松江城天守周辺の樹木伐採について(受付日:2022年11月18日)
ご意見の要旨
松江城の維持管理に関する資料を一読し、概要の主旨には理解・賛同します。松江城の環境整備のなかでも天守周辺の歴史ある景観を構成する樹木の扱いに関わる取り決め内容は以下の部分になります。以下は資料の抜粋です。
====================================
史跡松江城保存活用計画
平成29(2017)年3月 松 江 市 資料 P122/279 抜粋
第2節 構成要素と保存・管理の方法
(7)樹木の管理(本質的価値と密接に関わる諸要素・その他の諸要素の管理)
3)地区ごとの保存管理の方針
(本丸地区)
・密植により樹木の健全な生育が妨げられている状態を改善し、これによって、それぞれの樹木の樹勢回復を図り、虫菌害の防除、倒木等の防止につなげる。
・天守や石垣、地下遺構に影響のある樹木、消防活動の支障となる樹木、天守の眺望を阻害している樹木を特定し、植え替え、伐採や枝払い、剪定等、必要な処置を施す。
・サクラを間引き、健全な育成環境を整える。ナラタケモドキ菌に感染しているものについては、感染源を絶つなど必要な措置を講ずる。
・天守から10m以内は建造物保護のための「保存区域」に当たるので、その中にある樹木で、天守台石垣に悪影響を及ぼす恐れがあるものは撤去または移植する。
===================================
上記に抜粋した2番目及び4番目の項目が天守周辺の健全な樹木の扱いについて規定しています。
防火に関する内容は、唯一消防活動の支障となる樹木が対象となるとの記載があるだけです。樹齢100年前後となり歴史的な景観を構成している大木を伐採するのでれば、その伐採対象となる樹木1本1本についての上記規定に沿った説明をすべきと思われ、それが為政者の市民への説明責任であると判断されます。
ご意見に対する回答
松江城の植生整備の基本方針である『史跡松江城保存活用計画』において、天守や石垣、地下遺構など「史跡松江城の本質的価値を構成する諸要素」の適切な保存に悪影響を及ぼしている、若しくはその危険が大きい樹木については、速やかに伐採等の措置を行うこととしています。
今回の伐採対象には、樹齢150年以上の樹木が4本(スギ2本、マツ1本、タブ1本)ありますが、いずれもその植生状態に照らせば同計画における「石垣支障木」となり、石垣を守るための対策が必要となります。これらは大木であり移植に必要な「根巻き」を行うと石垣が損壊するため、人力で丁寧に伐採することとなります。
なお、今回伐採対象としている樹木は、「石垣支障木」または「園路沿い危険木」に限り、計49本を選定しております。松江城の本質的価値の保存と危険回避のためには必要不可欠な措置と考えております。
また、ご指摘いただきましたとおり、今回の樹木伐採の目的を多くの方に理解していただくよう丁寧に説明することが大切と捉えております。1月下旬には、本市ホームページにおいて、松江城の防火対策の目的と内容を説明する動画を配信して、市民の皆様に分かりやすくお伝えする予定です。また合わせて、問い合わせ窓口を明確にして、メールや電話により皆様のご意見を伺ってまいります。
またお気づきのことがございましたら、松江城・史料調査課(電話:0852-55-5959)までご連絡をいただけますと幸甚です。
この記事に関するお問い合わせ先
市民部 市民生活相談課
電話:0852-55-5169(市民活動推進係)、0852-55-5677(伺います係)
ファックス:0852-55-5544
お問い合わせフォーム
更新日:2023年03月02日