国宝松江城よりも高いマンション建設について(受付日:2025年2月20日)

更新日:2025年05月08日

寄せられたご意見

国宝松江城よりも高いマンションが建てられようとしていると知りました。

松江には以前旅行で訪れ、由緒ある落ち着いた街並みに心洗われ、穏やかで素晴らしいと感じました。戦火を生き延びたそんな価値ある街を守ろうとしない意識の低さ、姿勢にがっかりしています。そこに住んで毎日目の当たりにしていると当たり前の風景になってしまうものですが、松江城と城下の街並み、それが織りなす美しい景観は、松江のみならず日本の宝です。

近代的なマンションは、長い目で見て価値があるものではないどころか、いずれそう遠くない将来に負債になることは明らかです。

歴史的な建築物と街並みは、単に古いものを維持すればいいというものではなく周囲の景観も維持されてこそ、その価値が増します。守れる価値は自治体としてしっかり守っていくべきではないでしょうか。

許可を出してしまったからには後から覆すのはなかなかに難しい問題だとは思いますし、在住者でもない者が口出しできる問題でもないかもしれませんが、一人の日本人として、長期的な視点と勇気を持って、松江市にとってのみならず日本にとっての真の価値は何か、今一度再考して頂けることを願ってやみません。

ご意見に対する回答

私たち松江市民は、本市を象徴する存在である松江城に対して、深い愛着と誇りを抱いており、先人の尽力により大切に守り受け継がれてきた「宝」を、将来にわたって継承しなければならないと考えております。

そのため、松江城の周辺地域には、都市計画法や松江市景観計画に基づき、歴史的な景観を保全・形成する地区計画を設け、建築物の高さを制限しておりますが、ご指摘いただいたマンションの計画地は、現行の松江市景観計画の対象となっておらず、その建設が容認されるため、従前の景観規制が十分でなかったものと省みております。

当該マンションは松江城天守を上回る高さであり、本市として「松江らしい景観」を保全する観点から望ましくないものと捉えており、令和6年3月に事業主である京阪電鉄不動産株式会社に対して計画の見直しを要望し、10月には親会社である京阪ホールディングス株式会社に対して同様に要望しましたが、先方は応じられないと回答されています。

本市は、市民の皆様が誇りと愛着を感じられる「松江らしい景観」を保全・創出するためには、現行の松江市景観計画の見直しが必要と考え、令和6年4月30 日に同計画における「眺望基準の見直し」と「松江城周辺の建物の景観基準の見直し」について松江市景観審議会に諮問し、同年5月22日より同審議会での審議を開始しております。

また、同年12月には、景観事前協議制度(注)の導入について条例改正を行い、令和7年1月より施行することで、大規模な建物などの建築にあたって、計画段階の早期から良好な景観形成に資する調整を図ることとしました。

本市では、今後も「松江らしい景観」を保全・創出すべく最大限努めてまいりますので、ご理解とご協力をいただきますようよろしくお願いいたします。

 

(注)景観事前協議制度

特定の区域において中高層建築物を建築する事業者に対して、景観にかかる事前協議を義務付けることで良好な景観形成を図る制度

この記事に関するお問い合わせ先

市民部 市民生活相談課
電話:0852-55-5169(市民活動推進係)、0852-55-5677(伺います係)
ファックス:0852-55-5544
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