小学校の校区制度の見直しについて(受付日:2024年3月6日)
寄せられたご意見
児童・保護者にとって非常に重要な小学校の校区制度に関し、全国の市町村教委で確保されるように周知徹底を図るとの閣議決定が行われた下記の就学事務の運営が、松江市では十分に実現されていません。特に、実際にはほとんど該当者がいない基準が設けられ、申し立てすらできない点については、居住地に関係なく、平等な措置の実現を図った上記の閣議決定の方針とは明らかな乖離していますので、長年にわたり改善がなされない現状を、上定市長にご承知いただくとともに、早急な見直しをお願いいたします。
文科省は、「学校教育法施行令第8条に基づく就学に関する事務の適正化について」(平成19年3月30日)の中で、「通学の利便性などの地理的な理由」を、どの市町村においても、保護者からの申し立てにより、就学校の変更が認められてよい具体的な自由の1つとしており、平成20年3月には、政府として、この通知の考え方に基づいた運営が、全国の市町村教委で確保されるように周知徹底を図るとの閣議決定を行っています。これを受けて、文科省は、各都道府教委に対して、域内の市町村教委にこの内容を周知し、就学事務の適正化について更に指導徹底するよう通知しています。
一方、松江市では、指定校まで4キロメートル以上ある場合、より近い小学校への校区外通学が認められますが、この「4キロメートル」の基準は、少子化等に伴い国庫負担を受けて小学校を統合する際に満たす必要がある、統合後の小学校における通勤距離の上限要件と同じ距離になっています。
この運用について、国庫負担無しで小学校の統合が行われることはほぼないことを踏まえれば、通学距離が4キロメートル以上ある児童はほとんどないため、国が全国の市町村で実施されるように周知徹底を図ることとした「通学の利便性などの地理的な理由」による就学校の変更は、松江市では、事実上その申請すらできません。そのため、数多くの児童が、就学校の選択の機会が与えられず、指定校までの通学路の安全性が十分確保されていない場合であっても、遠くの指定校への通学を強いられています。
またそもそもの校区設定についても、市教委は、「学校と地域が連携して児童を支えていくためには、公民館区と校区を一致させる必要がある」として、平成20年にマンション建設予定地の校区を変更して以降、15年以上もの間、自治会から校区境における校区変更の要望があっても、変更を認めていません。
しかし、上記閣議決定の元となった内閣府の規制改革会議の答申では、「『学校と地域との連携』は学習者に本来与えられるべき学校を選択する権利を奪う根拠になりえない。」旨が明記されています。上記のとおり、松江市においては、「学校と地域の連携」が、児童に本来与えられるべき学校を選択する権利を奪う根拠として使われており、この結果、危険な道を長距離に渡って通学しなければならなくても、校区境における校区自体の変更もできなければ、通学距離を理由とした校区外通学申請をすることもできません。
上記閣議決定から15年以上経過し、既に出雲市では、校区境の地域について、保護者が就学校を選択できる制度が導入されています。また、現在、松江市ではかつては池や山林だった区域が開発され居住区域となることが増えているため、保護者や地域の要望に合わせて、過去に設定された校区自体を変更することも、児童の学びやすい環境づくりや児童の身の安全を守るためには必要であると考えます。
長年にわたり、この問題は松江市で放置され続けています。線引き制度の見直しなど、時代の流れに合わせた改革を進められてきた上定市長に変えていただかなければ、今後何十年と同じ状況が続きかねません。どうか、児童の身の安全を重視し、また、児童の学びやすい環境づくりについて、真摯にお考えいただき、通学距離を理由とした校区外通学許可基準の見直し、校区変更制度の運用の見直しについて、早急にご対応くださいますよう切にお願い申し上げます。
ご意見に対する回答
本市では、学校教育にあたっては、学校と保護者・自治会・公民館など地域の皆様との間の連携が不可欠と考えており、部分的な区画のみの校区変更は学校や住民の皆様の混乱を招くことから、校区と公民館区を一致させることを原則としております。
一方で、いただいた児童の安全を重視した学びやすい環境づくりにかかるご意見を踏まえて、お住まいの地区の状況を精査した結果、当地区は令和3年に新たに宅地造成された住宅地であり当初は校区の設定を考慮していなかった地区であること、また同様のケースにおいて保護者の希望による選択校区制を設定している一部地区があることを踏まえ、当地区について、保護者の皆様がご希望されている小学校を通学先として選択していただけるよう選択校区制の適用範囲を拡げたいと考えております。
そのため、本市が定めております「松江市立小学校、中学校及び義務教育学校の通学区域に関する規則」に、当地区を当該小学校に通学させることができる地区として明示し、令和7年度の1学期から通学先を選択できるよう、松江市教育委員会会議に諮るなど規則改正に必要な手続きを進めてまいります。
また、当地区にお住まいの保護者の皆様への周知に関しましては、通学先の検討にあたり十分な時間を確保いただけるよう、改正の趣旨説明、通学区域一覧、通学希望校申請書を今年中にお送りしたいと考えております。なお、新入学のご家庭にも同様に、就学通知を発送する際に入学校希望申請書を同封してご案内いたします。
この記事に関するお問い合わせ先
市民部 市民生活相談課
電話:0852-55-5169(市民活動推進係)、0852-55-5677(伺います係)
ファックス:0852-55-5544
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更新日:2024年07月24日