【皆様から寄せられたご意見・ご質問】場所について

更新日:2023年02月01日

ご質問のポイント

  • 現地建て替えより移転新築の方が良いのでは?
  • もっと庁舎建設に適した場所があるのでは?

市の考え方のポイント

  • 庁舎の位置はまちづくりの歴史そのものです
  • 移転に伴い、深刻な課題が新たに発生します
  • 庁舎を移転することは「重い決断」です
  • 引き続き活用すべき重要施設(西棟)があります

庁舎の位置はまちづくりの歴史そのものです

最近、新庁舎整備について新聞報道などで話題になってから、市民の方から市庁舎の移転場所についてのご提案をいただきます。現在地が良いというご意見のほかには、県立プール跡地や北公園、ホテル宍道湖跡地、ソフトビジネスパーク、市総合運動公園、市立病院跡地、乃白町など、ご提案は様々です。

ここで、改めて、まちづくりの基礎である庁舎の場所は「100年の大計」という視点で考える必要があります。「工事費が安ければどんな建物でもよい、工事期間が早ければどこの場所でも良い」ということになれば、これまで築いた松江のまちの歴史や地域の特徴は失われてしまう危険性があります。

過去の庁舎移転問題

  • 市役所の庁舎は明治26年に現在の県庁東別館がある場所に建設されましたが、戦後になって2回移転の動きがありました。
  • 1回目は元の庁舎が老朽化、分散化していたので現地付近に建て替えようとしたところ、いずれの候補地とも狭いなどの理由で適地が見つからず、最終的に空き地だった現在の末次埋め立て地に決定しました。移転やむなしの状況の中で埋め立て地に急きょ決定したため、橋南選出の議員から強い反対が出て大変な混乱となったものです。急きょ移転先が決まったのは、当時の市長が建設省から移転先を早く決断するように迫られたからのことでした。
  • 2回目は平成のはじめ、県立美術館を現在の市役所の場所に誘致し、市役所を当時の県立プール場に移転する計画(玉突き計画)が持ち上がりました。しかし、美術館誘致に前のめりとなるあまり移転先の確保が決まらず混乱した結果、移転は取りやめとなりました。

松江のまちづくり

  • 松江のまちづくりは古くから、大橋川を挟んで「橋北」と「橋南」という2つの地域で成り立ってきました。橋北の拠点は殿町・末次・北松江で、橋南の拠点は白潟・天神町、明治に入ってからは松江駅です。これは先人達が築いた松江のまちの成り立ちであり、今のまちづくりもこれを前提として進めてきました。市では、他のまちにはない独特な松江のまちの伝統や文化を守り伝えていくことが大切と考え、この「まちのかたち」を活かし松江駅から殿町にかけての全体を俯瞰したビジョンを描き、それぞれの活性化を図っていこうと取り組んでいます。
  • 市民を二分した過去の様々な困難を乗り越え、松江市100年の大計として庁舎はこの地に居を構え、長年ここを拠点にまちづくりを行ってきました。今回の新庁舎整備の議論でも、市議会をはじめ様々な立場の市民の皆さまにご意見をいただきましたが、多くの方がこの場所の大切さを実感されていると思います。
  • これまで市民の間で現地建て替えについて特に問題視をされてこなかったのは、市役所が現在の場所にあるという前提でまちづくりがなされ、これを移転することは考えられないという価値観が共有されていたということだと思います。

移転に伴い、深刻な課題が新たに発生します

本事業は平成29年度の基本構想から実施設計まで約4年間の年月をかけて、多くの費用や市民の方々のご協力を得て進めてきました。仮に他の場所へ移転する場合は、都市計画や防災など多くのまちづくりの拠り所を一から見直さなくてはならなくなりますので、再度多くの時間と費用をかけて、まちづくりについて議論をしなければなりません。また、本来ならば必要のない「跡地利用」という重大な課題が新たに発生し、この2つを同時に解決する必要があります。市としては今後の100年の大計を考える上で、松江のまちを壊し市民の間に混乱を招くような移転は適切でないと考えています。

移転をすることは「重い決断」です

通常、市議会での議決は過半数の賛成が必要ですが、特に市庁舎の移転などの重要事項の場合は出席議員の3分の2以上の同意が必要になります(地方自治法第4条第3項)。つまり、庁舎の移転というものは、それだけ多くの人が納得するほどの特別な理由が必要になる「重い決断」であるということです。

引き続き活用すべき重要施設(西棟)があります

現在の敷地内にある西棟は、市町村合併後の市民サービスの向上や市民の安心安全を守るなど、市役所の重要な機能の一部として期待され、平成17年に建設された建物です。現在の新庁舎整備の計画では、次のような理由から西棟をそのまま利用し新庁舎とともに活用することにしています。

  • 築後15年しか経過しておらず、十分に耐震性がある。
  • 原子力災害に備えて放射線防護対策が施されている。
  • 解体によってさらなる費用が生じる。

なお、別の場所に新庁舎を建てる場合は、現在の計画面積に加えて、西棟分の床面積分も新たに増床しなければなりません。市としては重要施設である西棟はしっかりと有効活用すべきと考えています。

5階建ての建物が西棟。スマートフォン等で縦横比が異なって表示される場合は、本庁西棟画像をご覧ください。

5階建ての外壁が白い西棟を道路から撮影した写真

この記事に関するお問い合わせ先

財政部 新庁舎整備課
電話:0852-55-5454
ファックス:0852-55-5570​​​​​​​
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