員になった方については、離職ができるだけないように、いろんな意見を聞く機会も頻繁に設けており、社会的に非常に意義がある仕事であることを分かっていただくような工夫も施して、人員の確保を図っているところです。

(BSS山陰放送)今年最後というところで、今年、松江市は、マンションの問題があったり、宿泊税の問題があったり、また、「ばけばけ」が来年決まったり、松江市全体もそうですし、市長自身も積極的に動かれた1年になったんじゃないかなと思います。今年1年を振り返った総括と、来年は市長選もあるわけですが、どんな松江市にしていきたい、来年どんなところに力を入れていきたいみたいなところがあれば、お聞かせいただけますか。

(上定市長)今年から動きを始めて、それが具体的な形になってきたものとして、例えば、去年12月から松江駅前デザイン会議を設置して、今年1月14日に一畑百貨店が閉店した後の松江駅前の活用、再開発について、議論を始めていただいています。まだ今結実している状況ではありませんが、松江の未来を考えるうえでは非常に大きなプロジェクトとなると考えています。また宿泊税についても、今年1年かけてかなり検討を進めました。隠岐4町村から意見をいただいたことも踏まえて、先般、11月議会において条例案を可決していただきました。今後、総務省との調整等もありますので、早くても来年12月に導入見込みとなっていますが、ある程度内容についても方向性が固まり、今後、特に宿泊事業者、あるいは観光事業者、松江観光協会等と話を始めていく素地が整ったものと考えています。今挙げたのは一例ですが、そういった具体的な動きが幾つも見えてきた年になったと振り返っています。

一方で、来年は、新松江市誕生、1市7町村が合併してから20年という節目の年になりますし、松江城が国宝指定を受けてから10周年になります。また、尾道松江線、中国やまなみ街道がつながってから10周年という節目も迎えます。これまでの10年なり20年を振り返って、さらには今後の10年、20年を見通していく年にしたいと思っているところです。

来年秋にはNHKの連続テレビ小説「ばけばけ」の放送も開始されますので、これは松江の魅力を市内外に訴えていく千載一遇の機会だと思っています。内外とあえて申し上げたのは、インバウンド需要を含めて観光需要を取り込むだけではなく、むしろ市民の皆さんがここ松江にあるすばらしいものに気づきを得て、松江の魅力を再認識して、そして誇りや愛着を育てていく大きな機会になると思います。それが、一度この地を離れてもまた松江に帰ってきたいという定住の機運につながると思いますし、それ以外にも、Iターンですとか、松江でワーケーションをしたいとか、そういった希望にもつながっていくと。新たなことにどんどんチャレンジしていくまち松江がいろんな方にとって、そのフィールドとして最適であると思われるきっかけになるように導いていきたいと思っています。今年はいろんな意味で歩みが進められた年だと思っていますが、来年はさらに飛躍の年にしていきたいと感じているところです。

(山陰中央新報)以前、知事公舎の活用についての発表をいただきましたが、今の検討状況等はいかがでしょうか。

(上定市長)知事公舎については、塩見縄手という非常に好立地な場所で、県がもともと活用について考えられていたところ、松江市にも検討の依頼があり、結果として、松江市においてその活用方策を検討し実行に移していく方向で、県と話をしているところです。

具体的な利用計画等については、まだ今の段階で決まったものはありません。立地を生かしたうえで、たくさんの方に使っていただけるような施設とする。ただ、収益を生み出して持続可能なものにしていくことを行政だけでやっていくのはなかなか難しいと認識していますので、民間のノウハウ等も一緒に交ぜていただきながら、官民一体となって取り組んでいく必要があると認識しています。具体的な計画素案に当たるものについて、今、検討を順次進めているところです。具体性を持って皆様にお示しできるタイミングが来ましたら、速やかに見ていただくように準備したいと思っています。

(山陰中央新報)買い取るとか、借りるとか、取得方式についても今はまだ決まってないですか。

(上定市長)そうですね。島根県との間で現在協議を進めているところです。

(山陰中央新報)宿泊税について伺いたいですが、このほど議会で予算と条例が可決され、導入に向けた議論を進めておられると思うんですけれども、使い道・使途のところで、いろいろあるとは思うんですけれども、観光協会の体制強化とか、具体的にどういうものを想定しておられるかを改めてお伺いします。

(上定市長)宿泊税は、観光目的の方だけではなく、ビジネスの方からも、5,000円以上の宿泊料金の場合に200円を徴収するということで条例案を可決いただいたところですが、宿泊される方がお支払いいただくものになりますので、宿泊される方の利便性の向上に資するものでなければならないと思っています。

