会見議事録(全文)
令和7年2月議会提出議案 令和7年度当初予算・令和7年2月補正予算の概要
それでは、令和7年2月議会に提出する議案のうちの予算の概要についてお話しします。まず、令和7年度当初予算です。
令和7年度当初予算は、4月に市長・市議会議員選挙を控えることから、一部経費を抑えた、いわゆる骨格予算としていますが、国の総合経済対策関連予算に呼応しながら、本市として切れ目なく事業を実施できる予算を編成しています。歳入面では、国から交付される地方交付税、交付金などを適切に見込んだ上で、不足する財源については、基金の取崩しなどによって対応します。歳出面では、エネルギー価格・物価高騰の状況に対応しつつ、デジタル化による業務効率化を図りながら、義務的経費や一定規模の建設事業費を確保するとともに、限りある財源を松江市総合計画「MATSUE DREAMS 2030」の5つの柱に沿った施策に重点的に配分したものとなります。
令和7年度当初予算の総額は1,129億9,000万円となり、令和6年度当初予算に比べ6.2%の増となっています。当初予算のポイントとしては、先ほど申し上げた物価高騰対策事業を実施すること、また、「MATSUE DREAMS 2030」の5つの柱に沿った施策に重点配分すること、そして、この1,129億9,000万円というのが過去最大の当初予算となっているところです。資料P7は当初予算額の推移で、これまでは令和6年度当初予算1,064億が過去最大の水準となっていましたが、令和7年度は、さらにそれを上回る水準、1,129億9,000万円となっています。
今回の予算のうちの主要な事業(資料P8~10の黄色のラインを引いている事業)について説明します。先ほど申し上げた物価高騰対策、以下、松江市総合計画「MATSUE DREAMS 2030」の5つの柱ごとに説明します。
(資料P11)まず初めに、市民生活を支援する物価高騰対策です。水道料金の減免により、市民の皆様の生活を支援します。エネルギー価格、また食料品価格等の物価高騰に対応し、市民の皆さんの負担軽減を図るための措置です。これまでも水道料金の減免を実施しており、消費者物価指数の低減に資しているという結果も出ており、市民の皆様からも高評価をいただいているものと認識しています。そうした中で、今年についても、検針月によって若干差異がありますが、6・7月分か7・8月分の2か月分の水道料金の減免を実施します。宍道町については、斐川宍道水道企業団という別主体で水道料の徴収をしている関係で、下水道の使用料を、水道料金2か月分と同等の金額について減免します。いずれにしても節水には心がけていただき、水は大切に使っていただく前提の中で、皆さんの家計負担の軽減を図る措置となります。
(資料P12、13)続きまして、同じく物価高騰対策で、学校給食の安定的な提供と家計負担の軽減のための措置です。昨年秋頃から学校給食用のお米の値段が値上がりしています。昨年4月の精米価格と11月の価格を比べた際に、33.7%上昇している状況が見られます。こうした状況を緩和し家庭への影響を軽減すべく、今回、助成により軽減を図ります。一方で、現在の給食費は令和5年度2学期に価格変動があり値上げをさせていただきましたが、その値上がり価格の半分を助成していました。それを元に戻す形で、さらに今回の助成を図るということになります。例えば小学校は、現状、助成していた値段を元に戻すと、1食当たりの単価が316円になります。これを、6円助成することにより、単価を310円とするものです。ここまでは小学校、中学校、幼稚園についてですが、同様に、保育所等でも安定的な給食の提供と家計負担の軽減のための措置を講じます。精米価格の上昇分を全額助成することにより家計負担の軽減を図っていく措置です。私立保育所については、児童1人当たりの補助額が、0~2歳児で月174円、3~5歳児で218円となっています。一方で公立保育所においては、保護者の方々に支払っていただく給食費の値上げ分抑制を図るため、今回、200円を助成することにより、値上げ幅を100円に軽減する措置になります。給食費の単価、あるいはお米の価格が上がっている中で、全体としては上昇基調にありますが、そのうちの一部を予算に盛り込み、家計負担の軽減を図る措置となりますので、ご理解いただければと思います。
(資料P14)続きまして、これも物価高騰対策ですが、昨年7月から10月に定額減税を実施していました。この際に税額を減税し切れなかった方に対し、当初調整給付金という形で給付するものです。対象は、合わせて2万6,300人で、今後、予算が成立しましたら、今年8月を目途に給付を開始する予定としています。
(資料P15)ここからが、しごとづくりです。(仮称)中尾地区企業団地整備に向けた設計・用地取得を進めるための予算を計上しています。市内に立地する企業の新・増設ニーズや市外企業の立地ニーズがあることを踏まえ、新しい企業団地の整備をするものです。だんだん道路の川津インターチェンジから至近の場所、住所でいうと下東川津町・上東川津町で11ヘクタールの開発面積となります。来年度、用地取得・測量等をし、令和8年度以降に開発許可や造成工事にかかり、令和9年の分譲開始をめざして、今後進めてまいりたいと考えています。
(資料P16)農林水産業振興について、4つ項目を設けています。2つは、既存事業の拡充です。スマート農業を推進すべく、農業機械・設備等の導入支援補助を実施します。これは現行のものから対象者の拡充、補助上限額を引き上げるといった措置を講じます。有害鳥獣対策についても、防護柵の設置支援補助の上限額を引き上げるとともに、狩猟免許取得助成についても補助率2分の1から10分の10に引き上げます。そして新しい施策として取り組むのが、JAが購入する産直野菜配送用保冷車に対して補助をするものです。生産者の皆さんが産直売場に自分で搬入するのが難しいという状況を踏まえ、JAが購入する配送用保冷車について、行政として補助することにより、生産者の負担軽減を図ります。もう一つの新しい項目として、耕作放棄地解消に要する草刈り費用などの支援を行います。
