松江城前の高層マンション建設について(受付日:2025年4月8日)

更新日:2025年06月12日

寄せられたご意見

松江城前の高層マンション建設について、松江市民の感情を逆なでするような広告を目にするようになりました。

この問題に関してあるビジネス情報誌も「国宝・松江城天守が泣いている・・・城より高いマンション建設で歴史的価値をみすみす手放す地元自治体の残念さ」と題して報じています。

法律上の問題はないとか、事業目的の無いものは予算が使えないなどの建前論ではなく、市民の権利を守るための事業として、根気強く交渉をするなどの取り組みを進め、せめて高さを低くするための行動をしていただきたい。

過去には宍道湖大橋北詰のマンション(今回のマンションよりはるかに低い)の高さを低く変更させたことがあったと思いますし、他県では眺望確保のため建設途中のマンションを中止した事例も大きく報じられました。市民より松江市への愛情がより強い市職員の奮起を期待します。制度上の扱いではなく、歴史的価値がある松江市の景観と松江市民の権利を守るため、粘り強い交渉を繰り返し行っていただきたい。松江市役所新築工事の予算を回しても行うべき喫緊の課題だと思います。

前述の情報誌でも、「自治体としての責任を放棄、松江市は将来にわたる大きな負債を背負うことになる。施主も世界に誇るべき遺産を棄損した存在と認知されかねない」と書かれていますが、まさにその通りだと思います。

他には無い松江市の素晴らしい景観を守って下さい。

ご意見に対する回答

松江城の周辺地域には、都市計画法や松江市景観計画に基づき、歴史的な景観を保全・形成する地区計画を設け、松江城など主要な展望地からの眺望が確保できるよう建築物の高さを制限しておりますが、ご指摘いただいたマンションの計画地については、現行の松江市景観計画の対象となっておらず、その建設は容認されるため、従前の景観規制が十分でなかったものと省みております。

当該マンションは松江城天守を上回る高さであり、本市として「松江らしい景観」を保全する観点から望ましくないものと捉えており、令和6年3月に事業主である京阪電鉄不動産株式会社に対して計画の見直しを要望し、10月には親会社である京阪ホールディングス株式会社に対して同様に要望しましたが、先方は応じられないと回答されています。

本市は、市民の皆様が誇りと愛着を感じられる「松江らしい景観」を保全・創出するためには、現行の松江市景観計画の見直しが必要と考え、令和6年5月より松江市景観審議会にて、同計画における「眺望基準の見直し」と「松江城周辺の建物の景観基準の見直し」について審議を開始しております。

「眺望基準の見直し」については、令和7年4月より山の標高をもとに新たに算出した眺望基準を導入したところです。また、「松江城周辺の建物の景観基準の見直し」については、視点場の設定と合わせて令和8年4月の施行をめざし、検討を進めております。

さらに、これらの基準の見直しに先行して、令和6年9月に景観事前協議制度(注)を導入する条例改正を行い、令和7年1月より施行いたしました。これにより、大規模な建築物などの建築にあたっては、従前よりも早い段階から、良好な景観形成に資するための調整を図ってまいります。

本市では、今後も「松江らしい景観」を保全・創出すべく最大限努めてまいりますので、ご理解とご協力をいただきますようよろしくお願いいたします。

 

(注)景観事前協議制度

特定の区域において中高層建築物を建築する事業者に対して、景観にかかる事前協議を義務付けることで良好な景観形成を図る制度

この記事に関するお問い合わせ先

市民部 市民生活相談課
電話:0852-55-5169(市民活動推進係)、0852-55-5677(伺います係)
ファックス:0852-55-5544
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