分かりやすいところで少し申し上げると、例えばインバウンド観光で来ていただいた宿泊者に対する多言語対応、あるいはキャッシュレス決済とか、そういったことがまだ整い切れていない状況があったり、また、松江の全体の観光誘客を進めていくに当たっても、宿泊された方の行動の動態が必ずしも把握できていない実情もあります。前泊がどこで、どこからどういうルートで来られて、次にどこへ向かわれてとか、そういったルートがある程度明らかになれば、それを追っかけるような形でツアーの商品を提供できたり、あるいは食事もそれにマッチするような提供ができると思います。そういったデータ収集や分析、そこから戦略につなげていくといったことを、宿泊税を用いながら実行に移していくことも一つ念頭に置いています。

観光協会については、今後、いわゆるDMO(デスティネーション・マネジメント・オーガニゼーション)といいますけども、観光の起点となるような組織を整えていくこと、観光協会を中心として松江市の観光誘客を図っていくことを念頭に置いています。そのための体制強化は先ほどのデータの収集、分析等も含めて必要になってきますので、その点も宿泊税の使途として考えている一つです。

(山陰中央新報)現在、市や商工会議所、実行委員会方式などで、鼕行列や水郷祭など大型イベントをやっておられますが、そういったものに使うというより、何か目玉となるような企画をDMO、観光協会が主体となって企画をしていくようなイメージですか。

(上定市長)松江市が主体になるもの、あるいは観光協会が主体になるものは出てくると思います。今、観光協会の人員は、松江市からの出向職員や会計年度任用職員となっていますが、現在、人員の募集をしており、プロパー職員の雇用、例えば民間の旅行会社等で観光に携わった経験があるような方を採用して体制の強化を図っていきたいと思っています。それと、現在やっているイベントに宿泊税を充当するのではなく、新たな取組に対して、あるいはその拡充に充当していくという方針で検討しています。宿泊税は付加価値を新たに生み出すような使い道で用いたいと思っています。

(山陰中央新報)どんなことを打ち出していくかとか、先ほど市長がおっしゃったニーズ調査とか、独立した組織として観光協会での検討もされていくような感じですか。

(上定市長)そうですね。観光協会に官民の英知を結集するような形で松江の観光の旗振り役になるような、そういった組織で新たなイベント等についても検討していくというのが今考えている理想的な姿ですね。

(山陰中央新報)先日、「ばけばけ」に関する協議会の設立がありましたが、その中で観光戦略プランの目標値の達成前倒しというようなこともおっしゃいましたけれども、そういう外部要因がある中で、やはり宿泊税とか、観光協会の体制強化というのは、それはそれで必要という認識ですか。

(上定市長)そうですね。宿泊税は宿泊していただく方から頂戴するものになりますので、その方たちが宿泊税を払ったけどリピートしたくないなと思われては宿泊税を頂いた意味がありません。インバウンドについては、今まであまり取り組めていなかったこともあり、かなり伸び代があると捉えていますし、新たな取組をすることで、宿泊された方が満足を感じ、また、ほかの人にもぜひ行ったらどうだと勧めてくれ、SNSで発信され、そこからまた次のお客さんに循環していく、ご本人も時間が足りなかったらもう一回来たいなと思っていただけるような使い道に宿泊税を使う。要は一過性のものでなくて、循環させていかなくてはいけないと感じています。長期的な目線において、宿泊税の使い道については、宿泊する方が増えれば、宿泊税ももまた増えていくわけですから、循環がもたらされるような形の運用にしていきたいと考えています。

(山陰中央新報)今年最後の会見ということで、市長の今年の漢字を教えてください。

(上定市長)それでは、(画面のほうに)したためさせていただきます。

〔筆記〕

もえいずるの「萌」という字です。先ほどお話ししましたが、新しい取組を、市長に就任してから3年半強がたちましたけども、これまで取り組んできました。種をまいて、水をやって、芽が出てきたものもあります。芽が出てきても、幹が太くなって、果実が、花が咲くというところにまで行っているものもちょっとは出てきたつもりではいるんですけど、まだまだ時間がかかるものも多いかと思います。そうした中で、来年はいろんな周年もあって、一つ節目の年ということにもなりますし、出てきた芽をしっかり育てて収穫まで結びつけていく、そういう年にしていきたいと思っています。

芽が出てきた例ということで申し上げると、この12月に日経新聞さん・日経BPさんが「共働き子育てしやすい街ランキング」を発表されました。松江市はありがたいことに2年連続で中四国地方第2位、全国の順位が去年は51位、それが47位に上がったということで、喜んでいます。共働き、子育てしやすいまちになるべく、子育て支援のDX化、あるいはこども家庭センターを1年前倒して去年4月に設置したりとか、いろいろな取組をかなりやってきたつもりでしたので、それを評価していただいたことは非常にありがたいと思っています。また、同じように毎日新聞さんも、早稲田大学マニフェスト研究会と一緒に、先月、マニフェスト大賞最優秀賞をいただきました。全国で3,000応募があった中で最優秀賞に選んでいただいたということも、これは松江市総合計画というマニフェストをつくり、それを具体的に実行に移し、また成果が上がってきてるというところまで評価していただきましたので、これを非常に大きな励みとして、今後もまた総合計画の実行に邁進したいと思っています。