(資料P17)アワビ陸上養殖の事業化に向けた調査・検討を進めます。令和4年度に青木あすなろ建設、玉川学園と松江市との間で覚書を結んでおり、現在、アワビ陸上養殖について、特許出願しているところです。この肝となる地下海水の利用可能性について、ボーリング調査等を実施していくものです。日本海から地下海水がしみ込んでいる部分から地下海水をくみ上げ、その安定した温度の水を使ってアワビの飼育を行う計画で、この水が実際に適したものかどうかといった調査を行います。そのためのボーリング調査、また調査を踏まえた事業構想の検討について予算化を図るものとなります。今後、この技術が確立しましたら、アワビのブランド化を図っていくことを想定しており、もうかる水産業、もうかる一次産業への転換を図っていきたいと考えています。
(資料P18)続きまして、観光振興です。NHKの朝ドラ「ばけばけ」がこの秋から始まるのを千載一遇のチャンスと捉え、松江の魅力を全国・世界に向け情報発信してまいります。その一つとして、小泉八雲・セツのドラマを生かした魅力発信と、その機運の醸成を図ります。誘客プロモーション、イベント開催支援補助、これは小泉八雲をテーマにした個人・団体が企画するイベントに上限30万円を補助するものです。予算が成立し次第、募集をかけさせていただきます。そのほか、ラッピングバスの運行やゴーストツアーの拡充なども予定しています。また、新たな商品開発のためのワーキンググループを設けており、旅行に来てくださった方がお土産物として、あるいは飲食店のメニューとして気に入っていただけるような商品を開発し、満足度の向上を図っていく取組も行います。松江歴史館では小泉八雲をテーマにした企画展の開催も予定しています。
(資料P19)次に、松江が誇る歴史と癒やしのコンテンツのプロモーション強化です。観光戦略プランの中に盛り込んでいる「城下町」「水の都」といった松江の魅力にスポットを当てたプロモーションを展開します。今年は、松江城天守が国宝になってから10周年の節目となります。これを一つの大きな機会と捉え、6月28日、29日にお城EXPO特別版を松江で開催する予定です。それとともに、松江城を人工雲海とライトアップで演出する企画を夏に予定しています。また、「城下町」「水の都」の魅力を活用するということで、毎年好評いただいている秋の風物詩、松江水燈路の開催も予定しています。
(資料P20)大阪・関西万博が4月から10月まで、半年にわたって開催されます。この機会を捉え、松江市インバウンド推進協議会において観光商品の造成等を行います。また、他の温泉都市とつくっている温泉ツーリズム推進協議会も活用し、万博会場での観光PRを行います。主なものとしては、大阪・京都のPR拠点、関西空港やKITTE大阪において観光PR等を行い誘客の企画を行います。温泉ツーリズム推進協議会では、万博会場に足湯の体験ブースを出展する予定としており、ここを拠点にして観光PRを図ります。
(資料P21)次の項目は、ひとづくりです。保育所入所のスマート申請支援を引き続き行います。今年度までの取組としては、令和4年1月に保育所入所選考システムにAIを導入し、できるだけ早く保護者の皆さんに結果をお伝えできるようにしました。また令和5年11月からはスマホでらくらく入所申し込みができるシステムを導入しています。こういった取組の効果として、今年4月入所の方の51.4%(1月末現在)がスマート申請を使っていただいています。また結果として、窓口や電話の待ち時間が7~15分短縮されているという効果も見られています。7年度においては、本庁窓口でデジタル申請を開始するほか、市立病院の隣にあるこども家庭センターでもこうした申請ができるようにしていきます。遊びや子育て相談に来ていただいたついでに保育所の入所申込みができるというような、リモートでの支援体制を整備します。
(資料P22)子ども医療費助成の対象年齢を高校生年代まで拡大します。昨年4月に中学3年生までの入院、通院、調剤等を無償化しました。今年4月からは、それに加え、子ども医療費助成の対象年齢を高校生年代、18歳年度末まで拡大するものです。入院、通院、それぞれ自己負担額2,000円、1,000円はありますが、それ以外については市で負担し、自己負担額の軽減を図ります。
(資料P23)続いて、産後ケアの拡充です。去年10月から温泉ゆったり産後ケアを実施しており、91件の利用をいただいています。こちらも大変好評で、産後初めてお湯にゆっくりつかれて心身ともにリフレッシュできたといった感想をいただいているところです。この制度を通年実施します。新たに、お父様にも参加していただいて助産師へ相談できる体制を整え、参加いただいた方にモニターになっていただき、それを松江市の子育て施策に反映する取組も行います。また、集団型の産後ケア「みんなでHAPPY産後ケア」を実施します。これは、産後1年未満のお母様と赤ちゃんに参加いただき、助産師による相談や育児に関するお話、お子さんと一緒にストレッチやベビーマッサージ、同じママ同士の交流などを実施する予定です。こちらについても、予算が成立しましたら、皆様にご案内をさせていただきます。
(資料P24)次がつながりづくりです。松江城天守国宝指定10周年、そしてまた、廃城の危機を免れてから150年、天守保存150年という言い方をしていますが、これを記念する文化事業を実施します。内容は、お城EXPOin松江に合わせ、記念式典、シンポジウムを開催します。また、国宝天守保存リレー講座と題し、全国の国宝、松江城を含め5城について、それぞれの歴史等に関する講座を令和7年7月から11月に実施します。国宝10周年を記念し、松江城への愛着を深め、そしてさらに後世に守り伝えていくという機運を高めていきたいと考えています。
