松江城の活用と保存

更新日:2023年07月20日

1つ目が、松江城の本丸東側の石垣の保存対策についてです。江戸時代に積み上げた石垣が現存している非常に貴重な、日本に5つしかない国宝現存天守を持つ松江城ですが、その石垣について少し変形しているところが出てきています。樹木が根を張り石垣を内側から崩していくような形になっているのが主な原因です。昨年度、石垣支障木と天守の延焼の防止のため、49本の樹木を伐採しました。見晴らしが非常によくなったということを市民の皆さまから言っていただいているところです。

今回は、さらなる石垣の落石防止対策を行います。今までは木が覆いかぶさっていましたので、仮に落石があっても近くまで近づけないであるとか、木があることで、落石自体が見た目に分かりませんでした。今回伐採し、石垣面が前に出てきたということもありまして、落石の可能性がある場所について、土のうによって応急措置を施し、その上で、落石防護ネットの設置を考えています。本丸の東側の石垣の南面が2年前より5ミリから7ミリ前方に起き上がり、少し浮き出てきています。東面は、膨らみが見られて、目地がちょっと開いてきています。これがひどくなるとここから石が崩れ落ちてくる危険性がありますので、落石防止対策として、7月からまず応急措置として、土のうで仮押さえをします。その上で工事の準備を進め、10月から落石防止のネットを設置します。景観を損ねないような形で落石の防止ネットを張り、施工したいと考えています。

松江城を守り後世に受け継ぐことが我々の世代の使命だと考えています。今後もこうした取り組みを進めてまいりますので、市民の皆さまにもご理解をいただければと思います。

また、松江城の伐採木を活用して、松江城のPR、木材の利用促進、木育学習につなげていきたいと考え、アイデアの募集をしておりました。伐採した49本のうち、幹の直径が比較的大きくて再利用がしやすいもので14本、杉、ヒノキ、松、タブ、ムクを対象にしています。13件応募があり、庁内の選考委員会で審査をし、8件のアイデアの採用を考えています。

松江城の御城印を製作し、松江城で開催するイベントの参加者、クイズの正解者にプレゼントを考えています。 また、松江城の改築工事に備えて乾燥保存をし、屋根の下地材に使えるサイズの大きな杉を保存していくということも考えています。木を使って書架を製作し、市内の図書館、小・中学校に設置し、お城の森から本の森へという形での活用。神楽のお面を製作し、文化施設や公民館への展示も今後考えていきたいと思っています。ボールペンなどの筆記具、バッジなど松江城を感じられる記念品の作成。今あるバッジを松江城にもともと生えていた木を使い作成しPRを図っていきたいと考えています。そして、現在改修工事中の松江市総合文化センターのプラバホールの、座席の番号札を八雲塗の仕上げにして作成し、文化発信の拠点において、松江城と松江の伝統工芸をPRしていく機会になると考えています。ベンチの製作も考えており、松江養護学校が木材でベンチを作り、既に松江城に寄贈していただいています。今あるものも大分老朽化していますし、松江城のPRにもなりますので、松江城の樹木を使ったベンチを製作し、城山公園のほかに市内の公園にも配置したいと考えています。最後に、積み木を製作して市内の幼稚園、保育所に配付し、いわゆる木育であるとかふるさと教育にもつなげたいと考えているところです。こういった有効活用をしてまいります。ご応募いただきました皆さま、ありがとうございました。

この記事に関するお問い合わせ先

政策部 広報課
電話:0852-55-5125
ファックス:0852-55-5665
お問い合わせフォーム