令和3年度 体力・運動能力調査

更新日:2023年02月01日

目次

  1. 松江市教育委員会の基本的な考え方
  2. 公表に係る調査の概要
  3. 本市の体力の現状と対策(概要)
  4. 保護者・地域の皆さまへ
  5. 公表にあたって留意した事項
  6. 松江市全体および各校の調査結果

1.松江市教育委員会の基本的な考え方

全国学力・学習状況調査及び島根県学力調査については、平成26年度から市内全体の結果と各学校の結果(受検者数が10名以下の学校を除く)について、ホームページ上で公表しています。

言うまでもなく、学力には教科の力だけでなく体力や運動技能なども含まれることから、学力調査と同様に、全国的な値や島根県全体の値と比較ができる「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(対象:小学校及び義務教育学校5年生及び中学校2年生及び義務教育学校8年生)及び「島根県体力・運動能力等調査」(対象:全学年児童生徒)の結果についても、数値を添えて松江市全体と各学校の状況を公表することが適当であると考え、平成27年度から公表しています。

併せて、松江市教育委員会では今後取り組むべきこととして、次のことを考えています。

  • 結果分析をしっかり行い、今後の重点施策を明確にする。
  • 取組方針に基づき、学校では授業改善や授業力向上に一層努めるとともに、松江市教育委員会ではこれを積極的に支援する。
  • 意識・実態調査の結果(抜粋)も併せて公表することを通して、地域や保護者の方々には学校の実態を踏まえた上での協力と連携をお願いする。

2.公表に係る調査の概要

(1)令和3年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査

ア.調査の目的

  • 全国的な子どもの体力の状況を把握・分析することにより、子どもの体力の向上に係る施策の成果と課題を検証し、その改善を図る。

イ.調査の対象

  • 小学校及び義務教育学校第5学年、中学校第2学年及び義務教育学校第8学年の原則として全校児童生徒

ウ.調査の内容

  • 児童生徒に対する調査
    【実技8種目】握力、上体起こし、長座体前屈、反復横とび、50メートル走、立ち幅とび、ソフトボール投げ(中学校はハンドボール投げ)、20メートルシャトルラン(中学校は20メートルシャトルランまたは持久走<男子1500メートル・女子1000メートル>)を選択実施)
    【質問紙調査(運動習慣、生活習慣等)】
  • 学校及び教育委員会に対する調査
    【質問紙調査(子どもの体力向上に係る取組や施策等に関すること)】

エ.松江市の調査状況…松江市内全校で調査実施

  • 小学校32校及び義務教育学校2校5年生1512人(男子756人、女子756人)
  • 中学校15校2年生及び義務教育学校2校8年生1479人(男子736人、女子743人)

オ.調査実施日

令和3年4月から令和3年7月末までの期間で実施

(2)令和3年度島根県児童生徒の体力・運動能力等調査

ア.調査の目的

  • 公立小・中・高等学校の児童生徒を対象に新体力テストを実施することにより、児童生徒の体力・運動能力を明らかにするとともに、体育指導と行政上の基礎資料を得る。

イ.調査の対象

  • 小学校及び義務教育学校第1学年から第6学年及び中学校第1学年から第3学年及び義務教育学校第7学年から第9学年の児童生徒

ウ.調査の内容

  • 児童生徒に対する調査
    • 【実技8種目】…全国体力・運動能力、運動習慣等調査と同様
    • 【実態に関する調査(運動習慣、生活習慣等】

エ.松江市の調査状況…松江市内全校参加

小学校34校及び義務教育学校1校
  • 1年生1551人(男子819人、女子732人)
  • 2年生1548人(男子753人、女子795人)
  • 3年生1588人(男子818人、女子770人)
  • 4年生1475人(男子772人、女子703人)
  • 5年生1512人(男子756人、女子756人)
  • 6年生1462人(男子734人、女子728人)
中学校15校及び義務教育学校2校
  • 1年生【7年生】1473人(男子703人、女子770人)
  • 2年生【8年生】1479人(男子736人、女子743人)
  • 3年生【9年生】1383人(男子707人、女子676人)

オ.調査実施日

令和3年4月から令和3年6月までの期間で実施

(注釈)小学校及び義務教育学校5年生、中学校2年生及び義務教育学校8年生の実技(8種目)に関する測定値については、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」及び「島根県体力・運動能力等調査」のそれぞれに活用しています。

3.本市の体力の現状と対策(概要)