(資料P25)次に、プラバホールを芸術文化活動の拠点にしていく取組です。昨年7月に竹内さんという音楽プロデューサーを採用しています。この方の持つノウハウをフルに生かしていただいて、さんびる文化センタープラバホールを音楽の拠点として、音楽が身近に感じられる事業を展開してまいります。例で申し上げると、鑑賞事業に小学生親子を無料招待、リハーサルを特別公開、音楽家による公開レッスン、また、プラバホール入り口のホワイエでのミニコンサート開催や、こども縁日など楽しいイベントの企画を進めてまいります。
(資料P26)次がどだいづくりです。大規模災害に備えた防災備蓄の充実ということで、能登半島地震を踏まえ、県と協議の上、食料と飲料水の備蓄量を増やします。これまで、市民の皆さんが1日分を確保いただき、県と市がそれぞれ0.5日分を確保するとしていたものを、それぞれ県と市が1日分を確保することにし、合計3日分の備蓄を整えていくこととします。令和7年度に目標数量を確保して備蓄率100%とします。
(資料P27)次に、脱炭素化による魅力的なまちづくりです。松江市が脱炭素先行地域に指定され、国から財源もつく状況になっています。あらかじめ立てた計画に基づいて、令和5年度、6年度は、堀川遊覧船電動化、各公民館に充電・放電設備の設置、EV車の配置などを進めています。令和7年度においても、市有遊休地への太陽光発電設備導入、旅館の照明LED化、官民連携の下でEVシェアリング導入などを推進します。
(資料P28)次に、公共交通の利便性向上です。地域公共交通計画を昨年3月に立てており、それを具体的に実現していくに当たって、地域公共交通利便増進実施計画を策定します。この計画を策定することにより、乗り継ぎ拠点整備やキャッシュレス対応など、ハード事業に国の補助金を活用できます。また、共同経営計画策定補助として、一畑バスと松江市の交通局の2者間が独占禁止法の縛りを超えて協議し、共同経営計画の策定をしていくこととしています。そのほか、交通系ICカードシステム改修事業費として、ゾーン運賃導入や乗り継いだときの割引料金設定、定期券ウェブ購入といった仕組みを構築することで、公共交通における利便性を高めます。
(資料P29)松江らしい景観を保全するための景観基準見直しに引き続き取り組みます。この1月から事前協議制度を導入しています。そしてこの4月には松江城からの眺望基準を見直すべく、現在準備を進めています。令和7年度においては、景観基準の見直しと、松江城を眺望する、視点場という言い方をしますが、これを設定することにより松江の景観を守ってまいります。施行が来年4月の予定で、令和7年度の一年かけて景観基準見直し等を進めてまいります。また、今月2月23日には松江市景観シンポジウムを開催します。参加無料ですので、ご参加いただければと思います。よろしくお願いします。
(資料P30)新庁舎整備についてです。第2期建設工事が今年10月に完成する予定です。そこから内装等にかかり、令和8年5月に本館全体が供用開始となる予定です。来年5月には、カフェやコンビニなども新設し、市民の皆様にも使っていただきやすい、利便性の高い新庁舎としてまいりますので、ぜひともご期待ください。
(資料P31)松江市合併20周年記念式典を10月26日にプラバホールで予定しています。また来年度については、松江市合併20周年を記念する楽しい事業も幾つか検討していますので、またこれも準備が整い次第、皆様にご案内をさせていただきます。
(資料P32)最後はなかまづくりで、中海・宍道湖・大山圏域全体で取り組んでいくものです。主な事業として、中海と宍道湖を取り囲む高規格道路、8の字ルートの整備推進、中国横断新幹線、いわゆる伯備新幹線の整備促進を図るべく、PR・要望活動等を実施します。また、圏域で従来から取り組んでいるインドと台湾との経済交流も推進してまいります。とりわけインド・ケララ州との経済交流覚書を締結してから10周年の節目となりますので、覚書(MOU)の更新についても検討をしていく予定です。
ここまでが令和7年度当初予算となります。
令和7年2月補正予算について概要を説明します。
(資料P34)今年度の補正予算第10号になります。合計が37億1,390万円で、こちらも国の補正予算に呼応した予算を中心に組んでいます。主要な項目(黄色のラインを引いている事業)について説明します。
(資料P35)まず、大規模災害に備えた防災体制の強化で、能登半島地震による被災状況を鑑み、国の補正予算を活用する形で、防災資機材の整備を進めます。備蓄用倉庫の整備、防災資機材、テントやベッド等の購入に充ててまいります。また、万一に備え、孤立が発生した場合にも連絡できる衛星携帯電話の更新を予定しています。
(資料P36)こちらも国の補正予算に呼応し、漁業協同組合JFしまねによる松江魚市場整備を支援します。松江魚市場(東朝日町)は昭和51年にでき、随分古くなっていることから、魚市場の荷さばき面積の拡大、冷蔵・冷凍庫の更新、活魚水槽スペースを拡大することにより、荷さばき機能の向上、作業効率化、高鮮度魚介類の流通拡大等を図ります。成果目標として、松江魚市場における活魚介類年間取扱金額を、現行より10%増加させることを目標に掲げて取り組みます。
(資料P37)揖屋小学校の長寿命化も継続して進めます。これまで体育館の長寿命化工事を終え、現在、校舎棟の増築工事を行っています。繰越明許費ということで、年度を越えて財源をつけ工事を進めており、今後も長寿命化工事を円滑に進めたいと考えています。
(資料P38)避難所に指定されている学校体育館に空調設備を整備します。これも国の補正予算に呼応した措置です。市立学校体育館空調設備の計画的な更新、整備をするに当たって、特にその地域の拠点となる中学校、義務教育学校を整備の対象としてまいります。まずはRC造りで断熱性が高く、整備による効果が期待される玉湯学園から整備を進めます。
(資料P39)あわせて、小・中学校においても空調設備やトイレ改修等の整備を進めます。小学校は、特別教室の新設や保健室等を改修する際に、空調設備の新設・更新を図っていきます。また、トイレについても、対象となる小学校、中学校で、老朽化、機能劣化が進んでいる部分の改修を進めていくものです。