もう一つは、松江市も人口が減少していますが、生まれる人よりも亡くなってしまう人のほうが多い、いわゆる自然減、そしてまた、出ていく人のほうが入ってくる人よりも多い社会減という状況が残念ながら継続しています。基本的に全国の地方都市全てそういった流れになっています。その中で、松江市については、30代に限ってですけども、社会増に転じている動きが出てきました。僅かではありますが、社会増になる傾向も見受けられるということで、ある程度、成果として先ほどの子育てしやすいまち等がつながっている面はあるかと分析しています。今後、その流れをさらに加速させて、なかなか人口を増やしていくというのが社会構造的に難しい面はありますけども、松江の魅力を先ほどの「ばけばけ」なども通じて発信することで、たくさんの外の方に関心を持っていただく、あるいはここで生まれ育った松江市民が誇り、愛着を感じて、将来ここで自分が育ててもらった恩返しをしたいと思ってもらえるようなまちにこれからもしていきたいと考えています。

(NHK松江放送局)まず原発のことで、この前の月曜日に発電が始まって、来月には営業運転が再開しますが、改めて市長の所感をいただきたいと思います。

(上定市長)先般、特重施設について事前了解をしたということで、中国電力の中川社長にもお越しいただき、意見交換もさせていただきました。これは令和4年2月に島根原子力発電所2号機に係る再稼働の事前了解をしたときと何ら変わるものではありませんが、安心・安全が確保されることを大前提として事前了解をしています。

原子力規制庁等の審査にかなう形で12月23日に再稼働を迎え、来年1月10日には営業運転の開始が予定されていますが、そういった工程が先にありきのものではないと思っており、約13年ぶりに稼働して予想していないような事象が起こらないとも限りませんし、先般の水位計の誤認の話などのように、重大なことには至らずとも、当初考えていたこととちょっとずれが生じるといった場面が生じました。そういったことを中国電力には真摯に受け止めてもらい、安心・安全の確保が大前提であるということをいま一度全社で認識をしていただきたいという思いで、先般も、特重施設の同意の場面ではありましたけども、私のほうからは重ねて付言をさせていただいたところです。

今後、1月10日以降についても、同じように市民にとっての安心・安全が確保されるということを松江市としてしっかり確認していく必要があると思いますし、そういった安全対策に万全を期していただくということを中国電力に対しても、また間接的には原子力規制委員会等に対しても松江市から訴えかけていきたいと思っています。

(NHK松江放送局)明日、松江駅前デザイン会議が開かれるということで、そこでデザインが恐らく出されて、来月は一畑百貨店が閉店してから1年ということで、何か一畑百貨店をめぐるところで市として把握されている動きとか、新たな動きがあったりしますか。

(上定市長)松江駅前デザイン会議で松江駅前デザインを固めていただき、それをベースにして具体的な骨格について、具体的なまちづくりを進めていく段になると思います。明日開かれますので、それを受ける形で市としての動きとなります。具体的な案を立案するに当たって、今の段階で例えば松江テルサ、あるいは地下駐車場をどうするかというのが何か具体的に決まっているわけでも全くなくて、まずは松江駅前デザインが出て、それを踏まえて松江市として考えをさらに深め、市民の皆さんや市議会議員の皆さんの意見を伺った上で検討を進めていくということになります。松江駅前デザインが明日、検討されるということですので、その状況については注視したいと思っています。

(時事通信)自治体の基幹業務システムの標準化についてお聞きします。国は標準化の期限を原則、来年度末とする一方で、間に合わない場合は2030年度頃までに移行できるように財政支援する方針を示しています。松江市も一部のシステムが移行期限に間に合わないものと承知していますが、この国の支援体制に対する所感をお聞きしたいのと、あわせて、システム移行に向けての現在の進捗状況を教えてください。

(上定市長)20の業務システムがありますが、全てについて来年度末までに終わるということは難しい状況です。これは全国の各自治体も同じ状況で、やはり実際に作業をしていただく方が限られていますので、同じタイミングでの各ベンダーの対応が全国的に難しいという状況にあります。こういった状況については、現場自治体の声として全国市長会や、中核市市長会などあらゆる場面を通じて政府に対しては訴えています。我々も好きでシステム整備が遅れるわけではありませんので、できるだけ早くやりたいものの、そういった体制が整っていない現状を訴え、また、政府からの財政的な支援も継続していただくように言っているところです。

今、標準化を進めている事業については、特段何かトラブルがあるわけではなくて、今後も粛々と進めることで、できるだけ早く政府が提唱しているシステムの標準化に向けて歩みを進めていきたいと思っています。今後、各自治体で標準化の動きがどんどん加速されていくと思いますので、我々も事業進捗についてきちんと確認をしながら、遅れのない形で進めていきたいと思っています。

(上定市長)今年1年、大変お世話になりまして、ありがとうございました。来年が皆様にとってもすてきな年になることを祈っております。また来年もよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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