(1)現状

  • 全学年とも島根県平均との比較で表しています。
  • 小学校(義務教育学校)5年生及び中学校2年生(義務教育学校8年生)については、松江市全体の分析シートで全国平均との比較もしています。
  • 握力・反復横とび・50メートル走・ソフト(ハンド)ボール投げの4種目については、昭和60年当時のデータを併記しています。
令和3年度の体力・運動能力調査のグラフ

令和3年度体力・運動能力調査

概要

体力の概要
小学校
男子・女子共通
  • 50メートル走と立ち幅跳びは県平均とほぼ同じ状況です。
  • 20メートルシャトルランが県平均を下回っており、全身持久力に課題が見られます。
  • ソフトボール投げについて県平均との差が特に大きく、投力と巧緻性(注釈1)に大きな課題があります。体育授業を中心に学校生活全体で「投げる動き」(「投げる動き」につながる運動も含む)を経験する機会や場を増やし、楽しみながら投動作の獲得、洗練化を図っていく必要があります。また、「投げる動き」だけに捉われず、なわとびや固定遊具遊びなど、脳の神経系を刺激しながら行う運動も必要です。
中学校
男子
  • 長座体前屈、50メートル走、立ち幅跳びは県平均とほぼ同じ状況です。
  • 反復横とびは、県平均とほぼ同じ状況で、松江市の昭和60年(注釈2)の記録と比較しても向上しています。
  • 20メートルシャトルラン・持久走とハンドボール投げは県平均を下回っており、全身持久力と投力・巧緻性に課題があります。
女子
  • 長座体前屈は、県平均とほぼ同じ状況です。
  • 反復横とびは、県平均とほぼ同じ状況で、松江市の昭和60年の記録と比較しても向上しています。
  • ハンドボール投げにおいて1年生と3年生において県平均との差が大きく、昭和60年の記録と比較しても下回っており、投力・巧緻性が大きな課題といえます。
総括
  • 体力評価ではスピード(50メートル走)において県平均とほぼ同じ状況です。
  • 敏捷性(反復横とび)は、松江市の昭和60年の記録と比較して向上しています。
  • 運動能力評価では投球能力が、体力評価では巧緻性や全身持久力等に課題があります。
  • (注釈1)巧緻性…運動を調整する能力
  • (注釈2)昭和60年…体力が最も高かった年度

(2)意識・実態

意識・実態
小学校
  • 5年生では、「運動は大切」「体育の授業でたくさん動く」と回答した児童が男女とも90%を超えています。
  • 5年生では、「体育の授業で自分の動きの質の向上を実感」「体力・運動能力向上の目標」について、肯定的回答が全国と同水準、または下回っていることから「目標を明確にもった授業の充実」が課題といえます。
  • 睡眠時間が8時間未満の児童の割合は学年と共に上昇し、6年生では全体の20%を超えています。
中学校
  • 2年生では、「運動が好き」と回答した生徒は男子で90%、女子で80%に迫り、全国や県と同水準といえます。
  • 2年生では、「保健体育の授業で自分の動きの質の向上を実感」について、肯定的回答が全国や県の平均より低く、差も大きいことから「目標を明確にもった授業の充実」が課題といえます。
  • 男女とも、「睡眠時間が6時間未満」の割合が昨年度に比べて減少しています。

(3)対策

対策
共通
  • 各学校の実態に応じて体育・保健体育の授業における重点運動領域や重点単元を設定して、指導改善を図ります。
  • 「多様な楽しさを感じられる体育・保健体育授業(1)ゴールイメージ(注釈3)をもった授業の充実(2)運動量・質の確保(3)関わり合いの重視」を来年度の授業改善の重点とし、児童生徒が運動と「する、みる、支える、知る」といった多様な形で関わることをとおして「できる」「わかる」「かかわる」ことの楽しさや喜びを味わえる授業づくりに取り組みます。
  • 各校の実態に応じて、体力向上に係る学校や学年別の具体目標を設定したり、児童生徒に個別の目標設定を促したりすることで、自己の体力や運動への関心を高め、運動時間の増加や運動習慣の改善に努めます。
  • 授業時間以外の時間(休み時間や放課後)を活用した運動の機会づくりを各校で工夫し、児童生徒が自ら体力向上を図る取組を行います。
  • 体育・保健体育の授業だけではなく、他教科や運動会・体育祭などの学校行事、部活動等とも相互に関連させながら、学校教育活動全体で体力向上に取り組みます。
  • プロスポーツ選手やパラアスリートとの交流事業を推進し、児童生徒の運動やスポーツへの意欲や興味・関心を高めます。
小学校
  • 松江市が継続的に取り組んでいる「かしこい体(学習に向かうための力の基盤が整っている体)」づくりについて、小学校体育連盟との連携や保幼小連携を図りながら、各校の実態に応じて取組を推進します。
  • 地域スポーツ少年団や各種競技団体との連携を重視して、「小学生のスポーツ活動の手引き」に基づき、小学生のスポーツ活動が適切な形で推進されるよう働きかけます。
  • 本市スポーツ課と連携し、プロスポーツ選手や地元スポーツチームとの交流の場を積極的に提供することで、夢に向かって努力することの大切さを実感できるようにしたり、運動やスポーツに対する興味・関心を高めたりします。
中学校
  • 中学校体育連盟との連携した「松江市中学校部活動ガイドライン」に基づく部活動運営や、部活動指導員や部活動地域指導者の積極的な配置・活用をとおして、部活動の適切な形での推進、充実を図ります。
  • 本市スポーツ課と連携し、希望校において「あすチャレ!スクール」事業をとおして、パラアスリートと一緒にパラスポーツを体験したり講話を聞いたりする機会を設けます。