これら、来年度当初予算、今年度第10号補正予算について、来週2月25日から始まる松江市議会2月定例会に諮らせていただくものです。
市立小・中・義務教育学校・公立保育所等の給食費改定
先ほども予算のところで説明した市立小・中・義務教育学校、公立保育所等の給食費の改定について、少し詳しくお伝えします。先ほどの説明と若干かぶりますが、市立小・中・義務教育学校、幼稚園については、令和5年度に食材価格の上昇に応じて給食費の値上げを決定しましたが、令和5年度の2学期から、国の交付金を活用し、激変緩和措置として値上げ額の半分の金額を松江市で手当てする(値上げ幅を半分に縮減する)形で続けてきました。しかし、令和6年度末に国の交付金が終了することに伴い、令和7年4月からは値上げ額を元に戻す形になります。一方で、お米の価格が高騰している状況に対応するため、県補助金を活用するなどして、この4月からお米の値上がり分を助成します。
同じように、公立保育所、幼保園につきましても、令和6年度末まで、給食費を一部補助して値上がりを抑制していました。一方で、令和7年4月からは、国の基準額が上昇している状況も踏まえ値上げ改定を行います。しかしながら、令和7年度の単年度につきましては、国の交付金を活用するなどして値上げ額を100円に抑制します。
安心・安全な給食を提供していくため、皆様のご理解をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
大森の湯・いろり茶屋の民間譲渡
いずれも宍道町にある、大森の湯・いろり茶屋の民間譲渡についてです。
お風呂やサウナや和室、休憩室で構成される大森の湯は、平成13年に建築されました。ピーク時の平成17年には年間14万人が利用されましたが、現在は休館しており、休館前の令和元年度は利用者が9万6,000人に減少していました。また、同じ場所にあるいろり茶屋についても、建築は平成12年。利用者数のピークは平成17年で、4万8,000人の方に利用されていましたが、直近の令和5年で見ると1万2,000人の利用にとどまっている状況です。大森の湯は、屋根が腐っている非常に危ない状況があり、令和2年以降、やむを得ず休館となっています。この休館の影響も受け、いろり茶屋も来客数が大きく減少した状況を踏まえ、地元を中心とした『きまち湯治村「大森の湯」あり方検討委員会』を組織し、検討を進めてきました。民間のノウハウや創意工夫が必要との判断の下、一昨年12月から公募型プロポーザルを実施し民間事業者の参画を募っていましたが、結果としてこのときには応募がありませんでした。そこから一年かけ公募型プロポーザルの条件等をもう一度見直し、改めて昨年10月に公募型プロポーザルを実施したところです。
譲渡の条件としては、まず、市が持っている大森の湯・いろり茶屋を無償で譲渡します。一方、温浴施設としての機能は継続していただいて、地域の皆さんのニーズ、期待に応えていただく。そして、少なくとも譲渡から10年以上にわたって、提案事業を継続していただく。改修工事等が必要になりますが、譲渡から2年以内にそれを済ませて営業を開始していただく。そして、この土地は市の所有ですが、その提案事業に使っていただく限りにおいては無償で貸付します。最後に、改修には費用が相当かかりますので、それに見合うぐらいの補助金は交付します。これらを条件として、公募型プロポーザルの募集を行いました。
その結果として2団体から応募いただき、提案について審査させていただいた結果、さんびる・さんびるホールディングス共同事業体に事業を実施していただくこととなりました。このさんびるグループからの提案の概要としては、飲食に特化した長時間滞在型の日帰り温泉施設に再生するということ。それに当たり、「おふろcafe」など全国で16の温浴施設を運営する温泉道場が計画の策定に関わっていただく予定です。具体的には、いろりを活用したメニューや、ふだん使いしやすいような価格帯の食事を取り入れるといった飲食提供も強化していく方針とのことです。
今後のスケジュールとしては、来週から始まる2月議会に、本件に係る議案を提案します。議決いただきましたら、本件について正式に決定し、4月1日の譲渡を予定しています。その後改修にかかり、令和8年度中にリニューアルオープンする予定で進めていきたいと考えています。
とりわけ大森の湯に関しては、令和2年から休止していますので、地元においても相当、再開のニーズが聞こえてきていました。今回、こうした形で民間譲渡し再生されることは非常に喜ばしいことと考えています。まだ改修まで一定の時間がかかりますが、令和8年度中のリニューアルオープン後、ぜひ市民の皆様にご利用いただければと思っています。よろしくお願いいたします。
ごみのリユース促進 ~民間事業者との連携協定締結~
ごみのリユース促進についてのお知らせです。
環境負荷の低減を図る際に出てくる言葉で「4R」があります。リフューズ、余分なものをもらうのを拒否する。リデュース、ごみを減らす。リユース、もう一回使う。リサイクルする。それぞれについて、松江市でも取り組みを進めてきています。例えばごみ袋をレジ袋として使うことができるレジ・ごみ袋の販売、食品ロスの削減のためのまつえDANDAN(だんだん)食べきり運動の実施、リサイクルについては、バンダイナムコと一緒にガンダムプラモデルの枠の部分、ランナーといいますが、これの回収や、HOYAアイケアカンパニーと組んでコンタクトレンズの空ケースの回収、パイロットと組み使用済みの筆記具、文房具の回収などをしています。
今回、捨てるのがもったいない粗大ごみを、「おいくら?」「ジモティー」をうまく使うことによってリユースの促進に取り組んでまいります。家具など、まだ使えるものをごみとして捨てる前にできるアクションがあることをご存じでしょうか。必要とされる方に使っていただければ、ごみの減量のみならず、CO2の削減にもつながっていくと考えています。
