地方から中央への人口流出について(受付日:2024年10月28日)
寄せられたご意見
松江市を含め「地方から中央への人口流出」について提言させていただきます。
★中学・高校の授業に地方の良さ(自然環境・地域密着の仕事・地域住民とのつながり)を体験する授業をたくさん盛り込みましょう!!
私は小企業を22年経営してきた中で高卒含めた求人を継続してきましたが、10年前頃より高校にもそれまでにはない数の中央企業からの求人が増加し、地方での高卒採用が急激に困難になりました。その流れはそのまま今日にも続いており結果として「若者の人口減少→結婚・出産数低下」につながっているように感じています。(多少の偏重はあるかもしれませんが、それでも現状と外れていることはないかと思います。)
中央採用側からの積極的な採用活動が地方に及ぶのは、中央の「開発進展」+「出生率が元々低いが故の若年層不足」という事情があるので当然の流れでしょう。こうした動きは決して違法でも悪いわけでもありませんし、いくら知事会で訴えたところで中央側がその方針を変更することはあり得ません。(政府として何某かの制限を設けることは可能かもしれませんが、当面そのようなあてはありません。)
一方で、地方側にはまだできることがあると考えています。
若年層の流出にはそもそも一定の仕組みが存在しているのはご承知のことと思います。つまりは、地元(家庭)に留まる制限(自立手前)が外れる高校卒業というタイミングで、大半が県外に流出することです。多くの若者がこのタイミングで地方を離れるのは、「面白みがない地元が嫌」という理由と「たくさんの面白みを訴求する中央」への憧れによるものです。そういう地方若者ニーズに中央からの採用が増えれば、一気に中央に若者が流れるのは自明です。(県外大学流出も意義はほぼ同じ。)
そこで施策提案についてです。
絶対的な地元若年層である「中高生」に地元愛の種(面白い、ここ!!)を増やすことです。
「自然環境・地域密着の仕事・地域住民とのつながり」など中央では感じにくい、地方ならではの良いところがたくさんあることは周知ですが、問題は「若年層がそこに接する機会が少ない」ことだと思います。これを生徒たちの自然な機会に任せる(無作為)のではなく、中高生の「教育の現場で積極的な働きかけを増やす」べきではないでしょうか。
現状、地域学習という授業があるのは知っていますが、コマ数は少なくその内容もあくまで「社会学習」のレベルに留まっています。本目的に合わせて授業内容を見直し、「生徒が地元に強い誇りを持てる」レベルにまで内容を改善すべきと考えます。以下は、つたないながらに考えた例です。
・自然環境の取り組み例
「山、海、宍道湖・中海」での体験(山菜採り、農作業、漁、釣り+自炊調理)
協力者:各地域の高齢者、経験者で「誇りを持っている」人
・地域密着の仕事の取組み例
大規模な企業での体験は避ける。(大規模な企業がやっていることの大半は中央企業には負け、むしろ中央への呼び水になる恐れがあります。そして、中央企業ではほんの一部の人を除いて歯車にしかなれませんから)
小規模企業の方が「自分の立ち位置(役割・存在意義)」を感じやすく、面白み(愉快ではなくやりがい)も体感しやすいもので結果として強く印象に残ります。
農業:農作物や畜産での収穫+加工調理
漁業:宍道湖、中海、島根町など 獲ること+加工調理
林業:伐採+加工作業+展示販売
飲食店:調理補助+接客
観光宿泊業:企画作り+接客
医療:看護補助+患者対話(病院ではなく開業医)
その他諸々の事業(初期は介護は避けた方がいいと思います)
協力者:各事業者で自分の仕事に「誇りを持っている」人
・地域住民とのつながりの取組み例
困りごと相談の対応手伝い
協力者:恐らくこれを最初に読んでくださっている「市民生活相談課」の方々
協力者が自身の活動に「誇りを持っている」ことがこの企画の肝要です。そういう人の言葉は生徒にも必ず響きます。
それとその活動の一部を「生徒が体感」してみることです。(これらが前述の社会学習の地域体験授業との大きな違いです。)
ご意見に対する回答
若い世代の人口流出については、全国的な課題となっている中、本市では、市立学校において、児童・生徒の発達段階に応じて「ふるさと・キャリア教育」を展開し、地元への誇りと愛着の醸成に努めております。
市立小・中・義務教育学校においては、市内の企業・事業所で働く方々を講師として招き、仕事に対する熱意や誇り、自分の生き方や夢、本市で働く意義などについて語っていただく「まつえ『こども夢☆未来』塾」を開催しております。
また、市立中学校・義務教育学校後期課程では、各校が「職業調べ」「企業探検」「職場体験学習」「社員による講演」などを実施しております。
さらに、来年1月には松江商工会議所と市内企業60社の協力の下、中学2年生を対象とした職業体験イベントを開催し、市内企業の魅力を知る機会とする予定です。
加えて、松江市立皆美が丘女子高等学校においては、地域密着型の課題解決型学習「まつえ学」を必修科目としています。この「まつえ学」では、本市の観光、地域交通、子育て、防災など幅広い分野から課題を見つけ出し、企業、地域団体、行政機関などの協力を得ながら解決策を探究することで主体的に考える力を培うとともに、「ふるさと松江」に対する誇りと愛着を深めております。
今後も、市内企業をはじめとする皆様と連携して、こどもたちが地域と関わる学習活動の充実化を図ってまいります。
この記事に関するお問い合わせ先
市民部 市民生活相談課
電話:0852-55-5169(市民活動推進係)、0852-55-5677(伺います係)
ファックス:0852-55-5544
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更新日:2024年12月25日