(注釈3)ゴールイメージ…1時間ごとの授業の中で自分のなりたい姿や単元の終盤でなっていたい姿

4.保護者・地域の皆さまへ

皆さまには、この度の公表内容に加え各学校から提供される情報(学校だよりやホームページ等)をご覧いただきますとともに、健康三原則「運動」「食事」「睡眠」を中心とした生活習慣や運動習慣の確立や望ましい在り方等について家庭が果たすべき役割もお考えいただきたいと思います。

小中学生の体力は、ピーク時であった昭和60(1985)年頃と比較すると低い状況が続いていると言われていますが、松江市でも同じ状況にあります。子どもたちの体力向上と健全な成長のために、教育委員会や学校としても一層努力してまいりますが、保護者の皆さまやご家庭の協力も不可欠であると考えています。今後とも互いに連携した取組を進めていきたいと思いますので、ご理解とご支援をいただきますよう、お願いいたします。

今回公表します調査結果は、学力(体力)の一部を表したものであり、学校教育の成果の全てではありませんが、第一義的にはこれまでの松江市の学校教育における松江市教育委員会の取組の結果であると受け止め、今後の対策や施策を講じる礎にしなければならないと考えています。ご意見やご要望等がありましたら、積極的にお寄せください。

なお、松江市教育委員会では、学力調査結果の状況についても公表しており別途掲載していますので、併せてご覧ください。

5.公表にあたって留意した事項

  • ア.個人が特定される恐れのある、学年別調査実施者数が男女いずれかにおいて10名以下の学年がある学校については非公表としています。但し、当該学校からの希望があれば公表します。
  • イ.公表の影響等については、学力調査結果の公表と同様に、実施後3から5年を目途に教育委員会において検証等を行います。

6.松江市全体および各校の調査結果

松江市全体の調査結果

学校別調査結果

松江市が進めている、小中一貫教育の校区ごとに学校別のシートを公開しています。「学園名」は中学校区を総称する「愛称名」として使用しています。非公開の学校についてはPDFの表示はついていません。

千鳥の杜学園

嵩の杜学園

まつえ天神川学園

津田古志原夢きぼう学園

まつえ湖南学園

湖東かんなび学園

本庄水辺の学園

  • 本庄中学校:体力・運動能力調査結果及び分析対策シート
  • 本庄小学校:体力・運動能力調査結果及び分析対策シート

湖北白鳥学園

鹿島ふれあい学園

しまね潮風学園

  • 島根中学校:体力・運動能力調査結果及び分析対策シート
  • 島根小学校:体力・運動能力調査結果及び分析対策シート

海と朝日の美保関学園

  • 美保関中学校:体力・運動能力調査結果及び分析対策シート
  • 美保関小学校:体力・運動能力調査結果及び分析対策シート

やくも意宇学園

玉湯学園

宍道みずうみ学園

八束学園

  • 義務教育学校八束学園(後期課程):体力・運動能力調査結果及び分析対策シート
  • 義務教育学校八束学園(前期課程):体力・運動能力調査結果及び分析対策シート

(注意)平成30年度より、義務教育学校八束学園に移行しました。

ほっとハート東出雲学園

レーダーチャートの見方

全国体力・運動能力、運動習慣調査のレーダーチャートの見方

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会 学校教育課
電話:0852-55-5417(学び推進係)
電話:0852-55-5428(保健体育係)
電話:0852-55-5416(学事係)
電話:0852-55-5078(ICT教育推進係)
電話:0852-55-5551(ICT教育整備係)
ファックス:0852-55-5251
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