まず、マーケットエンタープライズ社が提供している「おいくら?」を通じてリユースを推進してまいります。この「おいくら?」というのは、業者さんに引き取っていただくにあたり、複数のショップの買取り価格を比較できるもので、条件が合えば自宅に取りに来ていただくことができます。不用品の商品情報を入力して査定を依頼し、その査定結果を比較して買取り店を選択し、不用品の処分ができるといったものです。
もう一つが、ジモティー社と連携協定を締結し、「ジモティー」を通じてリユースを推進するものです。「ジモティー」は、特定の地域で物のやり取りをする、そのエリアで情報を無料で掲載し、それを見た方が買取りを申し込むといったものです。専門の買取り店、業者では値がつかないようなもの、あるいは運搬に困るものでも取引することができるのが特長です。品物を写真で撮影して、問合せが来たときに日程を調整してお渡しすることでリユースが完了します。
本日、2社と連携協定を締結し、本市のホームページから利用可能となりました。4Rを実践することで、ごみの減量と資源の有効活用に皆さんと共に努めていきたいと思います。
「総合体育館周辺エリア未来ビジョン(案)」にかかる パブリックコメントの実施
総合体育館周辺エリアについては、島根スサノオマジックの本拠地である松江市総合体育館の改修に合わせ、人の流れを活発化させ、その周辺エリアのにぎわいをつくる取組を推進していくべく、現在、未来ビジョン検討会議をつくり議論をしていただいています。総合体育館のみならず、北公園、県立プール跡地等について、それぞれ必要な機能について、現在、検討が進められているところです。今年度は4回にわたって会議が開催され、出来上がった未来ビジョン案について、3月10日までパブリックコメントを募集しています。これを踏まえ、3月25日に第5回の未来ビジョン検討会議を開催予定で、ここで未来ビジョンを固めていただくことを想定しています。その上で、2025年度から28年度までかけて、県立プール跡地や北公園についてサウンディング調査などを実施し、公募型プロポーザルも実施しながら、具体的な再整備を進めていく方針です。
この会議の中で出てきている主な意見として、北公園は、公園・広場の機能充実、イベントスペースとしての活用、幅広い世代の交流拠点、防災機能も整えていくといったものです。県立プール跡地は、飲食店やショッピングモールの設置、屋内外のこどもの遊び場、駐車場、起業や創業のビジネス支援機能といった意見もあります。また、北公園と県立プール跡地の間に道路がありますので、この2つをうまく導線で結ぶ必要があるといった意見や、くにびき大橋を渡ると松江駅前になりますので、松江駅前の再開発との連携や役割分担が必要ではないかといった意見もいただいています。
資料P66~68は、パブリックコメントの資料になります。市が策定している中心市街地エリアビジョンに「総合体育館周辺ゾーン」として位置づけ、「幅広い世代が交流し、スポーツを楽しみ、緑に憩う」というコンセプトで進めることにしています。
資料P67は、実現したい将来像として、スポーツや飲食、ショッピングを楽しめる、にぎわいの場の創出、新たなビジネスや交流が生まれる環境づくり、幅広い世代が憩い遊べるスペース、水辺空間の利活用の推進といったことを掲げています。
この将来像に基づき実現するエリアのイメージが、資料P68になります。県立プール跡地は、にぎわい・交流エリアとして、飲食・小売店、こどもの遊び場、駐車場スペース、起業・創業支援、企業交流の場、幅広い世代が交流できる場ということを掲げています。また、北公園の周辺エリアは、スポーツ・遊びエリアと称し、雨や日差しをしのげる広場、イベント等、多目的に活用できる広場、こどもの遊び場、水辺の利活用、アーバンスポーツの場ということを掲げています。
パブリックコメントの期間は3月10日までで、郵送、ファクス、電子メール、あるいは公園緑地課へ意見を持参していただいても構いません。未来ビジョンの案については、ホームページのほか、市役所の行政資料コーナー、各支所などで閲覧できます。皆様からのご意見をお寄せいただければと思います。よろしくお願します。
ドッグラン社会実験
昨年3月に「MATSUE Park Vision」をつくりました。これは、松江市内にある公園について、めざすべき方向を、公園ごとにカルテを作ってまとめたもので、「日常の「やりたいが叶う」公園」をめざしています。大規模な公園と地域の公園とを分ける中で、地域の公園については、行きたくなる、行ってみたいと思える魅力的な整備を進めていきたいと考えており、例えば自然と触れ合える公園、ボール遊びや水遊びができる公園、野菜の栽培とか収穫体験ができる公園、ペットと楽しめる公園を掲げていました。今回実行に移そうとしているのが、このペットと楽しめる地域の公園づくりということです。
来月、3月8日から21日までの14日間、ドッグランの社会実験を行います。場所は田和山西広場公園で、時間は平日の10時から午後4時、土日祝の9時から午後6時です。利用料金は無料ですが、小型・中型犬のみで、大型犬は利用ができません。かつ、事前の申込みが必要となります。また、雨天の場合には使うことができませんのでご留意ください。
この田和山西広場公園は、みしまや田和山店の近くで、みしまやさんのご協力により、ドッグランを利用するために来ていただく方に駐車場を提供していただけることになっています。
令和7年度の予定としては、今回、この実験を通じてアンケートをさせていただきます。そのアンケート内容を分析した上で、市内のドッグランの適地について検討し、また、実際に使いたいと思っていらっしゃる皆さんのニーズ調査も改めて行います。その上で、設置に向けた具体的な運営主体、運営手法などを検討していくことにしています。まずは、3月8日から3月21日に田和山西広場公園に来ていただき、皆さんから声をお寄せいただければと思っています。皆さんのご利用をお待ちしています。
松江市ゆるキャラ 市民・松江ファン投票
