市内路線バスの現状と維持に向けた取組み
まず、路線バス事業者については、深刻な運転手不足から、現行ダイヤの維持が難しくなっている状況です。資料P23の図は、上のほうが一畑バス、下が松江市交通局です。運転手、利用者、運送収入等を並べていますが、一畑バスでは、令和元年度、運転手が77人だったのが、この4月1日は56人と大きく減っています。利用者数については、コロナ禍になった令和2年度以降大きく減ったわけですが、そこから回復基調にはあるものの、令和元年度の水準には戻っていないのが現状です。運賃収入はなおのこと、令和元年と5年では差が出ている状況にあります。
また、市交通局についても、運転手数は横ばいに見えますが、利用者はやはり同じように令和2年度に大きく落ち込み、回復基調にはあるものの、令和元年度の水準には及ばない状況です。運送収入も同じような状況にあります。
こうした中、一畑バスにおいて、今年10月1日からの路線バスの減便について発表がありました。(資料P24に記載の)4路線について10月1日付でダイヤ改正が予定されており、それぞれ減便になると先般アナウンスがあったところです。八雲線は平日で4往復減、恵曇線は平日3往復減、万原線は土日祝が3往復減、玉造線も土日祝が2往復減となります。
この状況について、一畑バスから沿線住民の皆さんへの説明が予定されており、今週から各地区で順次開催されるとのことです。また松江市交通局においても、一畑バスのダイヤ改正を踏まえた上で、10月1日以降の、より利便性の高い形のダイヤの改善を検討してまいります。
また、これらの路線に接続しているコミュニティバスがあります。今回、こういった減便によるダイヤ改正がなされますので、それを受ける形で、利便性をできるだけ改善すべく、ダイヤの調整、改正を実施してまいります。
そして既に周知していますとおり、10月1日から一畑バスにおいて、路線の廃止と減便が決まっています。マリンプラザ線、御津線、大東線、荒島線について、それぞれ資料P25のとおり予定されていますが、そこをコミュニティバス路線の新設などによって、できるだけ代替手段を確保しているといった状況です。
今後、市民の皆様の利便性を中長期的に確保していくための検討を進める必要があります。「路線バスワーキンググループ」を設置し、既に検討を開始しておりますが、一番課題となっているのが運転手不足への対応で、人材確保を進めていく必要があり、具体的に検討している対応策を資料P27に示しています。この秋には運転体験会・就職フェアという人材募集イベントを開催。7月13日には「定住・就職フェア」に一畑バスが出展。新規の取組として、市交通局が高校生の募集を開始しています。一畑バスは、この春から高校生を採用しているところです。また、定年退職者の再就職先紹介についても取り組んでおり、運転手のセカンドキャリアを健康・技術面からサポートすることも取り組んでいます。
そしてバス路線の再編を検討中で、より利便性の高い交通体系となる方向で整理を行ってまいります。来年の春には、松江市営バスが学生向けに出している通学フリー定期「のりほSP」を、一畑バスでも利用できるよう共通化を検討しています。
こういった取組を進めることにより、市民の皆様の利便性が損なわれないように、できるだけ利便性を高めていくよう改善を図ってまいります。今後、プロジェクトチームあるいはワーキンググループにおいて決まった事項については、皆さんに速やかに共有させていただきます。
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更新日:2024年07月22日