候補が決まり皆さんに投票していただける段となりましたので紹介させていただきます。このゆるキャラにつきましては、新松江市ができてから20周年、松江城天守が国宝化されてから10周年に合わせ、松江らしいPRキャラクターを募集したところです。714作品もの応募をいただきました。皆様、本当にありがとうございました。その中から、選定委員会で厳正な一次審査を行い、10作品に絞っています。審査のポイントとしては、松江をイメージできる、松江らしいデザインであること、また、ユニークで親しみやすさがあるということ、今後、着ぐるみの制作なども進めたいと思っており、展開がしやすいことといった点から評価をいただいています。
デザイン候補を1から10までお見せしますが、私からのコメントは控えさせていただきます。吹き出し部は応募された方のコメントを要約したものです。それぞれの作品に込めた思いを語っていただいており、コメントの全文はこちらの二次元コードから見ていただくことができます。資料P79は1から5までの作品、資料P80が6から10までの作品です。ぜひ皆様に、どのキャラクターが松江市のゆるキャラとしてふさわしいのかといった観点で評価をしていただき、投票をしていただきたいと思います。投票期間は本日の会見後にスタートし、3月9日までとしています。投票はどなたでも可、ただし、1人1回の投票となります。本市公式LINEからの投票が基本になっており、そのほかに、市役所正面玄関と市内29公民館においてシール投票も設けます。
LINEからの投票方法は、まず本市公式LINEを友だち登録してください。既にされている方は、本市公式LINEのリッチメニューから、松江市PRキャラクター投票のバナーが設けられていますので、ここをタップしていただいて、投票する作品の番号を選んでいただき、送信してください。LINEから投票していただいた方の中から、抽せんで127名の方にデジタルギフトが当たります。これはPayPayやアマゾンギフトなどと交換できるもので、1等1万円から当たりますので、ぜひLINEを使って申込みをいただければと思っています。投票の詳細、LINE投票については資料P85の二次元コードから参照いただければと思います。皆さんの投票をお待ちしています。
松江城伐採木の有効活用
松江城伐採木の活用については令和4年度から取り組んできた事業です。樹木が根を張ってきたことにより石垣が崩れかけていたり、また、幹や枝が張り出していることによって、仮に火災があった場合に建物本体に延焼するような可能性を排除しておくべきということで、49本を伐採しました。その49本の木材資源を有効に活用していこうということで、令和5年1月からアイデア募集をしました。13件のアイデアを応募いただき、そのうちから実現可能性、コスト等を踏まえ9品目を選定し、昨年度から製作しています。プラバホールの座席札や市役所庁舎に置いているベンチ、神楽面は現在制作中ですが、こうした取組を進めています。
今回紹介するのは、書架(本棚)と積み木です。本棚は、杉材を加工し60台製作しました。「松江城の木でつくりました」というスタンプが押してあります。これを市内47校の小・中・義務教育学校の図書館に設置します。また、松江市立図書館(中央図書館、島根図書館、東出雲図書館)にも設置します。もう一つの積み木も杉材を加工し、100ピース入りを120セット製作しました。こういった積み木を利用して楽しんで、また学ぶことができるということで、今月末から市内保育所、幼稚園など118施設に寄贈する予定です。3月12日には城西幼保園で贈呈式を行う予定としています。松江城を守り伝えていくことが重要ですし、また、松江城伐採木についてもこうした形で再利用して、松江城に対する愛着を皆さんに育んでいただきたいと思っています。
松江伝統芸能祭
松江伝統芸能祭開催についてのご案内です。松江伝統芸能祭は、市内の各地域で守り、受け継がれてきた伝統芸能が一堂に会する機会で、2年に一度開催しています。ふだんは地元でのみ披露されていますが、このときには特別にステージ上で披露していただきます。
今回は、3月2日に、さんびる文化センタープラバホールで開催する予定で、前売り1,000円、当日券1,200円です。高校生以下は無料となりますが、入場整理券が必要になりますので、申込みをお願いします。
出演団体について、1時からスタートして、1時10分に島根町の大漁節、1時25分から佐陀神能、子ども佐陀神能と、佐陀神能保存会の大人による披露があります。そして正調関乃五本松節があり、2時55分からは熊野大社の神事・八雲楽保存会があります。3時15分からは本庄の左義長しゃぎり保存会の皆さん、そして3時50分からは亀尾神能保存会の皆様が出演される予定となっています。
開会前の12時から12時45分まで、プラバホールの屋外広場において鼕たたき体験ができます。鼕行列保存会の方に協力をいただいていますので、ぜひともお越しください。ただ、雨天の場合には中止の可能性があります。
また、今回の松江伝統芸能祭のポスターのデザインについては、松江南高校美術部の皆さんに協力いただきましたので、この場でお礼を申し上げます。
皆様のお越しをお待ちしています。
質疑応答
(読売新聞)今回、選挙を控えているため骨格予算編成ということでした。そういった中であっても、今回の編成でどういう思いを込めたのか、そこの部分をまずお聞きします。
(上定市長)コロナが終わり、生活が通常どおりに戻っていく中において、物価やエネルギー価格の高騰が市民の皆さんにとって非常に大きな負担になっている状況が見受けられます。本来であれば、景気がよくなって、支出面だけではなく、収入が増えていくという経済の好循環がもたらされるべきですが、なかなか賃上げのところまでたどり着いていない状況もあり、行政も歳出面のコストはかさんでいますが、税収についてはまだ楽観的に見込むことはできない状況で、家計負担軽減という観点から措置が必要という認識の下、今回、幾つかの施策を盛り込んだのが1点。もう一つは、かといって守るだけではなく、来年度、このへび年を飛躍の年にしていくということも含め、総合計画、5つの柱を設けており、その中にチャレンジングな項目をこれまでも盛り込んでいました。これまで続けてきた努力をさらに引き続き進化させ、また、確かなものにしていくための予算についても、攻めの予算として計上したつもりです。市民の皆さんの生活の負担が軽減されるのみならず、我々のこどもや孫の世代に残せるような、そういった新しい取組、チャレンジを重ねていきたい考えているところです。
(読売新聞)来年度、「ばけばけ」の放送、または松江城天守国宝指定10周年を迎えるということで、観光施策のほうに結構力を入れるのかなと思って資料を拝見しておりました。そこで、現状の松江市の観光施策ないしは観光の状況に対しての課題を含めた認識と、それを来年度、千載一遇のチャンスというお言葉もありましたが、こういうふうにやって、何か変えていきたいというようなところに関して伺います。
(上定市長)私は、例えば全国市長会とか、シンポジウム等があって東京等に出かけていく機会が結構あります。やはり松江の知名度が必ずしも浸透していないといいますか、認知されていないということがよくあります。松江市長の思いとしては、松江には非常に魅力的なものがたくさんあって、たくさんの方に来ていただく価値があると思っていますが、それに磨きをかけながら、積極的に、しっかり発信していく必要があると捉えています。とりわけ国内でも松江の認知度を上げていく必要があるとともに、海外にも訴求できる、非常に魅力的なまちだと自負しており、先般も東京で在日フランス商工会議所が主催する観光誘客イベントに登壇させていただきましたが、フランス人の方から非常に高い評価をいただいて、お茶とか和菓子を実際に味わっていただき、松江にぜひ行きたいと言っていただいています。そういったポテンシャルが高いことを自負した上で、しっかり磨きをかけて発信していく必要があると考えています。そうした中で、今回、NHK連続テレビ小説「ばけばけ」に松江が取り上げられるのを、まさに千載一遇のチャンスと捉えており、この4月、5月ぐらいから松江でのロケも始まると聞いていますので、そこから松江の魅力をしっかり発信していけるよう準備を進めたいと思っています。ドラマは恐らく9月末あたりから始まって来年3月までということになりますが、その期間だけの一過性のものにするのではなく、その効果を持続していくことが重要だと思いますし、お隣の境港市さんは「ゲゲゲの女房」の効果をそのときの一過性にとどまらせず、たくさんの人出でにぎわう状況が見受けられますので、そういった事例を参考にしながら、松江の魅力の醸成とその向上、そして認知度、ブランド力についても身につけていきたいと考えています。
(山陰中央新報)当初予算にあたっての編成の考え方について、基金取崩し額が昨年に続いてかなり大きく、骨格予算ではありながら、いろんな事業等も入っています。松江市だけではなくどこも収入不足のところでのやりくりになっていますが、基金の取崩しも含めて将来負担率も結構高いと聞いており、そのあたりの市長の考えをお聞きします。
(上定市長)財政の健全性を保ちながら新しいチャレンジも続けていくという、非常に難しいバランスを取らなければならない状況にあります。おっしゃっていただいたとおり、松江市だけがそういった状況にあるわけではないですが、インフラの老朽化や箱物で今後整備していかなければならない大規模な投資もあり、そうした中で財政のやりくりに苦労している状況です。令和6年度についても財政調整基金や減債基金の取崩しをある程度予定していましたが、結果として、さほど取崩しをしなくて済みそうな状況にあります。だからといって来年度、楽観できるわけではないですが、たくさん出てきている新しいアイデアなどを一つ一つ吟味した上で厳選し、かつ、総花的にではなく選択と集中を図った上で予算項目に盛り込ませていただいたつもりです。財政が厳しい状況が、ここ一、二年で全く違う形に好転するとは思っていませんが、かといって、何ら新しいチャレンジをせずに漫然と守るだけで過ごしていくことにならないように、きちんと種まきをして水をやりながら、財政的なバランスを取っていく努力を積み重ねるつもりです。
(山陰中央新報)補正予算の部分で、松江魚市場の整備主体であるJFしまねに対して市が補助をされるということですが、改築されることに松江市としてどんな効果というか、期待をしておられますか。
(上定市長)例えば恵曇漁港は、過去には漁獲量も多くて、水産業を中心に盛り上がった時期もありました。現状は、漁獲高自体が全国的にも減っている現状があり、また魚市場自体の機能も昭和51年に東朝日町に移転してきてから劣化してきた状況があり、この魚市場を中心として水産業の振興を図っていく形になっていませんでした。今回、国からの予算が、最終的に3月初旬に内示予定ではありますが、見通しが立ってきたということで、国、県、市がそれぞれ負担をする形で予算措置をするものです。新鮮な魚介類を、市内はもとより全国各地に流通させていくということで水産業の振興を図ることができ、松江の第一次産業の振興を図る流れをつくり出していきたいと思っています。
(読売新聞)ゆるキャラについて、各候補作品への言及は控えますということでしたが、改めてゆるキャラをこういうふうに活用して、松江市民にとってこんな存在にしていきたいとか、そういった部分の市長の思いを伺います。
(上定市長)まずは、松江市民の、愛着が持てる、親しみやすいデザインが選ばれ、浸透することを願っています。今年6月に国宝5城の5市が集まってお城サミットをやります。一昨年は姫路で開催しており、そのときにも各市が任意でゆるキャラを連れてくることができました。有名な彦根城、彦根市のひこにゃんも来ており、そういう場に一緒に連れてきて松江のPRをするのに一役買ってもらえるようなキャラクターになればいいと思っていますし、こどもたちがキャラクターと一緒に写真撮りたいと思ってもらって、松江に対しての愛着を育めるような、そういったキャラクターになることを期待しているところです。
(毎日新聞)ゆるキャラについて、各デザインに対する市長のコメントはないということですが、全体的に、この10件のデザイン案に対する感想はいかがでしょうか。
(上定市長)ここまでの選考過程に私は関与しておりません。ただ、選ばれたものを見させていただくと、それぞれのコメントもしかりですが、松江のデザインということを皆さんいろいろ考えていただいた上で、多岐にわたるアイデアをお寄せいただいたなと思っているところで、いずれが選ばれたとしても、松江らしさというのは間違いないと思いますし、皆さんに親しんで、愛していただけるキャラクターになるのではないかと思っています。
(毎日新聞)総合体育館周辺エリアビジョンの資料P68について、パブリックコメント用の資料ということで10項目あります。市としては全て計画に盛り込んでいくという認識でしょうか。
(上定市長)現時点での未来ビジョンの案として、市としても検討会議の議論に参加した上でここまでできているという状況です。これをさらにブラッシュアップしていくに当たり、例えば、ここに書いてない機能でこれを盛り込むべきとか、この機能はなくてもいいとか、そういった意見をいただいて検討していきます。この10項目に限っているわけではないですし、あるいはこれは入れなくていいという意見があれば、その理由も含めて検討していくことになろうかと思います。
(毎日新聞)パブリックコメントを踏まえて、飲食店とか小売店とか、具体的にどういう店舗を入れていくかというのも考えていくと。
(上定市長)そうですね。実際にどういった手法で整備していくのか、財源の手当て等も当然必要になってきますし、全国でも官民連携でやっているPFI等を利用した取組もあります。まずは全体のプランといいますか、どういった機能を持つべきかという骨格を決め、それをまたプロポーザル等によって民間の皆さんの意見なども伺って、整備の手法について改めて考えていくことになろうかと思います。
(NHK松江放送局)給食費の改定について、小・中学校などは値上がりを防いだということ、公立保育所・幼保園に関しては月額100円ではあるものの値上げになったということですが、値上がりを抑え切れなかったところについての受け止めを伺います。
(上定市長) 公立保育所・幼保園については、本来であれば国の基準額の上昇で300円上げるところを100円に抑制したという観点で、小・中・義務教育学校、幼稚園と同じ取扱いにしているつもりです。食材費の値上がりが顕著な状況にあり、中でもお米の価格上昇は、7か月間で33%と非常に大きな上昇で、かつ、それが収束するかどうか分からない状況にあります。そうした中で家計負担の軽減を図っていく、かつ、こどもたちに安心して食べてもらえる安全な給食を提供していくのが最大のミッションですので、その際に、大変忍びないものの、給食費がある程度上がっていくことは皆様に甘受いただく必要があるという認識を持っています。それをできるだけ軽減すべく、今回も予算措置をしたものと私は受け止めていますし、そのように皆様にもご理解いただきたいと思っています。
(毎日新聞)ドッグランについて、今回、社会実験として田和山で1か所やるということですが、この公園の広さはどれぐらいでしょうか。
(上定市長)今、数字を持ち合わせていないので、後ほどお答えします。
(毎日新聞)それと、今回は社会実験ですが、松江市としてはドッグランに前向きに取り組まれますか。今後、何か所つくっていくとか、意気込みというか。
(上定市長)現在、何か所整備するという数量目標を立てているわけではありませんが、Park Visionの中には盛り込んでおり、具体的な実証をしながらニーズを確認した上で、必要なドッグランを整備していくことを考えています。ただ、どういった形でのドッグランの整備がいいかは、我々、まだノウハウがないものですから、それを今回、実験的にやってみることによって、大体の勘どころをつかんで、その上で予算がどれぐらい必要か、どれぐらいの広さが適しているのか、整備しても使われなかったら意味がないですし、ニーズとのマッチングを今回の社会実験を通じて明らかにしていくことが第一歩かなと思っています。既存の公園でドッグランを整備する方針で、新しくドッグランのための公園を造るということまでは考えていません。
(島根日日新聞)ゆるキャラについて、2点お願いします。投票期間が3月9日までですが、その後の決定等のスケジュールが決まっていれば教えていただきたいと思います。
(上定市長)今回の投票を終え、選定委員会に諮らせていただいて必要な手続を進めてまいります。新松江市合併20周年等の行事がありますので、そのどこかのタイミングでお披露目することを検討していますが、着ぐるみの制作にかかる時間等もありますので、今のところで、はっきり、いつの段階でお披露目できるかは申し上げにくいところです。あと、キャラクターデザインの決定後、名前の募集等も考えているところで、その応募状況、選考状況などを踏まえた上で、最終的なスケジュールも確定させていこうと考えています。
(島根日日新聞)それともう1点、松江の観光のキャラクターとして「あっぱれくん」がいますが、その関係というか、今後「あっぱれくん」の運命はどうなるのでしょうか。
(上定市長)「あっぱれくん」は合併前の旧松江市がつくったキャラクターと認識していますが、なかなか浸透は図れていないところもあります。松江城マラソンなどには「しじみ姫」と一緒に登場しており、またそういったケースに応じて「あっぱれくん」もうまく使っていきたいと思っています。
(公園緑地課)先ほどのドッグランに関してのご質問で、開催場所となる田和山西広場公園の広さは1,099平米です。
(上定市長)今回、田和山でやってみまして、狭い広いとか、そのあたりについても考察をした上で、次にどういう展開を持っていくのか考えたいと思っています。
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更新日:2025年03月05日